« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2012年2月

2012年2月28日 (火)

第29週目終了! ー中国ケースリサーチを聞く一週間−

(実際には二日遅れでバックデートでUPしておりますが・・・)MBA生活も29週目が無事に終了!実は29週目ということでニクでも食いにいくかと思っていたのだけど、まったくそんな時間もなく一週間が終了。忙しい時にはschoolに閉じこもり気味になってしまうので、食生活もすごく単調になってしまうのがけっこう悲しいところなので、この日々が終わったらどか~っと好きなものを食べにいこうと思っている。おそらく来週末には、一通り終わっているはずとヨんでいる。

今週忙しかったのは、未だに調整が終わらないJapan Tripでやたらと時間をつかってしまったのと(※1)、ボランティア活動で今週末に小学校に授業にいくのでその準備をしていたこと(※2)、そして週明け月曜日に中間テストがあるということで、勉強に追われていたということの3つが理由。時間の配分もこの順番で割わてていたので、残念ながら中間テストの準備はあまり出来なかった。二科目しかなかったから良いものの、もっと科目が多かったらたぶん今学期の成績は惨憺たるものになっていたと思う。

school側もテスト前にはなるべく勉強時間を作らせようとしてくれているのか、今週はChina Discovery weekと題して、中国により関連の強いTopicにふれる一週間というものを企画してくれた。今までのTerm1・2はコア科目と行って、基本的なことを勉強していたので、こういった応用色の強い授業は大歓迎である。これでいろいろイベントの準備さえなければ・・。


■ 実例がまだまだ足りないChina Business ■

今回の授業では業界構造や経済の大きな流れを概観する授業と、個別の企業を例に理論とHow toを考える授業(MBAに多いタイプ)の両方の授業があったのだが、話を聞いていてやはり感じるのは中国企業を題材として事例はまだまだ少ないということだ。そもそも世界的に名の知られた中国企業などそれほど多くないということが大前提としてあるので、どうしても取り上げる企業は似たり寄ったりになってしまう。また、中国進出というテーマでケースを書く時にも印象的な企業を取り上げることが多いため、似たような企業をとりあげての話となることが多い。

例えば製造業ならHTC(正式に言えばこれは台湾だが)や、電子レンジの製造業であるGARANTZ、PC製造のLENOVOが取り上げられし、小売りなら苏宁・国美と進出してきているウォルマートやベストバイとの比較が行われるという感じ。たぶん卒業する頃にはある程度の中国ケースは網羅しているという状況になっているのではないか、とすら思う。


中国関係のケースがそれほどまだ多くないというのは、主に二つの理由がある。

  1. そもそも中国に国際的なMBAが少ない
  2. 中国では各大学が企業のように売り上げ増加を狙っているので、ものすごい数のMBA課程が存在するのだが、国際的なプレステージを持っているようなMBAというのはまだ数えるほどしか無い。ケースというのは、各教授が自分の興味あるリサーチテーマに基づいて制作する場合と、MBAに付属しているケースセンターが作成する場合のがあるのだが、そもそもMBAの数が少なければ教授もケースセンターもないので、発表しようとする人間がいない。

    僕が在籍しているCEIBSはマッキンゼーの協力しながら(支援を受けながら)ケースセンターを解説しており、徐々に中国関係のケースが増えてきているが、これまでの膨大な蓄積のある欧米MBA発行のものに比べると量も質もまだまだと行った所である。

  3. 情報ソースが中国語
  4. 中国外でも積極的に活動している企業であればある程度の情報を英語で手に入れることが出来るが、国内専業の大企業やベンチャーの話などとなると情報ソースは全て中国語となってしまうわけで、これが中国関連のケース作成の大きな障害となっていると感じる※3。その上、ケースを書く際にはほぼ必ずインタビューを行う必要があるし、最近ではネットの情報などもソースとして利用することが盛んなので(特にIT系企業の例の場合にはそれが多い)、語学が出来ないとケース作成をするのは難しくなる。


以前聞いた話では伝統あるMBAでは各国に「ケースライター」と呼ばれる方を配置して、TOPICとなるような事例に対してはケース作成を行い発表をするということが行われていると聞いたのだが、英中二カ国語で伝統的なレベルのケースをかけるほどに語学が流暢で、かつケースをかけるほどにビジネスセオリーに通じている人を捜すのはなかなか難しいのではないだろうか。

ということで、中国企業の研究はまだまだこれから進むのだろうな・・というのが正直な感想なのだが、やはりそれを担うのは出来ればアジア人(僕はそこに日本人も入れる)出会ってほしいなぁと思うのである。理系の僕から見ると経営学の理論というのは、時に自分の都合のいいデータだけを抜き出してきて援用したり、意図的に反例を無視したりしていて、どうにも気持ち悪いものがけっこうあるのだが、特にアジア関係になるとその傾向が強まる。

以前授業で百度の国際展開を授業で取り上げた際には、INSEADという世界でもTOPクラスのMBAで賞をとったケースの中に「百度はソニーを日本の一製造業から世界的な企業に改革した元CEOである出井を取締役として迎えている」と書いてあって、呆れたことがある。その文言自体は本筋とは関係ない部分ではあるが、百度の国際化への熱意を証明するためにこういった文言を加えているのであるから、やはり牽強付会は免れないと思う※4


僕の卒業した大学のような経営学?と考えてしまいそうな大学でも赤門マネジメントレビューというレビューを作って積極的に情報発信をしようとし始めているので、(まるっきりお願いモードで申し訳ないのだが)日本やアジアの経営学者にもぜひがんばっていただき、アジア企業の情報がより発信されるようになると良いと思う。もっと色々な企業の事例がとりあげられるようになれば、将来のビジネス面の幹部候補にも企業名を売ることが出来て、アジアでのビジネスにもプラスにもなるのではないかな。


