« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2010年2月

2010年2月23日 (火)

万博に向けて市民啓蒙が進む上海

これまで何回かこのblogでも取り上げてきたが、上海にとって今年一番のイベントはやはり万博だ。何せラジオでも時間ごとに流れるアナウンスで「万博まで○○日」と毎日いうのだから、まさしく市を挙げてのイベントである。

■■■

北京オリンピックの時も同じような取り組みがあったのだが、今回の万博でも上海市は「市民のマナー向上」にかなり力をそそいでいる。これまでもいろんな取り組みがあったのだが、先月あたりから地下鉄内のテレビで「金玉良言」というタイトルで、様々なマナー向上のCMが流れ出した。例えば、

・街中でバスを待つ時にはちゃんと歩道で待ちましょう。
・エスカレーターは右側に立ち、左側は歩く人用です。
・電車にはあまり大きな荷物は持ち込まないようにしましょう。
・電車の中で物乞いをするのはやめましょう。
・電車の中で小さな広告(フライヤーみたいなもの)をばら撒くのはやめましょう。

といった感じだ。ちょっとしたドラマ仕立てになっていて、その後解説まで入るものだから、一生懸命みているとちょっと恥ずかしくなる(たぶん外人のほうがものめずらしさでしっかり見るような気がする・・・)。

■■■

こんな内容の啓蒙CMを流すということは、逆にいうと現状ではそれが出来ていないということも意味しているということでもある。ぱっと見の日本人からすると「こんなことも出来てないなんて、やっぱり中国はダメだな」という意見を持つかもしれない。

ただ、文化や慣習というのは一人で行動をしても変化はおこらないので、強制的な方法でしか変更が出来ないということを考えれば、こういう取り組みもけっして悪くはない。やって損はないのだし、恥ずかしがっているよりもまず行動というのはよいことだ。
(ちょっとマジメに考えると・・・・簡単なゲーム理論を考えるだけでも、行動規範や文化は複数均衡点があるので、外からのルールの変更などをしない限り、内発的な均衡点移動は起こる確率がすごい低いはず・・・)

ただ実際に万博期間中にどれくらい効果があるかというとかなり疑問。こういう取り組みは大体において外国人に向けてのイメージUPのために行われるのだが、万博期間中はそれこそ上海以外からもたくさんの人が来ることが想定されている。

この上海以外から来る人たち、お世辞にもマナーがいいとはいえない人たちも多いし、例えば「地下鉄に初めて乗る人たち」もたくさんいる。チケットを買おうという努力をしてくれるならまだしも、ゲートを潜り抜けていく・飛び越えていく人たちもたくさんいるので、本当はそういうところもしっかり抑えなければならないのだ(が、人が多すぎてそんなことは現実的ではない)。

ということで、結論としては万博期間中に狙ったような効果はあまり出ないが、終わった頃には街が綺麗になっている。。というのが、一連の取り組みで僕が期待していることである。。。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月21日 (日)

ちょっとだけ盛り上げるバンクーバーオリンピック

日本ではメダルの獲得とか、服装がなってないとかそんな感じで盛り上がっているらしいバンクーバーオリンピックですが、中国でも「メダルをとる種目」に関してはそれなりにニュースで取り上げられています。

■■■

まずは日本のNumberでも取り上げられていた、カーリング。たぶんこの競技を今回のオリンピックで初めて見た人も多いと思うのだけど、優勝候補ということで連日ニュースでとりあげられています。ちなみにカーリングの中国語訳は「冰壶」。字の意味がわかればなんとなく雰囲気がわかりますが、何もこんな言葉にしなくても・・という気もします。

ちなみに日本でも人気の本橋麻里選手ですが、中国の百度百科(wikipediaみたいなもの)をみるとしっかり記事があります!

