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2012年9月

2012年9月30日 (日)

第60週目終了! -就職活動込みで台湾再訪 -

Term5が始まったと思ったら、あっという間に9月は終了・・ということで、この時期はいったい何をしていたんだと自分でも思うほど時間がたつのが早い。当初はメインの作業は就職活動の情報集めとお話聞きにする予定だったのだが、思ったより授業の負担が重かったり(これはむしろ喜ぶべきことか・・)、何より9月前半は反日騒動の情報収集に個人的に時間を使ってしまったために、ほとんど作業が出来ない時期があったのが痛かった。ようやくリズムを取り戻したと思ったら、あっという間に国慶節でお休み期間に突入ということで、MBA生活第60週目も無事に終了。


■ 就職活動の時期来る! ■

今までもこのblogでは散々就職活動がどうたらこうたらと言う話を書いてきたのだが、実は今週になって初めて本気でfull-timeの仕事のインタビューを受けるという機会に恵まれた。とある欧米系企業のインハウスコンサルティングの会社で、なんでも「日本での業務を増やしたい」という理由から日本人の僕に目をつけたらしい※1。突然人事から「もし、あなたが興味があれば私たちの会社に応募する権利がある」という謎のメールが来て、なんのこっちゃと思ってレジュメを送ってみたら、インタビューに呼ばれるということが起こったのであった。

正直にいえばあまり志望度は高くないのだが(当たり前だ)、せっかくコンサル関連のインタビューを受けることが出来るのであれば・・・ということで、スーツを着込んでインタビューを受けに行ったのだが、なにせ複数の面接を一日で終えなければならないということで、日程がかなりハードで集合は朝の8時。しかも受けに行ってみると外国人は自分だけで他は全て大陸人というアウェーな環境だった※2


インタビューはコンサルティングによくあるケースインタビュー形式で、午前に2つ+GMATのようなPCテストを受けることになっていた。これが終わった時点で第1ラウンドが終了で、不合格の人間はさようなら、というスケジュールらしいのだが、僕は幸運にも第1ラウンドは無事に切り抜けることが出来たので、午後も同じようなインタビューを2本受けることになった。もちろん第1ラウンドを突破できたのは嬉しかったのだが、1本あたりの時間は長くなるし、頭はボーっとしてくるしでかなりシンドイ1日となった。最終的には第2ラウンドが全て終了した後に簡単なFBと「お疲れ様、不合格です」の連絡をいただいて帰宅することとなったのであった。僕を含めてその日は6人の学生が受けていたのだが、結局合格者は0ということで、学生側も疲れるし面接側も1日使って合格者0というのはなかなか負荷の高い業務である※3

このインタビュー、午前に1回・午後に1回それぞれ先方からフィードバックを受けることが出来て、しかもその内容はかなり的確で得るものが多かった。また、母国語でない英語でコンサルのインタビューを受けるというのは中々ない機会なわけで、そのことは向こうからもおほめの御言葉をいただくことが出来た(中国人学生は、インド人との面接以外では中国語を使ったらしい)。MBAの卒業生の多くがコンサルに行くので、そういうことをschoolでやっていると思っている人も多いのだが、少なくともうちのschoolではそういう授業は数えるほどしかなかったし、consulting clubでお互いの練習でもしない限り、中々いわゆる「コンサル思考」をトレーニングする場がない。そういう意味で、就職活動の初めにトレーニングの機会を与えてもらったと考えれば決して無駄な時間ではなかったと言えると思う。


ただ一点、その翌日から同じく就職関連で台湾に行くことになっており、しかも朝9時の前の飛行機ということさえなければ、さらによかったのだが。。


■ 空気が柔らかな台湾 ■20120929_195932

ということで、1日インタビューの疲労も抜けやらぬまま、金曜日からは台湾を訪問したので あった。(blogには細かいことを書けていないが)昨年末にも台湾に観光に行ったので、このMBA生活で台湾は二回目である。

前回の訪問の時期も、台湾というのはちょっと前の日本のような街並みで心が落ち着くな・・と思ったのだが、今回は9月に反日騒動が大陸であった影響もあり、台湾はより一層空気が柔らかく感じたのだった。気候もこの時期は暑くもなく寒くもなくであり、また口調も大変柔らかいということで、大陸でちょっとピリピリしていた気持ちを癒すにはいいタイミングであったと思う。


日本では大陸の反日に対して台湾は親日的であるということで盲目的に台湾を好きと言う人もいることは知っているのだが、単純なそういう見方を省いたとしても、やはり大陸と比べれば台湾と言うのは日本人にとっては住みやすい場所だと思う。少なくとも街中でいきなり殴られるということを心配しなくていいというのは、当たり前のようでいて結構大切なことである※4。大陸から台湾に移ったという人が、台湾を好きになるのは僕もうなずける。

ただ、一方でビジネスという話になると、台湾というのは基本的に「大陸に進むための準備地域」以上の意味はないというのも事実である。確かに世界的に名を成しているフォックスコンやHTCという企業もあるが、基本的に売上のほとんどは台湾外からあげているし、なにせマーケットの大きさが大陸とは違いすぎる。台湾の人口は2,300万人であり、13億人を抱える巨大マーケットの前では、ないも同じである。台湾人の友人に聞いても「住むなら絶対台湾、でも仕事するなら大陸というのは仕方ない」という反応が返ってくる。

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僕が今回お話を聞きにいった日系の会社も、サービス分野で海外進出を考えるにあたりま ずは台湾で経験を積むということを主眼に置いており、いずれ大陸に進出するにあたり現地のことを知っている人間が必要と言うことで僕に声をかけてくれたらしい。確かに組織運営の面で台湾で苦戦するようでは、大陸ではとてもやっていくことはできないと思う。

今回はお声をかけていただ20120930_204243いた期間で複数の人と会う必要があったり、イベントがあったり と結構長く台湾にいることになっていたので、前回に続いて夜市を散歩したり101の辺りをブラブラとする機会があったのだが、食事はおいしいし街は安全だし、移動をするにしても適度にコンパクトであるということで、数年間住むのであればかなりいい街であるというのが正直な感想だった。次の会社選びでは、こういう住環境というのも考えな20120930_213053ければならないな~というのは、9月以降は考えるようになっていた ので、台湾で働くということも真剣に考えてみたいと思ったのだった。
逆にいえば、ついこの前までの9月の出来事は、僕のように比較的長く中国にコミットする人間にも影響を与えているわけで、長期的に見たら中国にとっても残念な出来事だったと言わざるを得ない。自分的には「国際政治に翻弄されてしまってるんですよ・・」とネタの一つにでもすればいいと思えるけれど、もっと長く住んで、たとえば自分で会社を興されている方からすれば笑いごとではない。


来週は国慶節なのでschoolも休みになってしまうため、週の半ばには日本に帰って、これまた就職関連で複数の人に会う予定である。気がつけばMBA生活も実質残り2カ月で、本格的に就職の声が聞こえる担ってきたのを実感するのであった。


※1・・・欧米系企業の中でもものすごく大きな企業の中には、自社グループ内に自社企業向けのコンサルティングをする部隊を持っている企業があり、そのようなコンサル企業を「インハウスコンサルティング」と呼んでいる。
※2・・・しかし、なぜかインド人の人事は僕のことを大陸人だと勘違いして話を進めていたのであった。日本人だから・・という理由で呼んだんじゃなかったのか。。
※3・・・圧迫面接だったのかもしれないが、やたら高圧的な中国人(またはシンガポール人)の女性が出てきて、話がうまくかみ合わない段階で落ちることを確信した。他の候補者とも「ずいぶんと偉い人らしいが、あんまりだよな・・」という話をしたので、候補者全員が彼女を突破できなかったものと思われる。違う人が来たらまた違った結果になったかもしれない。
※4・・・反日期間中は上海にいても僕はピリピリしていたのだが、台湾人からは「台湾では絶対そういうことはないぞ!」と何度も声をかけてもらったのであった。

