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2013年1月

2013年1月23日 (水)

[ご報告]卒業後の進路について 

卒業後の進路についてこれまでチラチラと書いてきたのですが、ようやく物理的なオファーレターのやり取りも完結して、手続き上も次の会社への内定が確定しましたので、ご報告をいたします。MBA生活が始まった当初は考えもしなかったのですが、3月1日より日本に戻って働くこととなりました。場所は基本的には東京になる予定です。

前々職ではWEB周りのプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーをしていたのですが、次は本格的にIT業界での勤務となります。過去記事にあるように今後ますますITというのは社会のあらゆる局面で関連してくるようになると思うし、中国だけでなく東アジアではまだまだ欧米系企業が出来ることがたくさんある、というのを感じるようになったというのが大きな入社の動機です。会社名や役職などは会社の人事規定がまだ不明なため、とりあえずはオープンにはしませんが欧米系企業の日本支社への就職という形になります。


■ 在学中の環境の変化 ■

今回の就職活動を始めるにあたっては、昨年起こった二つの出来事が進路決定に大きな影響を与えた。一つ目は、もちろん結婚である。MBA生活が始まる時には、まさか自分が在学中に日本人と結婚するなど想像もしていなかったのだが、実際に結婚をしてみると(あるいは実感を持ち始めると)、家族のことというのはどうしても考えなければならないな~と感じるようになった。

一人であれば中国での収入でも十分暮らして行くことは出来るし、上海以外の多少外国人が住みづらいような場所での勤務も何も問題がない※1。一方、中国語がそれほど堪能ではない日本人女性と結婚して、今後も家族を増やして行きたいと漠然とでも考えるのであれば、正直なところ中国での収入ではなかなかに厳しいものがある。そう考えると、目の前の条件がより良いところを探すというのはきわめて合理的だと思うし、またそれが自分にとっても幸せなことであると思うようになった。



もう一つは、これも以前に触れたことがあるが、昨年9月の反日活動である。僕はあれが起こる直前まで某米国系企業でインターンをしていたのだが、自分があのような会社で働いている時に反日活動が起こったら、たとえ米国系企業であったとしても100%安全であるとは感じられないだろうと思った。優れた企業ほどローカライズが進んでいるわけで、コンプライアンスの厳しい米国系企業といえども、日々の対応は現地社員が行うことを考えると、どうしても不安にならざるを得ない。

また現実的な仮定としても、仮に反日活動が長引いた時に「法人としての営業活動」は続けることが出来ても、個人としてのキャリアを継続できるかどうかというのは甚だ疑問である。「あなたの身の安全を保障することは出来ません」と言われるかもしれないし、ビザの継続が行われないかもしれない。そういった諸処の条件を考えると、日本人で一人で中国でキャリアを続けて行くというのは、なかなかリスクが高い・・と感じるようになった。



たぶんこのどちらかだけだったら、おそらく日本に戻るという選択はしなかったと思う。現地に根付いて長く中国で働いている人のほとんどは現実的に、中国人が配偶者のかたか、大企業から長期で駐在となっているかのどちらかなのだ※2



■ 中国で考えたこと ■

上の二つはいわば「外的な環境の変化」なのだが、それ以外にも日本への帰国を決めた理由がある。これは何年も中国ですんでいる方には何となく理解をいただけるだろうし、また「中国で働いた後に、CEIBSに来た同級生のほぼ全員」が感じたであろうことなのだが、1年半という期間、経済的にそれなりに上位層にいると思われる中国人(あるいは中国社会)と話してみて、結局自分は外国人であるという現実にあらためて気づかされたということにある※3



中国は長く続いた経済成長の結果、国も人も大きな自信を持つようなった・・というのは、日々いても感じることだし報道などでも基本的なスタンスの一つとして言及されたりする。しかし、一方で実際に中に入って働いてみようとすると、その反対の採用として急速に上位層は内向きになっているようにも感じる。「これまでは先進国に学ぶ必要があったが、今はその必要はない」というのは多かれ少なかれ感じる人も多いだろうし、もっと長い文脈で(時に政府が言うように)「中国の歴史的な立場を回復する時期が来た」と思う人もいるだろう。