本桥麻理_百度百科

除了冰壶运动,本桥麻里还拍摄写真、出席商业活动,为自己赚人气。本桥麻里被誉为日本冰壶界“第一美女”。

(概訳)カーリング活動のほかにも、人気獲得のために写真撮影やビジネスを行っている。彼女は日本カーリング界で「最も美しい女性」であると言われている。

なんというか多少の誤解があるようですが、世界中の美女のことならおそらく情報が一番早いであろう中国のこと、とても一選手の紹介とは思えない量の情報があります。日本のwikipediaを訳しただけかもしれない・・と思って確認したのですが、日本より詳しい部分もあります・・・。

■■■

今回のオリンピック、中国での前半戦最大の見せ場はやはりフィギアスケートペアの金メダルでしょう。一度引退したベテランカップルが復活し、優勝・・というストーリーは、感動好き(では日本に負けない)の中国人としても大いに盛り上がりました。

国策で強化・・といわれている中国のスポーツですが、こういうカムバックのストーリーもあるのだ・・・ということをちょっとは世界に発信できたのは、個人的にはよいことだなと思っています。

上海でどのくらいスケート場があるのか知らなかったので、ちょっと調べてみたところなんと18会場もあることがわかりました(by 大众点评网)。中国ではバスケットボールやサッカーのように、一般の人がやるようなスポーツではないと思いますが(日本のようにデートコースになったりするのだろうか・・・)韓国や日本が活躍していることを考えると、間違いなく中国でもブームが来ると思います。今度、見に行ってみようかな・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

少しずつ春の匂いがする上海

春節もあけて二日目の日曜日。
一応法定上は仕事があることになっているのですが、田舎から人が帰ってこなかったり外資系はまだ休みだったりでそれほど街が動いているという感じもしない。

昨日はかなり暖かくて、少しずつ春が来ていることを感じさせてくれるような天気だった(でも一瞬で夏になってしまうのだけど)。

そういえば万博開幕まで残り70日となりました。今年の夏は人が多くてイヤだな~・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月19日 (金)

旧正月も本日でおしまい。

本日で中国の旧正月もおしまい。明日は本来なら土曜日だけど、中国では長休みの場合前後の土日を休みしなくなるという対応をするので、明日より一般企業はスタートします。

今回の春節、ほとんど家にいてゲームをしたり勉強したりしていたんだけど、さすがに一週間も家にいると飽きる。旅行に行くには値段が高いし、外は寒いし、人は多いしで家にいることを「積極的に」選んだのだけど、それでも一週間は長いなあ。本も買いにいけないし。

明日は理由があってお休みをとっているのだけど、この怠惰な生活に慣れきってしまった体がちゃんと動くかちょっと不安。というか、朝起きれるかが不安。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本航空(JAL)の株価が1円で上場廃止・・・。

本日で日本航空(JAL)が上場廃止になった。最後の株価は1円。需給によって決まる株価ななのでもはや意味はないだろうけど、それでも1円っていうのはちょっとさびしい数字だ。

■■■

こんなにも大きい会社が一瞬でつぶれるわけはないので、JALの歴代社長のうちおそらく数代前からは「いつかはこういう日が来る」ということを感じていたのではないかと思う(もちろん違う形での再スタートも含む)。

JALのような会社では、経営陣は全て生え抜きである。新しく社長になった稲盛さんは例外中の例外で、実質的に最後の社長になった西松さんという方も、もちろん生え抜きだ。どのくらいの野望があって社長までいたったかはわからないけれど、自分の一生を刻んだ会社で、少しずつ地位が上に上がっていくにつれて破綻への道筋が見えてくるというのはどれほどのことなのだろう。上昇して行くつれてほころびが見えてきて、しかもそれが過去長年の蓄積であり、もはや自分ではどうしようもないという時に、人はどういうことを思うのだろうか。
僕のように既に一度会社を出てしまった人間にはよくわからないけど、想像すると、なんだかちょっと悲しい。

