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2012年11月25日 (日)

第68週目終了! -世の中に流れているMBA情報 -

来週はTerm5-Bの最終週・・ということで、課題と授業がかなりつまっているのにもかかわらず、本日から香港に2泊3日の弾丸ツアーで来ている。今までネット上でしかつながっていなかった香港MBAの日本人学生と会うことと、うちのschoolから香港に交換留学に行っている友人に会うのが主な目的だったのだが、たまたま日本の友人がこのタイミングであれば上海に来るということで、授業の合間をぬっての弾丸香港旅行ということになった。
課題がかなりたまっている・・というか、必修授業期間とは違い全ての授業で最終週に発表が用意されているので、駆け足で準備をしつつ香港に来ても引き続き作業をしている、そんな感じでMBA生活68週目も無事に終了。


■ MBA情報にまつわる誤解等など

中国(またはアジア)という枠にとどまらず、MBAというのは「耳にしたことはあるけれど、実際にはよくわからない」ことの一つのようで、入学以来僕もそれなりの数の志望者/検討中の方から連絡をいただいてきた。僕の場合には幸運にも友人たちにかなりの数のMBAホルダーがいたので実際に話を聞くことが出来たのだが、MBA留学や中途入社がそれほど行われていないような会社では実際の話を聞くこともかなり難しいと思う(毎年せいぜい数百人しか留学しない市場だし・・)。

そうなると留学予備校での説明会や、まずは書籍でMBAについて基本的な調査を・・ということになるのだけど、残念ながらそのようなソースから得た情報をもとにでご質問をいただく場合は、結構根本的に認識がずれているということが結構ある。・・・といっても、僕自身も、入学前にはかなり話を聞いたり、また実際に複数のschool訪問を行ったりしたが、それでもイメージとかなり違うところがあったので、それはいたしかたないことだと思う。ということで、今日はそういうMBAを考えている方に「質問をする前に最低限知っておいてほしいこと」を書いておこうと思う※1


  1. 自分のschoolの悪い話はしない
  2. MBAというのは良くも悪くも経済合理性に支配されているので、ある意味rankingが全てのようなところがある(もちろんglobal ranking の1位と2位にそれほど差があるわけではないが、1桁と2桁では結構差があるみたいな感じの違いである)。このrankingは実にいろいろな要素から成り立ってるわけだが、基本的に「いい学生がたくさん入学してくれて、よい給与・よいポジションを得て、雇う側も満足する」というサイクルが回っていればある程度は上がっていく仕組みになっている。

    つまりMBAにとっていい学生をとるというのは、「事業継続」という観点から本質的に重要なことなのだ。また卒業生にとっても、自分が卒業したschoolのrankingがあがればそれだけよいチャンスに恵まれるし、いい人脈を作りやすくなるので、卒業後もschoolのrankingというのは結構気になる存在である。


    こういう背景があるので、基本的に世の中に出回っている情報というのは「いいことのみを伝える」というバイアスがかかる。自分のschoolのことを悪く言ってもはっきり言えば得るものはなにもない上にむしろ自分の価値を下げることになるので、そういう情報というのはほとんど出てこない。僕自身もCEIBSにマッチしない人が入るのはお互いに不幸なことなので、それなりに悪い情報も提供してきたが、それでもうちのschoolを感情的にけなすことはしていないつもりである※2

    また特に私費留学生はそもそもMBA学生は入学時に馬鹿にならない金額を払っているわけで(多かれ少なかれだいたい年収1年分ぐらいが目安)、そういった自分の大きい決断を悪く言うというのはなんとなく居心地が悪いのも事実である。もしそのschoolがよくないのであれば、自分の決断が間違ったものであるということになってしまうから、やはり自分の中でもバイアスをかけて、駄目な点よりいい点を評価しようとするのは極めて自然なことだと思う。

    ということで、世の中には自分が卒業したMBAに関わらず美辞麗句が並ぶわけだが、はっきり言って人の為すことに完璧なものなどあるわけがない。よっぽど親しい人間以外にはメールでの問い合わせぐらいではよくない点は教えてくれないMBAホルダーが多いとは思うので中々難しいとは思うのだが、いい面と同じくらい悪い面(というか、正確にいえば腹が立つことだと思う)があるのは知っておくといいと思う。Twitterでは結構本音を言っている人が多いのでそういう人をフォローして根気よく情報を追っていくのはが個人的には良い方法だと思っている。


  3. "Case"にまつわる誤解
  4. MBAと言えばケーススタディー。これは数限りないメディアや書籍によって繰り返されてきたので、もはや常識のようになってしまったのだが、残念ながら理解が結構間違っていると思う点がある・・・(が、僕も入学前は間違って理解していた)。それは「ケースは覚えるもの/読むものではなくて、理論に基づいて判断をするための、練習問題である」ということだ。

    MBAで学ぶ経営学が科学かどうか・・という議論はいったん置いておき、MBAというのは理論と実践の両立からなるものである。ただ、実際のビジネスというのは最終的には判断の積み重ねで成り立っているので、理論だけ学んでも実際にどう生かすべきかというのは、その学び自体は教えてくれない。そういうわけで、自分の判断力を磨くという観点、あるいは過去の内容から教訓を得るという観点からケースを学ぶというわけである。

    ケースというのはこのような存在なので、「ほぼ全てのschoolで使われているようなケース」というのが、ほぼ全ての教科で必ずある※3。なぜなら学ぶべき理論というのは、基本的な部分は世界中で一緒だし、そしてMBAが米国(特にケースの面でいえばハーバード)で発展してきた以上、それは米国のケースにならざるを得ない。


