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2012年6月

2012年6月24日 (日)

第46週目終了! - レフェリーの存在は本当に大切 -

(多忙につきまた一週間半ほどバックデートしてのアップになります・・)
Term3Bも後半に突入し授業のプレゼンなども増え、ますます忙しかったこの一週間。指折り6月の終わりを数えるような生活をしているのだが、何とか無事に一週間を乗り切ることが出来た。このTermは本当にメンバーに恵まれており、ここはヤバいかも・・と思う所も何とか乗り切ることが出来ているのはすべてチームメイトのおかげである。迷惑をかけまくりながらも、心良い顔で遅刻と早退を許してくれるIntern先の会社の好意にも甘えながら、何とか乗り切ることが出来た。ということで、怒濤の46週目も無事に終了。


■ レフェリーの重要性 ■

今週がやたらと(主に精神的に)忙しかった理由の一つに、以前書いた中国経済改革についての授業のレポートの〆切が迫ってきており、それに手を付けなければならないというのがある。このレポート、頭では〆切が近づいているからやらねば!と思うのだが、実際には全然手が動かない。テーマは「授業でとりあげた中国の経済改革に関するものであれば何でもOK」というものすごく緩いもので、参考資料なども特に指定されていないので、手を抜こうと思えばいくらでも手が抜けるものなんだが、それでも手がうごかない。さすがにコピペonlyだとシステム的にばれてしまうので(MBAではそういうツールを導入しているところが多い)、自分でか書かなければならないが、最短で10時間かからずに仕上げられる量である※1

一応かなり前からテーマは決めていて、人民元の国際化という線でプラザ合意から現在までの日本の円相場の動きを参照するケースとしつつ、最近のクロスボーダー人民元取引などの動向を取り上げる・・という、まあ他の学生がとりあげなさそうなテーマを設定している。日本語文献も豊富だし、ここ数年中国で働いている自分に取っては結構取り上げやすいテーマだったというのが、大きな理由である。
・・・ただ実際に書こうと思うと、全然書きはじめることが出来ないんだよねぇ・・。


他の同級生達と話していると、かなりの数の友人も同じように思っていることがわかったのだけどその「書き出せない理由」は、はっきり言えば「どうせ、真面目に書いてもあの教授が採点すると思うと・・」と思ってしまっているということだ。そもそも授業中の対応や説明の態度があまりにも酷かったため「何を」「どのように」評価するのかを全然掴むことが出来ないし、それを掴んでいたとしても「彼に評価されてもな・・」という気持ちが先立つのが正直なところ。授業も面白く、ある基準に乗っ取って評価してくれるであろうという期待値があれば、やはりレポートもそれなりに力を入れて書こうという気になるので、MBA学生といえどもそういうところはかなり正直である。

こういう授業を受けてみると逆説的にわかることもあって、やはりレフェリーの善し悪しは本当に重要だということ。スポーツの世界でも、レフェリーの善し悪しでプレーの質が変わったり、成長スピードが変わったりとするというけれど、これはスポーツだけでなく勉強でも仕事でも、およそあらゆる分野に共通する事項だと思う。
うちのschoolでは現在Deanを中心に次々と教授の入れ替えが進んでいて、やはり新しく彼がつれてくる教授はちょっと違うね・・といった話を同級生としたりもするのだが、授業の内容云々ももちろんのことだけど、こういう「レフェリーとしてみる能力に信頼を置ける」というのもとても大切な要素だと思う。特に学校という環境ではほぼ全ての評価が教授の独断で行われるわけで、教授の信頼性というのは学生のモチベーション管理と「学びの質」向上のために非常に重要な要素なのだと感じる。


ちなみにこの「レフェリーの重要性」というのは、新人社会人にとってもすごく大切だと思っている。ビジネスはマーケットやお客様が決める・・というようにいうけど、実際は一部の仕事を除けば上司が仕事の質を判断するわけで、上司が信頼できるかどうかというのはある意味新人時代には決定的なファクターだ。そういう観点からは、優秀と呼ばれる人が多くいる会社にいくというのは一定の合理性があると思う。実際の話、どんなにマーケットで受けそうな話でも、上司がそれをOKしてくれなければ絶対世に出ることはないのだから※2


■ "点をとる"ことに集中できる人間 ■

そんな状況でも、僕の親友の一人である韓国人は「彼が我々のグレードをつけるわけだから」といって、それなりに授業中に質問をしたりしている。僕は二回目の授業から完全に内容が耳から抜け出る状況になっていたので「いや〜、あの状況で質問を続けるなんてすげぇなあ・・」と言ったら、「いや、ムカつくのは変わらんのだけど、そこら辺は切り分けることが出来るのよね」と言うのである※3。