■■■

このエントリを見て、前社長の名前がまだHPに載っているかなと思って、日本航空の役員一覧を見たときに、思わずぎょっとした。新任が含まれているとはいえ、あまりにも執行役員の数が多い。確かに業務も広大だし、子会社も多いから責任者がたくさんいるのはわかるが、これでは執行役員会での議論など不可能だろう。
組織は上から腐る・・・の一端を見るような気がする。こういった統治機構に手をだすことは生え抜きではとても難しかったんだろうな、とも想像。

ただ同じHPを見て『ああ、組織はまだ死んではいないんだな』とも感じた。それは、支援機構のリリースを見ればわかる。 ”JALは、飛び続けます。”これを作ったのは広報部なのか、経営企画なのか、それとも代理店なのかわからないが、書体の選択・文字の大きさ・キャッチコピーともにちゃんと検討したということがはっきりとわかる。「JALは」の後の
「、」をおくか、おかないかで議論をしている姿がなんとなく想像できそうだ。
こういうところに気を配れる人間がいる組織は、まだ大丈夫。もちろんそれが大勢でなければならないのだけど。

■■■

航空会社の破綻はアメリカでは日常茶飯事のように起こるけど、日本では滅多にないこと(というか航空会社がそもそもそんなにない)なので、今回のプロセスはぜひどこかのConsulting Firmか経営大学院あたりが調査をしてくれないだろうか。きっと(普通に考えれば)民営化を進めていかなければならない日本に、いろいろな知見を与えてくれるだろう。

そういえばBoston Consulting Groupの現在に日本代表である御立さんは日本航空の出身である。もちろん彼が何かしらのコメントをすることはないだろうけど、今回の顛末に対してどんなことを思ったのかを想像するのは、ちょっと楽しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

楽天と新卒採用広告市場

全然中国と関係ない話だけど、NIKKEIを見ていたらとちょっと気になる記事があったので。

11年春入社の新卒採用、削減と増加の二極化?民間調査(NIKKEI NET)

記事自体はよくある内容で取り立てて驚くほどことではないのだけど、調査主体が楽天リサーチであることにちょっと驚き。こういうのって大体新卒採用広告をやっている企業が調べるものだったので(前職がまさしくそう)。

楽天リサーチのページを見ると2,009年から自主調査ということで、調査を行っているみたい。気づいてみると実は楽天はみんなの就職活動日記(いわゆる『みん就』)を持っているから、新卒採用市場に縁がないわけではないのだが、でも楽天リサーチが調査をする意味ってあんまりないのではないか・・・と思う。

■■■

ここで勝手な想像なんだけど、もしかしたら楽天は新卒採用広告市場を狙っているような気がする。ここ二・三年は不景気なのでなかなかマーケットとしては大きくないマーケットだが、それでも数100億円以上はあるマーケットである。

新卒採用市場にかかわらず、人材広告においては二つの面展開がかかせない。採用を行う企業側と、求人ニーズを欲しがる学生側の両面を抑える必要がある。どちらが難しいかというと、インターネットになってからは圧倒的に「学生側」。とにかく一生がかかる選択なので、学生は貪欲に情報を求めるし、採用サイトが乱立する中で新しくマーケットに入っていくのは用意ではない。でも、楽天はすでにそのためのプラットフォームを持っている。

企業側はどうか?楽天はすでに3万店以上の加盟店を押さえており、営業部隊を一から作る必要がない。採用広告に必要な大手クライアントはまだまだ関係が薄いかもしれないが、学生側を抑えていれば営業活動はそれほど難しくないだろう。

加えて、楽天には前職の人間がものすごく多い。僕の知っているだけでも何人もが楽天に在籍している。彼らからすればマッチングビジネスはお手の物。今年は無理にしても、その気になれば来年には採用関連のビジネスを本格的に立ち上げるだろう。たぶんこれまでとはちょっと違う方法をとると思うけど。