    CEIBSに興味がある人というのは当然多かれ少なかれ中国ビジネスに興味がある人が多いので「中国に関するケースはどのくらい学びますか?」という質問をもらうのだが、はっきり言えば2・3割がいいところである。これを少ないか多いかととるかは難しいところだが、少なくとも香港大学やCEIBSのようにケースセンターを持っているアジアのMBAが出しているケースと、歴史ある米国MBAのケースを読み比べれば、その差はまだまだ大きなものがあると感じる。もし仮に「全てのケースが中国絡みの内容で構成されています」というschoolがあったとしたら、そのschoolの学びというのはあまり役に立つようなものではないと思う。

    もちろんケースをたくさん読むことで自分の中の知識や引き出しは増えていくし、多くのMBA就職では「ケース面接」が行われるので、ケースを読むことそれ自体にも価値はある。それでもケースというのは本質的には練習問題であるので、いわゆるビジネス書をたくさん読んで知識をつけるというのはちょっと違う存在なのだ・・・ということは知っておいた方がよいと思う。あと個人的な感覚でいえば、日本の事例に関して言えば結構勘違いがあったりして、論文としての完成度が低いものも少なくない(これも発行しているschoolの基準に依存するが)。

  5. 出来ないことなどほとんどない
  6. 最後に質問をいただいて一番回答に悩むのが「CEIBSでは××は出来ますか?」という質問である。こういう質問をもらうと、こちらとしては「やりたければ出来るんじゃないでしょうか」という回答以外しようがないのだが、MBAというのは日本の大学生活とはかなり違うので、「規則により禁止されていること」というのはほとんどない。

    もちろん出席に関するルールや単位に関するルール、それから自分では変更しようがないスケジュールの問題というものは存在するが、逆にいえばそれ以外は自分の意思で少なくともアクションを起こすことが出来るのがMBAだと言えると思う。


    じゃあ、なんでも許されるのかというと、例えば僕は入学時に日本企業とのつながりを作ろうと思ってJapan Clubを立ち上げようとしたのだが(香港科学技術大学には存在するが)、うちのMBA Officeから許可を得られずにとん挫したというように、なんでも実現するわけではない※4。ただこれは「出来ない」ではなく、「許可されなかった」だけなので、もしかしたら人が変われば許可されたかもしれないし、違う方法でアプローチすれば実現したかもしれない。この微妙な違いがうまく伝わるでしょうか・・・。

    また物理的な問題として時間的な余裕がないというのは事実だが、例えば睡眠時間をけずったり、チームメイトからの冷たい視線をものともしなければ活動時間をそれなりにとることは出来るので、学外活動も行うことが出来るだろう。このあたりは、もう個人のモチベーションの問題になるので「出来ますか?」と聞かれても「あなた次第ですね」としかいいようがない。

    本質的に『何かをする』ということは「個々人によって違う限りあるリソースを、ある事柄実現するために配分すること」なので、質問をいただく際に「○○をしたいのですが、学業による時間的な制約はどの程度ありますか?」とか「××を取り組もうと思うのですが、現状のschool policyとどこか衝突する点はありますか?」のような質問をしてくれれば、しっかり答えられるのに・・・と感じる。繰り返しになるが、基本的に法律とschoolの規則に反しない限りにおいては、出来ないことはあまりないです。



■ "悩むなら来ない"という選択肢もあり

最初にも言ったように世の中にはMBAに関する「いい情報」がたくさん出ているので、逆にそれが疑わしいと感じる人も当然いるだろうし、実際にMBA schoolにいる自分も「いくらなんでも言いすぎだろう」とか「あおってるだけで無責任だな~」と思うような記事はたくさんある。

ただ一方で、MBAホルダーやMBA在籍中の人に「MBAに行くことにどのようなメリットがありますか?」という質問をする・・というのはあまり意味がないし、もっと言えばそういう質問を他人にしないとメリットがわからないなら、行かないという選択肢を選んだほうがいいと思う。


メリット/デメリットというのは羅列することが出来ても、それはどこまで行っても個人的な評価軸でしかないので他人がどうこういうのは難しいし、「体験」みたいなことはあくまで個人的にしか決められないことだからだ。僕はまだしたことがないが、結婚みたいなもの・・・と思ってくれればいいんじゃないだろうか。

何より僕がこれまで会ってきたMBAホルダーはみな、根本的なところで「とりあえず行ってみたかった」という気持ちが何よりも勝ったように感じるし、僕についても「どこに行くか?」というのは悩んだけれど、「行くべきか/行かないべきか」は悩まなかった。就職活動を始めてみて改めて思うのだが、少なくとも日本社会というのはMBAでの経験をそれほどポジティブに評価するわけではないし、お金の面で苦しい思いをすることもある。なので、いろいろMBAについて悩むよりも、まずは「いろいろ失っても行ってみたいところか」というのを冷静に計算しつつ、心に聞いてみるのが何よりも大切だと思う。その思いが強ければ強いほど、よりよい準備が出来るし、自然と情報も集まってくるようになるのではないだろうか。




※1・・・質問の内容があまりにずれているとどうしても辛めの返答をしなければならないので、まずはこのページを見てもらうほうがお互いに負担がないだろう・・という僕の考えもある。
※2・・・うちのschoolのようにまだ歴史が浅い学校は卒業生もほとんどいないので、ある程度駄目な点も含めて積極的に広めていくことが重要だと思っている。いいことばかりの情報ソースなど誰も信用しないだろうし。
※3・・・もちろんケースを最終的に選択するのは教授なので、その教授の好みや授業の展開方法に依存するところがあるが、それでも「定番集」みたいなのは、やはりある。
※4・・・例えばこういう点がうちのschoolに対して「腹の立つコト」の一つである。事務的な管理を行う組織であるMBA Officeがある事象に対して「許認可権限」を持つというのは理解が難しい・・・が、こういうところはいかにも中国だなと思ったりもする。

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