こういった感覚はこれから欧米系で勤務したいと思っている僕には本当に必要だと思っていることなので、この言葉を聞いていたく感心してしまった(と同時に、やはり彼は優秀なのだな〜とあらためて見直した)。僕をリアルで知っている人は皆わかると思うのだが、基本的に僕は「自分のやるべきことをやりたいようにやる」人間なので、上司とか評価者がそれを理解できないとすぐにあきらめてしまう傾向にある。本当に価値を発揮できる人間というのはどのような環境でも力を発揮できる人間であると僕は思っているので、直したいと思いつつ直せないでいる欠点のうちのひとつである。


とはいえ、この欠点はMBA学生の中でもけっして珍しくないようで、Term1ではOrganization Behaviorでは「上司をmanagementする」というトピックも取り上げられていた。日系企業とは違いレイオフが当たり前に行われて、しかもそれが上司の権限で決まるような環境で働く以上、上司をうまくコントロールするのも能力の一つであると言う考え方がその基本にはある。一方で、アントレプレナーが自分で事業を始めた主な理由の一つが「上司とあわなかったから」だったりするので、こういうのをコントロールするのはすごく難しいのだろうと思う(自分に関しても年齢を重ねるにつれて少しずつ改善してるけど、根本的には同じだと思ったりする)。

ひとつ僕が自分自身を情けなく思うのは、たぶんこういうことが改善しないのは自分が「本当に」コミットメントするものがまだないからではないかと感じるからだ。中国には「臥薪嘗胆」とか「韓信の股くぐり」というように、自分が本当になしとげたいことのために苦労を受け入れるという話がある。基本的に面子を重んじる中国人だからこそ、こういう話が残っているんだろうけど、例えば今の中国で公的機関で働いていて昇進を狙うような人間も、基本的には同じような心構えがなければならないのだろうとは想像している。


もちろん自分が何を大切にするかというのは個人の問題なので、目の前の現状に怒りをぶつけるということや、スポイルされてしまうというのも、それはそれで一つの選択である。現状でそういうことをじっくり・・というよりも、ウダウダと考えることが出来るというのもまだ時間がある故とも言える。少なくとも職場でカッと頭に血が上った時にどうすべきか・・というのを、職場に入る前に考えておくのは決して無駄ではないし、少なくとも中国では「数は力」というのは未だ変わらない現実なので、自分が組織の中に入った時にどのように振る舞うかということを見つめ直す良いきっかけになったように感じる。まあすぐに変わるわけではないんだけど。。

・・・ということで、まずは目の前に迫っている〆切に向けて、レポートを無事に仕上げることに集中したいと思います・・。



※1・・・イタリア人の同級生はイタリア語の該当Wikipedia ページを全コピー → Google翻訳で英語に翻訳 → 文が変なところは自分で修正する、という方法でほとんど自分の頭を使わずに完成させたらしい。そういう方法もあうということなのね。。
※2・・・そういう観点でいうと、社会人1年目は営業として過ごせたのはとても幸せだった。僕は新規部隊にいたし、当時の上司の方針でかなり好き勝手やらせてもらうことが出来たので。
※3・・・ちなみに彼は米国の大学で東アジア歴史学の学位を取っているので、かなりこの分野に詳しい。うちのschoolに来るような学生はみなこの分野に興味があるはずなのに、この程度の教授しかそろえられないとか本当にfxxxだ、と本気で怒っている。

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2012年6月17日 (日)

第45週目終了! -MBA卒業生の最初に期待されること、なのかな? -

(スケジュールがかたまりまくりで本当にしんどかったため、一週間ほど遅れての更新・・・)

Term3は結構暇があるはずだったのに、気がつけばInternを目いっぱいいれてしまったため、スケジュール調整に四苦八苦している間にあっという間に一週間が終わってしまった気がする。選択授業の期間に入って各授業ごとに別々のチームを組むようになったため、これまでのように「とりあえずチームで集まってミーティングでもするか」ということが出来なくなったのが、スケジュールがぐちゃぐちゃになっている一番大きな理由。とりあえず目の前のことを片づけている間に一週間が終わってようやく一息をつけるという感じだ。ということで、なぜかこの時期にばて始めてしまいながらも何とか第45週目が終了。


■ Internでの緊張 ■

今週も引き続きInternでのお仕事を続けていたわけなのだけど、とにかく人が足りないということで仕事のプレッシャーが半端ない。実際にやってる仕事はそれほど重い仕事ではないというのはわかっているし、なんというかクリエイティブ系な会社らしくすごく緩やかな雰囲気も流れているはずなのに、さらに言えばみな結構きっぱり18時には退社をするような会社なのだが、それでも仕事が終わるとどっと疲れる。