■■■

さらに妄想が膨らむと、楽天は近いうちに本気で「海外から学生を呼ぶ」ビジネスをはじめるかもしれない。彼らが2,011年入社から一定数の外国人(主にアジアから)を採用する方針であると以前聞いたことがある。

これだけの就職氷河期であるにもかかわらず、やっぱり人が足りないところは足りない。それはキャリア志向になった日本人学生には見向かれない職種であり、あるいは既にいる一定数の外国人をマネジメントする職種(コンビニなど)だったり、本気で海外を狙う企業だったりする。

ビザの問題や国内労働環境など越えなければならない壁はたくさんあるけど、三木谷さんならなんとくうまく立ち回って市場を立ち上げてしまうような気がする。

ま、たった一つの記事から作り上げた妄想なんだけど、このごろ自分の中で楽天がMyブームだったので・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月17日 (水)

[書評] ipad がものすごく欲しいので読み返してみた -スティーブ・ジョブズの流儀-

つい先日発表されたipadは久しぶりに心の底から「欲しい!」と思わせるモノだった。何に使うかかおいておいたとしても。マルチタスクが出来ないので、ビジネスユースにはまだまだ向かないとは思うのだが、Wi-FIが標準装備であれば、ファイルのやり取りなんかも簡単に出来るのでデザインミーティングなんかにはぴったり。本当は、

A:「ほらこんなデザイン、どう?」と言いながらpad上でファイルをスライドさせると、ファイルが他のpadに移る。 →
B:「うん、ここは○○のほうがいいかな」といいながら受け取ったファイルをそのまま編集。

みたいな使い方が出来たら、サイコーなんだろうけど、そういう使い方をするのはまだまだ先になりそう(ファイルの所属やら関係付けがすごく大変になりそうだな)。でも、とりあえず最初のversionはともかく、ビジネスユース向けのアプリが開発されればプレゼンテーションの形などは大きく変わる。このごろ、デザイナーのところによくいるせいもあるけれど、やっぱり広告やるならMACは欲しいな・・・。

 と物欲が出たはいい現状ではなかなか購入もできないので、久しぶりに今日紹介するスティーブ・ジョブズの流儀 を読み返してみた。

スティーブジョブズの流儀

奥付を見ると2008年の本なので、もう1年半も前の本なのだが、これがちっとも古い感じがしない。基本的にはAppleが出来てからiphone発売までの話なのだから、その後は大きなTOPICがないので当たり前といえば当たり前(大きなTOPICはipadの発売ぐらい)。


この本を読むと、appleが -というよりジョブズが- ipodを作った理由、iphoneを作った理由、そしてipadを作る理由(Apple TVなんてのもあったな・・・)が良くわかる。

昔からPCを利用している人にとってはAppleというのはPCの会社だった。Macintoshというおしゃれだが使い方がよくわからないPCを作成する会社だったのだ。だから、ipodを発売したりituneを作ったりする意味がよくわからない、と思う人が多かったと思う(僕もその一人)。ちなみにMicroSoftがXBOXを作った時には、ああやっぱりと思ったから、これは会社の違いなんだろうか。

だけど、この本を読むと少なくとも僕が持っていたAppleのイメージが本当は僕の頭の中にだけにしかなかったということがよくわかる。本当の天才・・・というやつがどんなことを考えているか、なんて所詮よくわからないのだ、ということが良くわかる。

今だったら例えば「楽天」はどうだろう?楽天は最初「世界一のインターネットの会社になる」ということを目標に掲げたという。個人的には今でも「世界一」の「インターネット」の会社って何?とは思うのだが、当初の楽天市場だけの会社ではもはやない。だけど「楽天市場」しかなかった時に、楽天が今の形になるなんて外から見ていた人にはきっとわからなかったんじゃないかと思うのだ。だから、本当に何かを「作る人」の頭の中・・というのはなかなか傍目にはわからないのでは・・というのが、なんとなくこの本を読むとわかる。