ではその自信が国内の問題解決に向かって発揮されるかと言えば、それはそう簡単ではないわけで、依然として格差は大きなままだし、経済発展の方法も箱ものや不動産投資がまだまだ牽引している。何よりも急速な発展と同じスピードで教育の改善や、既存人員の再教育は進まないわけで、今後の成長については必ずしも明るい未来がまっているわけではない※4



自分も含む外国人の多くはChinese Dreamというのがあると思っていたし、また経済発展が進むにつれて「外への開かれ度合い」というのは深まってくるだろうと期待しているところがあった。だが現状ではむしろ中国は、「中国の、中国による、中国のための発展」というのを指向しているように感じるし、CEIBSという場でより深いところに触れた結果、逆にそういったことが見えるようになったともいえる。

こういうことを考えた結果少なくとも近しい未来においては、「中国という場」にビジネスという場から関わるには、外からの交流というのがベストであるというように考えるようになった。もちろん理解を進めるために勉強や交流はかかさないわけではあるが、いったんは自分の国籍のある場所に戻り体制を立て直す方がいいのでは・・と結論をつけたという感じである。



上海に2007年10月に来てからもうすぐ5年半がたち、自分が日本でとけ込むことが出来るだろうか・・といった不安も大いにあるし、もともと日本で働くことよりも海外で・・と思って外に来たんだったよね、と思ったりもするのだが、まずは自分の国に戻り、あらためてそこから次への展開を考えたいと思っている次第です。日本でお時間ある方、今までさんざん不義理をしておりましたので、ぜひお暇があればお会いするお時間をくださいませ~。



※1・・・CEIBSを卒業すると「中国基準」では高収入を得ることが出来るが、それでも日本で就職する金額よりも少ない金額になる。生活費のレベルが違う訳で単純に比較はできないし、中国で昇進した場合に給与所得者受け取られる金額というのは日本よりも遥かに高いところにあるのだが、少なくともMBA卒業直後でそうなることはほとんどない。
※2・・・日系企業の現地という選択肢もあるにはあるが、給与などを考えるととても現実的な可能性とはいえない。
※3・・・中国で働いたことがありかつ中国語もわかり、もっと中国を学びたいという同期でCEIBSに入ってきたメンバーとは少なくとも一度はこういった話題で盛り上がったことがある。
※4・・・こういうことを考えると、中国と日本というのは経済の発展についてはある程度同じような道を辿っているな・・ということを感じる。「旅行者にはフレンドリーだが実際に働くのは大変」というのは

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2013年1月13日 (日)

第75週目終了! -MBAの終わりと、 幕合いにむけて-

予想通り最終授業のダメージは体に残っていたらしく、授業終了後に1日おいてから3日間ほどしっかりと寝込んでしまった。絶対に風邪をひくだろう・・と予想していて、その通りに風邪をひくというのはある意味うれしいような気がするのだが(リスクが予見できているという意味において)、今回は眩暈も合わさってかなり体調としてはしんどかった。授業は既に終了しており特にやることがないため、ゆっくりと体調を回復する時間があったのが幸運だったが、もし授業があったらかなりシンドイたちあがりになったと思う。
ということで、ついにMBA生活が全て終了した第75週目も無事に終了。


■ 最後の学年Party ■

うちのschoolの後半はこれまでも触れてきたように選択授業制になっている。学生は選択授業としては18単位を取得するか、交換留学で相当単位数を取得すれば無事に卒業資格を得ることが出来る※1。選択授業はいちおう2月末のTerm6まであるが、過半数の学生は年末までに単位を取得し終わってしまっているので、学年全体で集まる機会というのは最後の集中授業で終わりということになる。

こういう場がある・・となると、当然企画されるのがパーティーである。MBAというのはある意味、いい年をしたお金を持った大人が学生気分で時間を過ごせる最後の期間ということで、どこのschoolでもパーティーは非常に多いのだが、特にうちのschool(というか学年)は「パーティーを開きたい」人間が非常に多かったため、ほぼ毎月何かしらのイベントが行われていた※2。その学年の最後となるイベントなわけで、当然規模・気合ともに最大級の準備が行われたのであった。