一つにはとにかく周りが本当に全員欧米人で、「英語だけを使っている」ということが関係していると思う。広告という「言葉」で状況を表すような仕事をしていることもあるのか、とにかく周りの欧米人が使う言葉がすごく細かいし、聞いたことがないような単語も時々混ざってくる。なので、指示を聞くときは常に全力で集中しなければならないし、データを使って細かい内容を説明する時もかなり気を使う。これがschool内にいれば、いざとなれば中国語を使って説明することも出来るし、多少くだけた話し方も出来るのだが、やはり「Internとして見られている」という緊張感があるせいか、どうしても丁寧に説明しようとしてしまう。その結果かえって言葉に詰まってしまったりと逆効果にもなったり。実際にこういう環境で働くとなればすぐに慣れるんだろうけど、やっぱり英語はもう一段回レベルを上げたいなと痛切に感じる。


その英語だが、こうやって書くときもとりあえず全部まとめて「欧米人」といってしまうのだが、実際に働いてみると「米」と「それ以外」は全然違う。フランス人もインド人もスペイン人も、あとどこかのアフリカから来たデザイナーもいるのだが、やはり母国語が英語ではない国の英語というのは訛りがあるし、丁寧に発音してくれるのですごく聞きやすい。一方でアメリカ人はやっぱり単語と単語の間がくっついたり、気を使っていない時にはスラングがガンガン入ってくるので、聞く時も気合をいれて会話をしないといけない。これはいい悪いではなく、もうそういうものだと思って頑張るしかない。※1

もう一つは、これまでになく「見られている」自分を意識しているから。実際に周りの人たちが自分を「採用するか否か」というような目で見ているわけではないと思うのだけど、自分としては一つ一つの発言やスライドが判断基準になるかもしれないと思うと、やはり緊張せざるを得ない。実を言えば今まで働いていて、これほどまでに「見られているかもしれない」と思って働いた経験は一度もなかったので、そういう心持ちになっている自分に、自分自身で驚いている。


振り返ってみれば、こうやって就職する前に会社で働くというのは、大学院卒業時のインターン以来なのだが、あの時は怖いもの知らずだったし、たぶん今からみれば本気で就職を狙っていたわけではなくて「入れればいいや」的に思っていたのかもしれない。結局そういう姿勢がたぶん人事や周りにも見えていて、インターンでは結局オファーをもらえなかったのだろうと思う。あの時とは違って今は「失うことの怖さ」を知っている分、臆病になっているのかもしれないけど、何とか自分をうまくコントロールする術を見つけて、堂々と仕事を出来るようになりたい・・と思ったりもするのである。



■ Analystという仕事 ■

さて、そういう緊張感を持ちながらやっている仕事であるが、今週は先週の仕事+中国における事例収集みたいな仕事をしていた。どういうわけかPlanning Teamには中国人が一人もいない・・という、中国で仕事している割にはものすごくいびつな人員構成になってお
り、しかもさらに中国語を読める正社員がTeamには一人もいない・・ということで、助っ人で週三回しか来ていない日本人MBA学生が中国での事例リサーチを行うことになったのである※2。

リサーチする企業自体はクライアントから指定されていたし、幸運にもschoolの事例でとりあげていた企業や、前職で日本から来た競合企業のお仕事をしていたという縁もあり、なんとなく勘所がわかるためにスムーズに仕事を進めることが出来た。ちなみに一番しんどかったのは「中国では一般的にこう言われていて・・」みたいな説明が一切使えなかった点※3。これはレポートを読むのが米国HQにいる方なので仕方がないとはいえ、基本的に常識としていることが通用しないので、結局いろんなアカデミックペーパーやらMBAのリサーチペーパーを引っ張ってきて証拠とすることにした。


こういう時大学院を出ていてよかったな・・とホント思う。MBAは大学院といっても、自分でジャーナルからペーパーを引用するというようなことはほとんどしないからね。ちなみに、せっかくレポートを出しても社員の人は読んでくれないので(アカデミックね~ふ~ん、という感じ)、超要約したものを作り資料の中にまぎれこませておくことにした。もし相手がMBA卒ならMBA schoolのペーパーならたぶん信頼性はそれなりにあるだろうし、たとえ相手がそうではなくても周りにはゴロゴロいるはずなので。

