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2011年11月

2011年11月27日 (日)

第16週目終了! -テストも終わってしばし黙考中 -

今週は一週間、本当に月曜日から金曜日まできっちり入っている一週間だった。前半戦後半戦と二回に分けて大体の内容は既に書いてあるのでここでは繰り返さないが、なかなか体力的には厳しい一週間だった。それなりにstudy weekで準備をしていてもやはりテスト前日は一通り見直したいと思うわけで、そうすると結局ベッドに入るのは3時とか4時になってしまう。
テストは大体3時間で体力的に結構消耗するのと、なぜかこのクソ寒い時期にもかかわらず教室の冷房が付いており、しかもその風が直撃する席に三回も当たってしまったためすっかり体調を崩してしまった。もう授業もほとんどないので、来週はゆっくり体を休めたい(この土日もとある活動をしていたので休めなかったし・・活動内容は後ほど)。


■ テストは何のためにある? ■

テスト期間中に随分と哲学的なことを考えているな・・・と我ながら呆れてしまうのだが、ずっと考えていたのが「いったいMBAのテストというのは何のためにあるのだろう」ということだった。

前半戦の総括でも書いたのだが、現段階においてはschoolのテストは決して難しいものではない。そもそもこれまでは平均点が90点近くになってしまうことがザラで、そもそもテストの構成としていかがなものか、と感じているのが正直なところだ。テストというのはある程度平均点を低めに調整しないと、一つのケアレスミスで順位に大幅な変動が起きてしまうので、学生の能力が正確に反映されない。大学時代には、数学の教授が「だいたい平均点を70点ぐらいに設計できる教師がいい教師である」と断言していた※1。その観点からするとCEIBSの教授陣達は、経済学(Economics)と会計学(Accounting)以外は失格である。

確かにテストの点数が高ければ学生としては嬉しいのだが、Grading curveを採用している以上、点数の高い低いは本質的な問題ではない。点数が高くても平均点が高ければ順位は悪いので、大切なのは自分が全体の中でどの位置にいるかである。個人的には大学の定期テスト並みに難しくしてくれたほうが取り組みがいがあっていいのに・・と思ったりもする。


一方、この点数はschoolからの「基本的には落第させる気はない」というメッセージであるとも解釈できる。そもそもMBAというのは幅広い知識をしっかりと習得させて(将来的な)ビジネスリーダーとして送りだす・・というのが目的であるので、テストはいわば品質管理という意味合いが強い。順位をつけるため・・というよりは「最低限分かっていて欲しいことを分かっているか」を確認するためのテストということである。


■ MBAに何を求めるか? ■

すでに二年目に入っている方の話を聞いても、一部の業種(コンサル)を除けばほとんどMBAの成績と言うのは就職に役に立たない。正確にいえば「ものすごく高い点数を取ったからといって就職活動に有利になるわけではない」と言う意味においては役に立たない※2

そもそもインターンなどは早い人は入学前に決まっているわけであって、これはもう本当に「MBAに入ること」がシグナルになっているということであって、成績など全く考慮されていないということの証明である。


入学前からこういう話しはもちろん聞いていたのだが、やはり一学期を過ごしてみると改めてMBAでは何をするのか・・ということが大切であるという現実に気付く。もう少ししてみたらTerm1の振り返りを丁寧にやりたいと思っているのだが、確かに自分が想像していたよりも遥かに幅広く手を広げている気がするのも事実だ。

成績が良いに越したことはないし、何と言うかやはり「勉強」と名のつく場面では負けたくない・・というプライドもあるので(僕はこういう無駄なプライドは結構大切だと思ってるので、そういうのは大切にしたい。プライドというよりもアイデンティティとでもいおうか・・・)、これからも手を抜くということはないのだが、一方で入学前に宣言したこの目標は妥当であるか・・というのは結構この頃考えていること。


テストが終わったばかりとはいえ、ボ~ッとしてるとあっという間に次のTermは始まってしまうので、早めに次への準備というか心構えをしなきゃね。。と思うのであった。



※1・・・その教師は分散もほぼ自分の思い通りに操作できると言っていた。毎年の積み重ねがあって、ほぼ入学してくる学生の学力と言うのは変化しないとのことである。
※2・・・採用側はMBA卒業生としての知識・スキル、というかポテンシャルを評価して採用するので、本来やるべきことが出来ないのはマイナスになるし、そもそも入社しても期待値以下なわけで、やはりやるべき最低限はやっておかないと、それはマイナスだろう・・・・多分。

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2011年11月26日 (土)

後半戦も無事終了 -MBA学生も噂に踊らされます-

テスト期間の後半戦も無事に終了し、ようやくホッと一息つくことが出来た。前半戦とは異なり、木曜日は組織行動論(Organization Behavior)、金曜日はマーケティング(Marketing)とひたすら答えを書く・・というある意味定性的(学生陣からはその評価基準のわかりづらさから”主観的”と言われている)な科目である。

この二科目は定量的になかなか判断がつかないのでどうやって判断をするのであろうか・・と思っていたのだが、蓋を開けてみると両方ともしっかりとケーススタディであった。時間内にケースを読み込み(OBはそれに加えてビデオを見るという問題もあった)、理論に沿って答えをまとめるというものである。

入学したころにはケーススタディを読み込むのはかなり時間がかかったものだが、今ではかなりスピードが上がっているので十分時間内に読み終わり回答することができたのだが※1、これまで手をぬいてあまり読み込みをしてこなかった学生には結構しんどいテストであったような気がする。


出来栄え・・といえば、マーケティングに関してはこれまでの授業である程度教授の方向性をつかむことが出来ているので大はずしはしていないと思うものの、OBはこれまでの成績が悪すぎてさっぱり出来栄えが予想できない状況である。そもそも、これまでも別に手を抜いていたわけではなくて、結果的に死亡しているという状況なだけに、今回も全力で取り組んで討ち死にしている可能性は十分にある※2

とりあえずテスト終了後は右手が動かなくなるくらいたくさん書いたのは事実・・・ということは断言できる。


■ Life is not fair! ■

一部の友人たちは今回のテストがケースであったこと、特にMarketingは全部で20ページ近くあるケースをテスト時間中に読まなければならない・・ということに「non-nativeにとって不公平だ」というように文句を言っていた。面白いことにnon-nativeはそもそも日ごろから英語で苦しんでいるため、あまりそういう気にならないらしく、むしろnative側が「本来の能力以外で差が付くのは望ましくない」と主張していたので、なるほどそういう見方をするんだな~と思ったりもした。

個人的には確かに「本来確かめたい」能力以外のところで差が付いてしまうだろうとは思うのだが、じゃあこれ以外の方法があるのかと言えばあとはもう面接でもするぐらいしか思いつかないし、それはそれで今度は会話能力が試されるわけであまり差がない。そもそもschoolとしては英語のMBAと言いきっているわけだし。
ただ、ビデオ課題に関しては最初の部分で若干聞き取りづらくて、確かにここは不公平が発生するかもしれないとは思った。やはりnon-nativeだと流れに乗るまではどうしても聞き取れない部分がある(日ごろの会話でも脳内で補正しながら聞いているので)。


我々の学年では"Life is not fair"というのがやたらに流行っていて、一部の教授もよくその言葉を使うし、学生の間では一般的な感覚として受け入れられている言葉である。そもそもこれだけdiversityがあると"fair"の概念が違うので、どちらかと言うとunfairであるということを前提として生活せざるを得ない。

もちろんこれは積極的にunfairを認めるというわけではなくて、そもそもこれまでの環境も違えば年齢も違う、職業経験も違うということを受け入れた上で前向きに頑張ろうという意味が込められている※3。そういう意味で、語学もそのunfairの範疇にはいるだろうし、何と言うか「今更ガタガタ言っても仕方がない」ので、損を感じるなら自分で努力シナハレという性質のものだと思っている。


Term1の成績はExchangeの行き先に直結するのでこういった議論もおこるのだが、自分としては、特にマーケティングのテストは時間制限の中で答えをひねり出すというのが知的ゲームとして非常に楽しむことが出来た。


そういえば、テスト前日の夜中に学生間でまことしやかに「明日のテストでは○○のケースが出る」という噂が流れて、実際にその会社を調べている人間もチラホラいたのだが、実際のテスト内容は全く異なる業界・会社だった。MBAにもなってこういうデマが回って、また実際にそれを信じてしまう人間もいるのだから、やっぱりテストと言うのはどこにいっても変わらないものだな・・と改めて感じたのであった。