まず卒業に向けては"Year book committee"という組織が非公式に作られ、昨年の5月くらいから学生による卒業アルバム製作が開始された。この委員会、実質的には学生委員会+台湾人グループ+香港人グループという組織構成になっているのだが、その中の二名がかなり本格的に写真に取り組んでくれたこともあり、想像以上に豪華なYear bookが出来あがった。掛け値なしに一生ものの宝物である。

この組織の台湾グループと僕は結構仲がよくて、話を聞くことがあったのが、一番気合を入れて作成してくれたメンバーは数100時間をこのアルバムに投入してくれたらしい。既に結婚と台湾帰国が決まっていて比較的時間的な余裕があったとはいえ、それほどの時間をMBA期間中に投入するのは大変だったと思う、しかも実質無料。本当に感謝感謝である。

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当日のパーティーも過去最大級のものを目指すということで、場所は上海森ビル内にある グランドハイアットのパーティー会場で行われた。極限まで予算を絞り込んだ結果、料理はコースなのに4品しか出てこないということになってしまったが、MBA Officeのメンバーも参加して手作りの素晴らしい会になったと思う。

会の流れ自体はごく普通にこれまでの振り返り写真やビデオ20130108_213604
を見たり、実行委員会への感 謝を述べる・・みたいなものだったのだが、さすがに欧米系の人間が多いだけあるな・・と思ったのは、会の後半はDJが入ってクラブのようになってしまったこと。200人からの学生がいるのに、よくこんなに酔っぱらうことが出来るな~と思うような級友たちも何人かいて、大変に盛り上がったのであった。元気があるメンバーはその後外灘にあるクラブに出かけたようだったが、すっかり体調を崩していた自分は会の終了とともに、早々に退散したのであった。


うちのschoolは卒業式がかなり先(4月末)に設定されているのだが、必ずしも全員出席が求められるわけではないので、単位取得が終われば各学生は自由に帰国日程を決定することが出来る。会社派遣のメンバーはすぐに元の会社に戻るし、自国で就職活動をする人間もそんなに長く上海にいるわけではない。となると、この会が「人生で級友に会う最後のチャンス」になる人間もそれなりにいるわけで、特に女性陣はしっかりと気合の入った格好で参加していた。いったいどこでそういう服を買うのでしょうか・・と思うような服もあったり、いつもとあまりに違っていて誰だかわからない人間がいたりと、こういう時の気合の入りっぷりは日本の結婚式への参加といったレベルをはるかに超えているように思う※3。あの気合をもう少し他のところに使えばいいのに・・とさえない自分などは思ってしまうのであった。


もうひとつ驚いたのが、なんとうちの学年は学生内結婚だけで4組もゴールインをしたのであった。全体学生に締める女性が30%で、だいたい既婚率も30%ぐらいだったはずなので、単純に考えるとうちの学年でシングルだった女性は40人ぐらい。その中の4人が学内で結婚するというのは結構確率が高い(10%)ような気がする。MBAと高給とさらに伴侶まで手に入れることが出来るということでCEIBSへの投資は十分にペイするのではないだろうか・・・。

また、自分も含めて学生期間の間に結婚をした人間は上記4組を除いて5人いるということで、これまた結構多いような気がする。日本人の場合MBA留学前に結婚する人は結構多いが、MBA期間中に結婚する人間はそれほど多くないが「次にどこで働くかわからないので結婚しておく」というのは人生設計としては決して間違っていないと思っている(自分もそういうことは考えたし)。


■ いったんの幕引き ■

僕のMBA生活もこのように最後のパーティーを持って無事に終了したのだが(正式には最後の集中授業の成績が確定して終了となる)、このblogについてもいったん「第○○週」という形での報告は終わりにしようと思っている。理由としては、もうMBA生活として毎週のイベントと言うのは本当になくなってしまったし、3月からは日本で新しい生活が始まることが正式に確定したからである(次のエントリーでちょっとそのご報告をします)。