そうやってリサーチを淡々としているわけなのだが、なんというかこうやう仕事がMBA卒業後に最初に求められることなのかな・・と思うと、ちょっと自分が当初入学した時に考えていることとは違うな・・・とも感じて、自分が卒業後にやりたいことってなんだっけ・・というのをもう一度考えてみたりもする。


僕は前職では自分がとにかくガリガリ営業して案件を取ってくるという仕事をしていたし、その前の仕事はプロジェクトマネージャーとしてガントチャートと呼ばれるスケジュール管理表とにらめっこしながら、どんどん仕様を決めていくような仕事をしていたので(僕は基本的にいつも時間がないプロジェクトに放り込まれていたので、オラオラで仕様を決めるタイプであった)、基本的には自分で何かを決めるという仕事が好きである。

冷静に考えれば、Internでの数カ月でしかも責任をとることも出来ないような立場の人間に「決断」をする権限を与えるわけがないのだが、たとえば自分の監督をしてくれる人も、ストラテジー担当といいつつも、とにかくInsightとSuggestionを作る仕事をしている。


なるほどこういう仕事はMBA卒業生には向いているほうだろうし、MBAをとり日本の事業会社で働いている友人に話を聞いても、そういうリサーチとか経営陣への提案がメインの仕事らしいので、MBA卒というはこういう仕事をするものだと思われているのかもしれない。

仕事というのは、極端に言えば二種類のステップしかなくて、

①分析して
②決断する

の繰り返しである。正確にいえば分析しないで決断したっていいし、分析したまま延々と決断を延ばすのもOKなわけだが、とりあえずこの組み合わせのセットで物事は動いているといっていい。戦略とか組織というのを考える時に僕は常に軍事組織をイメージして考える癖がついているのだが、すご~~~く単純化してしまうと①が参謀の仕事で、②が部隊長の仕事といいかえられるかもしれない。


このどちらが向いているか・・というのは人によって違うし(もちろん両方できちゃうスーパーな人もいる)、自分がどちらが好きかというのも大いに関係してくるわけだけど、自分はやっぱり「決断する」(そして実行する)ほうが好きなんだよね。4月・5月に働いていた会社の日本人の方には「それって、理系でものつくりすきなのに関係しているの?」と聞かれたのだが・・個人的には、どちらかというとスポーツをやっていたというのが大きいと思う。ああいう自分で決めて自分で責任をとるというのが、たぶん好きな生き方なんじゃないかと思うのだ。

もちろん実際に働き始めてある程度時間がたてばそういった①の仕事だけではなくて、自分で決断する仕事というのは自然と増えてくるのだろうけど、それでもその期間の長さは違うし、その割合もやっぱり違ってくる。Internというのは自分が行きたい業界の経験を増やしたり、フルタイムの仕事へのステップという意味合いが強いのだけど、こうやって自分でも思ったことがないことを学べて、より自分の進みたい方向をadjust出来るというのはやっぱり貴重な経験だし、そういうことが同級生よりもちょっと早くできたいというのは、すごく良かったと思うのである。今のしんどいスケジュールも残り二週。




※1・・・とはいえ、もう少し気を使ってくれてもいいのにと思わないわけでもない。それとも、気を使う相手ではないと思われているのだろうか。それだったらうれしいのだけど、たぶんそれは勘違い。
※2・・・人事に聞いたら『ある程度広告の話がわかりそれなりに技術(特にWEBとアプリ)が好きで、英語と中国語を話せるデータ析が出来る中国人はいない』という答えが返ってきて、確かにそりゃあいないだろうなぁ・・と納得した。ちなみに僕と同じ学年で広告に行ってもいい、と明確にしている人間は自分も含めてたった3人(200人中)で全員非中国人。
※3・・・例えば、中国では寄付金額を公表して金額の多寡で貢献度を図るような社会的な雰囲気があるんです・・みたいな話をしたら「そんなの寄付の精神とは違くないか?」と突っ込まれたので、四川大地震の時の反応を分析したレポートを引っ張ってきた。

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2012年6月11日 (月)

第44週目終了! - 一ヶ月だけお世話になってる企業がハンパない-

気がつけば2012年入学で英語で条件付きオファーを受けた学生が来る時期になってしまった(条件付きオファーは一ヶ月ほど英語の勉強をすることになっている)。今年はプログラムが始まる期間が1月ほど早くなる影響なのだが、それでももうすぐ1年経ってしまうのだな・・・と考えると、この1年の早さに本当に驚くばかりだ。気がつけばこの毎週一回は書くことを自分に課しているblog44週目である。