※1・・・入学したころには情けないことに4ページ/時間ほどしか読むことが出来ず、これは相当やばいかも知れん・・と思ったのだが、今ではだいたい15ページ/時間ぐらいまでスピードUPした。単語能力が上がったというのもあるが、どこを読まなければならないかというコツをつかんだのだと思う。
※2・・・こういうように全く学生側から採点基準の判断が出来ないのが、OBの授業が不評であることの要因の一つであると思う。OBという課目自体もまだ若い学生にはなじまないのかもしれないが、授業の運営もやはりもうちょっと改善することが出来るのではないだろうか。
※3・・・Accounting(会計学)など業務経験のあるなしでもろに不公平だし、他にもStatistics(統計学)なども大学で勉強したことがあるかどうかで差が付く。

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2011年11月23日 (水)

テストも前半戦終了。 -世界中どこでも試験は変わりません・・-

今週はTerm1のテスト週間ということで、月曜日から金曜日まで全て午前中はテストで埋まっている。とりあえず本日水曜日で、前半戦・・我々のいうところのTechnical termは終了。月曜日=会計学(accounting)、火曜日=統計学(statistics)、水曜日=経済学(Economics)と「答えが明確にある」課目かつ、技術的(主に数式のこと)なことを学ぶ必要があるということでTechinical termと呼んでいる。

よく中国人は数学が得意とか、欧米人はしっかり数学を勉強しているみたいな話を日本で聞くことがあるのだが、このschoolにいる限り全くそういうことはなくて、みなこの3つの課目に関してはビビりまくっていた。確かに会計とかは新しい概念なので、難しいと感じるのはわかるのだが、前も言ったように繰り返しアサインメントがあったので少なくとも合格するのは難しくないように思うのだが・・。


試験は大学時代を思い出す一科目三時間の結構長めのテスト。入試の時には一日二科目あったことを考えれば、一日一科目というのはそれほど体力的には厳しくないのだが、ここ数日上海は急激に冷え込んでおり、教室が寒いのはかなり辛い。ただテスト中のトイレ外出はOKなので、お腹が痛くなっても安心と言うのはありがたい(月曜日は部屋に暖房がついていると思ったら、全くついていなくてお腹が痛くなり相当辛かった)。

テストを受けていて驚くのは、試験中に饅頭やガムを食べだす学生がいること。一応規則では禁止されているはずなのだが、そういうことにはあまり頓着しないのだろうか・・・。文房具の貸し借りも普通に行われているし、何と言うか「規則は厳しくありますが、運用は緩いです」の中国流を見ている気がする。

ただしカンニングに関してはかなり厳しく、持ち込み可能な資料についてもテスト中にしっかり確認されている。これは卒業生のクオリティを保つという意味においてはむしろ当たり前。持ち込みに関しては「手書きのみ可」という課目があり、つまり誰かのをコピーするのは認めないけど、自分で努力したならばその努力を認めますよ・・・というメッセージである。


試験というのは本当に世界中どこでも変わらないものだな・・と思うのは、前日あたりになるとどこからともなくシケプリ(試験対策用プリント)が回ってくること。僕にとっての大学時の試験勉強と言うのは、もらったシケプリを自分のノートに写すということに全ての時間が注がれているほど膨大な量のシケプリがあったものだが(つまり、それだけ授業に出ていなかったということなのだが・・・)、こちらでは枚数制限があるため、ものすごく小さな字で詰め込まれたものが流通している。

僕はというと、覚えるためにはとにかく書かないといけないたちなので、自分で作ったシケプリの内容が間違っていないかどうかを確認する程度の利用度で、あまり有効活用しているとは言えない。思えば大学時代に比べれば、真面目になったものだ。自分で投資するというのはこういうところにも表れるのかもしれない。


■ 後半戦にむけて ■

木曜日はOrganization Behavior(組織行動論)、金曜日はMarketing(マーケティング)と、前半戦とうって代わり「正解がない」課目が続く。この二科目はこれまでもアサインメントがあったのだが、採点に合理的な基準が見られないと学生間では言われていたり(OB)、既にほとんど成績は決定していると教授が公言してしまっていたり(Marketing)とイマイチ学生間でもモチベーションがあがらない科目である。

友人の欧米系学生達などはすでに本日午前中のテストが終わった段階で「これからのテストは時間をかける必要がない」と言いきって、昼間からビールを飲んでいる人間もいた。さすがに中国系の学生は真面目に勉強していたが、それでも昼食はゆっくり外で食べるというように、ややゆったりとした時間が流れている。


かくいう僕はというと、これまでのOBの成績が非常に悪く(現在ボトム20%以内にいると思われる)次のテストは気合いを入れて臨まなければならない状況に追い込まれているため、ごく少数の「前日以外にもOBを勉強している学生」の一人となっている。ちなみにOBに関しては、日本人同級生の成績もはかばかしくなく、ついでに言えば知っている限り昨年の日本人学生のうち一人もあまりよろしくない成績だったので、CEIBSの日本人には鬼門の課目なのかもしれない。

ちなみに、我々日本人同級生の親友の一人は「そもそも価値感が異なる国から来た学生(日本のこと)をアメリカ人が正しく採点できるはずがない。これこそCultural differenceだ!」と主張していた。確かに、あまりにも低いレポートの点数の理由を聞きに行った時に「あ~これは日本の論文で書いたら逆に直されるな・・・」という書き方を推奨されたので、そういう影響はあるかもしれない※1

Marketingに関しては勉強していても苦にならないということと、そもそもMarketing業界志望 ということで、ほぼ自分の興味をかねて勉強している。たとえ成績が決まってると言われようが、テストは自分の力を試す場なのでしっかり臨みたいと思っている。なんというか、そもそもテストって好きなのだ。
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ちなみに右の写真は先月あたりからCEIBSに住みだした野良猫。全然人を恐がらないので、おそらく元は飼い猫だったと思うのだが、今では「schoolの王」としてみんなにかわいがられている※2

先週からほぼ休みなしで勉強をしている学生陣にとっては一時のDscn0747_1024x768 癒しということで、この頃は大人気のこの猫なのだが、なぜか夜は僕の部屋の前のソファで寝ている(ちなみに僕の部屋は二階で結構気安い場所にある)。時々ミャーミャーなくので、残り物をあげていたらなつくようになってしまい、今では部屋に彼用の食料が常備されているようになり、ついには部屋にまで入ってくるようになった。中国の猫は病気を持っていることも多いんだよね・・・とビビりながらも、彼に癒されているテスト期間中である。残り二日!




※1・・・具体的に言うと、問題を明確にする部分に解決方法のつなぎ(例;○○のような問題があるので、××での解決が必要と認識される)みたいなものを書くと、「問題部分に解決が入るのは、構造的に正しくない」と減点される。日本では問題だけ書きっぱなしだと「次の章へのconnectionがない」と言って訂正される。少なくとも僕の指導教授はそうやって指導していたし、会社も全てこのスタイルだった。
※2・・・EMBAの年齢が高めの学生達は、力任せにかわいがるのでかなり迷惑そうにしている時も多い。その光景を見るたびに、なぜかとても中国にいるんだな・・と改めて実感する。

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2011年11月20日 (日)

第15週目終了! -勉強しかできない一週間-

今週は授業は全くなく、翌週のテストに向けてひたすら勉強の毎日だった。大学時代、大学院時代は基本的にテスト勉強と言うのは一人でするものであって誰かに聞いたりするものではなかったのだが、ここではとにかくみんながグループを作って勉強している(確かに見ているとその方が効率がよい部分もあるとは思うが、個人的にはこういう答えが一つしかないような問題の場合には、あまりプラスにならないような気がする)。辛いことはみんなで乗り越えようという姿勢がビシバシ伝わってくる。

面白いもので、日ごろは無理やり英語を使ってコミュニケーションをしている我々でも、こういう「本気で理解しなければならない」時になると、それぞれ母語が共通の学生で固まっている。ある部屋では韓国人グループが韓国料理を食べながら勉強をし、ある部屋ではインド人グループがカレーを食べながら、ああでもない・こうでもないという話をしている感じだ。統計学をフランス語で教え合っているグループとか見ると、フランス語はこういうところでもおしゃれだな・・と妙に感心してしまう。


では、我々日本人は・・・というと、なにせ二人しかいないわけで、しかも二人とも個人で勉強をした方が効率が良いと思っているので、グループを作って勉強するということもなく、どこかのグループに吸収されて勉強している。ちなみに僕が吸収されているのは台湾人+香港人グループ。感覚が何となく似ているし、彼らは英語と中国語をおりまぜて会話するのでどちらの勉強にもなる。


■ そんなに難しくない・・・と思うよ? ■

このStudy weekというのは当たり前だが「やったことを聞かれる」テストである。そしてMB Aというのは毎週毎週宿題があるので、基本的には基本的には一通り全てのことを一度はやっているはずである。

思い返してみると大学の時、特にに1・2年の時の教養必修テストは死ぬほど難しくて、毎回泣きそうになりながら勉強をしていたわけだが、あれは授業にほとんど出ていなかった結果であり、今回とはそもそも条件が違う※1。その上、確かにスピードが速いとはいえ、内容はEconomics(経済学)・Accounting(会計)・Statistics(統計学)と大学教養レベルの内容であり、取り立てて理解が難しいという内容ではない。

しかも全てのテストが何らかの資料を持ち込み可能であり、school側も「落とすための」テストではないようにしている。極論すれば、今までちゃんとやってれば、それなりの努力でそれなりの点数を取ることが出来るように設計されているテストである。
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ということで個人的には「そんなにテストとか難しくないよね・・?」と思っているのだが、そういうことをいうと、すぐに「年取ってるから違うんだ」(でも記憶力は悪くなってると思うぞ)「大学院まで出てるから楽勝なんだ」(確かに統計学はそうだと思うが、他は同じレベルだよ)とか「日本の大学教育は優れているからだ」日本の識者と呼ばれる人たちはそういうことを言った試しがないよ)と色々言われるので、黙って勉強をしている。



■ 助けあうのは当たり前 ■

このTerm1の成績は、大陸生まれの中国人学生にとっては最大の目標の一つであると思われる「交換留学」がかかっているため、ものすごい努力を傾けている学生もいるが、そういう学生はそもそもこれまでも努力をしていたので、自分が不合格になるかもしれないという不安はなく、ひたすら自分の成績に向けてまい進している※2

ただそういう学生は一般的に「誰かに個別に教える」ことを時間の無駄だと考えているのか、一人で距離を取って勉強している人間が多い※3。そして基本的には個人主義のMBAであっても、そういう姿勢が無条件で歓迎されるわけではない(もしかしたらCEIBSがやたらと仲が良いというのもあるかもしれないが・・・)。


MBAというのは、はっきり言ってどんな学生でも「必ず誰かの力を借りないといけない」ように設計されている。どんなに優秀な学生であっても、チームの成績が悪ければそのまま自分の成績が悪くなるし、全てを自分一人でやりきれるほど優秀な人間と言うのは、本当にごくまれである※4。いわば自然に協調性・・・というかチームパフォーマンスをあげる力が付くように設計されているのである。

僕も入学前に目標にしたように良い成績を収めることを目標としているわけだが、だからといってメンバーの成績を犠牲にしたいとは思わない。なにせ、最初の一・二カ月(そして今も誉められたものではないが)はショボイ英語に付き合ってもらって、日々語学の研鑽を積む機会をもらっていたのだから。


ということで、今週は結構な時間をAccountingとStatisticsを伝えるのに使っていた。日本語でも伝えるのが難しい概念を英語で伝えるのはものすごく辛いのだが、自分の勉強にもなるし、なにより教授が行うマス授業と違ってアレンジが効くため、伝わる効果が高い。これで友人たちの成績があがれば言うことなし。

もちろんこの時間を言い訳にすることなく、自分も良い成績を出したいとは思っている。MBAを出た人達ってなんとなくキリッとしてビジネスライクなイメージがあるかもしれないけど、実際はそんなことは全然なくて毎日ワイワイ楽しくやっているのです。



※1・・・大学に入学して初めて線形代数の授業に出た時に、授業が入試以上に難しいと驚嘆した記憶がある。おそらく受験勉強よりも、大学の定期テスト向けの方が勉強した。※2・・・例えばTOP MBAであるウォートンに交換留学するためには、半分以上の課目でAを取らなければならず、残りの科目もA-でまとめなければならない。ちなみにAはテストだけ頑張っても取るのはほぼ不可能なので、もともとA狙いの学生はずっと頑張っている。
※3・・・勉強できない同士で頑張るとかってある意味「弱者連合」なわけで、MBA学生的には強いところと提携する方法を考えてもいいんじゃないの・・と思ったりもする。
※4・・・学期の最後にお互いに評価し合うという要素が成績に加味されるので、あまりに嫌われているとそこでしっぺ返しが返ってくる可能性も無きにしも非ず。

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2011年11月19日 (土)

勉強が出来ないと嘆く前に、できること3つ。

昨日の内容が思わず好評だったので、今日は「勉強を教わる時にどうすればよいか?」ということをツラツラと書いてみようと思う。対象としては、今の理解力が平均かそれぐらいで、そこから20%~30%ぐらい能力をUPするにはどうすればいいか・・というイメージ。仮に受験勉強だとして偏差値が50ぐらいの人が60前半を目指すにはどうすればよいか、という感じである※1


■ その1:まずは"自分にとって" 効率のいい方法を知ろう ■

勉強の仕方と言うのはだいたいみんな一緒で、本を読んで → ノートを取って → 練習問題をやって → 復習をして・・というもののはず。別にこの順番でなくてもよくて、いきなり練習問題から始める人もいるだろうし、本を読みながらノートを取る人もいるだろう。

僕に限らず人間は基本的には面倒くさがりだと思っているので、上のプロセスはなるべく「効率」よくやりたいと思うのが人情だ。ということで、多くの人がなるべく早く上のプロセスを回して終わりにしようとする。じゃあ、それで結果は・・?必ず自分の期待しただけの効果を得ることができているだろうか・・・・?


多くの人が効率という言葉を使う時に、無意識のうちに「全体のプロセス」を「どのくらいの時間でやるか」ということを考えていると思う。いわば処理能力を効率の指標としておいているということだ。
もしこのやり方で自分の期待値通りに行っていれば問題なし。でも、もしそうでないなら、自分にとって本当に大切な「結果」と「効率」は何か・・・ということを考えてみると良いと思う。僕が勉強する場合なら・・・そのもの、ずばり成績だ。


僕が勉強する時は、けっこう時間をかけながらノートを取るし、外国語勉強の場合などは単語帳を保管用と持ち歩き用で二冊作る。発音記号(中国語ならピンイン)までしっかり書いてある単語帳である。
正直これをやると時間がすごいかかる。ただし、一度覚えると滅多に忘れることはない。僕にとっては、効率のものさしは「処理にかかった時間」ではなく、「どれだけ頭に入ったか」であり、これまでの経験から一番頭に入る方法がこれだと知っているからだ。

もちろん時間が取れなそうな時には違う勉強方法もあるし、実際MBA生活で大量の英文を読まなきゃいけなくなったので、それにあわせて新しい勉強方法もできるようになった。大切なのは、自分が心から信じることが出来る、自分に合ったやり方を早く見つけることだ。それが人から見た時に非効率であったとしても、気にすることはない。


■ その2:「成績がいい人」ではなくて「教えるのが上手い人」を探す ■

今回のテストに向けては、MBAの学生委員会が過去に該当課目に関する業務経験がある人間をPick UPして特別授業をやっていたのだが、正直あまり評判はよくない。もともと10週間かけてやるような内容をたった1時間半でカバーするなんてことが無理なわけだが、僕も一つ参加してみて感じたのは、「わかっている人が内容を教えている」だけだということだった。

何かわからないことがある時に人に聞くというのは、ある意味一番手っ取り早い方法だが、その時に必ずしも相手が「一番できる人」や「過去に経験がある人」である必要は全然ない、というのが僕の意見だ。むしろ、「教えるのが上手い」人に教えてもらう方がずっといい※2


教えるのが上手い人と言うのはだいたい次の二つの方法を使って教えてくれる。

  1. 図を使って教えてくれる人
    これは個人的には超重要で、どんな内容であろうと図を使って教えてくれる人はだいたい教えるのが上手い人である。そもそもわからないことを聞いているのだから、言葉で聞いても頭に入ってくる内容はたかが知れている。図で説明できる人と言うのは頭の中で一度整理されていて、余計な内容を省いて説明してくれるの本質がわかるというのもメリット。
  2. 例え話を使って教えてくれる人
    これも重要で、難しい概念になればなるほど自分の身近な例で教えてもらうとスッと入ってくる。欧米の教科書と言うのはこの考え方が徹底していて、あの分厚い教科書の半分ぐらいは実際の例とか、身近な練習問題に当てられている。

こういう話し方が出来る人と言うのは、レベルに差があれどかならず身近に一人はいるはずなので、ぜひそういう人を探しだして教えてもらうことをお薦めします。本当に上手い人に教えてもらうと、頭の霧が晴れるような感覚を味わえるのだ。



■ その3:わからないことがある時には「くだらない質問」なんてない ■

質問をするときと言うのは相手の時間を取っているわけなので、どうしても「難しいことを聞こう」としてしまう。でも、これは自分の理解にとって全くプラスにならない。

そもそも教えてくれる人も、自分で勉強したか誰かに聞いて内容を把握したわけで、ある日天から情報が降ってきてできるようになったわけではない。つまり聞く方と聞かない方の差は、極論してしまえば「過去に分かったことがあるか/ないか」だけなのだ。


もちろん自信満々で聞きにいって余りにも基本がわかってない時には厳しい反応をされてしまうこともあるかもしれない。でも、もし「自分が何をわかってないかもわからない」という状態になっている時には、胸を張って「自分がくだらないかもしれない」と思っている質問をしてみよう。もし教えるのが上手い人をつかまえることができていれば、その人はきっと基礎から教えてくれるはずだ。『くだらない質問なんて何もない』、それぐらいの気持ちでアタックして大丈夫。


MBAというものはそういうものなのか、それとも日本以外ではそうなのかはわからないが、CEIBSではとにかくみんなが小グループを作って勉強をしている。確かにみんなでやった方が楽しいのはわかるのだが、わからないものどうして勉強してもあまり効率がいいとは言えないとも感じている(なので、僕は聞かれる時以外は基本的には一人で勉強している)。


大体のことは「わからない」と「わかる」の差はほんの少しで、ちょっとしたヒントを与えられれば大体のことはわかるようになるものだと、僕は信じている。ぜひ周りの教えるのが上手い人(そしてできれば気のいい人)をつかまえてみてほしい。そして、もし余った時間があればそれを他の人向けに配分する。そういう循環が回り出せば、世の中はちょっとだけでも良くなるはず、なので。


※1・・・このレベルに至らない人にはまた違った勉強方法があるのだが、それはちょっとここでは書ききれないので対象外とします。逆にそれ以上となると個人でかなり差が出てしまうと思うし、そもそも自分でやり方が分かっている人が多いと思うので、あまり参考にならないはず。
※2・・・もちろん該当の分野でそれなりに優秀でないと意味がない。「一番」とか「経験」にこだわる必要はない、ということ。

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2011年11月18日 (金)

勉強が出来ないと嘆く前に、ちょっと振り返ってみると良いこと。 

先週末に授業が無事に終了し、今週はStudy weekと称して一週間のお休み期間である。完全にイベントがなくなったわけではないのだが、とりあえず朝早く起きなくてよいというのが最もうれしいことで、午前中の学内は実にひっそりしている(EMBAの学生はいるのだが、EMBA学生は学内に住んでいるわけではないのでやはり雰囲気が違う)。
一応は夜遅くまで起きていていてStudy weekらしく勉強をガリガリやろうという気持ちはあっても、何となくふんわりとした空気が流れていて、イマイチ身が入らないという学生が多いように思う。かくいう自分も月曜・火曜ぐらいは気が付くと寝ているということが多くて、これまでの疲れをとるほうに時間を使っていた。

ようやく昨日ぐらいからエンジンがかかりだしたのだが、そうなるとあれがわからない、これがわからないという学生がそこかしこにいて、それぞれの得意分野を教えている学生の時間がなくなるということになっている。ちなみに自分の場合は統計学を教えている。なんせ10週間で教科書一週間分をまるごと終わらせるわけでかなりスピードが速く、全然ついていけない学生もいるので、何度も同じことを伝えることになる※1

つたない英語で統計学を教えるというのは結構しんどいのだが、話していると、結局「勉強する」というのは国が変わってもあまり変わらないものだな、と痛感する。ということで、今日は(ずいぶん偉そうだが)どうやったら「学ぶこと」がちょっとだけ得意になるのか・・という話を書きたいと思う※2


■ 自分の学びのパターンを知ろう ■

まずいろんな同級生と話していて思うのは、だいたい人間が学ぶパターンと言うのはおお きく分けて二つに分かれるということ。ずいぶん適当な図だが、ざっくり言うと人間は、

  • 先行ダッシュ型:最初から答えがすっきりはいってくるタイプ
  •  
  • 後半まくり型:原理がわかるまでなかなか前に進めないタイプ

の二通りに分かれると思っている。
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「先行ダッシュ型」の人と言うのは、授業とか説明を聞くと似たような問題であればすぐに解けるようになるタイプで、聞いた話がすっきりと頭に入ってくるような人だ。ただ、立ち上がりは早いので最初はいいのだが、理解が浅い時には応用問題が難しくなると全然手がでない・・ということが多い。


「後半まくり型」はその反対で、とにかく最初は新しい概念とか言葉が全然頭に入ってこないので全然手がでないのだが、いったん頭の中に「考えるためのセット」が出来るとドンドンと前に進んでいけるタイプだ。こちらは一週間で結果を出せ!みたいな課題ははっきりいって苦手。ちなみに僕はこのタイプ。

この曲線は何も勉強だけでなくて、あらゆる学びに適応できると思う。少なくとも僕は社会人になってからの仕事もこの曲線通りに学んできたし、大学時代の少林寺拳法も同じようなイメージで練習していた。


■ 自分が出来ない所は、人もできない所 ■

こうやって自分のタイプを分けることができれば、少なくとも自分が「上手くいかないな」と思った時に、焦ることはなくなるはず。とはいえ、グラフにある通りどちらのパターンの人間でもいずれは成長が鈍化するのも事実である(プラトー状態という)。

だいたい「学び」においては、ここを超えることができれば二回目の波に乗ることが出来る・・という場所があって、結構多くの人間はこの突っかかりで諦める。それなりにできるようになったので次にいこう!というわけだ。だが、はっきり言うと大体の人は最初のつっかかりの段階までは来ているので、ここで止まるとほとんど他の人とは差がつかない


じゃあ、ここを超える方法というのはどうすればいいのか・・・というと、もうこれは人それぞれで一概に言うことはできない。僕の友人の中には、とりあえず一週間はその問題から離れてみて、ある程度時間をおいてから少し前からやり始めると突っかかりが亡くなるという人間もいるし、それこそ夜中に吐くまで考えてみると朝方5時ぐらいに神が舞い降りるという人間もいる※3

僕の場合は、とにかく「やばい、ひっかかった!」と思ったらとにかく関係しそうな情報を頭に詰め込んで、そのまま即座にベッドに直行して寝るようにする。するとだいたい朝にはそれなりに答えが見えるようになっているということが多い。たぶん寝ている間に情報が整理されて、あるべき場所にスパッと入るのだろう。なので、僕はどんなに時間がつまっていても、答えが見えない時にはしっかり寝るということを心がけている。


日本にいた時にこの方法を友人に話した時に、何人か同じ方法を使っている人がいたので、少なくとも僕個人だけの方法ではないと思うのだが普遍性があるかというと、全くないような気もするので、あまりお薦めはできない。

大切のは「もし差をつけたい」なら、何でもいいのでこのひっかかりをこえる方法を早く見つけたほうがよいということ。同級生に教えていても、だいたい同じ場所でひっかかているので、たとえMBA生であってもそういう自分に合った発見をしている人間と言うのはそれほど多くないということだ。




■ スタートが早いに越したことはない ■

自分のタイプと学び方をある程度分かってくれば、少なくとも合理的な「学び」の期間を計算することが出来るようになってくる。例えば、自分の場合は立ち上がりが遅いことをもう身を持って知っているので、最初の2ヶ月ぐらいは集中的に負荷をかけることにしている。その期間と言うのは周りよりもうまくいかないことがわかっているので、それなりにつらい・・といっても自分をコントロールできるので、とにかく時間をかけるだけである。

ただこの分類も結局「自分がどのタイムスケールで、どこにいるのか?」がわかるだけなので、これだけで差をつけるのは難しい。とくに我々のMBAのように10週間程度でテストを迎えるとなると、もうスタートをどれだけ早くして時間を投入できるか・・にある程度依存してくる。


そもそもMBAではGrading curveを適用しているので、最後ににみんなと同じだけ勉強しても全体がスライドするだけで自分の位置は変わらない※4。なので差をつけようとすれば、人よりも成果を早く出すか、人よりも時間を投入するしかないわけだが、最後はみんな結構ギリギリまで頑張るので量では差が付かない。もちろん人よりも成果を出す方法もあるわけだが、だいたい成果を出す方法をわかっているという人間は最初から高めに出しているので、最後になってからまくるというのはとても難しい。つまり結局は早く始めた人が強いというわけだ。