これまで度々遅れたにも関わらず、とりあえず毎週ごとにMBA生活で起こったことの報告や考えていることを書き続けることが出来てきてそれなりに満足している。また、時々見に来てはダラダラとした駄文にお付き合いをいただけた方には本当に感謝してもしきれないくらいで、FBで感想をいただいたり、たまにblogを見ています・・・と言っていただける方の言葉が大きな励みになっておりました。


このblogはもともと中国生活について備忘録的に書く・・という形でスタートしており、MBA入学前からも続いていたので、今後もタイトルはちょろっと変更した上で引き続き更新は続けていこうと思う。しばらくはMBA関連の記事を書こうと思っているが、日本に戻った後は、中国やアジア関連のことについて勉強したことや考えたことを記憶に残すためのツールのような位置づけにしていこうと思う。

次に働く会社規定にもよるのだけど、あまり情報を積極的にかけるような職種でも会社でもないので、仕事関連の話はほとんどなく、これまでよりもさらにダラダラとした内容になることは確実なので、今後ももしそういった話に興味をもたれる方がいらっしゃるようであれば時々お越しいただければ大変うれしいです。とりあえずいったんの幕引きということで、これまで75週間本当にありがとうございました。



※1・・・自分が大学生の時と違って『卒業必要単位数以上』の単位を取得することは出来ないようになっている。ただ、単位取得終了後はauditというかたちで数授業なら参加することが認められている。
※2・・・結構真剣にうちのschoolは「Best Party school in Asia」を目指してもいいのではないかと思う・・・・。
※3・・・僕は前々職が広告系ということで、結婚式は大層華やかな女性陣が集まるのだが、それでもうちのschoolの気合の入りっぷりはすごかった。

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2013年1月12日 (土)

[告知]中国トップMBA説明会開催@上海

来たる1月19日(土)、チャイナMBAマネジメント協会主催で「中国トップMBA留学説明会」が上海・虹橋にて開催されます。

現在上海にお住まいでMBAに興味ある方がいらっしゃいましたら、是非お越しください。
残念ながら僕は所用で上海にいない予定のため参加できそうにありませんが、僕の同級生がCEIBSについても説明を行う予定です。

(以下貼付)
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中国ビジネスに従事するビジネスパーソンである我々を取り巻く環境はより複雑化し、また要求される能力も日々高まっています。この難題に対して、中国MBAへの留学を経て中国ビジネスに深くコミットする日本人が増えています。

今回、日本人卒業生・在校生をプレゼンターに迎えまして、中国トップMBA校への留学説明会を上海にて開催することとなりました。またとない機会ですので、ご関心のある皆様はぜひご参加ください。

<内容>
中国MBA校の日本人卒業生&在校生による以下プレゼンテーション(各約20-30分)

  • MBAプログラムの概要説明
  • 留学を通して得た知識・経験・人脈
  • 卒業後のキャリアディベロプメント 等

<対象者>
中国ビジネスに従事している以下ビジネスパーソン及び人事担当者の方

  • 将来のビジネスパートナーとなる優秀な同世代の中国人や欧米等外国人仲間を得たい方
  • 中国ビジネスを理論的、体系的に学びたい方(中国事業戦略、マーケティング、投資・ファイナンス、人事組織管理など)
  • 英語と中国語をマスターし、トリリンガル人材として中国を基点に世界中で活躍したい方
  • 中国MBAを自社社員の育成機会として検討しておられる人事担当者 等

<開催概要>
日付 :2013年1月19日(土)
時間 :13:30開場, 14:00開始 17:00終了
場所 :長江商学院 上海キャンパス 上海市虹桥路 2419 号
行き方:地下鉄10号線 上海動物園駅より徒歩10分 (代表TEL:021-6269-6677 中国語のみ)

【発表予定プログラム】

  • 清華大学経済管理学院(英語MBA)
  • 長江商学院(英語MBA)
  • 中欧国際工商学院(英語MBA)
  • 中山大学嶺南学院(英語MBA)

【卒業生・在校生の在籍・出身企業】
三菱商事、テルモ、三井倉庫、野村総合研究所、リクルート、東京海上日動火災保険、オリックス、日興シティグループ証券、BNPパリバ証券、矢崎総業、国土交通省等