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2012年9月23日 (日)

第59週目終了! -Term5-aは販売の話をやってます-

9月第二週に入ってからはSchoolの授業も復活で、普通に教室で講義を受ける生活が続いている。この二週間はピリピリした雰囲気があってあまり勉強に集中できるような状態ではなかったのだが、それでもCaseを読んで提出物を書くというサイクルは変わらない。・・・とはいえ授業中にいきなり日本にいる友人や親せきから安否や情報の正否確認の連絡がきたりするので、そういった場合にはiPadでポチポチと連絡をしていたが※1

今学期は全て選択授業で自分のとりたい授業を取ることが出来るし、これまでに比べれば期間内にとらなければならない授業数もかなり少ないので、ゆったりとした中で生活を過ごすことが出来ている(気合で夏休み期間中に授業をとったのが、ここにきて効いている)。ということで、何があっても変わらぬ授業生活が続いたMBA生活59週目も無事に終了。


■ 選択授業は「何をやるか?」より「誰がやるか?」で

うちのschoolは選択授業の自由度があまり高くなく、Term5とTerm6のみ(18か月の後半66カ月のみ)に受講が認められている。二年間のプログラムの中にはすべての期間で選択授業と必修を組み合わせることが認められているschoolもあるので(例:シカゴ大学Booth school)、「必修でしっかり勉強しなさい」というのがうちのschoolのプログラムだと言えるだろう。

選択科目は大きく分けて「Marketing」「Finance」「General Management」の3つのカテゴリに分けられていて、ある特定のカテゴリで所定の単位数を取得し、さらに条件を満たすとその分野を専門的に取得したとCertificationに書いてもらえるというメリットがある。僕は一応Markteing分野志望ということで、そのCertificationを狙っていたのだが、すでに実務で嫌というほどやったTopicもあったし、あまり興味がわかない授業も取らなければないということで、専門分野取得は早々に捨てて、気の向くままに興味のある授業を取っている※2


選択授業はbid systemと言われていて、それぞれの学生に一定のポイントが最初に割り振られて、興味のある科目に自分がポイントを賭けていくというシステムになっている。もし自分が投じたポイントが開講人数内に含まれていれば、はれてシートを手にいれることが出来るというわけだ。
選択授業の内容は事前にシラバスで配られているし、昨年度の学生の評価を見ることもできる。個人的には選択の際にもっとも役に立つのはシラバスではなく、先輩からの口コミである。基本的にMBA schoolにいる学生と言うのは志向が似通っているので、先輩からの口コミというのはかなり信頼できるソースなのだ。

またこれまでの1年間の経験から、「面白そうなトピックだが、教授の講義がつまらない」よりは「あまり興味がわかなくても、教授の講義面白い」方がはるかに満足度が高いこともわかっているので、昨年度の学生からの点数もかなり参考になる。ちなみに、この点数があまりにも低いのが二年以上続くと教授がリリースされる(クビになる)こともあるので、教授にとっても高い点数を取ることはある程度必要である。ただ、2012年現在だと中国で欧米からきた学生もそれなりに満足するようなレベルの授業を提供できる教授は相対的に数が少なく、教授は売り手市場であるようで、少なくとも職をなくすということはないようである※3

あとさり気に重要なのは、グループワークの量。この時期は学生の約半分が海外からの交換留学生なのだが、彼らはschool以外に住んでいるし「短期間で中国を味わいたい」と考えてきているので、(相対的に)授業で時間を使うのを抑えたいと思っている学生が多い。
うちのschoolはほぼ全ての授業でグループワークが必須なのだが、あまりにグループワークが多いと結局自分の首を絞めることになるので、グループワークの量というのも結構判断基準としては重要である。


上記の方針に沿って、今回のTerm5-Aでは僕は二科目の授業を取っている。自分で言うのもなんだが、しっかり考えて選択をしたおかげでここまでは非常に満足度が高い。

  1. Managing Business Marketing & Branding
  2. タイトルだけ見るとなんのこっちゃというような授業だが、B2BビジネスのMarketingを学ぶ授業である。MBAではどうしてもB2C Marketingのほうがより経済学的なアプローチをとることが出来るせいかポピュラーだし本でも学ぶことが出来る一方、B2Bの場合は手ごろな教科書もないし、なかなか機会がないということで選択した。

    教授は大陸人で欧米系化学系企業でSales&Marketingの経験を積んだ後、フランスのINSEADで博士を取ったという経歴で、英語が多少聞き取りづらい以外は実務の話も交えて非常に授業は面白い。(おそらく彼の経験もあわせてだと思うのだが)彼が言うにはB2BのMarketingの90%は営業担当のヤル気の管理とか効率的な運営についてであり、salesさえうまく回っていれば、少なくともMarketingとしては成功だということになっている、らしい。。。※4

    毎回ケースをよんだ上で事前に出された質問に回答するというスタイルを取っていて作業量はかなり多いのだが、ケースも面白いものが多く、毎回非常に勉強になるので(知識を得るというよりは自分で頭を使っている感じがする)作業量が多くても満足度が高い授業である。B2Bビジネスは依然として中国ではメインのビジネスなので、これからも学生のニーズは高いのではないだろうか。


  3. Retailing Strategies and Selected Implications for Suppliers
  4. これもやけに長いタイトルだが「小売業」の戦略を学ぶ授業である。中国はこれだけ広いにも関わらず、小売・流通はあきれるほどレベルが低くまだまだこれからも外資系が活躍する余地があるのでは・・と考えていたので選択した。上海にあるカルフールとか店員の多さと、役に立たなさのバランスは驚異的に悪い(と思う)。

    教授はフランス人でなぜか経歴がオープンになってないのだが、中国には住んでいないためこのTerm5-A期間中に二週間だけschoolに来て、集中的に授業をしていくというスタイルになっている。その割には事前に読むモノが非常に多いので、リズムをとりづらい授業である。その上第一回は「体調不良」により延期になってしまうということで、さらにスケジュールをぐちゃぐちゃにしてくれた※5


    僕はMarkteingというのは「モノを作ってからお客様に届けて評価を受けるまでの繰り返されるプロセス」であると理解しているので、ネットや広告がこれまでの経験のメインとなっている僕としてはSupply ChainとかRetailingみたいなビジネスは意識的に勉強をしている。日本は競争が激しいために、全てのプレーヤーのレベルが半端なく高かったので気付かなかったのだが、中国に来てからは小売・流通というのは社会のインフラとして必要なパーツだと思うようになったからだ。

    教授はフランス人ということで、欧米系のブランド名がバンバン出てきてさっぱりわからない時もあるし、英語の発音も違うとなかなか集中力を試されるのであるが、すでに65歳と御大らしい鷹揚さと豊富な知識で、何を聞いてもこたえてくれるので講義と言うよりも会話形式で授業が進んでいくのが非常に楽しい。ただ、未だにOHPを使っているのには驚いたが。今の大学生の中にはOHPを知らない学生も多いのではないだろうか。
    唯一残念なのはただでさえケースが少ない大陸ビジネスの中でも小売系はさらに数がすくないということで、毎度のように「Best Buyの失敗の例」が出てくること。Best Buyはこちらに来て初めて買い物をしたのが、徐家汇のある店舗だということで非常に思い入れがあるのだが、こちらでは進出の失敗例として繰り返し用いられる残念な存在である。米国に住んだことがなくて、Best Buyのすごさを知らない自分には「なんかよくわからんが失敗した会社」ということになっていて、大変申し訳ない気分である(このごろは米国でも失速しているようであるが・・)