最後は身も蓋もない結論になってしまったのだが、少なくとも自分のパターンを知っていれば「どうすれば伸びるか」を知ることが出来るわけで、それだけでも精神的な負担はかなり違うと思う。

「なかなか勉強(学ぶこと)が苦手でね~」と嘆く前に、こういう考え方もあるんだよ~ということを知っていただけたら嬉しいです。



※1・・・大学院まで理系にいたので、基本的なことを覚えているし読めばだいたい理解できるので、個人的には統計学は苦労していない。中にはΣが出てきた時点で諦めるような学生もいるので、確かに統計はしんどい学問かもしれない。
※2・・・実際、僕はこの方法でず~っといろんなことを学んでいて、まあそこそこはいい成果を出していると思うので、ちょっとは役に立つんではないかと思っている。ただし学問的な裏付けはまったくない。
※3・・・彼はそういう時間を週一回はとっていて、そこがわかると次の日はふぬけになるので見た目の生産性はあまりかわらんという人間であった。もちろん出てくるアウトプットは高いのだが。
※4・・・Grading curveというのは最初からA・B・Cの割合が決まるということ。日本語でいうと相対評価・・が近いかも。

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2011年11月13日 (日)

第14週目終了! -学生が教師陣の評価をする-

昨日で無事にTerm1の授業が終了した。最後の方はとても
全ての課388032_10100711118270362_28105320_6題に目を通すことがで きなかったのだが、これまでの期間でグループメンバー内のお互いへの信頼がすさまじく高まっていたので、お互いに不満と心配なく課題をシェアすることが出来た。

クラスのみんなに聞いてみると、だいたい半分以上のグループが何かしら問題を抱えていたようで、自分たちのグループは最初のTerm buildingで上手くいったんだな~ということと、このメンバーでよかったという安堵を改めて感じた。ちなみに僕の最も親しい友人の一人(アメリカ人)はあまりにグループメンバーに腹が立ったため、深夜にジムにあるサンドバッグにメンバーの写真を張り付けて殴っていたら手を痛めてしまったよ・・と手を傷だらけにしていた。そこまで怒りがたまるっていったい・・という気もするのだが、確かにそこのグループメンバーには我々全員が「彼はトラブルメーカー」と一致する人間がいたので、不運としか言いようがない。


■ 教授陣へのFeed-Back ■

MBAではTermごとの授業の最後に、生徒側が指導陣の評価をつけるということが行われる。これは指導側へのFeedbackを行うという目的もあるのだが、学生の満足度を確認するという意味も兼ねている。

以前にも書いたようにMBAの学校運営というのはランキングを非常に気にしており、学生の授業への満足度というのもランキングにかかわってくる要素なので学校側も常に指導陣のクオリティには気を配っている※1。評価が高かった場合にはschool側から表彰をされることもあるし、逆にあまりに評価が低ければリリースすることもある。


この授業の評価というのは学生側からのいってみれば「復讐」の意味合いもあるのだが、さすがにMBA学生までなると、宿題が多い・少ないといった単純な理由で評価することは余り多くはないようだ(と見える)。ただ自分が指向している方向性と異なる授業に関してはどうしても低く評価が付いてしまう傾向にはあるようだ※2

また、日本だと自分が評価する側になった時に中庸の点数をつけたがる傾向があるかもしれないが、基本的にMBA学生と言うのは強気な人間が多いのでそういったこともあまりなく、むしろ両極端に振れがちだ。かくいう僕も複数の授業でかなり低い評価を付けたし、FBの言葉もかなり辛辣な言葉を書いている※3。よくも悪くもMBAというのは「お互いに評価をする場」ではある、もちろん経験・知識が違うし、時には学生側が意図を取り違えている場合もわるわけだが、結果は結果として尊重される。


■ MBA教授陣も競争市場 ■

こういった評価システムは内部で教授評価をする際に利用されるだけでなく、外から教授陣を引っ張ってくる際の参考にもなる※4。現在はアジアMBAというのはトレンドなので、世界中から中国に興味があるドンドン教授陣が売り込みに来るらしいのだが、school側もレベルUPのためには誰でもよいから採用するというわけにはいかないので、そういった評価を一つの基準としているわけだ。


MBA指導陣というのは僕が知っているようなアカデミックな人達とは違って、なかなかに実利に敏感な人が多く、offerされた給与によって頻繁にschoolを変えるという人もいるようで、実際に授業中に「CEIBSから提案されたサラリーがよかったのでここに来た」と公言する人もいるくらいだ※5

実際、教授の過去キャリアを見るとアジアのライバル校での指導経験者が多く、お互いに引き抜きをし合っているのではないか・・と思われる部分がある。学生側からしたらレベルの高い授業を提供してくれればよいので、教授を引きぬいてこようが高値で引っ張ってこようがそこは気にならないのだけど(でも、学費がそれで上がっていくのは潜在的な学生にとってはつらい)。


僕は当然他のMBAに通ったことがあるわけではないので、一概に評価をすることはできないのだが、アカデミズムという観点で見れば、まだCEIBSというのは改善の余地が大いにありだと思っている。もちろん余りに高度な授業を展開されても学生側が理解できなければ意味がないわけだが、例えば以前激賞したMBA programme directorであるMs.Lydiaぐらいの授業を毎回展開してもらえれば、満足度も大きく上がるのだ。

MBAというのは本当にあらゆるところで競争があるし、ある意味とてもピリピリしている場所だ。こういう所にいうと、臨むと臨まざるとある程度アグレッシブにならざるを得ないし、自分の利益・benefitに対して主体的にならざるを得ない(日本風にいうと肉食になるということか・・)。良い悪いではなく、こういうところで訓練を積んだ人間が日々火花を散らすのが、グローバルビジネスの一面である(なので合わない人にはMBAにはすごくつらいと思うんだよね・・自分は睡眠時間が少ないのも問題ないので、大丈夫だけど)。



※1・・・ただこの調査をどうやってやっているのかが今一つわからない。評価期間から学生に直接アンケートが送られてくる・・ということはないようなので、卒業後にアンケートに答えたりするのだろうか・・?
※2・・・例えば学生があまり興味を持たない(持てない)ようなOrganization Behavior(組織行動論)などはちょっと辛めの評価を付けた学生が多いようだ。もちろん指導陣のクオリティも影響しているわけだが。
※3・・・僕はもともと辛辣な人間で、MBA学生だからという一般化は当てはまらないけれども・・・。
※4・・・ざっくり言うと、教授陣の評価は卒業大学を除けば「どのschoolで教えているか」「どういった論文を発表しているか」「school内での授業での評価」で決まる。
※5・・・僕が卒業した大学はアカデミズムという意味では非常にレベルが高かったし、給与以外にも色々メリットがあっただろうから、単純に比較はできない。

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2011年11月10日 (木)

MBAをMBA的に見てみる -Finance課程の新設-

MBAというのは、一応「経営を学ぶための学校」と言うことになっているのであるが、それ自体は世間で言うところの学校と言うよりも、事業体というほうがしっくりくる。大学の一部門である場合でも、独自運営されているということが多いし、CEIBSのようにMBA課程しかないようなschoolの場合、よりその傾向は強くなる。
経営というのは何も企業だけを対象にしているものではないので、学校のような事業体もMBAで扱う範囲に含まれる。特にMBAの場合、世界中で同じランキングで評価されるので競争も非常にシビアであり、それぞれのschoolがランキングやプレゼンスをあげようと必死に頑張っている※1


もちろんCEIBSも例にもれず競争を繰り広げており、-特にここ数年でアジアMBAは一気に知名度があがったため、競争がし烈になっている- プログラム策定側代表者はもちろんMBAを持っているし、事務側のTOPはMNC(multi-national company)から来た組織運営のプロフェッショナル、就職サポートメンバーにも複数のMBAホルダーがいる※2。ランキングをあげる、そのためにより良い教授陣をそろえ、学生を集め、寄付金を集め、よいキャリアを提供する・・・これが「事業体としての」MBAの目標である※3。



■ 新たなプログラムの立ち上げ ■

つい先日発表になったのだが、CEIBSは新たにFinance専門のPart-time MBAを立ち上げることになった。
MBAの収入と言うのは基本的には「卒業生や企業からの寄付」か「学生の授業料」の二本立てであって、一つのプログラムの収容学生数をホイホイ増やすわけにはいかないことを考えると、短期的にはEMBAを開いたり寄付講座を開いたりと複線化(サブブランド化)を進めるしかない。