参加費:無料9c65c373
主催者:チャイナMBAマネジメント協会
     (HP:http://cmma.biz/)
協賛者:長江商学院
使用言語:日本語
問合せ先:菊地 敬 ask.tuck@gmail.com
(右地図は開催場所のCKGSB(長江商学院) 上海キャンパス地図になります)

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2013年1月 6日 (日)

第74週目終了! -Term 6 にて最後のまとめ期間 -

三週間の冬休みも終わり、中国では1月4日から最後の授業が始まった。今年の日本はカレンダーの都合で結構長い休みをとることが出来ている人もいるようだけど、新年といえば「旧正月」を意味する中国では3ヶ日だけが休みである。そのうえ、その休みの幾分かは埋め合わせが行われるので、カレンダーによれば1月4日から8日間連続勤務となるような会社もあるようだ。
うちのschoolも最後の授業は集中授業形式ということで、5日間連続で授業が行われることになっており、本日は折り返し地点の3日目が終わったところである。単位も全てとり終わったことが確定したので、本当にMBAとしては最後の授業を堪能している第74週目も無事に終了。



■ MBA最後の授業 -Simulationで経営ゲーム- ■

長いようで短かった18カ月もあっという間に終わり、Exchangeに行っていて同級生も全て上海に戻り、今週は最後のIntegrated Simulationの授業が行われている。この授業、1チームを5人から6人に分けて、1つの会社を担当し、期間内で自社の価値を最大化させることを目指すというゲームである。

ゲームと言ってもかなり本格的に作りこまれていて、全てのデータを見て意思決定をするというのはとても不可能なほどデータは多いし、とりうる手もかなり豊富に設定されているので、各チームは限られた時間の中で、自分たちが最善となる手を打たなければならない。またデータの範囲は製造やFinancial Statementといったものだけではなく、Marketing dataやTechonologyなどかなり広い分野をカバーしている。このゲームで勝利しようとしたら、自然とMBAで学んだ範囲を応用しなければならない・・というように設計されているといえるだろう。


意思決定の方法は各チームに任せられているが、多くのチームは各メンバーの嗜好と得意分野にあわせて、製造担当/Finance担当・・・のように割り振りを行って手分けをして作業を行うようにしているところが多いようだ(最初のガイダンスでそのようにするように求められているということもある)。なぜか自分は理系院卒ということで、テクノロジー調査やR&Dに関する意思決定を行うという役目になった。

最初はいったいどういうゲームなんだと皆目見当がつかないまま各チームがスタートするのだが、少し経つとこのゲームの面白さがわかってくる。自分の打った手によって、結果が大きく動くというのはもちろんやりがいがあるのだが、それよりも各メンバーが自分に割り振られた「役割」に忠実に動いて、実際に議論の時にそれが反映されるのが面白い。


例えばテクノロジー担当(僕の担当だ)はかなり長期的な視点にたってR&Dセンターの建設を早期に行いたいと思っているし、Marketing担当はそれよりも短期的な商品改善をしたいと思っている。オペレーション担当は在庫を残すよりは、多少需給ひっ迫しているほうがいいのではと考えているし、CFOはおかねを使いたくない・・。という感じで、みなちゃんとそれぞれの役割に沿った行動をするようになるのだ。

もうひとつは、最初は皆色々な分野に首を突っ込みたがるのだが、ある程度時間がたつようになると明確に「自分の範囲」だけを気にするようになる、ということ。よくある「組織が硬直化する」という問題が、わずか5-6人の作業でも見られるようになるのだ。こうなると各担当者の処理能力と分析能力が露骨に結果に反映されてきて、なるほどMBAで学んだことは情報量が非常に多くなると役に立つのだな~とわかる仕組みにもなっている※1。自分の役割としては、いかにテクノロジーへの投資を正当化するというのが難しいというのもわかった※2



■ やりたいことはわかる、が中国はそれを許さない...■

正直、実際にソフトを触るまでは「最後にみんなで集まって、適当に時間をつぶして終わりなんだろう・・」と思っていたのだが、始まってみると学べることが非常に多い科目で最初にもこれをやっておけば、MBAの知識がどれほど役に立つかわかるのに・・と思うほど有意義なこの最終授業。しかし一方で、中国という場所がそういったありがたみを遠慮なくブチ壊してくれるのであった。