友人のMBA holderに言わせれば「選択授業こそがMBAの本質。必修なんて教授が義務でいやいや教えている科目もあるけど、選択授業は彼らの興味にマッチするものを教えているので面白い」ということで、確かにTerm1で学んだマクロ・ミクロといった授業よりはずっと楽しく聞くとも出来ている。やっぱりなんだかんだ言っても、固い理論よりは生々しい事例の方がMBA学生には合っているような気がする。
来週一週間授業を受けるとあっという間に国慶節休みに入り、個人としては台湾に訪問予定なので来週はサクサクと作業を片づけて、就職の準備にとりかかりたい・・と思っている。


※1・・・うちのschoolは一応建前上は「concert rule」といって授業中の電子デバイスの利用は禁じられている。とはいえあ「一応」なので授業中に多少ガジェットをいじるのは問題なし。ただこのルールが制定された時にはまだスマホやタブレットはメジャーではなくラップトップを想定したルールだと思われる。個人的にはわからない専門用語の意味を調べたり、気になったことをググれるので、ガジェット利用はOKでもいいと思う。どうせ駄目といってもやるやつはやるし。
※2・・・給与面の魅力があるのか、うちのschoolではFinance系が人気なのだが、僕は一つも取っていない。Financeを取るなら香港に行った方がいいと思うんだけどな。。
※3・・・大陸のいくつかのschool+香港のいくつかのschoolで教授がグルグル回っているような印象がある。
※4・・・新卒で入社した会社が営業が大変強い会社で、販促にはいろいろ苦労したな~と思い出して、思わず目頭が熱くなってしまった(嘘)。
※5・・・延期になった第一回の授業で自分でも言っていたが、ものすごい巨漢で減量しないとそう長くないのでは・・・と思われるほど汗をかいていて体調不良もありなん、と思ってしまった。

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2012年9月22日 (土)

自分で自分の首をしめる国になるのか

今回の日本に対する運動、というか出来事というのは少なくとも僕の周りでは「単なる日本人向けのデモンストレーション」という枠を超えて、色々な感想を抱かせるような出来事となった。もちろん僕がその対象となる日本人である、ということを多少差し引いてみる必要はあるものの、遠くヨーロッパまで交換留学に行っている友人が心配をして連絡をくれたり、中国語を読める友人は微博から画像を集めては、本国に向けて情報発信を行っていたようである。

彼らと話していて一致するのは、(対象である日本人にとっては災害以外の何物でもないとして)こういうことを起こすのは中期的には間違いなく中国人にとって跳ね返ってくるということと、騒動で主役を演じた層(地方から出てきた教育程度が高くない層と学生)がその時には真っ先に影響をうけるだろうということだった。

■ 暴力は自分で自分の首を絞める行為

まず彼らが一様に言うのは「この状態が日本に対してのみに向けられるという保障はないと」ということである。確かに今回も日本以外の国や領事館が巻き込まれるということもあったわけだが、そういう個別の出来事をとりあげて言うのではなく、極論を言えば「こういうことを起こしうる土台が中国にある」ということを感じたということである。

また今回ネットの一部ではすでに見られたように、多くの欧米系の友人が心配していたのは、いずれ対象になるのは米国(あるいは米国人)ではないかということだ。彼らが言うには(そして僕も思うが)、今回のような騒動を起こすような人間が、米国人とそれ以外の欧米人を識別できるとは到底思えない。つまり、米国が対象となる==自分たちが対象になるということで、そういう漠然とした不安感は心の中に残るとなかなか消えないものでもある※1

もちろんそういった個々の人間が感じる不安感以外にも、現実的な問題として現在の中国にとって最も重要な経済発展にも少なからぬ影響があるということは避けられないように感じている。


  1. Supply Chain から外れる可能性
  2. 中国が世界の工場だったのは既に昔の話で、現在では人件費が高騰してしまって中国沿岸部に工場を置くメリットはほとんどない※2。しかし現在でも内陸部はまだ工場立地の余地が残っているし、巨大な市場となる中国に工場をおくというメリットを感じている企業もまだ多い。さらに言えば完成品市場はともかくとして、サプライチェーンの中に組み込まれている単品部品などは大規模な単純作業要員が必要だったりするので、中国国内に工場がある企業も多い。

    現在の世界的なサプライチェーンは基本的な方向性としては小ロット多頻度発注(在庫を選らすため)となっているため、工場が止まると即座に完成品の生産能力に影響を及ぼしてしまう。もちろん完成品メーカーも一ヶ所だけに頼るようなことはしないが、それでもネットワークの一つが切れてしまうというのは影響が大きい。
    今回の騒動ではいくつかの工場が破壊されてしまうという出来事があったが、こういう事態が発生するとリスク管理上、工場立地候補地としての評価は下がることになる。


  3. 事業継続性&reputation risk
  4. 今回の騒動では、日系企業の一部では駐在員の外出停止を命じたり、営業を止めたりするところがあった。これは安全を守るという意味においては当然の措置だと思うが、仮にこのような事態が数週間続くとなると企業としては「事業継続性」についてリスク管理の観点から、何らかの手を打たなければならなくなる※3

    一つの方法としては現地化をより推進して業務を担当する人間や組織を中国化するという方法が考えられる。ただ今回でも西安では「日本車に乗っている」という理由だけで、暴行にあった中国人もいるし、極端にいえば対象と関わっているだけでリスクが上がるという現実がある。また現地化進めると、今回のように(まったく関係ないのに)アウディ販売店が「日本人を殺しつくせ」と垂れ幕をあげてしまったり、ユニクロがメッセージを出してしまったりと言うことが起こる可能性もある。
    インターネットによって情報が瞬時に流通してしまうようになっている現在、Global firmはブランド評価というものを非常に気にかけており、市場の大きさとブランド棄損リスクというものを天秤にかけながら経営をしていく必要が出てくるし、その結果として進出スピードが遅くなる、投資金額が少なくなるという可能性は否定できない。


  5. 意思決定も人が行うもの
  6. 当たり前の話だがGlobal firmといえども、最後に意思決定をするのは人間である。言い換えればどんな判断も、判断する人間の価値観や道徳観というものを反映せざるを得ない。
    例えば、今回の出来事で僕の友人たちが感じたであろう感情や、僕(だけでなく広い意味での日本人)に対する心配というのは意思決定に何も影響を与えないとは考えにくい。

    そもそも欧米系企業から見れば「中国語が話せて中国文化が理解できて、かつ企業が属する自国の文化を理解できる」人材と言うのは非常に少ない※4。そういう人間と言うのは大なり小なり中国での業務経験や留学経験があるもので、当然その過程で日本人と接する経験を持っている。なにせ中国には短期滞在も含めれば20万人以上の日本人がいるのだから。そういった人が今回の出来事を見て「中国は潜在的に怖い国である」と思ってしまうというのは、マイナスになることはあってもプラスになることはない。


■ 「いい人がいるかどうか」は問題ではない

今回の出来事は世界中のメディアで報道をされたし、特に当事国である日本では色々な報道がされていた。僕は少なくとも日本語で報道されておりネットに上がっている情報はかなりの割合で目を通していると思うのだけど、現地にいる身からするとピントがずれていると感じたものが多かった。

まず今回の騒動の黒幕・・・というか誰が仕掛けたか、というものについて、実に多くの人がコメントをしていたのだけど、基本的に中国語を読むことが出来て、かつ中国の権力構造とか一般市民の感情的な動きを理解していない人が語ることと言うのはどこかでみた情報を自分の言葉で語っているだけで、特に有益な情報を追加されているということはなかった。トーンは非常に軽いのだけど、現地の情報を知るという意味では安田さんの「大陸浪人のススメ」Kinbricks Nowというサイトの方がはるかに役に立つ※5。またTwitterで発信される、中国在住の一般の人の情報の方がはるかに役に立ったことも事実である。


次にこれは友人たちとも一致した感想だったのだが、基本的に「中国にもいい人がいる」とか「理性を持っている人間もたくさんいる」のような、全員がおかしくなっているわけではないという発言は、現地にいる人間にとっては全然意味がない情報だということだ。なるほど、確かに国対国という観点からするとそういうことに意味があるだろうし、これまで中国に対して好意をもっている人はそういうことを言いたいというのもわかる(そもそも僕だって中国に長く住んでいるわけで、好意を持っている)。
しかし、一方で現地に住んでいる人間からすれば、どっかのちょっと興奮した人間や集団が道端で暴れて鉄パイプで頭を殴ってきたら、それで終わりである。そういう現実の前に国際政治がどうこうとか、権力争いがどうこうとかは些細なことであって、目の前の恐怖のほうが圧倒的に大きい。

確かにビジネスという面で見れば、中国というのは市場がこれからも大きくなるだろうし、その市場を捨てるということは経営判断としてはあり得ない(少しずつ生産拠点から足を抜くことはあると思うし、すでに進んでいるけど)。ただ、こういう「議論を超えたレベル」で身体が覚えてしまった感覚というのはなかなか抜けないし、そういう感覚を当事国以外の人間が感じてしまうような状態を作りだしてしまう、というのは極端にいえば誰も幸せにしないのではないかと、そんな風に思っている。



※1・・・複数の友人が今回の出来事を表現するのに、demonstration(デモ)ではなくて、riot(暴動)という単語を使っていた。彼らは当然日中間の歴史や経緯には詳しくないわけで、彼らの視点からすると、いきなり対日本で暴動が起こったように見えたようである。
※2・・・経済的な理由だけとはいえないが、他の東南アジア新興国に工場を移す流れと、メキシコなどの過去に工業地域だった場所に工場が戻っていくという流れが混在している。
※3・・・厳密な意味でいえば、「事業継続性に関するリスク管理」はそういう事態が発生するために策定しているので、発生すると策定するというのはちょっと違うのだが、今回の件で中国についてのリスク管理が加速するかもしれない。
※4・・・欧米に留学した中国人学生がその対象となる可能性もあるが、これまでの経験から、欧米系企業がマネジメント層に求めるレベルまで両国の文化を理解できるようになる割合は非常に少ない。やはり自国人のほうが信じられる・・というのは自然な感情だと思う。
※5・・・公平のために、僕は安田さんにお会いしたことがあるしTwitter上では時々話もする中であるということは記しておく。

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2012年9月19日 (水)

2012年9月18日に考えた自分のキャリア

毎年9月18日というのは満州事変がはじまった日ということで、中国全体で反日の機運が高まる。日ごろ使っているVPNの日本向け接続が遅くなるのは毎年のことなのだが、今年はここ一週間ほどの騒動のおかげでかなり緊張した生活になってしまった。
もちろん、こちらに来てから今までこういった感じの反日活動というのは経験しているし、不愉快な思いをしたことも一回ではない。ただ、それでも今回の騒動というのは今までとは違う意味合いがあったし、卒業後のキャリアについても多少考えを変えざるを得ないような影響を与えたのだった。


■ 18日に考えた僕のキャリア ■

僕はこれまでもこういった記事こういった内容で、卒業後のキャリアについて何度も書いてきた。職種や業種といったところで考えが揺れる部分はいろいろあるし、今でも揺れている部分は多くあるのだが、それでも『中国をメインの活動場所として、中国で同じように方を並べて働きたい』という希望がずれたことはなかった※1。ただ今回の出来事を受けて(正確にいえば今回だけでなく、夏のInternの影響も受けて)少し考えを修正しようと思っている。具体的にいえば、中国人学生が応募するような「中国大陸で幹部候補として働くことを期待される」リーダーシッププログラムへの応募はやめようと考えるようになった。

  • 街中で家族の安全が保障されない可能性がある
  • 現状では家族どころか嫁さんもいない自分ではあるが、一応頭の中(だけ)にある計画では、数年以内に結婚して、運が良ければ子供がほしいな~と漠然と考えている※2。ただそうなるとやはり一番に気にしたいと思うのは家族の健康と安全だ。
    リーダーシッププログラムというのは中国国内で幹部候補としての働きが期待されるわけで、必ずしも勤務地が上海や北京という大都市になるわけではない。中国は広く、今後のマーケットが中西部に広がっていくことを考えると、勤務地がそのような場所になるという可能性も考えられる。

    今回の出来事で衝撃をうけたのは、広州や上海といった大都市であってもデモ以外の場所の、いわゆる街中で日本人が被害を受けたということである。もちろん詳細情報を手に入れることはできないし、彼らが本来であれば気をつけるべき場所で油断をしていたという可能性も否定はできないが、やはり街中で「どこで危ない目にあうかわからない」というのは非常に怖い。中国人と結婚しようとも、一回日本人と結婚すれば「日本人の嫁」になるわけで、こういうことが潜在的に起こる・・というのはビビりの僕には、なかなか精神的に辛い。


  • 職場で孤立する可能性がある
  • 今回はTwitterで在中の人と情報を交換することが出来たのだが、やはりこういう事態になると役に立つのは中国でのビジネス経験が長い日系大企業の情報網だ。こちらでは商社
    の駐在員が家族を返すようになったらかなり危ない・・と言ったりするのだが、やはり会社が騒動が起こった時に迅速にサポートをしてくれるというのは非常に大きい。

    一方で今回僕が夏にInternをした会社でも感じたのだが、Global企業の中でもLocalizeが進んでいる企業というのは、従業員のほとんどが中国人である。特にバックオフィスのようにコストセンターとなるような場所は現地化の進んでいる。もし仮に問題が起こった時に、大陸人以外がマジョリティとなっている職場、あるいはマネジメント層に複数の外国人がいる場合には、サポートは受けられないまでも何らかの理解を得ることが出来るのだが、そうでない場合、たとえば短期的に他の都市から上海に移動したいといったことの理解をえるのは難しいかもしれない※3


  • そもそも外国人が安定して働けなくなる可能性がある
  • 僕は日本の一部で言われるような「中国バブル崩壊論」にはくみしない。また、現在の中国の統治体制がすぐに変わるということも考えていない。ただ、一方でそれは現在のような「それなりに」安定して成長を享受出来る状態がず~~と続く考えている、ということを意味しない。

    中国経済がどうなるかということは、この今の瞬間でも世界中で多くの人が頭を悩ませている問題である。楽観論と悲観論でいえば、短期的には今のままでいくだろうけど、長期的には中国人が期待しているほど楽観的ではないというのが僕のスタンスなのだけど、いずれにしてもそう遠くない未来に大きな調整局面が来るのでは、と思っている。


    多くの報道や情報が指摘するように今回の出来事の遠因の一つは、経済発展の恩恵にあずかれない層の不満である。彼らの不満というのは常に潜在的に社会の中に溜まっていっているし、その爆発の仕方も必ずしも全てがコントロールされているものではない。極論を言ってしまえば今回は偶然にも(あえて偶然といいたい)日本に対する不満きっかけだった、他の要因や他国への反発で同じような出来事が発生しないとは言い切れない※4

    仮にその反発が今よりもう少し大きくなった場合、あるいは今回青島で工場が破壊されたように、数週間から1カ月の単位で中国で外国人が安定して働けなくなる可能性がないとは言い切れない。マクロでみれば外国企業が出ていくことはないと思うが、短期的にそういうことが起きないとは言い切れないし、個人への影響はもっと大きくなる。仮に一部機能をクローズすることが決まっていきなり解雇でもされた日には、いきなり路頭に迷うことになってしまう。


■ 命あっての仕事、安全あっての貢献 ■

こういうことを感じている一方で、じゃあ中国からすぐに脱出したいとか、日本に戻って働きたいと強く思うようになったかと言うとそういうわけでもない。自分でもすごく歯切れが悪いと思うのだが、これまで中国一本足だった自分の地盤をもう少し広げて、自分の自由度やmovilityを上げていきたいと思っているのが正直なところだ。

たとえば(これは収入面でも非常に魅力的だが)多国籍企業の駐在扱い(expat扱い)で中国にいるというのは一つの方法だと思う。またこれまで狙っていたGreater ChinaやMainland Chinaでの採用ではなく、Asia Pacificでの採用を狙うというのも手だと思う。さらに言えば、これは確率が非常に少ないがGlobal LeadershipにApplyするという方法もある。ようするに自分の中で中国「だけ」にこだわることのriskが少し上がったので、リスクヘッジの方法を準備しておきたいというようになったというのが、今回考えているキャリアを微妙に変えたいということの本音だということ。


上海にはそれこそ10年以上こちらにいてビジネスをしたり、各分野で活躍をされている日本人の方がたくさんいる。そういう方はこれまでも何度もこういった騒動を体験されてきたので、今回の出来事で帰国をした日本人に対して「安易に逃げる」という言葉を使う人もいたりする。確かに、いい時だけ来てお金を稼ぎ、ちょっと危なくなったらすぐに逃げるというのは現地経験の長い自分から見てもあまり気分のいいものではない。
一方で、そういう方と言うのはご家族が中国人だったり、こちらに生活拠点の大部分があるということで「安易に動くことが出来ない」というのも事実だ。

命あっての仕事・・・というと、今回のように日本人の命が取られたわけではない状態でずいぶん大げさな話だが、やっぱり今後30年ぐらいは自分の仕事人生が続く(であろう)ことを考えると、今回の出来事を見て自分の身の安全というのを一度真剣に考えてみたいと、そんな風に思った。


僕は最初の会社を辞めてまでこちらに残ったし、中国経済をより勉強したいと思ってMBA schoolを今の場所に決めたし、今でもこの巨大な国でまだまだ経済発展の恩恵を受けていない層に「外国人として」できることがあると信じている。ただ、臆病と言われても、自分の安全を犠牲にしてまでそういったことにこだわりたいか・・と言われると、そこまでの自信はない。
アントレプレナーの授業では、アントレプレナーは出来る限りとれる範囲でriskを取るように、riskをmanageすることが重要だと教わる。同じように自分の人生もriskをmanageするという観点をもう少ししっかりもってもいいのではないか、そんなことを感じたのが今回の出来事だった。


※1・・・もちろん相手があることでオファーをもらわなければスタート地点には立てないし、中国語がネイティブではないというビハインドもあるが、まずはチャレンジをしようと思っていた。
※2・・・近頃FBで見る写真の半分ぐらいが友人の子供関連の写真で、やっぱりこの年になると子供が欲しいよな~と考えたり(妄想したり)する。
※3・・・多国籍企業ならそんなことはないんでは・・と考える人も多いと思うが、今回実際に自分で働いてみて、多国籍企業と言えどもよっぽど厳しい会社以外は、現地で働いている人の文化的背景が判断に反映されるものだということを感じた。
※4・・・教育内容により反日感情は全体的なトーンとなっているが、中国では今現在でも反日とは関係ない理由で小規模な衝突はたくさん起こっている。

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2012年9月16日 (日)

第58週目終了! -ちょっと不穏な中劇場に行ってきた -

ここ数日は日中関係がかなり緊張しているということで、結構個人としては心配(ビビっている)のだが、そのような心配とは無縁に上海はかなりいつもと同じような雰囲気を漂わしている。もちろん領事館がある虹橋地区ではデモが発生しているし、日本人が街中で殴られたり物をかけられたりするという情報も入ってきているけど、少なくとも浦東にいる限りには特に「身近」にそのような危険を感じる・・・ということはない。といことで、ドキドキしながらも授業あり、就職の準備もありというMBA生活第59週目も無事に終了。


■ 街中での移動はドキドキ(することもある)■

今週はこんな時にも関わらず日本から「上海のフィールドワーク」をしにくるという勇気ある方がいらっしゃったので、その方をところどころアテンドすることになった。別に浮世離れをしているとは思わないのだが、普通はこの時期に『上海にある昔の日本関連の建物を調査する』ということをやらないのではないか・・とも思ったりもする。一方で、やはり研究者はこうでなければ、とも思ったりする※1

先生がお越しになった時には、すでに中国全体で不穏な雰囲気になっていたし、領事館からはタクシーで乗車拒否にあいました、という話も流れてきていたので、一緒に街を歩く時にもそれなりに警戒をしていた。こちらに住んでいる人間としては場所と発生時間がわかっているデモなんかよりも、街中でよくわからない人間にいきなり因縁をつけられるほうがはるかに怖いので、とにかく街中での警戒心を抜くことはできないのだ(大げさだが)。

  1. 田舎から出てきてそうな人がきたら避ける
  2. 上海では服装の雰囲気、言葉の訛り、それから肌の色で上海で生まれ育った人間(上海人)かそれ以外の都市から出てきた人間かを、かなりの確率で判断することが出来る。差別と言われるかもしれないが、今回のようなデモが上海で起こると、基本的に参加する人間は田舎から出てきた人間か学生・・というのが一つの定番となっているので、そういった人が近くにいる場合にはなるべく距離をとるようにしていた。だいたい普通に仕事をしている上海人は、わざわざリスクを冒して街中で暴力をふるったりをしないし、そもそもそんな暇もない。

  3. タクシーは大手しか使わない
  4. 上海では日本と同じように複数のタクシー会社が営業をしているのだが、その会社間でも一応格の違い・・というか序列づけがある(金額が違うわけではなく、あくまで対応が丁寧かどうかのざっくりとした目安と言う感じ)。今回は乗車拒否にあったという話が流れてきていたし、タクシーの中はある意味密室になっているということで、出来る限り格が高いタクシー(大衆や錦江というブランド)を利用することにしていた※2。逆に日ごろから対応が悪い個人タクシー(的)である紅い色のタクシーは避けるようにした。

  5. 人が多い中では日本語を大きい声を話さない
  6. これも領事館の通達の中でふれられていたのだが、やはり人が多い中で大きい声で日本語で会話をするのは回りを刺激する可能性がある。ただ、街中をアテンドする必要がある以上、タクシーか地下鉄での移動は避けられず、地下鉄の中では日本語を聞きとめられるとジローーッと見られたりもした。そういう時は逆に見返すと余計緊張が高まるので、だまって横を見るのが正しい対応方法。


こういった感じで街中でのアテンドだけでも緊張するのに、お越しになった先生は観劇が趣味ということで、なんと街のど真ん中にある劇場に中国語劇を見にいったのであった。ちなみに先生との移動中含めて一週間で明らかに日本人であることを確認する視線を感じたのは数回。幸運にも乗車拒否に会うことはなかった。


■ 歴史がない・・・といっても100年!■

今回見にいったのは市内のど真ん中福洲路にある、逸夫舞台という場所である。これまでも前を通ったことは数えきれないほどあるのだが、中を見たことがあるのは一回だけだし、観劇するのはもちろん初めてである。今回見に行った劇は中国語劇の一つで越劇という女性のみで行われる劇。女性のみといっても登場人物が全員女性と言うわけではなく、ちょうど宝塚のように女性が男性も演じるという劇である。ちなみにこういった情報は全て先生から教えていただき、とにかくデモの情報チェックに忙しかったこの一週間は自分で情報をチェックすることが出来なかった。20120914_190015

劇場はざっと見た感じ300人以上入ることが出来る結構大きめの劇場。周りにいるのはほ とんど一般庶民・・・というか普通の上海人のおじさんおばさん方で全然緊張感はない。事実劇が始まってもしゃべっている人もたくさんいたし、写真をとったりするのも全く問題ないという状況だった。


今回はまったく事前に情報を調べずに観劇にいったのだが、今回のストーリーは実在の唐代の人物である李商隠という人物をトピックにした恋愛劇だった。越劇は台詞の合間に歌が入る、ミュージカルのような構成の劇で笑いあり涙ありの総合エンターテイメントという感じの劇である。上映は6幕物で休憩なしで2時間半と結構長い。最初の頃はしっかり見ていた中国人もだんだんとだれ初めて、後半は話声もかなり大きく、移動も自由にしてしまうという日本からするとちょっと考えられない感じになった。今回が越劇を見るのは初めてだったわけだが、劇のレベルもかなり高く、もっといいお客さんの前で演じさせてあげたいな・・・20120914_191253 と思ったぐらいである※3

この劇、一応中国語で行われているのだが発音が呉音(だと思う)で行われているので、台詞を聞くだけではさっぱり聞き取ることが出来ない。これはおそらく他の中国人であっても同じ状況のようで、舞台の両側には普通語で書かれた文字がスクリプトで写されるようになっていた。それでも、唐代の詩なども20120914_215719取り入れているということで、意味がわかったのは8割と言うところだろうか。とり あえず中国人と同じタイミングで笑うことが出来ていたので、たぶんだいたいの理解はあっているのだと思う。


知り合いの中国人に聞くとこの越劇は「まだ100年ちょっとの歴史しかない」とのことだが、100年も続けば立派な伝統だと思う一方、たった100年ではひよっこなのがこの国の歴史感覚なんだよな、とも妙に納得してしまった。
劇場の中でも終了後には多少「お、こいつ日本人」という目線で見られたりもしたものに、さすがに劇場でもめ事を起こすような人はおらず、無事に帰宅することが出来た。もう少し上海が落ち着く時期になったら、もっとしっかり予習をして見に行きたいと思っている。



※1・・・僕は結構保守的な人間なので、出来れば研究と言うのは政治とは切り離して行われるべきだと考えている。まあ研究といっても国際政治とか戦略の研究とかあるわけで、一概に切ることはできないのだけど。
※2・・・上海のタクシーはブランドごとに色が塗り分けられているので、初めて来た人でも色を見ればブランドを識別することが出来る。
※3・・・僕はもともとミュージカルが大好きなので、多少ひいき目が入っているかもしれない。

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2012年9月 9日 (日)

第57週目終了! - 長かったInternも無事に終了-

9月に入ると上海も随分と過ごしやすくなってくる。今年は例年に比べてそれほど暑いというわけではなかったが、やはり朝晩の風に秋を感じてくるとようになると、少しホッとしたものを感じる。上海は春と秋が短いので、ここからはじわじわと涼しくなっていき、11月に一気に寒さがますというのが例年のパターンで、毎年その時期には風邪気味になるのだが、今年は就職活動もしなければならないし、何とか無事に乗り切りたいな~と、そんなことを考えるようになったMBA生活57週目も無事に終了。9週間という長きにわたったInternと早起き生活もようやく終わりを迎えたのであった。


■ Internの締めはCEO向けプレゼン ■

これまでも二回ほどエントリーを書いてきたが(ここここ)、僕はこの夏、schoolから大層離れた製造業の工場でInternをしていた。テーマとしては日本マーケットの可能性をリサーチするというもので、なにせその会社で日本語を読めるのは僕だけなので、自然と放置と言うか自分でスピードをコントロールするような形になっていった。

B2Bのマーケットリサーチをするのは初めてだったのだが、授業で学んだことやとりあえず一通り準備をするために読んだ本から、ある程度のレベルまで調査を終えたら実際のお客さんにあって話を聞かなければならないことがわかっていたので、9週間のうちの前半を使ってマーケットの調査を行い、後半は有望そうな企業にInterviewを行うという計画をたてたのだった※1※2


実際の調査では有望企業の選定までは比較的スムーズに進んだものの、そこから先はどうしても一人では進めることが出来ないので、現場の営業担当者とチームを組んで作業をすることになった。
僕がInternをしている企業は(もしかしたら製造業というのはどこもそういうものなのかもしれないが)購買部のマネージャーは大変押しが強く、正直仕事がしづらい・・と感じたのだが、営業部の方はみな大変フレンドリーで、こちらが出した要望にあわせて積極的にお客様にコンタクトを取ってくれたのであった。

ただ、さすがにフレンドリーといっても日々のルーチンワークもある中での、まだ見込みのないような新規開拓作業であるし、特に会社に格別売るものがないという中で見ず知らずの企業にアポイントを取るのはなかなか難しく、結局数社しかアポイントをとることが出来なかった。まあ、これはある意味最初から予想通りだったので、仕方ない・・・。という感じで、やたら調査資料だけがたまったままInternも終わるのかなぁ・・と思っていたところ、人事から声がかかり、やはり最後ぐらいはしっかりしよう(いや、自分はいつもしっかりしてたんだけど・・)ということで、最終週には僕が属している子会社のCEOへのプレゼントなったのであった。


プレゼンといっても基本的に工場の一角にあるオフィスでの作業なので、それほど立派な会議室があるわけでもないし、参加者もCEO、営業マネージャー、それに今回のInternのパフォーマンスを確認するという観点から、人事マネージャーの三人が参加することになった。

プレゼンではこちらのCEOは本気で参加する時には、基本的にプレゼン形式で最後まで通す時間をくれることはない・・・というのはこれまでの経験からわかっていたので、なるべく数ページごとに隙間をあけるようにして、質問を受け入れられるようにしたのだが、実際にプレゼンが始まってみると、こちらが内容を伝えるというよりもなんというか口頭試問のようにちょっと説明しては突っ込みが入り、その場で決めたことを営業マネージャーに伝達するというような形になったのであった。

最終的に報告書用に用意していた相当量のPPTはほとんど見られることなく、要点の説明と営業マネージャーへの伝達・・ということを繰り返して、プレゼン(というか試問)は40分ほどで終了。おかげさまで『今まで知らなかったことをずいぶんと理解できた、大変
よかった』とおほめの言葉をもらうことが出来たのだが(日本語が出来るのは僕だけなのだから、それはそうだ)、面倒を見てくれていた営業マネージャーが今までちゃんと調査をしていなかったと叱責を受けていたのは、なんというか恩を仇で返すような形になってしまい大変申し訳なかった。報告書には各企業のコンタクト情報なども含まれているので、ぜひ利用してCEOを見返してほしいな・・と思っていたりもする。


■ 初の製造業で学んだこと ■

さて今回のInternではこれまで経験のなかった製造業の実地経験を踏むということを体験してみたのだが、授業ではならっていたり本を読んで知っていたことでも、実地で体験するのは大切なのだな・・というのを、いくつかの点で改めて感じることが出来た。


  1. 生産活動は本当に大切
  2. 僕が働いていた工場は基本的に24時間休みなしで稼働している場所なのだが、季節がら何度か台風が来てしまったため製造計画にずれが発生してしまったりすることがあった。そういう状態になるとSupply Chain全体に影響が出るので、各部門が一斉に調整を行い、納期遅れを無いように各部門(違う地域の工場)で協力をする。
    また毎日生産 → 毎日出荷というような企業なので、各担当社員も毎朝きちっと同じ時間に出勤してくる。

    僕がこれまでいた業界と言うのは、良くも悪くもノリと最後の追い込みが非常に重要な業界だったので、フレックスタイムであったし、毎日の成果物の量がかなり変動するような業界だった。今回働いた企業のように「毎日変わらぬ成果物を出し続けることが重要」という生産活動の現場は初めてだったし、こういう変動がない生産活動と言うのはとても重要なのだな・・ということを初めて実感することが出来た。


  3. 取引の仕方が全然違う
  4.  

    今回インターンをした企業はこれまで日系企業とは基本的に取引をもったことがない企業で、プロジェクトは全て受注型で取ってくる形であった。言い換えると、売り物となるような商品は自分ではほとんどもっておらず、ソリューションと言うか「こういうことが出来ます。過去にはこういった実績があります。」といって案件を取ってくるというスタイルである。こういうスタイルはIT系や広告系では普通に行われるものなので、僕にとっては「これが普通」と呼べるようなスタイルである※3

    一方で今回実際に営業に伺った日系企業からは「まずは複数のサンプルを作って持ってきてください。よければその中の一つを選んだ上で、さらに改良をお願いします」と言われたので、これは正直言ってかなり驚いた(その業界にいる方からすれば何言ってるんだ、と言う感じだと思うが・・)。事前に試作品を作らなければならないということは、それだけの投資を自社で行わなければならないということであり、その後に改良を求められるということは一方で完成品としては売り込みをすることが出来ないということである。

    極端にいうと会社のビジネスサイクルが全然違うということで、こういうように顧客の要求が完全に二種類にわかれるというのは、なかなかsupplierにとっては辛いのでは、と思ったのだった。


  5. B2Bのリサーチは結構面白い
  6.  

    今まで僕はB2Cのマーケットにいて商品企画をやっていたこともあるので、マーケットリサーチというものにはそれなりの経験があるつもりなのだが、B2Cというのは基本的にマーケットリサーチが駆動力となって商品開発が行われるということはあまりない。というのは、消費者というのは移り気なもので、マーケットリサーチ「だけ」の結果で商品開発を始めると、それが完成したころにはすでにマーケットの方向性がずれている可能性もあるし、何より消費者は自分が心のそこで欲しいと思っているものをリサーチで教えてくれはしないからである※4

    一方で、今回働いた企業では最終的な僕の報告を見てすぐにCEOが次の行動を決定して、組織が動き出し始めた。簡単にいえば、たかだかMBA学生が2カ月間つかって調査した程度のデータでも、組織を動かすような原動力となったということである。これは自分のように「実行できてナンボ」と思うような人間にとっては非常に面白い動きだった。僕は正直いってあんまりリサーチが好きではないのだが、こういうようにすぐに組織の動きに直結するのであれば、B2Bのリサーチと言うものも結構面白いものだ・・と考え直したのだった(もちろん会社や人の性格にもよるだろうが)。


振り返ってみれば、途中で幾分中だるみがあったり体を壊してスピードダウンしたところもあったけど、当初の目的であった「製造業を体験する」ということもできたし、想定外だったが限りなく「中国企業で働く」という経験をすることが出来たので、全体としては非常に満足できるインターンだったと言える。

この結果を受けて僕が製造業に進むかどうか・・というのは全然わからないのだが、人生で一回しかない『MBAの夏休み』をうまく使うことが出来たな~という満足感とともに、Intern生活を終えることが出来たのであった。



※1・・・僕が今回Internをした業界は日本企業が非常に強力なため、欧米のビジネススクールでもこの業界を専門に研究したいる人がたくさんおり、文献は非常に充実している。今回はこのインターンのために久しぶりにこのような専門書を読んでみたりもした。
※2・・・今回は僕へのサラリー以外は一切の予算がなかったため、必然的に調査用のリソースはWEBから集めるか、schoolの図書館で拾ってきた情報ということになった。本気で利用してみると図書館のデータベースがかなり充実していることに驚いたものだ。。。
※3・・・もちろん広告やITでも受注前にスクラッチを作ったり、デザインを作ったりすることはあるが、あくまでそれは顧客がイメージを持つことが出来るようにするためで、受注前に作りこんだりすることはない。
※4・・・マーケットリサーチを軽んじるというわけではなくて、B2Cの場合、その他の要素も考慮して商品開発がおこなわれるという言うことである。

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2012年9月 2日 (日)

第56週目終了! - 上海短期留学に必要なもの-

長い長いと思っていたIntern期間もあっという間に残り一週間となってしまい、ついに9月に突入してしまった。自分で想定していたものとは幾分ことなったInternとなってしまったが、来週はこの事業を統括しているCEO向けの発表を行うことになったので、今週は資料の作成を行っていた。といっても、これまでの報告書のストックもだいぶ残っているので、比較的時間に余裕があり淡々と作業をこなしている。夏の暑さもまだだいぶ残っているが、MBA生活第56週目も無事に終了。



■ 上海短期留学で最低限知っておきたいこと ■

この時期になると、うちのschoolに海外の他のschoolから短期交換留学で上海にくる日本人学生の方からお問い合わせをいただくことがある。うちのschoolでは留学生として学ぶために必要なビザの発給の手伝いはしてくれるものの、他は基本的には全て学生が自分でやらなければならないのだが、上海はこれだけ学生が多いわりには数カ月での短期留学に関する情報は以外に少ない※1。また他の大学とは違い、うちのMBA schoolには面倒を見てくれるような日本人はほとんどいないし(何せ日本人は毎年数人しか入ってこない)、大学内に住む・・というオプションもないので自分で調べなければならないことは多いのかもしれない。

ちなみに冷たいと言われようが何と言われようが、基本的に「自分で来たいといったのだから、出来る限り自分で頑張れ」というのが僕のスタンスなので、調べてわからないことがあったら教えてあげるけど、最初から質問をしてきた場合には「Googleで検索してください」という返信をするし、『一緒に○○をつきあってください』というのは、少なくとも一回会って手伝ってあげてもよいかな、と思うまではご協力しないという対応をしている。
正直にいえば、短期で来る方にとっては「初めての、もしかしたら一生で最初の最後の上海滞在」かもしれないが、僕は年間でそれなりの数の方から連絡をいただくし、毎回その度に全部お付き合いしていたらとても時間が足りない。ということで、せめて一回お会いしてからご協力については考えるようにしている※2


さて話を戻すと、そういう短期留学の方が躓くポイントというのはだいたい一緒なので、今回はそのことについて簡単にまとめておこうと思う。これからは聞かれた時にはまずこのページを見てもらうようにしよう。。


1. 滞在中の家

これは特に米国のschoolから来る学生にお問い合わせをもらうことが多いのだが、上海では基本的に数カ月単位で借りられる家はマーケットには存在しない※3。中国では不動産の多くは1年契約だし(短くても半年契約)、それを前提にした契約をした場合、最初に支払う保証金は返ってくることはまずない。

ではどうするかというと、とりあえず二つの方法をお勧めすることにしている。


  • 週決めアパートを数カ月契約で借りる
  • 上海には日系のウイークリーマンションが出てきているので、そこに一週間単位で済むことが出来る。市街地中心部に多いので、生活の面では便利だが、基本的に短期駐在員用なので割高なのがネック。ただモノが壊れるとかそういうことはないし、あっても会社側がスムーズに対応してくれるので、無駄な交渉はしなくてもいい。ネットなども高速回線が不通。

  • サービスアパートメントを月極めで借りる
  • こちらはどちらかというと欧米人向けにある、ホテルのように部屋の掃除をしてくれたり水を買ってきてくれたりするが、ホテルとは違いキッチンなども付いているような部屋を借りることを指す。英語で対応してくれるところも多いし、外国人がプロジェクトで数カ月来る際に利用することが多いため、月極めで借りることもできる。こちらも値段が高いのがネックだが、中国語を話せない人には便利。

これ以外で自力で借りるという手もなくはないのだろうけど、上海では家具などは全て据え付けというのが当たり前だけど、それがすぐに壊れるというのはもっと当たり前だし、水・電気・ガス・電話(ネット)の調子が悪くなるというのも普通のことなので、短期留学でそういうトラブルを楽しみたいという人以外は基本的に人に頼って生きられる家に住むのがよいと思う。中国語が話せないと交渉もできないし、かなりストレスがたまることになる(特に冬にシャワーが壊れたり、とか、トイレが逆流したりとか)。



2. インターネット(+携帯電話)

少なくとも上海に関してはインターネットはADSL回線やただ光回線が普通にあるし、そこかしこの喫茶店(Ex:スターバックス)ではFree Wi-fiが使いたい放題なので、インターネットに接続しなくてこまるということはまずない※4。ただ、中国のインターネットに関しては他の先進国では見られない問題がある。それが通称グレートファイアウォールで(Great Firewall)ある。

中国に来るのだからそれくらい調べてこいよ!・・というのは正直思ったりもするのだけど、中国はインターネットに巨大な壁があってFacebook(FB)やYouTubeといったWEBサービスにはつながらない、ということを知らずに来る方は結構多い。中国に来ていろいろ旅行したので写真をUPしようと思ったのにFBにつながらない、ということが起こるわけだ。
これを回避するにはVPNと呼ばれるサービスを中国入国前に契約しておけばよい。このVPNは無料のものもあれば、しっかり有料で対応をしてくれるものもあるので、自分の好みで選べばよいと思う。Googleで「中国 VPN」といれればいくつも出てくる。個人的に利用しているのは12VPNというサービス。


次に携帯電話だが、こちらでは携帯本体とキャリアの契約は全然別に行うことが出来るので、こちらに来てパスポートを持ってキャリアに契約さえすれば自由に携帯を使うことが出来る。SIMカード自体はすぐに手に入るので、機体はキャリアのショップで購入してもいいし、普通に量販店で購入してもOK。ただし日本と違っていわゆる「パケホーダイ」的なサービスはないので、そこだけはきをつけておいた方がよいかもしれない。二段階定額制(一定量までは定額で、そこからは従量課金)のパックはあるので、それを契約してWi-FiがあるところではWi-Fiを用いて・・・というのが、schoolの同級生の使い方では一般的である。

SIMカード自体は街中にあるマガジンスタンドでも買うことが出来るし、量販店で機体を買う際にも購入することが出来る。ただ、2012年現在ではルール上はキャリアの店舗でパスポート情報を登録する必要があるし、仮に上記のようなパックサービスを利用したい場合は、キャリア店舗で購入したものでしか対応してくれない。マガジンスタンドなどで買うことが出来るのは、プリペイド方式のみに対応しているからだ。


3.お金の引き落とし

これはすでに海外で生活している留学生にはあまり関係ないかもしれないが、お金をどうやって持ち込むかというのは結構大切な話である。まず最初に思いつくのは海外からの送金だが、中国では外国為替について管理フロート制という制度をとっているので、日本から中国の口座に現金を振り込んでもらう・・というのはかなり時間がかかる。その上こちらの銀行は結構適当なので、既に着金しているはずなのに着金確認が出来なくて引き落とすことが出来ないというのもザラにある※5Imag0262

そこでお勧めしたいのはシティバンク。シティバンクの口座を日本で開いて、そこに日本円 を入れておけば、上海にあるシティバンクのATMから中国元で引き落とすことが出来る。正確にいえばシティバンク以外の提携ATMからは一律に下すことが出来るはずなのだが、なぜか認識してくれなかったり、ひどい場合にはカードがATMに吸い込まれてしまうということがあるので、慎重な人はやはりシティバンクのATMを使う方がよいと思う。シティバンクのATMは吸い込み式ではなくて読み取り式で、カードは取り出せるので。シティバンクは中国では花旗銀行という名前で営業をしていて、このごろではずいぶんとATMも増えているので、それほど不便ではないと思っている。ただ1日当たりの引き落とし限度額が結構少ない(日本円にして10万円ほど)ので、金額が大きい場合には何日間にわける必要がある。


本当はカードのキャッシング枠を利用して中国元を下し、後で日本円の口座から引きおとし・・というのがレート的には一番いいのだが、上記の理由でカードを失うことがあるので、あまりお勧めはできない。僕個人も一度引き落としをしようとしてATMに吸い込まれてしまい、長々とカスタマーサービスと交渉する羽目になったことがある(あの時は本当に泣きそうになった)。

最後に現金を直接持ち込むという方法もあるが、法律上はあまり大きな金額を持ち込むことは禁止されているので、もしその方法を考えている人は自己責任ということで、こちらもお勧めしない。


この他にも中国では滞在する場所で届け出が必要だったりするのだが、そういったことはWEBで簡単に調べることが出来るのでそんなに心配はいらない。個人的にはもっと短期で住む外国人のことを考えたシステムが出来れば・・と思ったりするのだが、なにせこのでかい国を急速に近代化させているので、多少の不便は我慢するのは、上海を体験するためのコストだと割り切って来ていただけるのがよいと思う。


※1・・・数週間とか一カ月単位での語学留学の場合は、だいたいコーディネーターが宿舎の案内や基本的な内容は教えてくれるらしく、あまり困らない・・という話は聞いたことがある。
※2・・・当然「同じ日本人同士なのに」という意見もあると思うのだけど、日本人かどうか(国籍)よりも、友人と思えるかどうか(個人)を大切にしたいと思っている。
※3・・・個人のつながりでうまくいく人もいるのだろうけど、そういう人は対象外。
※4・・・ただし回線を個々宅に引くのではなくて、一階に一本・・みたいなことは普通にやっているので、日本で想像するようなスピードが出ることはほとんどない。schoolはさすがに高速回線が引かれており、あまりの早さに入学当初感動した。
※5・・・銀行ごとにルールが違っていて、ある銀行では外国からの送金を受け付けない国内限定口座だったのに、それを知らない日本側本社から日本円を送金してしまって現金が銀行内で認識されないままになっていた・・という事例を知っている。

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