「こうやってみんなで騒げるのもあと三週間ぐらいだな~」としんみりしつつも、MBA生活も無事に44週目も終了。


■ さらにインターン生活は続く ■

これまでお世話になっていた広告会社のお仕事はある程度形にすることが出来たので、6月に入ってからは系列の広告会社で同じようなインターンをさせてもらっている。何せものすごい大きなホールディングなので、系列会社といってもものすごい数があるので、とにかく色々な経験をさせてもらうにはピッタリの環境である。

今回お世話になっている会社は以前面接をした後にちっとも連絡がこないので半分諦めていたのが、これまで働いていた人が病気で長期休暇に入るということで急遽席が空いたのでこないか・・というお誘いをもらった会社で、これまで幡羅ていた場所よりもフルタイムのポジションの可能性が高いということで願ったりかなったりで働かせてもらえることになったのだ※1。

この会社、グローバルでものすごい大きなアカウントを取ることが出来たため新しく出来た会社で、必要人数の半分ぐらいしかまだ埋まっていないという出来たてホヤホヤの会社である。中国にアジア本社があり、中国も担当範囲なのに、ほとんどが中国語が話せない欧米人で占められており、何とも不思議な構成である。ちなみに前で働いている人はスペイン人で、横はフランス人。

欧米系広告会社の割には、会社内に全ての機能がそろっており、基本的には全てを自前でまかないたいというのが基本方針らしい。とにかく人が足りないので、香港で学んでいる大学生が二ヶ月ほどバイトしにきたり、とりあえずシンガポールからデザイナーが採用されてきたりととにかく一生懸命体制を作っているのが現状である※2

 

今回の仕事はより戦略に近い・・という説明を受けたのだが、どちらかというとポジショニングと消費者行動のデータをひたすら精査するというものである。とにかくデータが豊富にあって、ある程度やるべきことは明確にされているので、ひたすらExcelと格闘するのがお仕事である。なにせ人が足りないので、作った資料は多少文言チェックをされた後は直接お客様に出てしまう(しかも出される相手は米国本社だったりする)ので緊張感を持って仕事をしている。

扱うデータはマクロデータではなくて、例えばAという商品への感想を1から10で選んでください、みたいな問題なのだが、これが単語一つ一つのレベルで定義されているので、一つの商品について最低でも40個ぐらいは因子があることになる。やってること事態はこれまでの仕事でもやったことがあるし、schoolでもまさしく勉強していることなのだが、さすがにTOP企業向けになるとここまでやるものなのだな~と、毎回非常に勉強になっている。

また、データを扱う国も非米国で世界中に広がっているので、データをいじっているだけである程度消費者の姿が見えてくるようで、非常に面白い。たまにデータ自体が明らかに狂ってるんじゃないの・・みたいな結果が出てくることもあるので、そういうところこそ自分の価値が出る所であると思って、目を皿のようにしてデータを見ているせいか、非常に肩が凝るのだが、よくも悪くもMBAのインターンという感じである。

 

上層部の方針なのか、それとも大きなアカウントがとれたからなのかわからないが、とにかくお金の使い方も豪華である。まずビルの35階にあるということで、眺めがハンパ無い。足下まで窓なので、高所恐怖症の人は間違いなく窓側にはすわれないであろう高さである。またフリードリンクなので、コインをもってチョコチョコ買いにいかなくてもいいのが非常に嬉しい。ダイエットコークなら大丈夫なんじゃないか?と自分に言い聞かせて毎回1L以上は飲んでいる気がする。

そして極めつけは毎週金曜日には17時から、会社主催のパーティーがあるのだ。アイデアの共有会みたいなものが行われた後は、ビールとワインが社員に振る舞われる(もちろんバイトも参加OK)。中国の広告業界は値引き競争が非常に厳しいので、利幅が薄い企業が多いのだが、こんなに贅沢をしていて大丈夫なんだろうか。。

 

学ぶことも多いし本気の英語の環境ということで非常に充実している生活を送れているので、1ヶ月の短期とはいえ9月以降も使ってもらえるように、そして出来ればフルタイムのオファーがもらえるように気合いを入れて頑張りたい3

 

MBAでは何をするかはあなた次第、ただし全ては出来ない ■

冒頭で「残り三週間で・・」と書いたように、我々同級生が同じ場所にいるのは、もう本当にわずかである。7月からはインターン期間に入るので(週末に授業があるが、完全選択授業なので取りたくなければ取らなくてOK)みな各地に散ってしまうし、9月からは交換留学の時期になるので、約半分の学生はよそのschoolに行ってしまう。