まずこれはschool側の手配の問題なのだが、200人近くが5人ずつチームを組んで40チームともなると作業用の部屋数が足りず、かなりのチームが「会議室の外」で作業をする羽目になっている。一応建物の中で暖房もお情け程度にはついているのだが、はっきり言って1日を過ごすことなど想像できないくらい寒い。

不運にも僕が所属しているチームもこの「会議室の外組」になってしまったのだが、外につながるドアにもっとも近い場所が割り当てられたため、とてもではないが座って作業をするような気になれない※3。集中力は始終吹き込んでくる風に削られ、各メンバーがひざ詰めで話し合うということもなく、パフォーマンスも落ちていく。4日間も続くのだから、毎日部屋をシャッフルすれば条件もフェアになると思うのだが、こういったことをしないのは何か理由があるのだろうか・・・(たぶん、何も考えていないだけだと思う)。


この件についてはschoolのアレンジの問題で解決可能なのだが、もうひとつの問題はそういった個別の事情を無視して対応が不可能な問題である。
このblogでも時々触れているのだが、中国というのは国を挙げてインターネット規制をしている国の一つである。始まった当初は一部のページにアクセスできない程度だったのが、年々システムの能力は増強されており、今ではGmailすら開けない時があるほど日々の生活に影響を与えている(特に外国人に)。

色々な面で「とりあえずやってみよう」精神が発揮される中国のこと、このシステムだけ精緻にコントロールされるというわけもなく、時々中国人が「自分の大学のページにアクセスできない!」というようなトラブルも発生したりするのだが、今回のシミュレーションでもその能力をいかんなく発揮してくれたのだった。


教授の説明によればそういったことも事前に考慮して業者側と相談しておいた・・とのことだったのだがら、システム側が12月に増強されることまでは予想できなかったに違いない。本来なら各メンバーがそれぞれ自分のPCからシステムに接続できるはずが、レスポンスが返ってこないということが多発し、結果として各チーム2名までしか接続はまかりならん・・ということになった。

さらにいえばこの2名というのは「最大値」なので、システムのご機嫌が斜めの場合に1人も接続できないということも発生するチームもあり、フェアな競争などそもそも出来ないという状況になったのであった。何と言うかいつもの通り「やりたいことはいいのだけど、実現がイマイチだね・・」という状況になってしまったのである。


今回の最終授業、学生側も「まあ最終ということで・・」ということで特に騒ぐ学生もいなかったのだが、年々増強されている規制システムを考えると来年辺りには「そもそも接続が出来ない」ということになったとしてもおかしくはないと思う。
そもそも外国人にとってYouTubeやらFacebookに接続できないというのはかなりの苦痛だと思うし、Gmailに至っては家族と連絡できないというようなリスクすら発生してしまう可能性があるので、そろそろこの規制問題はschool上げて取り組むか、現実的に考えて難しいのなら、せめて入学の手引書に書いておくべきレベルだと思ったりもする。


※1・・・通常読んでいるCaseレベルだと、情報量がそれほど多くないので構造化する必要を感じないこともあるのだが、今回のソフトではかなりのデータを見ることが出来るし、一回の意思決定に2-3時間しか使えないのでデータのまとめ方は非常に重要。
※2・・・使っているソフトウェアだと他社の研究開発の動向が「後追い」でしかわからないので、予想をたててやるのだが、だいたいMarkteing担当に予算を分捕られてしまうという結果に。。。
※3・・・(追記)予想通り授業期間終了後に熱を出して寝込む羽目になった。ひどい話である。

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2013年1月 1日 (火)

Happy New Year & プライベートのご報告

早いものでMBA生活にどっぷり浸かった2012年も終り、2013年を迎えることとなった。昨年は自分史の中でも結果的に1・2をあらそう激動の年になり本当に未来に向けてかなり方向性が見えた年になったな~ということを感じている。このblogも色々と宿題は積み残しているものの毎週の更新は何とか続けることが出来た。