ということで、新たなプログラムも収入増につながることが期待されているわけであるが、もちろん闇雲にコースを増やしたわけではない。


  • CEIBSはこれまでmarketingが強いと言われてきたのだが、一方でCEIBSの上にいるHKUST(香港科技大)、そして現在ライバルになりつつある長江商工学院がFinanceに強いということもあり、率直に言うとFinance部門はCEIBSの弱点と競合の強みが直接ぶつかっているということになる。今回のプログラム設置をきっかけにschool側としてもよりよい指導陣を招き、弱点の補強をしたいということだと思う。

  • 収入に直結するという意味においては、やはりFinance分野というのは学生にとって強いモチベーションになる。我々の学年でもだいたい40%ぐらいはFinance分野への就職を希望しているようで、Finance部門を強くすることは長期的によりよい学生を獲得できるチャンスが広がるはず。

いわば「収入増」と「ランキング対策」の両方を兼ねる戦略として、新たにFinance課程を追加したということである。



■ 成功するかどうかは・・運営次第 ■

この新しいプログラムの立ち上げは学内ではずいぶん前から議論されていたし、学生向けの説明会も複数行われていたのだが、おそらく学生の気分としては反対のほうが強いのではないだろうか(そもそも賛成の人は説明会などに出ないので、バイアスがかかっているが)。学生はCEIBSというschoolがE-MBA課程に力を入れていることも知っているし、よりよくなるためには多くのお金が必要であることを知っているので、感情的な反対はしない・・のだが、それでもやはり懸念点はある。

  1. 学生がドンドン増えてしまうと価値が下がってしまうのではないか?
    → これは中国において他の多くの大学が売上増加のために安易にMBAを増設していることが頭にあると思われる。私も一番最初に頭に浮かんだのはそれだった。
    → 実際には逆になることもあって、優秀な学生が入ってくれれば逆に評判は上がるわけで、もうこれはやってみないとわからない。

  2. 本当に優秀な学生が入ってくるの?
    → これは今のEMBA学生を見ていると、確かに疑問になるのもわかる。EMBAは人数が多いし、年齢が我々よりも高いだけに本当に色々な人がおり・・ここら辺は中国と言う事情を考慮してある程度は(個人としての)許容度はあげなければならないのかもしれない。

  3. MBA学生(特にFinance志望)とどう差別化するの?
    → これは前述したとおり、Finance希望の学生にとってはかなり切実な悩みだと思う。school側としては入学条件(年齢や社会人経験が違う)や期間に差をつけることで差別化するということだったが、はたしてマーケット側がどうとらえるかは分からない。ちなみにこの説明のところで初めて学位は全部MBAであるということをしった※4。

このように色々と不安を持つのは事実なのだが、運営が上手くいけば万事問題なし・・・というのも事実なので、MBA課程に存在する学生としては、既得権益にしがみつかず積極的に改革・・を応援していきたいと思う。もちろん自分がいる間は全く効果はないだろうけど、卒業後も母校のランキングがあがることは自分にとってプラスになるからね。


※1・・・例をあげればアジアNo.1(フランスとのダブルキャンパスなので厳密にはアジアだけではないが)INSEADは、そのものずばりINSEADとHBS(ハーバードビジネススクール)を比較対象としてベンチマークしている。
※2・・・中国には華僑を入れるとものすごい数のMBAホルダーがいる。ちなみに、現在日本人の海外MBA取得はだいたい毎年200人ぐらい。
※3・・・もちろん各schoolにはそれぞれの教育上の目的があって、単にたくさんMBA学生を輩出すればよい・・と考えているschoolはあまりない・・と思う。少なくともこの資本主義全開の大陸にあるCEIBSでも、それなりの教育目標は存在する(ように見える)。
※4・・・ちなみにEMBAも学位としてはMBAということで、今後私が人生でEMABに行くという意味は、少なくとも学位と言う意味ではほとんどなくなった。そうでなくても元々工学修士を持っているので、これ以上学位はいらないが。。

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2011年11月 9日 (水)

言語以外の部分で「ジャパンクオリティ」を!

中国というのはいうまでもなく「超巨大なマーケット」である。こちらに来た時に最初に驚いたのは今までは「ニュースで見るだけのブランド」が普通にそこらに看板を出していることであり、カルフール(家乐福)に行けば日本には入ってきていない製品をたくさん見ることが出来る。

決して規制が緩いとはいえない中国ではあるが(とはいえWTO加盟以来規制の数はかなり減っている・・今でもかなり多いが・・)、少なくとも上海・北京・広州といった大都市は日本以上に競争が激しいマーケットである※1。もちろんこの競争には日本企業も参加しているが、日本企業はあくまで外国から来たプレーヤーの一つである。このあたりの感覚は日本でニュースを追っているだけでは、なかなか感覚としてつかめないかもしれない。

日本企業が来る場所といえばまずは上海であり、現在はほぼ全ての業種で日本企業のサービスを受けることが出来る。当然、こういった企業のウリは「日本クオリティのサービス」であり、またこれまでお手伝いをしてきた(あるいは自分の企業も含めて)進出時の企画書には必ず「日本で培ったノウハウ」云々ということが書いてある。


■ 日本クオリティって何? ■

もちろん僕は日本人だし、日本クオリティというのは大体どういうものかをわかっているので、値段にあまりこだわらない時・安心を買いたい時には日本企業にお願いをすることにしている。先日もとある業種の日本企業に訪問して、こちらの要望を伝えた上で見積もり提出をお願いした。

1週間後にその見積もりがさらりとメールで送られてきたのだが、見てみると見事にこちらの伝えたことが反映されていない。おそらくこれまでお客さんに提出したものの日程と内容を多少アレンジしたものだと思うのだが、最も基本的な要件まではずしていたので、さすがに即座に突っ返した。


もともと会社に訪問した時に担当者(日本語が話せる中国人)と日本人の上司 -上海では良く見る組み合わせ- に話をしている時から、担当者があまりこちらの話を理解していない・・ということは何となく感じていたので、上司にccを入れて返信をしたところ、謝罪と再提出のための時間が欲しいという内容が送られてきた。

こういったことには慣れっこなので別に腹も立たないのだが、ふと企業としてこういう対応はどうなんだろう・・と考えてしまった。僕のこの数年の経験では、日系企業でクオリティをウリにしている企業の一番の特徴は「日本語でやり取りが出来る」であって、それ以外に「お~これは日本と同じですね!」というのはほとんどなかった。


はたして「日本でやり取りが出来る」ことをもって、日本クオリティを実現していると行っていいものなのだろうか。


■ 言葉よりもクオリティ、でも言葉で表せないものは実行できない ■

日本企業が「日本クオリティ」で勝負に来ている以上、当然顧客は中国人になるはずだ。もちろん日本からの出張者とか、現地に住んでいる人間も顧客になるだろうけど、中国マーケット全体と比べたら小さすぎる。
そう考えると「日本クオリティ」というのは、単純にコミュニケーションを日本語にすればよいというものではない、ということにすぐ気付く。今後は日本人でも中国語を話せる人間は増えてくるだろうし、日本語が必須・・という日本人はドンドン減ってくるだろう。

極端なことを言えば「日本クオリティ」が単に「日本語でサービスを提供する」だけであれば、それは何もクオリティの保障になっていない。時間通りに対応する、要望の可否を一つ一つ対応する、手抜きをしない・・・こういった日本では当たり前と思われることを実行することが、結局日本クオリティであり、そこで差別化をはかりたいというのが本当の日本企業の目標なのではないだろうか。


もちろんそれをクオリティへの期待値・バーが異なる中国人と実行をするのは、すぐにはできない。しかし今回の訪問のように、日本人の上司が一緒に作業をして、しかも謝罪対応をせざるを得ない==クオリティが伝えきれていない、というのは明らかにコスト過多だし、日本人が来ている意味がない。

ノウハウを伝える、とか自社の強みをLocalizeするということを言う時、じゃあ具体的にどういうのがノウハウなの?とか、どうやって伝えるの、背中で見せるってこと?という質問をすると、明確な言葉で返ってくる会社と言うのはかなり少ない。もちろんやって見せるとか、言葉で判断基準を表すことが出来ない部分を実際に見せるというのはすごく重要なのだが、あまりに無策な企業もまだまだある。少なくとも、

  1. 自社でノウハウと言っているものが、日本の文化的要因・暗黙の基準値により担保されているかどうかということを確認する。
  2. その上でノウハウと言っているものが現地のコンテキストと要望にマッチするかを洗い出す※2
  3. 必要なノウハウを作業レベル(実行可能なレベル)まで明確にする。もう行動一つ一つをマニュアルにしてしまうぐらいのレベルで細かく書く

の3つぐらいはできないと「ノウハウを移植する」ということはできないと思う。


中国と言うのは極めて運用が適当な割には、かなりマニュアルがきっちりしているという会社が非常に多く、マニュアルの多さというのは全くマイナスにならない(むしろマニュアルがあってもそれを実行できないのが問題)。日本クオリティを実現する・・のは差別化において有効な業種も多いはずなので、ぜひ「日本人がいなくても、日本クオリティが実現できる!」ぐらいの高い目標をもって、日系企業(特にサービス業)には頑張ってほしい。




※1・・・正確にいうと「ゲームのルールが日本とは違う」のであって、日本の競争は緩いというわけではない。
※2・・・よく例で出すのだが、例えば恋愛で「毎日料理を作ってあげる」ということをウリにしている女性がいたとして、その女性がどんなに家庭的で素晴らしい人でも「基本的には放っておいてほしいし、食事は外でしたい」男性には刺さらないわけで、強みと相手の要望がかみわないと全く意味がない。

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2011年11月 6日 (日)

第13週目終了!  -更なる幸運、日本企業のプレゼンス-

本日でMBA生活も第13週目が終了。少しずつ授業が減ってはきているのだが、自分でデータを拾ってこなければならないプロジェクト系の課題が増えてきて、その重みがずっしりと迫ってくるこの頃である。

Caseを読んで準備をする・・というのは確かに時間がかかる一方で、新しい情報をしいれるという楽しみがあるのだが、こういうプロジェクト系はとにかくまず「どこにデータがあるか」から調べないといけないので、「時間を無駄にした~」という感覚があるせいか精神的な疲労感が大きい。
今週は統計学のプレゼン準備をしなければならないので、米国のマクロデータやら株価やら、各企業のPerformance系のデータを片っ端からあさっていたのだが、最初はどこにデータがあるのかわからずどうしてもあっち行ったりこっち行ったりをしなければならず、時間だけが経っていくのが残念。何となく修士課程に戻ったような気がする(正確にいえばMBAも修士課程なんだけど)。

ここは昔取った杵柄でうまく乗り切れると信じて、とりあえず自分の担当の分はきっちり終えるようにしたい。



■ 早くも一つ決まったIntern ■

そうやってしんどい一週間を過ごしながらも、今週は夏のInternに向けてある会社に面接に行ってきた。以前にも書いたようにとりあえず広告業界を狙って活動をしていて、先週ラッキーなことにアポをとることが出来たので、早速訪問をしてきたというわけだ。

訪問は水曜日だったのだが、日本人のマネージャーの方二人に対応していただき、面接というような堅い感じではなくいろいろと率直にお話をすることが出来た。上海生活、CEIBSについて、自分の経験、そして今後やりたいことなど、とにかく率直に話すことが出来て(これはお互いに母国語を使えるというのもあると思う)、大変満足だったのだが、その上でなんとInternshipというかPart-time jobのお話までいただくことが出来た。


このInternshipというのはちょうど今の時期のMBA学生にとってはかなり意識するもので、志望企業でInternをできればそのままjob offerをもらったりすることもできるし、少なくとも自分の履歴書を飾ることが出来る。ただ人気企業は当然競争率が高いし、どこにもいけないと悲しい夏休みを過ごすことになるかもしれない・・という恐怖感があって、まずは一社決めたいというのが学生の本音でもある(ここは日本の就活と同じ)。

といってもこの時期はまだ来夏に向けてInternの応募をする段階であって、個人で接触をしない限りまずこの時期にofferをもらうことはできない。はっきり言えば、外国人学生(あるいはキャリアチェンジを図る学生)の中では一番早くもらった学生らしい・・・※1


業界誌でも取り上げられていたのだが、現在の中国の広告業界では経験者は少ないし、さらに日本人向けに日本語・英語・中国語が話せる人間なんてほとんどいないわけで、これはもう100%ラッキー、自分の国籍のおかげ以外の何物でもない。実際、今回ご連絡をいただいたfirmはMBA学生というよりも、とにかくスキルセットに合う人間が欲しかったわけで、そういう意味で自分のMBA生活が評価されたわけではないということもわかっている(そもそも成績も出てないわけで、評価のしようもないわけだけど・・)。

自分としてはとにかくこの幸運に感謝するとともに、これからも引き続きInternshipに向けて努力をしていくだけである※2。もちろん、かなりホッとしたのも事実だけど。


■ 海外にいる日本人、日本経済、そして日本企業 ■

長引く不景気(というが、自分はバブルのころを知らないので感覚的にはずっと下り坂な感じである)の影響・・というものがあるかどうかは別として、ここ数年は若い人が海外にいくことは良いことであるという雰囲気があるように思う。実際に海外に定住してしまう人というのは「いい・悪い」では判断していなくて「好き・嫌い」で判断しているので、そういう議論とはなかなかかみ合わないのだが、とにかく海外で働くというのは今や「ものすごく特別な」選択肢ではないと思う。

また日本では「和僑」という言葉が一つのバズワードになっているようで、日本に戻ると「和僑を実践しているんですね」と言われたりすることもある。日本には和僑支援をビジネスとしようとしている会社もあるようだ※3


日本から支援というと・・・例えばラーメンを送ってくれるのだろうか(おいしいラーメンを食べたい・・宅麺はいつになったら中国に来るんだ・・)、とかカードの請求先として登録可能にしてくれるのだろうか、といった極めて個人的な内容か、ストレートに仕事を日本から発注してくれるのだろうか、という仕事の結びつきしか思いつかないのだが、もっとはっきり言ってしまえば海外のいる日本人にとって最も助かる支援と言うのは間違いなく「日本企業、そして日本という国家がプレゼンスを発揮し続けること」にほかならない。


今回のインターンも日本企業対策が必要と言うfirm側の戦略にたまたまカチっとはまったわけで、もし日本経済が弱ければそういったチャンス自体がそもそもなかったのだ。実際にタイ人の友人には「タイ企業を相手にしたい欧米企業なんて、まだあんまりないからね・・」と言われたのである※4

もちろんその逆もあるわけで、我々のように海外にいる人間が日本企業進出の手助けになることもあるわけで「海外で働く」ということと「日本企業が引き続きプレゼンスを発揮し続ける」というのは背反するものでは決してない。むしろ、それが両輪となって良いスパイラルを描くことが出来るはず。


よく人からは「もはや日本人じゃないね~」と半分からかわれる自分ではあるが、良きにつけ悪しきにつけ、日本人でなくなる(国籍という意味でも、文化的にも)ということは想像もできない※5。これからも恩恵にあずかりながら、何か少しでも恩返ししていかなければ・・と思っている、のである、これでも。何せ税金も払ってないわけだし。。


※1・・・冗談半分、本気半分で「I hate you!」とか「I envy you!」と友人たちに言われた。でも、欧米TOPスクールだと入学前に決まっているということも結構あるんだけどな。。
※2・・・今回は自分の希望とfirmとして提供できるものが微妙に異なるということで、まずはこのまま他の仕事を探すことにもご理解をいただくことが出来たのである。
※3・・・個人的な意見を言えば、この和僑という言葉の軽さは耐えがたい。僕は自分のことをそういった人間だと思ったことはないし、たかだか数年海外に住んだぐらい、そのように括られるのもお断りしたい。もし真に和僑ということを考えるのであれば、WW2中に苦労された米国日系人たち、あるいは戦後南米に移住された日本人の方々など、尊敬すべき方はたくさんいるはずで、まずはそういう方に敬意を示すべきであるというのが僕の考えだ。
※4・・・とはいえ、ここ数年でタイ企業の上海進出は大分進んできている。もちろんそれ以上に大陸系資本のタイ進出は激しいわけだが。
※5・・・脱藩人の竜馬にはシンパシーを覚えるが、外に出てちょっと変わった日本人をからかうというのが、自分には全然理解できない。環境が変われば考え方も変わるわけで、脱藩するとか、ある状態を脱するということはそういう(時には)嘲笑に負けない図太さは必要。

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2011年11月 1日 (火)

Lenovo会長、Dow会長の講演 -どのリーダーからも学べること-

以前も書いたことがあるように、MBAには様々な外部講師が講演会や課外授業を提供しに来てくれる。だいたいが実際のビジネスで名を成したエグゼクティブの方が、自分の経験を話してくれるのだが、昨日schoolに来たゲストはその中でもかなりの(というかものすごく)大物だった。一人はIBMのPC部門を買収したことで今や世界中でブランドが浸透しているLenovoグループの会長、もう一人は化学工業のTOPプレイヤーであるDow ChemicalのCEO兼会長である。


■ Lenovo会長が語る国営企業のあり方 ■

Lenovo(中国名:联想)と言えば、中国企業による欧米企業買収の口火を切ったIBMのPC部門買収で世界的に有名なった企業であり、今では世界PC販売シェアで第四位につけている企業である。中国企業がまさに世界展開をしようとするにあたり、先陣を切った企業というのは中国人一般の認識なので、講演会も人が入りきらないくらいの賑わいだった。その会長が来るとは、こんなチャンスはめったにないぞ・・とテスト前にもかかわらず授業を入れ替えて参加したのであった。


・・のだが、残念なことに講演は全て中国語!もちろん同時通訳付きでイアフォンを通して英語が聞こえてくるのだが、この同時通訳のクオリティが著しく低い※1。この講演にかかわらずCEIBSでの中国語・英語同時通訳というのは毎回レベルが低くて、何を言っているかわからなくなるので、結局講演者の言語で聞くことになる。

自分の語学力では中国語での会話は可能と言っても、さすがに講演を聞くにはかなりの集中力が必要であり、また講演の中には四文字熟語(中国語では成语という)が入ってきたり、韻を踏んだりするので内容を追うのに精いっぱい。結局1時間で脳みそがオーバー日0として外に出てきたのであった。


さて、その1時間の中で話していたことだが、もっぱらLenovoがどのように発展してきて、またこれからどのようにmanageしていくか・・ということに集中していた。Lenovoは元々は国営研究所である中国科学院のメンバーが設営したものだが、現在も株式の過半数は中国科学院が持っている準国営企業である。

もちろんmanagementは基本的には民間企業と同じように展開されてるわけだが、例えば株式についてストックオプションを発行する(厳密に言うと中国の会計基準では新株発行によるストックオプションは認められていない)ことができなかったり、報酬についてもある程度制限があったりと、それなりの制約があり、CEOとしてはより自由度がある経営を行いたい・・ということを匂わせていた※2


またCEIBSの教授が「例えばAppleのように数十年後を狙ったinnovationをになう会社でありたいか?」と言う質問をした時に、Lenovoはまだそのような段階にまでは成長しておらず現段階ではoperationを強化している会社だとはっきり明言していたのは、かなり驚いた。一般的に言えば、中国全体のムードとしては「中国はこれまでは世界の工場だったが、この後はイノベーションをになう国家になるのだ!」という感じなのだが、さすがに実際にグローバル企業を経営している身からすると、そういう夢を語ってばかりいるわけにはいかないようだ。これに関しては、中国の教育体制があまり向いていない・・ということも語っており、かなり思い切った発言をするものだと感心しきり、だった※3


ちなみに、会場には数人メディア担当者もいたのだが、翌日(本日)掲載された記事は「Lenovo会長、ユーロ危機に懸念を表明」と全く趣旨と違う内容で、これを見た我々はやはりあの話はかけなかったのかな・・という話をした。確かにユーロ危機については話していたのだが、どちらかというと、今後も巨大マーケットを維持するために頑張ってほしいという内容だったのだ。



■ Dow会長が語る中国戦略 ■

夜にはDow会長本人が講演するということで、これまた多くの学生が・・・と思いきや、水曜日にあるテスト向けの勉強をしている人が多く意外なほどMBA学生の参加は少なかった。代わりに社会人学生(E-MBA)や他校の教授、そしてヨーロッパ委員会からの参加があり、聴衆もかなり豪華。


講演ではまず第一に「学生はぜひ金融だけではなく工業(manufacturing)にも目を向けてほしい」という話を繰り返していた。確かにMBA学生にとってDowのような化学工業というのはあまり魅力的に映らないもので、確か入学時に希望を取った時も志望者は200人中で数人という状況だった。
かくいう会長本人もFinancial MBAでは世界一のWarton school出身で、彼が学生時代も工業に関する授業は二年間で一つしかカリキュラムになかったという。実際、TOPのほうにはかなりMBA卒が多いのだが、目先の給与を考えるとなかなか選択肢とするのは難しい※4

とはいえ、今回の講演でメインだったのはDowの話しではなく、やはり中国がどのように今後発展していくか・・という話しである。もちろんリップサービスも多分に含まれるのだが、彼としては中国と言うのは今後も基本的に発展を続けていく・・という認識であり、今後もDowとしては投資を続けていくようだ。彼の話しの要点をまとめるとだいたい以下のような感じになる。


  1. 中国のインフラストラクチャー投資は基本的には正しい戦略であり、事業継続の基盤となるものである。このインフラストラクチャー投資には人への投資が含まれる。
  2. Global化が進むにあたって今後も中国のみが高い成長率を持つということは難しい。キーとなるのは人材育成であり、外資系はその面で重要な役割を担っているという認識をしている。
  3. 現在のように情報が流通する世界では、情報の囲い込み(もちろんPatentは除く)は意味がない(「Dowでの発見が、他のどこかで行われないということはありえない」という表現をしていた)。世界経済はzero-sumゲームではなく、情報のshareは競争下でのWin-Winを生み出す。
  4. 企業と言うのは本質的に不確実性を嫌うものなので、中国のように「国家がまるで企業のように意思決定をする」のは企業としては”現状は”望ましい。

個人的に特に重要な観点は一番最後の観点で、中国という国家を考えるに当たり大切な視点であると常々思っていることである。もちろん色々な見方があるだろうけど、少なくとも経済発展と言う観点からは「中国という国家は、巨大な組織(共産党)が経営している企業」と考えるのが一番すっきり来る。

いくらGlobal化したとはいえなんでこの方はこういう視点を持てるんだろう・・と疑問だったのだが、彼は元々技術者として香港に駐在経験があるとのこと。現在少しずつFortune 500レベルでも「アジア勤務経験」というのが重視されていると聞いていたのだが、実際に目の前で話をしているのを聞くと、やはり自分がいる場所がHot spot(ただし上海がそうであるとは限らないが・・)なのだと強く感じた。


ちなみにDowの目から見ると、国家として戦略的に行動して人材に投資していると感じるアジアの国家は、シンガポール・中国・韓国であるらしい。日本には競合がいてマーケットを十分に取れないといった要因もあるかもしれないが、やはりこういうところで名前が出てこないのは正直残念。。


■ リーダーから何を学ぶか ■

僕はMBAにいる限りは、できる限り今回のようなLeadership関連のイベントには参加するようにしているし、今後も参加し続ける予定である。はっきり言って自分の興味とはほとんど関係ないような話も結構あるのだが、話しの内容は二の次で参加する価値があると思っている。

僕はよほどの天才出ない限り、人間のキャパシティというのは結局自分があってきた人間たちのキャパシティ最大値による影響が非常に大きいと思っている。人間と言うのはなかなか自分一人では努力し続けることは難しいし、天才出ない限り「自分よりもすごい人がいる」ということを想像し続けるのは難しいとからだ。

そして、その機会と言うのはできるだけ早く、できるだけ多いほうがもちろんいい。この前も同級生と話していて思ったのだが、心が柔らかい間にできる限り高いレベルでそういう「自分が凄いと思う人」に合わないと、きっとどこかで「この人は自分とは違う」とか「自分には理解できない」というように思考停止してしまうと思うのだ※5


もう自分は31歳と若くはないのだが、せっかくこうやって「普段は会えない人からも学べる環境」にいるのだから、できる限りこの機会を生かさずにいつやるんだという気持ちで、これからも人に会い続けていきたいと思う。・・・テスト勉強もしなけりゃいけないんだけど・・・ね。




※1・・・話が長くなってくるとだんだん同時通訳が遅れていき、ある時いきなり遅れをカバーするためにショートカット!ということをするので、話しの流れが捉えられない。しかも、時々英語の中に中国語はいるという謎の同時通訳。
※2・・・こういった話をする時に、かなり細かい数字までスラスラ出てくるのはさすがという気がする。
※3・・・中国の大企業のTOPというのは、あまり政治家と変わりないスタンスの方も多くいるので、人前では中国の国家目標に合致することを話す傾向にあるのだ。
※4・・・化学工業は雇用を生み出すにも役に立つし、環境適応材料を作ることでQuality of Lifeもあがる、発電事業は世界をクリーンにする!と確かにいいことがたくさんあるな・・と思ったのは事実なのだが・・・。
※5・・・もちろん心を柔らかくし続けるというのは一つの才能だと思う。また、この感覚と言うのはどちらかというとスポーツに近いと感じている。サッカーでも若いうちに世界レベルを体験すると、目標が高くなる・・と聞いたことがあるし。

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