※1・・・旅行会社を通じて企画をしていたのだが、こちらの人数が変更になる → 中国側に連絡する → 中国側の出先機関が日本側に値段を確認する → 日本側から返事がある、というステップを踏むので時間がかかってしようがない。その間にもこちらの要望がかわってしまうので、又一からやり直しになってしまうということもあり、ストレスばかりがたまるやり取りである。
※2・・・ボランティア活動については、そろそろschool内でも本格的な組織として動き出しそうなので、そのうちblogに書く予定。
※3・・・例えば米国に上場すると必ずIRは英語で出さなければならないので、最低限の英語情報は獲得することが出来る。
※4・・・出井さんの経営をどう評価するかということとは別に、ソニーが出井さん以前は「日本国内の製造業」と書いてあるのは、ソニー関係者はおこっていいレベルだと感じている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月19日 (日)

第28週目終了! ーハネムーンの終わりにー

本日で第28週目も無事に終了。これでTerm2も50%を消化した計算になり、一週間のChina Discovery weekを挟んで、後半戦になだれこむことになる。China Discovery weekはこれまで勉強したきた内容に関連して、中国国内のケースや特殊な対応を学ぶことが出来る週ということで、かなり期待値が高い(あまり期待すると裏切られると悲しいので、あくまでちょっと期待しておくことにする)。

China Discovery weekが終わった翌週には中間テストがあり、後半戦に突入していくわけだが、Japan Tripの仕込みやらBusiness competitionの準備やら(これは現状ではあまり重くないが、なんだかわからないトラブルが起きる予感がする)があり、直前の土日はボランティア活動で潰れ、その準備もDiscovery week中にしなければならないということで、中間テストはかなりのピンチである。二科目しか無いのが唯一の良いところ。今週も気合いで乗り切ったが、来週も気合いが必要なこと確実である。


■ 景気の冷え込みを感じる就職戦線 ■

忙しいといっても、その中でもInternship獲得に向けての活動は日々行わなければならないのだが、どうも2010年入学(今月で授業は終わり4月に卒業を迎える)方たちを見ていると、本格的に景気の影響を受け始めたんじゃないか、という気になってくる。もともと昨年末の段階で求人ポストが前年を下回っていたので、何かまずいんじゃないの・・・という気がしてたのだが、一つ上の話を聞く限り、やはりかなり厳しい様子。

下の学年とも共用で使っている案件管理システムを見る限り、全学生数を上回る数の求人ポストがあるのだが、需給のミスマッチはあるだろうし、給与の問題もあるだろう。それに職種転換を考えてる人間が、いきなり管理職に就くというのも結構リスクが高いわけで、単純に数だけで判断することは出来ないのだ。


当然そうなると外国人向け採用というのはさらに冷え込むわけで、そもそも多国籍企業の流れはlocalizationであって、たとえ中国語を話せても明確なメリットがなければ外国人を採用する意味はないので、チャンスはどうしても少なくなる。そのうえ、このごろschoolに来ている採用担当者と話すと、やはりどうしても中国人担当者は中国人を採用する傾向が露骨にでるので、担当者レベルでの運も必要になってくる※1

個人的にはそういうことはある程度見越していたので、多少方法論に変更を加えながら、とにかく根気よく担当者にぶつかっていくだけなのだが、さすがにレジュメを送って返事も何もない、というのは日本では体験したことがなかったので、一喜一憂をしながら毎日を過ごしている。僕は現に大陸でMBAに所属しておりこちらで5年近く働いているということで、個人としては平均値以上の競争力もあるほうだと思うのだが、日々こういったことを考えているわけで、日本で「新興国でもうけよう」といっているニュースを見るといったい誰に向かってどういう具体策を進めているのか・・・という気になる※2


■ ハネムーンの終わりに ■

組織行動論(OB)で学んだことの一つに、人は新しい環境に入ると最初の三ヶ月くらいはハイテンション(ハネムーン期間)だが、その後三ヶ月ぐらいは逆に気持ちが落ち込み、6ヶ月ぐらいで安定するという話があったのだが、ちょうどこのごろになって学年全体のハネムーン期間が終わったという気がしている。

外国人学生は僕のように中国になれている人間も含めて、入学してすぐに「中国人以外はお断り」の大量の求人案件を見て早くも現実を知るわけだが、ここに来て夢いっぱいだった中国人学生も現実に直面する機会が増えてきているようである。MBA卒業後の二大就職先と言えば戦略コンサルと金融と相場が決まっているのだが、規制の関係であまり投資銀行がこない大陸ではVC/PEというのが人気の頂点である※3


採用が早いコンサルに関しては、既にかなりの学生がレジュメの段階で切られるということを経験しているので、多くの学生が現実を見るようになっているのだが、ここにきてVC/PE向けの説明会やトレーニングが行われるようになり、いかに入り口が狭いか・・ということが明らかになってきたようで、かなりの学生が方向転換をしようかな・・・という雰囲気になってきた。

最も仲のよい年上の中国系シンガポール人の友人などは「なんか今から就職しても前の給料にもたどり着かない気がするわ〜。ホントついてない」とたいそう嘆いていて、確かに年齢も年齢だし嫁もいるしで大変だろうと思うものの、個人としては一方でそこまで落ち込む必要はないんじゃないの、という気になっている。