この時期になるとそもそも授業を取らなくてもよいし、外にすみだす人間も増えてくるので、もう同じ学生と言ってもテンで好きなことをやるようになっている。真面目に勉強をしている人間もいるがそういうのは少数派で、語学を勉強するもの、僕のようにインターンを初めているもの、資格を取るための勉強をするもの、趣味に励むもの、そしてこれまでの忙しい生活から日常モード(友人曰く一日8時間眠れないと辛いらしい)になるものと、本当に様々である。

僕は結構な時間をschoolのクラブ活動に使っており、International clubの役員もやっている関係で一年を振り返る飲み会というのにこの前行ってきたのだが、僕以外のみなもやはり終わりが近いことを感じていた。久しぶりにゆっくり話していると、みな成績がそれほどよくないことがわかり、まあ飲んでばっかりいたからね・・という感じで盛り上がったのだが、皆が「自分がやりたいことをやってるから後悔ないよね」ということで、一致したのがちょっと嬉しかった。

MBAは忙しいとはいえ、たくさん時間があるのは間違いない。少なくとも激務が多い日本企業(と日本にある企業)に比べればプレッシャーも少ないし「自分で何をやりたいか」を自分で決めることは出来る。でも、だからといって何でも出来るかというとそんなことはないと思うんだよね。

1年とちょっとなんてすぐに経ってしまうし、やりたいことを色々かじってみても、ちょっと長いお休みぐらいで終わってしまう可能性もある(それでも良いという人ももちろんいるべき)。せっかく高いお金を払って、たぶん人生で最後の学生生活を送るのであれば、せめて始まる前ぐらいはじっくりと考えて、「何が自分で欲しいか」を考えるのも悪くないと思う。

 

もちろん色々な出会い、色々な経験の中で方向性が変わるのは全然問題ない。自分もいろいろとぶれまくっているのは事実だし。ただ、なんていうか、ベクトルの方向は変わっても、経験を積むことで長さはゆっくりとでも長くなって行く、そんなことを意識しながら経験を積めて行ければ幸せなことだと思う。

ソーシャルメディアを見ていると、日々「◯◯に感動した」とか「◯◯から学んだ」みたいなことがシェアされてくることが多いのだけど、そういう瞬発力というか脊髄反射みたいなのよりも、出来るだけ一つの価値観をずっと煮込んで行きたいとそんな風に思うタイプの人間だし、個人的にはMBAは長期的に価値を発揮する、キャリアはマラソンだとするとそのための基礎体力をつけるための時期だと、そんな風に思っている。

なので残りが半年になる今だからこそ、やっぱり日々のことがどんな風に自分の中で肥やしになるのかを考えながら毎日を過ごして行きたいと、このごろ思うのである。たぶん、実際に仕事をしてみて、MBAで学んだことの価値が少しずつわかるようになってきたからなのかもしれないけど。

 

1・・・話を聞く限り、病気というよりも中国が会わなかったのではないかと思う。
2・・・欧米系広告会社の場合、よっぽど大きい所以外はある程度機能をしばっている企業が多い。これまでインターンをしていた企業はもっぱらマーケティング戦略に特化しており、デザイン機能や購買機能などは一切無かった。
3・・・既に他の企業とインターンについてはサインをしているので、1ヶ月しか続けることが出来ない。同級生の中にはペナルティなど気にせずにサイン破りを試みる人間もいるようだが、次の年の学生にも、今年の学生にも迷惑をかけるのでそういったことをする気はない。

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2012年6月 4日 (月)

第43週目終了! ー工学系院卒の僕が考える私的entrepreneurship論−

Term3は前期と後期にわかれていて、その間は授業が休みになりテストがあるという日程になっている。ということで、今週はテストが一つあるだけで、他は一切授業がない・・という非常に自由な一週間となった。
本来はこの休み中の一週間で勉強をしなさい・・ということなのだろうが、あいにくな授業だったためイマイチ気合いが乗らず、とりあえず最低限度の勉強をしてテストに臨むという方針で臨むことを早々に決めて一ヶ月お願いしていたInternの総まとめに時間を使った。結果は・・うん、まあまだ配点としては50%が割り振られているレポートが残っているので、そちらでしっかり挽回するとしよう。

ちなみにテストが終わった翌日には、前職でお世話になった部下が日本に帰国するということで、北京までお別れに行ってきた。さらに北京では中国でMBAを取得している(した)日本人学生の方とも会うことが出来て、非常に楽しい時間を過ごすことが出来た。たった2泊3日で、しかもネットがやたら遅い、料金払い忘れで携帯は止まる・・といった問題はあったものの、今回の北京ではまたいろんな新しい顔を見ることが出来たので、その話はまた別の機会に・・・(こうやって書いてないネタが溜まる一方である、あぁ・・)
(本日のトピックは若干専門的な内容が含まれます)