MBA生活も残り実質的に二週間という状況になってしまったので、今年はMBAというよりは卒業後のことを考えているのだが、毎年続けている1年の抱負を今年も書いていこうと思う。


■ 昨年の振り返り

毎年懲りずにかいていることのメリットの一つに、自分でも年明け二月ぐらいにはすっかり忘れている「一年の抱負」を振り返ることが出来るのがある。昨年も例年通り、書いた内容をすっぱり綺麗に忘れていたので、先ほど見返してみて「2012年の自分の抱負」に自分で驚いた。。ということで、恥ずかしながらの振り返りをしてみよう。

(1) 中国でHSKをとる! →  ×(結局何もできずじまい)
(2) 仕事の獲得!      → ○(2012年中に次の仕事の確定完了)
(3) 原点に戻る!   →  △(全体的にMBAっぽくはなったはず・・)


まず(1)の中国語のことだが、実際に生活をしてみるとTerm2は変わらず授業で忙しく、term3以降はず~っといろんな内容でインターンをやっていたので全然時間が作れず、実質的に時間が出来るはずの9月以降は後述する私的な理由で時間をとることが出来なかった。・・・非常にいいわけ臭いが、中国語に関してはこの1年間で想定の10%ぐらいしか進まなかったというのが正直なところだった。。

次に(2)。9月の反日活動以降で大きく方向転換をした就職活動だが、多くの方の支援をいただき、無事に12月までにいくつかの会社から内定をいただくことが出来た。現在は最終的なオファーレターにサインをするのみ・・という状況になっており、この目標に関しては自分で満点をあげてもよいのではないかと思っている。実際にどのようなところに就職するのかということに関しては、正式な入社内定通知書をもらった上で会社のソーシャルポリシーを確認しないといけないので、現時点では秘密ということでご了解をいただければと思います。

最後に(3)だが、これは非常に自分では判断が難しい。もともとYes/Noで答えることや、数値化できない目標を設定していたからというのが判断が難しくなってしまう一番の理由なんだけど、個人的にはTerm3のプロジェクトで同じグループのメンバーから学んだり、Internでいろいろなお仕事をして、だいぶ数字で考えるということについて慣れてきたんじゃないかというのは実感している。
Term1を終わっただけの段階に比べれば成績も少しずつ上昇していったし、レポートでもジャーナルを引用したりインタビュー結果をまとめたりということで自分らしさを発揮できたのか、高得点をもらうこともできるようになった※1。自分が描いていたMBA生活ほどには成果を出すことが出来なかったという点を割引くと、△というのが妥当なところだろうと感じている。


■ 今年の抱負

さて、続いて今年の抱負・・というところなのだが、正直言うと今年はあんまり具体的な抱負はないのである。。というのも、MBAというある意味短期的なプロジェクトは無事に終了を迎えつつあり、今年は遠からず次の仕事を初めていることを考えると、当然最初の抱負は「仕事を頑張る」以外ありえないからだ。

MBAはビジネスを勉強するといってもやはり広く浅くになってしまうし、現実のビジネスと比べた場合に「自分で自分の目標を設定できる」という大きな違いがある。また、現在方向性と考えている進路は、過去経験とは遠くもないが近くもないという領域なので、当然勉強しなければなららないことも非常に多い。新卒というにはかなり年をとってしまったし、いただく予定の給料も新卒の時よりはかなり多くなっているので、一刻も早く自分の場所を作るためにまずは全力で次の仕事に打ち込むつもりである(というかそうしないとクビになってしまう・・)。


また、もうひとつの理由としてはすぐ後述するように私生活が大転換を迎えてしまったので、とにかくまずは健やかに暮らすという、当たり前ではあるが自分には難しい目標が出来たからだ(ここまで書けばもうバレバレですね。。)。どのような生活になっても過去一年間の平均よりは睡眠時間は減るだろうし、プレッシャーも増えると思う。そうなった時に、どれだけ自分の心と体の健康を保てるかというのは一つの大きなチャレンジだと思うし、これからはそのことを常に念頭に置いて生きていきたいと思っている。


