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2013年1月23日 (水)

[ご報告]卒業後の進路について 

卒業後の進路についてこれまでチラチラと書いてきたのですが、ようやく物理的なオファーレターのやり取りも完結して、手続き上も次の会社への内定が確定しましたので、ご報告をいたします。MBA生活が始まった当初は考えもしなかったのですが、3月1日より日本に戻って働くこととなりました。場所は基本的には東京になる予定です。

前々職ではWEB周りのプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーをしていたのですが、次は本格的にIT業界での勤務となります。過去記事にあるように今後ますますITというのは社会のあらゆる局面で関連してくるようになると思うし、中国だけでなく東アジアではまだまだ欧米系企業が出来ることがたくさんある、というのを感じるようになったというのが大きな入社の動機です。会社名や役職などは会社の人事規定がまだ不明なため、とりあえずはオープンにはしませんが欧米系企業の日本支社への就職という形になります。


■ 在学中の環境の変化 ■

今回の就職活動を始めるにあたっては、昨年起こった二つの出来事が進路決定に大きな影響を与えた。一つ目は、もちろん結婚である。MBA生活が始まる時には、まさか自分が在学中に日本人と結婚するなど想像もしていなかったのだが、実際に結婚をしてみると(あるいは実感を持ち始めると)、家族のことというのはどうしても考えなければならないな~と感じるようになった。

一人であれば中国での収入でも十分暮らして行くことは出来るし、上海以外の多少外国人が住みづらいような場所での勤務も何も問題がない※1。一方、中国語がそれほど堪能ではない日本人女性と結婚して、今後も家族を増やして行きたいと漠然とでも考えるのであれば、正直なところ中国での収入ではなかなかに厳しいものがある。そう考えると、目の前の条件がより良いところを探すというのはきわめて合理的だと思うし、またそれが自分にとっても幸せなことであると思うようになった。



もう一つは、これも以前に触れたことがあるが、昨年9月の反日活動である。僕はあれが起こる直前まで某米国系企業でインターンをしていたのだが、自分があのような会社で働いている時に反日活動が起こったら、たとえ米国系企業であったとしても100%安全であるとは感じられないだろうと思った。優れた企業ほどローカライズが進んでいるわけで、コンプライアンスの厳しい米国系企業といえども、日々の対応は現地社員が行うことを考えると、どうしても不安にならざるを得ない。

また現実的な仮定としても、仮に反日活動が長引いた時に「法人としての営業活動」は続けることが出来ても、個人としてのキャリアを継続できるかどうかというのは甚だ疑問である。「あなたの身の安全を保障することは出来ません」と言われるかもしれないし、ビザの継続が行われないかもしれない。そういった諸処の条件を考えると、日本人で一人で中国でキャリアを続けて行くというのは、なかなかリスクが高い・・と感じるようになった。



たぶんこのどちらかだけだったら、おそらく日本に戻るという選択はしなかったと思う。現地に根付いて長く中国で働いている人のほとんどは現実的に、中国人が配偶者のかたか、大企業から長期で駐在となっているかのどちらかなのだ※2



■ 中国で考えたこと ■

上の二つはいわば「外的な環境の変化」なのだが、それ以外にも日本への帰国を決めた理由がある。これは何年も中国ですんでいる方には何となく理解をいただけるだろうし、また「中国で働いた後に、CEIBSに来た同級生のほぼ全員」が感じたであろうことなのだが、1年半という期間、経済的にそれなりに上位層にいると思われる中国人(あるいは中国社会)と話してみて、結局自分は外国人であるという現実にあらためて気づかされたということにある※3



中国は長く続いた経済成長の結果、国も人も大きな自信を持つようなった・・というのは、日々いても感じることだし報道などでも基本的なスタンスの一つとして言及されたりする。しかし、一方で実際に中に入って働いてみようとすると、その反対の採用として急速に上位層は内向きになっているようにも感じる。「これまでは先進国に学ぶ必要があったが、今はその必要はない」というのは多かれ少なかれ感じる人も多いだろうし、もっと長い文脈で(時に政府が言うように)「中国の歴史的な立場を回復する時期が来た」と思う人もいるだろう。

ではその自信が国内の問題解決に向かって発揮されるかと言えば、それはそう簡単ではないわけで、依然として格差は大きなままだし、経済発展の方法も箱ものや不動産投資がまだまだ牽引している。何よりも急速な発展と同じスピードで教育の改善や、既存人員の再教育は進まないわけで、今後の成長については必ずしも明るい未来がまっているわけではない※4



自分も含む外国人の多くはChinese Dreamというのがあると思っていたし、また経済発展が進むにつれて「外への開かれ度合い」というのは深まってくるだろうと期待しているところがあった。だが現状ではむしろ中国は、「中国の、中国による、中国のための発展」というのを指向しているように感じるし、CEIBSという場でより深いところに触れた結果、逆にそういったことが見えるようになったともいえる。

こういうことを考えた結果少なくとも近しい未来においては、「中国という場」にビジネスという場から関わるには、外からの交流というのがベストであるというように考えるようになった。もちろん理解を進めるために勉強や交流はかかさないわけではあるが、いったんは自分の国籍のある場所に戻り体制を立て直す方がいいのでは・・と結論をつけたという感じである。



上海に2007年10月に来てからもうすぐ5年半がたち、自分が日本でとけ込むことが出来るだろうか・・といった不安も大いにあるし、もともと日本で働くことよりも海外で・・と思って外に来たんだったよね、と思ったりもするのだが、まずは自分の国に戻り、あらためてそこから次への展開を考えたいと思っている次第です。日本でお時間ある方、今までさんざん不義理をしておりましたので、ぜひお暇があればお会いするお時間をくださいませ~。



※1・・・CEIBSを卒業すると「中国基準」では高収入を得ることが出来るが、それでも日本で就職する金額よりも少ない金額になる。生活費のレベルが違う訳で単純に比較はできないし、中国で昇進した場合に給与所得者受け取られる金額というのは日本よりも遥かに高いところにあるのだが、少なくともMBA卒業直後でそうなることはほとんどない。
※2・・・日系企業の現地という選択肢もあるにはあるが、給与などを考えるととても現実的な可能性とはいえない。
※3・・・中国で働いたことがありかつ中国語もわかり、もっと中国を学びたいという同期でCEIBSに入ってきたメンバーとは少なくとも一度はこういった話題で盛り上がったことがある。
※4・・・こういうことを考えると、中国と日本というのは経済の発展についてはある程度同じような道を辿っているな・・ということを感じる。「旅行者にはフレンドリーだが実際に働くのは大変」というのは

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