■ ボルカーの講演と、医療システムと ■

うちのスクールでは、だいたい平均すると二週間に一回ぐらいExecutive sessionと題して、大物ゲストが来て講演をしてくれるのだが、今週は久しぶりに「誰がみても」大物とよべるようなゲストが訪問してくれた。サブプライム以降に米国で銀行規制を指示するボルカールールを提案した、元FRB議長であるボール・ボルカーである。金融系ではないと辞任している自分であっても、さすがにこれだけの大物が来るのであればぜひ参加せねば・・ということで、sessionに参加してきた※1

さすがに超大物ということで、会場は満席。それでも聞く価値
はあるだろうとImg_0008、立ち見で一 番後ろから見ることになったのだが・・・英語が果てしなく聞きづらい!かなりお年を召されているからなのか、それとも単に元々そういう発音なのか、とにかくモゴモゴ発音していてほとんど聞き取ることが出来ない。これはnativeじゃないから聞き取れないのか・・と軽く絶望していたのだが、session終了後にnativeの友人に聞いてみても「いや〜よくわからん講演だったな(内容も話し方も)」とのことだったので、これはしようが無かったと諦めたのであった。

とりあえず聞き取れた範囲では「金融危機が起こっても、金融システムに直接国が介入してシステム全体を維持しても、個々の銀行を守る必要はない」という話をしていたのであったが、じゃあ具体的にどうすればいいの・・というところがよくわからなかったので、この発言の評価は出来ない。個人的にはマイクロ秒で取引が行われる現在においては、そんなことは出来ないと思うのだが、例えば破綻がわかった瞬間に一時国有化をするということなのだろうか。。※2
この辺りは金融畑では「全然ない」自分にはさっぱりなので、もし誰かアイデアがある人があればぜひご教授いただきたいと思う。


今週はもう一つ、地味ながら非常に興味がある講演があり、そちらも遅刻に早退と非常にふざけたことをしてしまったが、話を聞いてきた。テーマは「中国におけるヘルスケアITビジネスについて」である※3。(どうやら業界には好かれていないようであるが・・)中国におけるヘルスケアビジネスというのには非常に興味を持っていて、MBA入学後にもせっせと企業セミナーやヘルスケアクラブのイベントに参加しているのだ。
中国のヘルスケアといえば、上海だけ見ても病院の状況というのはまだまだ日本には追いついていないし、それが地方に行けばさらに悪化する。これから急速に高齢化が進む中で社会保険も十分に整備されていないし、医薬品の認可はまだまだ不透明だしということで、中国ビジネスの中で最も「ポテンシャルが大きく」かつ「変えなければならない」業界の一つであると思っている。

ということで、ヘルスケアITの講演を聴いてきたのだが、毎回この手の講演を聴くたびにいったいどうすればよいのか、と途方にくれることが多い。以前に医薬関係のsessionの話を聞いた時にも、国の負担は増え市場は大きくなる一方で、医療レベルは下がっているという話を聞いたのだが、今回もハードの医療投資は増えているが、無駄があまりにも多くて全く有効活用されていないという話を聞いたのであった。
とにかくこの大きい中国では中央の意向通りには物事は進まないし、特に医療は各地方自治体(省レベル・市レベル)での独立性が強いので、個々の地域が個別最適(というか、担当者レベルでの個人最適)を追求してしまい、全体との効率性なかなか向上しないらしい。事実、中国ではものすごい数の医療機器メーカーが存在するらしいが、ほとんどは地場の病院のみに販売を行っているということで、各地域では事実上の一社独占という状態なわけだ。こういう状態では大メーカーがシステムを統合しようとしても個別対応が多すぎて現実的には無理だし、政策上でも予算措置を新たに行わないといけないので、なかなか思い切った改革をすることが出来ない。

中央集権で強力に物事を進めるには、あまりにも各自治体の予算規模・社会保険の状況・現在の医療レベルの状況・人材の質が違うために、うまくいかないことは目に見えている。個別の対応や改革ですむような話ではないのだ。


■ 工学的なアプローチとMBA ■

長々と書いてきたが、一見この関係ない「金融」と「医療」という業界の話が、実は僕の中ではシステム的アプローチと言う単語で一つにふとつながったのである。
僕は大学ではシステム工学を、大学院でも、まあ似たような学問を学んだのであるが、その学問の主要領域の一つにこういった有限の個別の主体が個々の利害にそって活動した結果システム全体がどのような挙動を示すかという学問領域がある。経済学における「ヒト」のように、あまりに多い対象を取り上げる場合には、ミクロとマクロの融合というのは大変なのであるが、対象が数千程度であれば、マルチエージェントシュミレーションという手法を用いれば、現在の計算機の能力であれば十分に計算可能である。