確かに中国人というのはすごく貪欲にチャンスを求めているし、日本人よりも個人的な関係を使って活動を行うのでわかりづらいところもあるのだが、一方で、なんと言うか基本的に「みんな同じこと」をやってるようにも見える。我々の学年だけで大陸出身学生は100人以上はいるわけで、みながレジュメを送りつけるとすると100分の1になってしまう・・・ということを想像すると、もっと飛び道具を使う(使えるコネを自分で探し出してきてコンタクトする、とかそれこそ個人でアポを取ってみる)というのもありだと思うのだが、あまりそういうことはしていないようだ。

極端にいえばビジネスというのは「(いろいろな制約はある一方で)どんな手を使っても勝った人間の勝ち」なわけなので全員と同じルートで戦うだけが勝負ではないと思うのだ。もともと外国人としてここにいる身としては、正攻法だけではなくゲリラ戦も含めて勝負だと割り切っているので、正攻法が難しいなら逆にゲリラ戦で戦ってやろうと、闘志を燃やしている所である。



※1・・・一部の企業を除けば日本企業も未だにそういう傾向を引きずっているので、別にそれを責めようとは思わない。Diversityというのはメリットもあるけれど、痛みも大きい。
※2・・・仕事を選ばずに、言語さえできれば、生活をしていくだけの稼ぎを獲得するのは難しくないという意味では、新興国のほうがチャンスがあるのかもしれないけど、それを「稼ぐ」とは言えないと思う。新興国で稼げる人は、おそらく日本にいても成功していたであろう。
※3・・・海外からは業界経験者も来ているのだが、中国大陸のVC/PEと呼ばれている業界は大変評判がよろしくない。確かに話を聞いていると、有り余るお金を配って終わり・・・という感じが透けて見えて、お金を儲ける以上の魅力を見つけるのは難しいような気がする。もちろんfirmによってことなるだろうけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月18日 (土)

楽しむ自分と一緒に踊る人を捜そう

ず〜っと前からかこうと思っていたのに、いっこうに時間がとれなくて書けないネタがいくつも眠っており、そろそろ消化をせねば!という危機感がかなりあるので、時間を見つけてblogを書くのです。時間がとれないのは、完全に自分のせいなんだけど。色々欲張りすぎて「捨てられないもの」がちょっと増えすぎてしまった感じなのだが、人生とはそういうもんです。

昨年末ぐらいからずっと思ってたことが、1月に台湾HTCのCOOがこちらに来た時のスピーチを聞いて形になったので、記録しておこうというのが居のエントリーのきっかけです。一言で言うと「大人になったら楽しいことだけ発信しよう」という至極楽天的な意見です。



■ HTC のスピーチ ■

HTC社はまだ創業して20年もたっていない台湾発の携帯メーカーだ。日本にはあまり入ってきていないが、全世界での売り上げは1兆円を超えている優良企業である。現在も順調に成長を続けているが、AppleとSamsungという巨人の間に挟まれて常に苦しい戦いを続けているとのこと。今回はStrategyの教授がたまたまCOOと知り合いということで、ビジネスモデルの進化という観点からCOOを呼び講演をしてくれたのであった。

講演の内容についてはかなり細かい数字まで出してくれたり、率直に問題を語ってくれて、公にすることはできないのだけれども、これまで企業からこられたスピーチの中では最も感銘を受けた。僕はけっこう嫌らしい質問をしたのだが、率直かつ丁寧な返答と説明を受けて、すっかりHTCのファンになってしまうぐらいだった。学生生活をしているうちはiphoneは高いので、スマホを買うならHTCかと思うぐらいである。


そんなCOOの講演の中でとても気になる・・・というか心に残る話があった。それは人材採用と組織についての話である。COO曰く、HTCは台湾企業ではあるが世界から広く人材を採用するグローバル企業でありたい・・ということで、これはどこの会社でもする話。ただそれに続けて、彼は「中国人は教育の影響だと思いますが、Creativityが低い。なので、中国人だけ採用しているとCretivityがあがらないのです。だから欧米からも積極的に採用をします」と言ったのだ※1

台湾企業というのは、少なくとも大陸側の視点からすると「中国の」企業ということになるのだが、我々学生の間でもなかなかsensitiveな話なので、台湾企業とか中国企業というのは分類が難しい話の一つである。なので、普通に考えればわざわざ大陸人を敵にまわすような発言をする必要は何もないのだ。彼が何を考えているのかということは、結局彼にしかわからない問題なので、そこを明らかにせずに「よりdiversityが重要なので・・」という答えでもいうことも出来たはず。でも、それを彼はしなかったし、そのことがとても僕の中では強く残ったのだった。


■ たくさんの「ベキ」論で、バラバラになる前に ■

僕が彼のスピーチを聴いて思ったのは、すごくシンプルなことで、どんな組織や人・あるいは国家でもいい所と悪い所があるという当たり前の現実だった。最近は日本の経営者がさかんに大陸に採用にきて「中国人はハングリー、しかし日本の若者は云々」という意見を出しているのだけど、中国企業側から見れば、中国人学生についても当然不満があるのだ※2

さて、ではそのように「いい所」と「悪い所」がある我々はその悪い所を直す「ベキ」なんだろうか?
普通に考えれば直したほうがいいに決まっている!となるんだろうけど、この1年ぐらい僕は少なくともそう思わなくなっている。もっと正確に言えば、ベキと主張するのはやめて自分の思う通りに行動をしよう、と思っているということだ。少なくとも僕自身については。


HTCの話しは立場が変われば評価軸が変わるということを端的に表しているのだと思う。そして僕たちは、ここではあえて安易に「僕たち」という単語を使うけど、本当に同じ立場を共有できているのだろうか。答えはNoだ。例えば、僕は日本国民で選挙権も持っている人間だが、海外で学んでいるので円高はWelcomeである。だって日本円で見ると僕の円負担は下がるのだもの。でも、この立場というのを多くの人と共有するのは不可能だ。
海外にすむ人間は考えなくてもいい、という意見もありだ。でもそうなると、少なくとも永住人口だけで1%については無視をしようということと同義語になる。

MBAの授業でよく言われるのは「日本人はコンセンサスによる意思決定を好む」ということ。これは僕も同意できるのだけど、これだけ立場も年齢も違う中で、一つ一つの細かいことまでコンセンサスをとるのは無理だ。特に誰でも発信できて誰でもきくことができるようになった今では。
本来的にはそういう細かいことを「委任して」意思決定をするために、代議員制というのがあるのだけど、そこでもコンセンサスを得ようとしすぎるから、機能不全に陥ってしまっている。


だから、もう今は見方を変えて「何をすべきか」を発信するのではなく、「何をしたいか」あるいは「何が楽しいか」という行動を発信するほうがずっと有益なのではないかと思うようになった。僕の友人は同じような議論から政治的な意見を書いていて、そして僕はそれに基本的に同意なのだけど、僕が思うのはもう少し身近な所からの発信で良いと思う。
僕が海外にいるのは「僕が楽しいから」であって、多くの人が海外にくるべきであるとは思わない。だから僕は上海は楽しいぞ、と伝えたい。CEIBSという場所は(基本的に)楽しいぞ、役に立つぞと伝えたい。けれど、それは一方で僕の個人の感情の振れ幅以上のものではない。

同じように、みんなが自分のたつ場所の楽しさを伝えていく、そうやって何か弱い共感が少しずつ広がっていく、それでよいのではないかと思うようになった(楽しさを伝えていくべき!とは思わない)。


■ 自分がいる場所にたちたかったけど、たつチャンスがなかった人もいる ■

一方で、全ての人が単純に「俺のいる場所、すごい楽しい〜。今までと全然違う〜」と簡単に言うのが賛成か、というとそうも思っていない。世の中には厳然として生まれながらにして差が存在している、ということをまず認めると、残念ながら「どんなにがんばっても手が届かない壁」というのは、少なくとも小さい頃には存在する(そして小さい頃に存在するということは、だいたいにおいて大人になっても死ぬほどの努力がない限り超えられない壁である)。


そういう観点から、僕がこのごろすごく腹が立っているのは、NETでよく取り上げられるようになった「優秀な人は日本ではなく、海外の大学に行こう」論だ。「奨学金もあるから・・」という言葉で何となくごまかされているけど、米国の有名大学というのは無茶苦茶高い。はっきり言って普通の家庭では捻出不可能な金額である。そういう一般には手の届かないところを持ち上げて「自分がいる場所は最高!」というのは、自分がその場にたつことが出来た幸運を見せびらかしているように見えてしまう。

だから、楽しさを伝える時には、なるべくでいいから「何かと比べないで」伝えることが重要だとも思っている。自分が本当にenjoyすることが出来る環境にいれば、比較対象がなくても伝えることは出来ると僕は信じている。
僕であっても「ああいう人生がよかったな」と思う時もあるし「あんな風に簡単にいいやがって!」と思うこともたくさんあるので、同じように僕も思われているだろうし、それはとても自然な反応だ。ほんの紙一重であっても結果というのは大きく世界をわけてしまうのだから。


たとえ自分が楽しいと思うことを伝えてるだけでも、時には自分へ攻撃ととらえて非難をされることがあるかもしれない。それでも「ベキ」論で何かを攻撃するよりも、自分の人生を発信することの方が、より大きな共感と共振を得ることが出来るんじゃないかな。




※1・・・ちなみに欧米系企業がくると「中国はinnovationの優等生になりうる可能性が非常に高い!」と一生懸命ヨイショしていきます。もしかしたら、最初の期待値が著しく低いだけなのかもしれないけど。
※2・・・僕はこの意見の多くは「今の若いものは・・」の変形でしかないと思っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月13日 (月)

第27週目終了! - 千客万来とメキシコ決定−

授業が始まれば一週間がたつのは早いもので、あっという間に27週目も終了。今週は事前の予定からもTerm2で一番しんどい一週間になるだろうと予想してたんだけど、
やっぱりその通り、ギチギチの一週間だった。ちなみに今日の投稿は月曜日なので、1日だけバックデート。本当にしんどかったのです。


■ 千客万来でスピードUP ■

春節中の宿題をイマイチやる気になれず、最も重いと思われたGovernanceが残ってしまい、それに足を引っ張られてしまったのが一番の敗因なのだが、今週はひさしぶりに深夜までずっと宿題をやっていた。Governanceはおそらく参考文献・・という参考情報だけは学年でもTOP 10%に入るのではないかというぐらい事実関係を洗ってからかいたので、それなりに時間をかけての作業になった。

テーマは・・・やはり僕はこういうことをかいておくべきではないかという思いがあって、昨年の地震時の東京電力の福島原発への初期対応を取り上げた。もちろん「100%絶対」という情報はいまだ出ていないので、ほぼ確からしいと思われる「注水はなぜ遅れたのか?」ということに焦点を絞ってGovernanceの観点からどういった取り組みをすればよいかを提言するという形になっている。授業の内容にそってかかなければならないため、どうしても監督官庁の話や、ミッションステートメントみたいな話が増えておりあまり工学的な運用の話をとりあげることが出来なかったのが残念だが、時間のある時にblogに概要をかいておこうと思う。


2月・3月は日本の年度末ということで例年上海に来ていただける方が多いのだが、今週はネット上で知り合ってから1年以上たつ友人たちが上海に大挙してきてくれて、本当に楽しい週末を過ごすことが出来た。それに加えて、CEIBSでの親友とも言える台湾人との誕生日パーティーが週末にあるということで、肝臓を激烈にいためた週末だった

。基本的にMBAの課題は平日だけではまず終わらないので(あと、平日は規則正しく中国語を勉強したい)、週末にやることがどうしても増えるのだが、今週は週末が埋まることがわかっていたので、平日に作業を詰め込んだというのも今週がきつかった一つの要因。2月はもう乗り切った〜という感じなので、来週はちとダラダラしながら作業をするかもしれない。結構先にCaseは読んであるし。


■ やはり重いJapan Trip ■

予想してたとはいえ・・今週をやたら厳しくしたもう一つの要因がJapan Trip。ツアー会社との話は遅々として進まないし、人数を集めるために個別の勧誘を結構しつこくやっていた。中国人は(というか、これは欧米人もそうなのだが)だいたい、直前に予定を入れるので二ヶ月後の話をしても「先の話だしな〜」という反応が多い。そのうえ、世界中の通貨の中でダントツの強さを誇る円のおかげで旅行代金もかなり高くなりがち。あまり安いツアープログラムにすると日本を楽しめないし、高すぎてもいかんということで、チロチロと調節を加えながら、何とか参加者を増やそうとしている。

その上、残念なことについ先日EMBAの学生が組織したスポーツイベントで亡くなられたかたがおり(マラソン大会だったらしい)、school側もかなりピリピリして、登録をしっかりしてほしいとのこと。当初はそもそもツアーの日程が云々と行ってきたのだが、そこは今回参加している学生委員会の委員長(日本で言うと生徒会長みたいなものだが、もう少し権威はある。仕事をするかは本人次第だが、今年は結構しっかりやってると思う)が、うまく取りなしてくれるようで、このままGoできる感じがする。


こういうのってやっぱり中国っぽいな、と思うのだが、こういう事件が起きるとMBA Officeはすぐにルールを変えて「義務」であると言いたがる。中国の法律はとりあえず決めてから後で少しずつ修正していくというのが一般的だし(それでもこのごろはかなりパブリックコメントをとるようになった)、「法律の適応が遡及する」という理解不能なルールが一般化しているため、いきなりルールを変えて従うようにと言ってくることに抵抗がないのでは・・・と感じるのだ。先週はスクールのランキングとか立ち位置という話をかいたのだが、全体的にアジアのMBA Officeはやはり遅れているというのは、apply時から実感しているので、いつか手をいれないといけないんだろうな・・と思っている。適当さが良い方に働くことも多いんだけどね※1


■ Business competition に通った ■

さらに今週忙しかったのは、メキシコのIPADEというスクールで行われるBusiness competitionの応募書類を書いていたというのもある。MBAというとそれこそ世界中でBusiness competitonが開かれているので、学生の間に一度は参加しておきたいな・・・と入学の時から思っていたのだが、なかなかこれというのがなく、あったとしても学内選考で落ちてしまっていたので、未だ参加はゼロ。そういうところに、僕の指向にピッタリとはまるプログラムがあったので、応募したのであった。ちなみに当初はあまりに忙しかったため応募書類(Motivation Essayということで、どれだけやる気があるかを書く・・という、なんだか就職活動みたいな書類だった)を出すのを辞めようと思ったのだが、担当者から応募者が少ないからチャンスと聞いて、気合いで書き上げたのだった。

ちなみに僕が参加したいと思うBusiness competitionは次の基準で選んでいる。

  • Case competitionであること
    一口にBusiness competitionといっても投資内容を提案するもの、自分でベンチャー企業のプレゼンをするもの、ネットワーク上でシミュレーションをするもの、と多種多彩なのだが、自分は特にベンチャーをやりたいわけでもないし、積極的に投資関係に進む予定も今の所ないので、必然的にCase competitionを選択することになる。あと、問題が与えられてみんなで少人数で考えるってのは結構好きなタイプの作業というのもある。
  • 先進国以外にいけること
    CEIBSにいるというのもあるのだろうけど、外の同級生がみなUSやグローバルのいわゆる「TOP school」を狙う中、逆ばりで先進国以外に行ってみたいというのが入学した時からの一貫した希望。こういう機会がなければ行けない国もあるし、Regionでそれぞれがどういう風にプレゼンスを出すかというのは、共通した課題だと思っている。ちなみに、入学時に一番希望はテルアビブで行われるShort campだったのだけど、今年はなんと一週間も拘束される上に、引率する教授が誰もいない(誰も行きたがらなかったんだろう・・ビザをとるのも一苦労しそうだし)ということで、選択肢から外した。

今回のメキシコのcompetitionは両方の基準を満たしているということで、自分としては選ばれれば嬉しい限り。大学時代の第二外国語がスペイン語だったので、おぼろげながらも何となく意味がわかるのもプラスになる(とはいえ最初の学期の期末テストで100点満点で5点をたたき出し、再履修をするはめになったわけだが)。


(以下、月曜日の話)
ということで、なんとか仕上げたLetterがよかったのか、今回の選抜者以外に応募者がいなかったのかはわからないが、無事にというか喜ばしいことにメキシコに行くことが決まった。冷静にかいているけど、実はすごく嬉しい。向かうのは3月の第一週で、HPを見る限りVISAはいらないようなのだが、国際会議扱いになるのかといったことを確認しなければならない(米国経由で行くので、その手続きでOKなのかもしれないが)。ビジネスまたは観光扱いになると思うのだが。。。

それから大切なのが、チケットはスポンサードされるのかということ。事前に担当者に確認した時にはschool代表なので、スポンサーされると言われたのだけど、これもすぐに確認をしなければならない。スポンサードされないと・・かなりかかるはずだから。。。っていうか、行けないかもしれん、スポンサードがないと。

選ばれた以上はschoolの代表になるので、少なくとも恥ずかしくない態度と結果を残すようにしたい。・・・お酒を飲み過ぎないとか。。


※1・・・このMBA Officeの話に関してはいつかもう一度しっかりかくつもり、結構腹が立ったことも多いし。相手を本気で侮辱しなければ、喧嘩してもすぐに元に戻るのが中国のいいところなので、よく喧嘩もしており、特に不満が残ることはないのだけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 5日 (日)

第26週目終了! ー気合いはいりきらず、腹痛激し −

二週間なんて長過ぎて何に使っていいかわからん!と思っていた春節の長期休みもあっという間に終了してしまい、これで入学してから26週目も無事に終了。今週はかつてなくダラダラした一週間・・・というか体調がすこぶる良くなくて、腹痛に悩まされた一週間だった。カンボジアから帰ってきてからずっとお腹が不安定で、休みだからのみに行こう!となってもなかなかお腹が痛くて次の日につらいということがあった。こちらに住み始めてから腹痛ぐらいはイチイチ気にしないようになっているのだが、それでも早く治ってほしいと思う今日この頃。


■ 休み中は雑多な予定で埋まります、だいたい ■

休み中というのはなぜか都合がよく雑多な予定が入ってくれるので、一日丸々空いている日というのはほとんどなかったのはありがたい限り。まず、先週壊れたと嘆いていたPCは結局修理屋からはソフトの問題だといわれ「しょうがないOSをリカバーするか・・・」と暗い気持ちになっていたのだが、NETで見つけたドライバーの入れ直しやらUtilityの調整+ハードの確認をしていたら、なぜかいきなりシステム修復が始まり(しかもデータは残ったまま)、無事にWi-fiがつながるようになるという奇跡がおこった。正直何があったのかよくわからないし、いつまで生き続けるのかわからないので、すべてBackupはとっておいたのだが、まずは一安心。

他には日本から「中国のこういう所を教えてほしい」MTGが三件ほど。僕は中国にいてもう5年目になるわけだが、だいたい進出する企業が陥るポイントというのは似ているので、話を聞けば何となくどこが臭いかぐらいはわかるようになっている。一般的に言えば、中国は会社の設立や撤退、それから営業免許の追加項目取得などが日本に比べて遥かに複雑で「一回やってしまったらやり直しが効かない」ことが多いのだが、駄目だったら修正すればいいでしょう、ぐらいの気持ちで進出しようとする企業が非常に多い。法務部と財務部があまり強くない企業だと、進出担当が全部やってしまうことが多いのだが、僕から見ればかなり危なっかしいと思う。

上海にも北京にもいわゆる「進出コンサル」と呼ばれる業種があって、確かに玉石混淆だというのは認めるが、詳しい人は本当に詳しいし、日々変わる中国の法律動向をしっかり追いかけている企業もある。進出時の費用を抑えたいというのはどこの企業でも同じだと思うのだが、そもそも外から来るだけで「外資企業」とくくられてしまう中国の現行法下では多少お金をかけてもしっかりした準備をしたほうが最後は安くなると思うのだが。・・・契約で縛ろうと思っても、そもそも裁判所が受理するかどうかもわからないわけだし。。

■ スクールのランキングと、立ち位置 ■

今週はFinancial TimesのMBA rankingが発表されたのだが、僕が在籍しているCEIBSはちょっとrankingを下げて今年は24位に。このranking、細かい指標がたくさんある上に、我々学生はそもそもどうやって決定しているのかという方程式を知らないのだが、はっきり言えばうちのschoolの運営側としては最も重視している指標である※1。過去数年間は中国経済が急速にのびてきたことを反映してrankingもグイグイ上昇していたのだが、ココに来て一服というところだろうか。確かに上を見てみると本当にGlobalで名前が売れている所ばかりかU.SのTOPスクールなので、ここからrankingをあげていくのは相当に大変だと思う。

僕は自分の学年以外にもMBAホルダーの友人がいるので、色々話を聞く機会があるのだが、一部の超TOP校(例えばハーバード)を除けば、教授が全員スター教授などということもないし(おそらくハーバードに行っている人も、全ての教授が最高とは言わないだろうし)、プログラムに関してMBA学生というのは必ず文句を言うものだと思うのだが、僕はCEIBSのプログラムというのは「やりたいことがよくわかる」という意味において、よく設計されているプログラムであると思っている※2
学びはあるがイマイチわくわくしないコア科目の配置も、中国での勉強ということを考えると結構論理的である(コア科目はだいたいつまらないものだ・・と他のスクールの友人も言っていたのでそういうものかもしれない)。今週はschool運営において「これぞ中国!」と思わせるようなこともあってかなりイラついたのだが、僕は大陸でビジネスをするのであれば、CEIBSはとてもよい場所だと本気で思っている。

一方で、CEIBSが押しも押されぬTOP校であるかというと、そういう認識は全くない(何を持ってTOPとするかというのは定義はいろいろあるが・・)。アジア地域では優れているが、例えばglobalでみんなが憧れるような企業に応募すると、レジュメの段階でさようなら、というのが基本である。そういう意味に置いてはまだ自分たちはTier-2であるという現実を見据えながら一歩一歩改善していくしかないと思っている。「自分たちはまだ劣っている」という認識と「この場所が大好きである」という認識は僕の中で両立するのだ(自分の好きなとこをそういう風に言わない方がいい、という意見を同級生からもらったが、その考えもまた理解できる)。個人的にはもう少しtechnicalなことをやってもいいのでは、というのは結構本気で思っている。たぶん就職というわかりやすい結果に直結するし。

来週から授業がまた始まりいよいよインターン応募もだんだん本格化してくるのだが、schoolもまだまだ改善の余地あり、個人はさらにがんばる余地ありということで、寒さが厳しすぎる上海で気合いを入れて春を待ちたい。・・・が、2月はうれしいことに千客万来なので、うまく時間のやりくりしないと駄目なんだな、来週は週末にかけて親友の皆様が大挙してやってくるので、今から楽しみ。

※1・・・「卒業後三ヶ月以内の就職率」とか「卒業後1年後の給与を、入学前の給与と比較してどのくらい上昇したか?」といった項目があるのは知っているのだが、どうやって追跡調査しているのか、とか、全体の項目構成+比率は知らない。
※2・・・「やりたいことがよくわかる」が「それが実現されているとは限らない」ということで改善の範囲は多いにあるとも思っている。ただ、ココから先は中国にあるという前提条件を除くと運営する人の問題になってくる気がするので、時間はかかると思っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 4日 (土)

寒すぎる上海を抜け出し、カンボジアへ行ってきた -シェムリアップ編-

前回の更新プノンペン編から一週間も空いてしまった。。カンボジアから戻ってきてからやや体調不良でグズグズしておりました)

プノンペンはしっかり詰め込んで観光をしたこともあり、わずか1日で観光を終えてバスでアンコールワットがあるシェムリアップに向かうというのが当初からの予定。事前の情報だと船のほうが早いし、楽しそうということで船で行こうと思っていたのだが、今は乾期で船は使えないらしい。ということで、ホテルでバスを予約して片道約6時間の道のりを異動することにしたのであった。


■ 20年目(ぐらい)のアンコールワット ■Dscn1266

シェムリアップは日本でも有名なアンコールワットがある街である。僕はアンコールワットと いう名前自体はずいぶんと小さい頃から知っており、子供この頃に読んだ漫画で地球の七不思議を解説する本で名前を知ったのが初めての出会いだ※1。まさかあの小さい頃には自分がアンコールワットに行くなんて夢にも思わなかった。20年目(もう少し長いかな・・)の出会いである。

シェムリアップはプノンペンと比べても「観光地」という感じで、
外国人ばかり。この時期になDscn1255 んでこんなに外国人が多いの・・・と思ったのだが、どうやらかなりの数の人が春節を利用してきているようだ。シンガポールあたりから来ていると思われる学生らしき若者たちも結構見かけた。後はアジアで長期滞在をしているヨーロッパ人。中国人と韓国人ももちろんたくさんいたのだけど、日本人は休みの関係であまり見なかった。
街並はすごく奇麗だし、食べ物は中国と同じくらいの値段、しかもホテルは奇麗な上に暖かいと、もうついた時からすっかりシェムリアップはお気に入りの場所になってしまった。お酒を飲みながら二階から身を乗り出して歩いている人を見るのが楽しいのだな。


シェムリアップ到着日は軽く街を歩き回ったり買い物をしたり
して、いよいよ翌日はアンコーDscn1277_2 ルワットに出発。同行している友人が言うには「日の出がすごい」というので、朝5時に向かったのであった。チケットを購入して、まだ真っ暗な道をアンコールワットに向かって歩いていくと、少しずつ観光客が増えてくるのがわかる。入り口に向かって左にある池の辺りが観光客が集まる場所らしい。
自分もここで日の出を待とうと、懐中電灯に群がってくる虫をよけつつ日の出を待つために慎重に池の橋に腰をおろす・・・はずが、見事に足を滑らせて何百人という観光客の前で見事に池に落ちる自分。。。幸いながら全没は免れたものの、右半身は確認するのも嫌なほど汚い池に
見事にダイブしたのであった。Dscn1390 ちょうど前の日の晩からMBAのWi-Fiがつながらなくなってそこに気がいってたせいもあるんだろうけど、まさか自分だけ池に落ちるとは。。PCを置いてきたのがせめてもの救い。もし鞄に張っていたら間違いなく成仏するはめになっていただろう。

と、出だしは最悪だったものの、日の出によって空の色が少しずつ変わっていくのは絶景そのもの。右半身がグショグショであることを一生懸命脳みその片隅においやって、変わりゆく光景を楽しんだのであった。日があがってからアンコールワットの偉容がすっかり目の前に広がる。事前の勉強をまったくしなかった自分はひたすら同級生の後についていくだけだったのだが、これまで写真で見たような光景が目の前に広がっているというのは、やはり格別である。観光客が多い・・といっても、万里の長城に比べれば全然ましだし。トイレもきれいだし(これ、自分にとってはとっても重要)。とにかく一日で全部を見るのだ!と同級生が急かす
のでほとんど休みも無く、アンDscn1423 コールトムを見学し、さらにしっかり象にまで乗ったのだった。旅に行くと必ず動物に乗るということを心がけていて、これまでラクダ・馬・象は達成したので、次は何に乗ろうか。。



■ さらに古き都へ ■

翌日はこれまた友人が「オレは余り人が行かない所に行ってみたいんだ!」と主張し、特に僕も反対する理由はないので、コッケー(日本語のHP調べるとコーケーという発音が多いが、たぶんコッケーのほうがより近いと思う)というシェムリアップから150kmほど離れた遺跡に車をレンタルして向かったのであった。Lonely planetをしっかりチェックし片時も話さないのに、人が行かない所に行きたいというのは、若干の矛盾があるのでは・・という気もするが、そういうことは面倒くさいだけなので、黙ってついていく。