ただ、抱負というか方向性としては、今後の職場を念頭においた時により中国についての多面的な内容をもう一度勉強しなおしたいという気持ちはすごく強い。もともと「中国におけるビジネス」を学ぼうと思って今のschoolに入学したのだけど、昨年の反日活動にも見られるように『中国』という存在はビジネスを考えるのにあたりビジネス以外のことも考えなければならない国である、ということをますます感じるようになった。

そのためには歴史や思想、政治や外交関係、そして戦略(ビジネスにおける戦略ではなく、War study)も広く学ぶ必要があるのではないかと思っている。もちろん僕の生きていく場所と言うのはビジネスというのは変わらずに思っていることなんだけど、年齢的にもキャリアのステージ的にも業務では深堀を、それ以外の時間では意識的に広がりを・・というのを志向したほうがよいのではと考えるようになった。
具体的にどのような内容を学んでいくのか・・という点についてはある程度心の中にはあるのだけど、これも自分のキャリアを明確にして段階であらためて書くようにしたい※2



■ 私的なご報告

今回のエントリーでも書いてきたように、2012年というのは自分にとってとても大きな出来事があった年でもあった。あらためて書くと、上海で出会った日本人女性と結婚をすることになったのである。


実は8月には結婚を決めていて9月からは上海市内で一緒に生活を始めていたのだが、自分が学生の身であり少なくとも次の方向性が決まるまでは公にしたくなかったこと、上海で暮らしているために家族やお世話になった方々に報告をする時間をもてなかったこと等から今まで発表を控えてきた※3
今回自分の方向性がおおよそ固まったことと、授業の合間に自分の近しい人に直接報告をする機会をもてたことで、このように発表をすることが出来るという次第。

MBA生活を過ごす中で、次にどこで働くかわからないという感覚をずっと持っていたし、これからの長い人生をず~っと一人で頑張るほどキャリアへの執着心も強いわけではないということをなんとなく感じてくるようになった中で、ぼんやりと一生のパートナーを見つけられたら・・とは思うようになっていたのだけど、まさか自分が2012年中に結婚を決めるようになるとは思いもよらなかった。


妻となる女性とはMBA生活の初期に上海で出会い最初は遠距離での関係だったのだが、気が付いたら結婚まであっという間に決まったということで、つくづく人生というのはわからないものだと感じている※4。僕はこのblogでもわかるとおり、ダラダラと考えることも多いし一緒に暮らしやすい人間では決してないと思う。また学生と言うことで無職の上に就職先も決まっていなければ、働く場所も決まっていないという不安定な生活だし、何よりたんまりと借金も残っていて少なくとも数年間は裕福な生活はとても送れそうにない。

そういった色々なマイナスがあるにもかかわらず、一生をともにしたいと言ってくれた妻にはとても感謝をしきれないし、またこの広い大陸で自分を見つけてくれて本当にありがとうの気持ちでいっぱいである。自分がこれからどれだけのものを生み出し共有できるかはわからないのだけれど、自分の命が終わるまで出来る限り長く側にいられたらいいな、と思っている。今後もこのblogに登場することは恐らくそう多くはないと思うのだけど、自分に起こった大きな出来事として、このようにご報告をさせていただきました。


ということで、2012年は学業・仕事・私生活の全ての面で大きく動いた年になりました。2013年はその動いたことを一つ一つ固めていき、これからの長い人生を過ごす上での新しい基盤を作る年にしたいと思っています。あまり更新頻度も高くなく、ダラダラとした話を続けているblogではありますが、本年もよろしくお願い申し上げます。


※1・・・一方でやはりレトリックや表現能力という点においてはnativeにはどうしても勝てないな~と痛感した一年でもあった。英語能力はすぐには伸びないので、今後も継続的に勉強し続けるしかない。。
※2・・・我ながら奥歯にものが挟まったような書き方で切ないし申し訳ないと思っているのだが、ご了解いただけるとありがたいです。
※3・・・実際に生活拠点が変わったりしたので、MBAの同級生たちには早めに伝えていたし、直接顔をあわせることが出来る友人たちには個別にお伝えをしていました。
※4・・・書類などを準備しないといけないので、実際の入籍は卒業後を予定している。

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