平たく言えば、政策が決定された時にどういったことが起こるかをコンピューターを使ってシミュレーションをしてみましょう、というのがこの学問なのであるが、特にマクロの(あるいは場の)動きを決定するルールと個別の振る舞いを分けて記述することが出来るのが、この研究方法のすぐれたところである。つまり、いろいろな政策の条件を変えることで個々の挙動がどのように変化し、その結果系全体(システム)がどのような動きをするかを観察するのだ※4

このような研究方法は、例えば僕が大学院生の時期でも「電力卸売市場のためのルール設定」や「二酸化炭素排出権取引市場」などの研究のために利用されていた。横着をしないでちゃんと調べてみればよいのだが、例えば論文を調べることの出来るGoogle scholarに「Financial system agent simulation」という単語を入力すると10万件以上の論文がヒットするので、かなりの数の研究が行われているはずである。特に近年は経済物理学などが一般化しているので、そういう視点からの研究はますます進むのではないかと思う。


ところがこういった研究内容というのはMBAで全く聞くことはない。もちろん、それなりに高度な数学を利用しなければならないし(とはいえ大学理系レベルでも理解可能なのがほとんだ)、実際に手を動かすことが出来ないという制約があるのでしかたがないのだが、せっかくMaster(修士)とつく以上、少しでもそういった研究についてふれるというのはアリなのではないかと思うのだ。
(日本でも報道されていないだけど、当然省庁の中でこういった研究はされているのだが)米国や中国のように、アカデミックのエリートがそのまま経済政策を担当するような国で、特に中国のように規制によってビジネス環境が激変するような市場では、彼らの意思決定がどのように行われるのか、というのを知ることは決して無駄ではないと思う。少なくとも手法の存在ぐらいはしっておいてもいいのではないかと考えるのだ。

僕のように一時でも理系でこういった考え方に触れた人間からすると、こういったミクロの挙動とその関係性ががシステム全体の挙動と相互に関連するような場について、極めてミクロ的なアプローチ(病院の例でいえば、個々の病院への対応)と、極めてマクロ的なアプローチ(全体の規制はこうあるべきだ!)のみを取り上げて議論をするのは非常におかしな気がする。せっかく既に存在している知識があるのであれば、意思決定にもそれを使おうとするのが、真摯な態度ではないだろうか。もちろん、研究者がいわゆる「内輪の議論」になってしまっているというのも、もちろん現状の問題点としては存在するのも確かだ。ただね、やっぱり我々は修士にいるんだしね・・いくらacademicでは無いと言っても・・。もしかしたらMITスローンのようなengineering かつacademicな雰囲気が強いschoolではそういうアプローチも取り上げられているのかもしれないけど・・。


何か話が随分ととっちらかってしまったのだが、要するに僕がいいたいのは、我々がMBAで学ぶようなアプローチ以外にも世の中にはたくさんの問題解決方法があって、それをどうビジネスにいかしていくのかというのも、我々のようなバックグラウンドを持つような人間に取っては大切なことなのではないか、ということだ。MBA的な考え方は確かに「目の前の現実」に対処するのは有用かもしれない。でも、残念ながら(そして、それゆえにやりがいがあるのだが)世界はそれほど単純ではなくて、だからこそ持てる知恵をフル活用するという姿勢こそが、つまり我々MBA学生がもれなく学ぶentrepreneurshipにつながるのではないだろうか。

(リサーチ無しで書いているので、こういう実例があるよ、といったご意見いただけると嬉しいです)




※1・・・こういうsessionは「誰にでもわかる大物」以外にも、業界では大物が来る場合もあり、実ははそういうゲストのほうが面白いということもある。ただ、聴講者がそれほど多くないので、何か申し訳ないという気分になってしまうのだが。
※2・・・国有化といっても資本を注入してしまっては意味が無いので、なんというか資産と債務をまるごと徴発するということになるのだろうか。
※3・・・言い訳をすれば遅刻はInternのプロジェクトのまとめをしており、早退は別の企業から面接のお誘いの電話がかかってきたからである。特に後者はおかげさまでトントン拍子に話が進み、6月からまたInternで働き始めることになった。これでMBA期間で3社目の広告会社。
※4・・・個々の反応は、プロセスをあらかじめ決定しておく方法と、目標となるような関数を設定して自己回帰的に最適化をはかるという方法(遺伝的アルゴリズムなどを使う)があるが、ここら辺は複雑になるので割愛。

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