朝7時には出発して、9時過ぎにはついたのだがコッケーは
確かに人がDscn1481いない。ここで観光 客向けのお店を開いてはたしてやっていけるのか・・・と心配になるぐらい人がいない。
確かに遺跡も余り修復されていないし、一般向きではないのかもしれないけど・・・でも、実はココこそがこの旅の一番感動した場所だった。半分崩れているような寺院をゆっくり抜けていくと、ある場所で突然視界が広がり、目の前には巨大なピラミッド型の建築物!自分が一瞬どこにいるのかわからないぐらいの、存在感で目を離すことが出来なくなってしまう、そんなパワーがあるピラミッドだった(それまで崩れている遺跡のせいで、一切影も形も見えないのがミソ)。Dscn1550


そこからはさらに車を一時間ほどのベンミリア遺跡に向かう。ここにはとにかくたくさんの子供たち。中国ではこういった子供を利用して親が仕事をしないで暮らしている・・という例があったりするのだが、カンボジアはどうなのだろうか、ということを思いつつ買い物をせずに通り過ぎる。こういう場所はやはり自分にはちょっと精神的にしんどい。
遺跡は本来は入り口だったと思われる場所はすでに崩壊しており、横から入っていく形になっている。ここだけではないのだが、名付けて「勝手にガイドさん」がここにもいて、"This way!"と盛んに誘う。これはガイドが終わってからお金を請求するという意味で、リスクがガイド側にあるものの、せっかくガイドもしてもらったし・・・とつい払ってしまうのがうまいところである。中国なら絶対最初に値段交渉から入るだろうに。

この遺跡ではちょっと違う道のりを行ってみるのも面白いか
も・・・とDscn1598思ってガイドの子供たちについていったのだが、これが観光的には大成功、体力的には大失敗。崩れている遺跡をドンドン上っていくのだが、体の軽い子供たちと違ってリュックを背負っているわ、おっさんだわ・・で汗をダラダラとたらしながら必死についていったのであった。気がつくとかなり高い場所にあがっていて、こっからどうすりゃいいの?という場所では、Jump!と何事も無いように行ってくる。下には石がごつごつしてるし、おちたら死んじゃいそうなんですが・・・。"Careful!!"と一応声がけをしてくれるのだが、今までの人生で最も実効性のないCarefulである。最後は這いつくばるようにして無事にゴールに到着。団体旅行で来ている中国人には汗をダラダラ流している謎の日本人と思われたことだろう(日本語一度も使わなかったら中国人と思われたかもしれんが)。


最後にお金を払う段では、こういう場所ではついついお金を
たくさん払ってしまい、同行のDscn1614 友人は「そんなに払うなんて、なんて面倒くさいやつなんだ!」と呆れていたが、外国人として出来るのはこれぐらい。確かに、同じ1ドルを払うのであればNPOなどに寄付した方がきっとレバレッジも効くだろうということはわかっている。中国でも目の前の子供にお金を渡すというのは、ほとんど意味がない(価値がないとは言わない)ということも知っている。でも、それでも、がんばって交渉して値切って「フェア・プライスになった」というよりは、こういう時は自分の心に従っていきたいのだ。


■ 人が神に奉仕する国 ■

最終日には友人はシェムリアップからベトナムに移動すると
のこDscn1650とで、別れて街をブラブラ していたのだが、プノンペンよりも遥かに立派な国立博物館があるのを見つけたので、そこで時間をつぶすことにした。中はかなり細かくクメール王国の歴史と美術が陳列されていて、かなり勉強になる・・・のだが、英語で専門用語があったりして確実にわかったわけではないのがちょっと残念。神様の名前とかはやはりカタカナか漢字で覚えているので、英語で表示されているとなかなか違和感があるのであった。

アンコールワットは確かにすごい。これを1000年近く前に人Dscn1658 力(あとは象のパワー)で作ったとはとても信じられない。ただ、これだけの巨石文化を残したクメール王国というのは、いったいどんな文明だったのかと思うと、何とも微妙な気持ちになるのも事実である。日本にも古くから続く仏教のお寺はたくさんあるし、そういった為政者たちの宗教への投資(というか当時はそれこそ政治 −まつりごと− だったわけだが)が文化を創ったというのは疑いようもない事実である。しかし、一方でこれだけの労力を投入するというのはどれほど王国が豊かであったとしても、やはり一般の人々への負担は莫大だったに違いない。アンコールワット遺跡を歩いている間にずっと思っていたのは、クメール王国というのは「人が神に奉仕した国」だったのではないか・・・ということだった。


今となってはその遺跡により外貨を稼ぐことが出来ており、カンボジアという国の再建をす430118_10100664816389455_3404310_54 るには欠かせない資産であるというのも、同じように間違いのないことだ。そして、例えば僕の友人のように失われた東洋文化を尊敬するものもいれば(特に彼はアメリカ人なので、ホワイトハウスよりも古いものは素直にすごいと思うらしい。日本にきたら大変である)、僕のように何か表現できない敬虔な気持ちを抱くものもいるだろう。そこには「人が神に奉仕する」という雰囲気はどこにも無い。それでも、遺跡にたくさんいる子供たちを見ると、この国にもう少しだけでも神のご加護があってもよいのではないか、とふとそんなことを思ったりもしたのだった。中国で外地人の子供たちと一緒にいる時と同じように、自分が何を出来るかは、まだ見えないのだけど。


※1・・・七不思議と言ってもいろいろあるが、とりあえずその漫画にはほかにはストーンヘンジ・モアイ像・マチュピチュ・ピラミッド・万里の長城が入っていたような気がする。この中でいったことがあるのはまだ万里の長城のみ。先は長い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »