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2011年1月10日 (月)

【映画紹介】2010年の大作武狭映画 剣雨のご紹介!

今年は心の余裕も若干あるということで、中国の映画やドラマの紹介もしていきたい。何せDVDも格安で手に入るわけだし。

中国で映画といえばやはりカンフー。さすがにそればかりやっているわけではないが、やはりカンフー映画は質量ともに世界最高峰であり、後から後から名作が出てくる。ちなみにこれらの映画は中国では武狭映画と呼ばれている。武狭映画については明確な定義はないものの、個人的には以下のようなものが武狭映画であると思っている。

  ① カンフーを主体として「戦い」を見せることに主眼を置いた映画である。
      なのでストーリーはあってもいいが、別になくてもいい。
    ② 主人公側は少数精鋭であり、敵は大軍。ボスキャラはやたら強い。
       仲間はだいたい戦闘で少しずつ減っていく。たまに最後に主人公も死んでしまう。
    ③ 「そんな動きができるわけないだろう!」というようなワイヤーアクションは
       もちろん空を飛んだり、火を吐いたりしても許される。
    ④ 服装や武器は「格好いい」ことが優先される。時代考証はおまけ程度にある。
       (そして都合が悪い時は無視される)
    ⑤ 必ず一人は美人スター・アイドルがキャスティングされ、無駄に入浴シーンなどが
       ある。契約で縛られていたんじゃないかと心配になるぐらい、無駄な登場カットが
       頻発する。
    ⑥ 火を使うシーンが始まると突然夜になったりするが、気にしてはいけない。

基本的にはこういったおバカ映画なのだが、Lovers(中国名:十面埋伏)やらGreen Destiny(中国名:臥虎蔵龍)が世界中でヒットしたため映画の1ジャンルとしてしっかり認知された、はず。
僕は大学時代に体育会系で四年間少林寺拳法をやっていたため、こういう映画は死ぬほど好きである。とにかく中国の武狭映画は技の切れがハンパなく、動きの一つ一つが理にかなっていることが多い(もちろんワイヤーアクションを除く)。ぜひこの愛すべきおバカ映画たちを世界により広めたい。

ということで、今日のご紹介はあのジョン・ウーが総監督を務めたという剣雨(Reigns of Assassins)をご紹介する。

■ ストーリー概要 ■35da1d3b06922da915cecbc8
時は中国のどこかの時代。朝廷ではひそかに、800年前にカンフーの奥義を極めてなく なった達人のミイラを手に入れると神秘と奥義が手に入ると信じられていた。上半身と下半身に分かれた遺体を手に入れるべく、黒石と呼ばれる暗殺集団は一子相伝で厳重に管理を行っている寺を急襲する。
無事に遺体の半分を回収した暗殺集団だったが、主人公は突然遺体をもって集団を抜ける決意をする。主人公を追う黒石達。彼らが遺体を集める目的とは何なのか。そして残された遺体の半分はどこにあるのか・・・。主人公は無事に平穏な生活を手に入れることができるのか・・・?

これがストーリー概要である。ちなみに上記ストーリー導入は映画冒頭で文字で紹介されるので、中国語がわからないと何が何だかさっぱりわからない。まあ、わからなくても開始6分ぐらいでストーリーにはまったく関係ない敵が出てくるので、大丈夫という気もする。

■ 配役と見どころ ■

何といってもこの映画の見所は今や大御所となったジョン・ウー(中国名:吴宁森)が本格的な武狭映画を撮るということに尽きる。あの世界的監督がどんな映像を撮るのか!ということで広告宣伝もやっていたのだが、見てみるとジョン・ウーらしさはあまりない。
まず有名な鳩が飛ぶシーンはどこにもない(鳩のシーンはレッドクリフにはあった)。次に銃の両手撃ちがない(これは現代劇ではないのでしょうがない)。ただしそれに近いシーンはあるので、ファンならにやりとすることと思う。
それからジョン・ウーと言えばやたらめったら出てくるスローシーンだが、中国の9252ae7efe147b7f0dd7da78映画はとにかくスローが大好きなので、これも特に大きな特徴とは言えない。今作はmakingで自分でもいっていたのだが、とにかく気楽に武狭映画を作りたかったということだと思う。

主役はミシェル・ヨー(中国名:杨紫琼)。グリーンディスティニーにも出ていたアクション俳 優である。結構年齢を重ねているので目を見張るほど美人というわけではないが、動きの切れは素晴らしい。

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アイドル役は大S(中国名:徐熙媛)。アイドルと呼べるほどの年齢でもうないのだが、可愛らしさ全開でちょっと頭のイカレた女性殺し屋役を一生懸命演じている。アクションの切れはあまりないが、そこはCGとワイヤーの頑張りでカバーしてい る(個人的には今まではただのケバい元アイドルとしか思ってなかったのだが、この映画を見て見直しました)。

主役のお相手は郑宇成。韓国人俳優とのことだが、全然知らないので、あまりご紹介できることがない。

敵の大ボス役にはワン・シュエチー(中国名:王学圻)。このD019d2bf666f0b4318d81f1c人は中国映画では大物で、大 作ではかなりの割合でみることができる。古いところだとヘブン・アンド・アース(中国名:天地英雄)の敵役をやっていた・・役者さんだといえばわかるだろうか。堅い役をやりながらもちょっとコミカルな味わいを出せる貴重な役者さんだと思う。

見どころは「カンフーでお願いします」としか言えないのだが、主人公の剣技として「曲がる剣」が使われているので、それを利用した殺陣はかなり面白い。剣を使うと動きが直線的になってしまうところを、あの剣を使うことで円の動きを取り入れている。

またこれは中国拳法をやったことがある人しかわからないのだが、中国拳法の『型』に対するこだわりも、かなり惹かれた部分だった。現代格闘技ではほとんど役に立たない中国拳法だが、あの時代の闘い方では十分価値があると同時に、どうして現代では役に立たないか・・ということが見ていてわかるようになっている。あくまで中国拳法をやったことがある人にしかわからないが難点だが・・。


・・・・と、ここまで書いてきたのだが、この映画の面白みは想像の斜め上をいくバカストーリー展開にある。(ネタばれになるのでかけないが・・)中国についてちょっとは知識がないとこのストーリーの意味がわからないが残念だが(それゆえに世界公開しなかったのだろうが)、ぜひこの馬鹿さ加減を味わってほしいと思う。さらに中国語がわかれば馬鹿場面での会話を何倍も楽しめる。
ただこの展開のおかげで、キャラクターの設定がかっちりはまるようになっているので、裏を返せば最初から貼られている伏線が回収されているともいえる。さすがジョン・ウー、バカを馬鹿では終わらせない。

武狭映画としては平均的な映画だが、中国風両手撃ちと大Sのお尻を見たい人にはお薦めの一本である。
(※文中の写真はすべて百度百科のものを利用しています)

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