もう一つ、この本の特徴として「本人の言葉」がほとんどない・・ということがあげられる。「スティーブは私にこういいました」「スティーブはこう思われている」「スティーブは○○という形で影響力を与えた」みたいな書き方はあるけど、本人の言葉はほとんど出てこない(出てくるのはほとんど全て他の媒体から拾ってきた言葉だ)。だから、さっき書いたことと矛盾するようだけどジョブズが何を考えているかは「本当はわからない」。

あくまで本書でわかるのは、彼が周りの人にどう思われていて、何をしてきたのか(あるいはしてこなかったのか)と、それを周りの人間がどう解釈をしてきたか・・だけだ。でも、歴史を書くと(もうAppleは十分歴史になった)いうことはそういうことなんじゃないかと思う。それがもし偉大な何かだとすると、それに近づくのは本人の言葉を拾い集めることではなくて、その事跡と周囲の評価を集めることが、近づくための方法なんじゃないか、と感じる。

個人的にはAppleを追い出した時のこと、PIXERをなぜ買収したのか、そしてNETで有名になったStanfordの卒業式でのspeechなどについて読んでみたいのだけど、それはいつか出るであろう自伝を待たなければならないだろうね。

でも、本書を読めば「何をなし」「どのような人間」であるかというのは外から十分にわかる。多くの人にとってはそれで十分だと思う。
だって、彼だけでなくおよそ偉大な何かをする人って言うのは、近くにいるというだけで決断をするだけで十分なリスクを負うことになるのだから。そんな覚悟なしで体験だけできるなんて、なんてお得な本。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月13日 (土)

本日こそ本当に大晦日

昨日は軽くフライングをしたものの、本日こそが本当の大晦日。花火も絶好調で上がっています。

旧暦というのは毎年必ず同じ日に同じことをするわけではないので(というかカレンダーは陽暦なので)、何か不思議な感じがします。例えば、昨年の新年は1月27日で、今年は2月14日・・・。だいたい陽暦で3週間ぐらいの差があるわけですが、そんなのあまり気にしてはいけないのかな・・・。なんだか1年がちょっと長いだけで随分疲れた感じがするのですが。

友人たちともだいたい田舎に帰るか、日本に帰っているので、昨年に続き今年も一人で大晦日を迎えます。本当は外に遊びにいってもいいんだけど、どうせタクシーもつかまらないし、長い時間寒い中でいるんだったら・・・という気になって、結局は家で花火を見るって選択になりました。車を買うまではこの生活は変わりませんね。

花火もこれから1時間はまるで嵐のような音とともに空を照らします。牛年も残り1時間!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今後10年間でマーケティングの世界で必要になりそうなこと(妄想)

まだ頭の中でよく考えをまとめきっていないし、Flashアイデアでしかないのだけど、なんとなく昨年一年間を通じて考えていたことを、メモ代わりに記録しておこうかな・・と。

■■■

中国で日系企業と働いていて一番多い案件は、日本の製品やサービスを中国で広めたいのでWEBを作成してください、という依頼だ。対象は会社そのものである時もあるし、単体の商品であることもある。
海外事業を行おうというぐらいだから、それなりにマーケットリサーチも行っているし、やりたいこともなんとなくはわかるのだけれど、じゃあすんなりプロジェクトが進むかというとそんなこともない。

プロジェクトを進めていく時に最も困るのが、商品とかサービスとかあるいは会社自体が、これまでの環境やターゲット -端的にいって日本人-にフォーカスされていることが明確になった時だ。広告やビジュアルをいくらいじっても「モノ」そのものがもつ方向性やメッセージングを変えるのは容易ではない。無理やり作成をしたとしても、何かしら「嘘」が混じったものになってしまう。

■■■

広告や狭い意味でのマーケティングの基本は「誰に」「何を」「どのように」伝えるかだ。そして伝えなければならない「モノ」が既に決定している場合には「誰に」「何を」「どのように」の半分は既に決定してしまっているといっていい。どんなに優れたマーケターでも、携帯電話が使えない星ではiPhoneを売ることができないだろう。

つまり、これまでの仕事で僕が直面していた問題は「日本側での設計・商品プランニング」と「中国側での広告販売プランニング」の差異をどのように埋めるのか?という問題であると言い換えることが出来る。我々から見たら顧客(クライアント)は一つの会社である。なのに、部署や国が異なると考えていることが異なってしまうのだ。


■■■

広告やマーケティングは広い意味で communication と捉えることができる。企業は様々なtouch point(最も強いものは商品そのものである)を利用して消費者とcommunicationを行っているのだ。このとき、商品と広告の方向性が異なっていたら、いったいどうなるのだろうか?消費者から見たら支離滅裂になってしまいはしないだろうか?

この一年制作(Production)の現場で働いていて、このcommunicationにおける企業側の齟齬というものを強く感じるようになってきた。どのような戦略も最終的には「商品」「CM」「広告」「営業販促物」などの「モノ」や、「sales talking」といった「コト」におとしこまれる。だとしたら、本当に重要なのは戦略だけではなく、それがいかに末端の「コト」「モノ」で実現されるか、ではないだろうか?

■■■

もちろんこんなことを考えているのは僕だけではないし、何も新しい考え方ではない。でも「誰に」「何を」「どのように」伝えるかをもう一度考えた時に、今後10年「何を」が最も重要になってくるのではないか・・とこのごろ強く思うようになった。多様化、国際化した世界では「誰に」を切り取るのは容易ではない。また、インターネットのおかげで今や「どのように」の変数は複雑さを増すばかりである。もはや企業も人も communication を完全にコントロールすることは出来ない。

だとしたら、せめて自分たちが伝えたい「何」を磨くことは出来ないだろうか?そしてそれはある単体のCMや表現ではなく、組織全体を貫く一つの(あるいは少数の複数の)messageでなければならないように思う。商品部門と営業部門の差、日本と海外の差をどう埋めるのではなく、一つのmessageをどのように表現するか、を考えなければならないのだ。

■■■

企業においてはこのmessageをビジョンとよぶところもあると思う。だが、僕の考えているのはもう少し下流の話だ。例えば販促資料、あるいはsales talking、あるいは店頭装飾など最終的な「コト」「モノ」に落ちる瞬間、その瞬間の底に流れる一つの串こそ僕の考えるmessageである。

これまでマーケティングの世界は市場をどう捉えるかが最も重要だった。今後10年間、あるいはそれ以降の期間においてマーケティングにおいて最も重要なのは、自分とその有機体が発するmessageであると思う。そして広告会社とは違ったアプローチからそれを支援する方法は必ずある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月12日 (金)

2009年もようやくおしまい。

牛年もつつがなく終わり明日からは寅年が始まります・・・という感じで、今年も無事に(中国的)大晦日を迎えることが出来ました。今年も例年と同じく二週間前ぐらいから人の流れが激しくなり、昨日からは工事も止まり、すっかり街はお正月モード(工事で働いている人はほとんどが地方から出てくる人なので、この時期は動きが止まってしまうのです)。

振り返ってみると、2009年の年頭にはこんなことをブログで書いていました。う~ん今となっては振り返るのもやめておきたいような目標を掲げていますね・・・。まあ一年というのはそれだけ色々なものごとを変えていくぐらいパワーがあるということなんでしょう(という形で仕事の振り返りはオシマイ)。現実は厳しいな・・という感じです。

一方、2,009年も後半に入ると、いろいろな方にお会いすることが出来て、個人としてはとても有意義な一年でした。何よりも、お話をする中で自分のできること、好きなことが少しずつ形になってくるのが自覚できる一年でした。そんな驚きを与えてくれる皆様にはささやかではありますが御礼申し上げます。

寅年の目標については昨年にならって明日書くということにして、とりあえず本日は一年を無事に終えられたことを自分にほめてあげようかな、と思います。っていうか、体が中国モードになっちゃってもうすっかり正月休みの気分なんですよ。。。。

(追記)
と思ってたら、一日間違ってた~!いやーはずかしい・・・。
正しくは大晦日は明日でした!そうか、今年は土曜日で休みだから勘違いしてたんだな~・・・。恥ずかしい・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月 2日 (火)

ネットワーキング的な働き方

今の会社で働き始めてから、好むと好まざるとにかかわらず社外の人と働く機会が圧倒的に増えている。もちろん社内リソースが少ないから、とか専門分野以外のお話もいろいろといただくから・・というのが理由なのだが、個人的には大きい会社(例えば前職)で社内でいろいろ決まっている・・という状況よりもずっと楽しんで働けている。

以前NB Onlineに掲載されたいたGE Japanの藤森さんの連載で「21世紀はパーソナルネットワーキング」の時代になると書いてあって、大企業でもそういう要素が増えているのかな・・・と感じたのだが、中小だとそういう個人対個人というのがビビットに影響してくるのだ。

特に異国の地ではどうしてもお互いのことを知る密度は日本にいる時よりも圧倒的に多いので、やっぱり人に裏切らないと思われている・・とか、つい声をかけてもらえるというのはすごい大切。いつ・どこで・どんな仕事をしていても声をフラッとかけられるような人間でありたいし、声をかけられた時には出来る限り答えられるようにしたい、と前よりも強く思うようになった(逆にそうではない人に対しては、以前よりも割り切ることが出来るようになったようにも思う)。
このブログを断続的にでも続けているのは僕の名前で検索してくれる人が連絡をしてくれるのを期待しているのもある。。。

ちなみに対中国企業との取引でも、会社対会社の取引ということで期待はあまりしてはいけなくて、誰と仕事をするかが大切・・・・というのは変わらない。個人によりフォーカスした社会であるからこそ、結局は最後は個人の力量と信頼がモノをいうのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【書評】最後の授業 -生きることを欲する僕が、昔死ぬと思っていた年齢になって-

高校生のころ、僕の寿命はたぶん30歳ぐらいで終わるんじゃないかと思っていた。
というか、そうなることを願っていた。

それ以上長く生きていても何か面白いこともないだろうし、普通の人生を歩むだろうコトの退屈さに耐えられそうにもなかったし、何よりそのときもあまり生きていることが楽しくなかったから。

そして、30歳になる今年。僕はまだまだ生きていたいと思っている。まだまだ面白いことがこの世界には眠っているような気がする。何より、どれほど大変なことがあっても、それでも生きていることは素敵なことだと思えるようになっているから。

今日読んだ最後の授業 ぼくの命があるうちには米国カーネギーメロン大学のバーチャルリアリティ専攻のとある教授が、すい臓がんにおかされ余命半年を切った頃に大学で行った『最後の授業』をもとに書き起こされたものだ。

Amazonを見ると初版が2008年9月。たぶん僕が購入したのが昨年の9月ぐらいだから、ネットでの話題からはすっかり遅れていることになる。さらに、読むことの遅さといったら。

最後の授業
中国にいるとなかなか日本の本を、日本にいる時のようには購入することが出来ない。だから、どうしても一冊一冊を丁寧に・・というか、読み始めるのが遅くなってしまう。もっとはっきり言ってしまうと読み始めるのが怖いのだ。手元に「未読」の本が一冊もないなんてこと、人生で一度もないしそんなことがあると考えるだけで恐ろしくなる。

閑話休題。

彼の最後の授業のテーマは「子供のころからの夢を本当に実現するために」。でも、本当のテーマは違う。彼は「自分の子供のころから」を語ることによって、自分の子供達にメッセージを残すのだ。彼の視線の中にはいつも自分の妻と子供がある。

著者はまだ学生だったころには「とてもイヤな」やつだったという。本書の中ではそれがどのように変化していったのか、どのような影響のもとで変わっていったのかが描かれている。それはそれで一つの彼のストーリーではあるのだけれど、読んでいる僕の頭の中にはまったく別の疑問が浮かんでいたのだ。
「もし学生の時に彼が癌になったら、彼は何を思うのだろう?」

そんなの彼にもわからないし、考える意味もないと人はいうかもしれない。でも、僕には意味のある問いかけなのだ。僕にはまだ妻も子供もいないのだから。
まだもたない僕ですら生を愛しく思えるようになったのだから、持ったとき、僕はどんな言葉を伝えられる人間なのだろうか?

10年後までこのBlogが続いていたら、きっと笑って答えられる日がくるんじゃないかな、とちょっと自分に期待をしておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2月に花咲く時もある

一生懸命何かをした後には、ご褒美が待っている。2月にはそんなイメージがあります、あくまでも勝手な話ですが。

受験勉強が終わるのも、2月。
卒業論文も修士論文も、書き終わったのは、2月(まあこれは学校スケジュールからすると当たり前なんだけど)。そういえば今年はオリンピックも2月ですね。
そして、中国では2月には1年の終わりを迎えます。

がんばった人にも、そうでない人にも、良かったことがある人にも、悲しいことが折り重なった人にも、等しくこの季節はやってきて、新しい一年が始まります。
ムチャクチャ忙しかった2010年1月の種が少し刈り取れそうな、そんな予感がする2月。

(中国的には)新しい1年に何をするかを、自分自身にも期待です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年2月 1日 (月)

新しいPCを買いました(でも届くのは2月末)

今使っているPCは中国に来た時に購入してきた、PanasonicのLet's note CF-W5。前職で会社支給のPCがLet's noteで、自分の荒っぽい使いかたにもびくともしない頑丈さと、キーボードの押しやすさから気に入り、中国という(当時は過酷だと思っていた)環境でも大丈夫だろうと、プライベートで購入したものだ(ちなみにそれまではHPの安いものを使っていたが、全然ポンコツだった・・・)。

このLet's note、前職の時には家でのネットやメールぐらいしか使わなかったのでまったく問題なく稼動していたのだが、今の仕事になってからはプライベートと仕事が兼用になってしまったためよくおかしな挙動を示す。

まずメモリが足りないせいだが、エクスプローラーがよく落ちる。複数のブラウザを起動すると動きがカクカクしてしまうという現象が起こるため、画面チェックもままならない。また、メールも重いファイルをやりとりしているせいか、起動した時に必ず『応答しません』モードになってしまう(これはソフトのせいもあると思う)。HDDの容量も100Gもないので、画像ファイルやAIファイルを持ち歩いているとあっという間にいっぱいになってしまう。おまけに悪評たかいVistaということで、リセット文化も全開。

これまでは何とかだましだましやってきたのだが、本日UPDATEをしたところウンともスンとも言わなくなってしまった・・・。さすがにPCがないと仕事どころか絶海の孤島にいるのと同じ状態になるので、午前中いっぱい使って必死に直したのだが、さすがにもう寿命なのだろうと観念して、ついに新しいPCを購入することを決意した。

もうLet's note以外は無理・・というか、新しいものを試してつらいのは嫌だし、中国で買ってしまうとOSも言語も中国語になってしまうのもツラいということで、ネットでLet's noteの10年春モデルを購入。もちろんメモリは4Gに設定。

Windows7ということで非常にビビッているのだが(もう新しいOSは信じられない・・・)背に腹は変えられないということで、安くもない買い物を半日で決定してしまった。不思議なもので、購入前は値段にビビッていたのだが、いざ振込みを終了すると手元に届くのが待ち遠しい・・・。実家に届くのは再来週で、日本に帰国した時に手にする予定なのであと一ヶ月先なんだけど、今から手にするのが楽しみです(設定が面倒くさいのは考えないことにした・・・)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »