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2013年5月

2013年5月19日 (日)

で、結局MBAはいくらかかったの?

日本に帰ってきて早くも三か月。巷で言われるアベノミクスのおかげですっかり円安に振れてきた為替を見ると、自分が(結果として)絶妙なタイミングで留学をしていたのだな~と思わずにはいられない※1「グローバルエリート」とか「グローバル人材」とかいろいろ言っても、実際に海外で学ぶとなれば先立つものは金である。特に私費学生にとっては、留学期間中はほとんど収入はなくなるわけで、資金計画というのは非常に重要になってくる。

ということで、今回はCEIBSに在籍してどれくらいの費用がかかったのかということを、お伝えしたいと思う。



■ 生活費は予想外にかかる

MBAでの生活にかかる費用というのは、ざっくり分類してみると以下のようになる。

  1. .学費
  2. 住居費
  3. 日々の生活費
  4. その他

この中で1は自分の工夫ではどうにもならないので、そのほかの部分で「自分の期待値」と「手持ちの金」を見比べながら日々工夫していく必要がある。まあ、MBA生活ではいきなり出費が必要なイベントが発生したりして工夫も泡に消えることになるのだが・・・。


まず話を始める前段として、僕が留学生活でかかった費用を出してみよう。話の前提として、僕はMBA学生の中ではかなり倹約して生活をしているほうだった・・というのを覚えていただきたい。

  1. 学費 → 50,000ドル(日本円で約400万円:80円/ドル)
  2. 住居費 → 約36,000元(日本円で約50万円:14.5円/元)
  3. 日々の生活費 160万円(18ヶ月・一ヶ月約9万円)
  4. その他 100万円

合計してみると710万円前後である。


当初留学を始めるときに考えていたざっくり予算がだいたい700万~750万円だったので、
だいたい計算通りに収まったといえる。それでは各項目を少し詳しくみてみたい。


まず、1の学費は自分でどうすることも出来ない固定部分なので、受け入れるしかない。
仮に奨学金をもらうことが出来ればこの部分を減らすことが出来るのだが、奨学金はいろいろな要素が絡んで支給が決まるので、個人的にはそこをあてにして計算をするのはお勧めしない。
ちなみにこの金額、毎年上がっていて今年は380,000元になっていた。ドル換算は書いていなかったのが、現在の為替基準でいうと61,000ドルぐらいである。これは高い。。

2は上海という立地のおかげで(というかschoolの安いドミトリーのおかげで)随分と低く抑えることが出来ている。僕の場合はドミトリーの一人部屋に住んでいたのでこの金額だが、二人部屋での生活を受け入れることが出来れば、さらに半額にすることが出来る。
米国留学組に聞くと、最低で1,000ドル/月は見なければならないという話だったりするので、やはりこの部分ではCEIBSはお徳である。


3に関しては前半はかなり低めで月5万円ぐらいで後半になるにつれて金額が上昇するというわかりやすいカーブを描いた。自分は中国生活が長いせいか、他の留学組からは不平がかなり出ていた学内食堂も特にあきることなく食べ続けることが出来たし、最初のほうはかなり忙しく外に出ることがなかったのが、だんだんと外に出る時間が増えて・・・という感じで出費が増えたという結果になった※2
自分としては最大で月10万円、少なくて5万円ぐらいと見込んでいたのだが、4とあわせれば月10万円を超えているわけで、予想よりも金額がかかっているという感じだ。

4は金額だけを見ればかなり使った感じがするが、これでも他の海外学生に比べればはるかに抑えられている方だと思う。なにせ、MBA期間と言うのは人生でもしかしたらとれる最後の夏休み(引退後は夏休みというより第二の人生なので・・・)なので、みな時間があればいろいろなところに旅行に行く。自分も各休みで旅行には行っていたが、お金はなるべく安く、かつ時間的にもそれほど厳しくないところ・・という感じで選んでいたので、個人的にはすごく節約感がある。


・・・とここまでは予定通りに計算は進んだのだが、実際にはこれに加えて「MBA中に現在の妻と生活を始める」と「日本に帰国して就職する」という二つの想定外のイベントが発生したので、いわゆるMBA生活中にかかった費用はもっと増える。

  1. 生活費の増額(6ヶ月):約60万円
  2. 日本への帰国費・住居費(初期費用):約110万円

これを足すとだいたい総額で900万円で、想定よりも約150~200万円は増えている。
そもそも中国のMBAを選んだのも、中国大陸で働き続けたかったからで、日本に帰ることなど想定はしていなかったし、BAが始まったばかりのころはまだ現在の妻と出会ってもいなかったわけで、さすがにこの状況を予想するのは無理だった。


結局この予想外の出費もあって、日本で働き始めたときの手持ちの現金の状況はお寒い限りになってしまい、入社した会社の初回の給与が3月になるか4月になるかで精神をすり減らしたのも、まさにこの予想外の出費のためである※3


■ 資金面での優位性は消えつつあるアジアMBA

ちょっと前まではアジアのMBAというのは「欧米MBAに行くよりも資金的なハードルが低い」というのが一つの売りになっていたのだが、上の金額を見ればわかるとおり、それでも働き始めて数年で上記の金額を準備するというのは決して楽な話ではない。

さらにいえば円安・・というのはどこに留学するにしても変わらず影響を与えるのだが、中国の場合は、学費の急激な値上がりとインフレによる生活費の上昇というのも考慮しなければならない。ためしに、今の円相場(わかりやすく1ドル100円、1元=16.7円)で計算をしてみよう(僕の場合は平均で1元=13円程度)

  1. 学費 → 380,000元(日本円で約630万円)
  2. 住居費 → 約36,000元(日本円で約60万円)
  3. 日々の生活費 200万円
  4. その他 → 約130万円:日本への帰国費(就活用に2回)、旅行代(東南アジア、香港など+ジャパントリップ)、中国語語学学校代、スマホ購入など

なんとざっくりの計算で1,000万円を超えてしまう。。。

もちろん円安が進んでいるのは全ての通貨に対してなので、一概にこの結果を見てCEIBSの価格競争力が下がったとは言いがたいのだが、それでも1,000万円という金額はインパクトがある。。。(何度も繰り返すが、他のschoolの金額も上がっていることはわかっていても)もし自分の時にCEIBSに入るのに1,000万円かかると知っていたら、間違いなく他の欧米系のschoolにいったであろう。


MBAへの投資は30前後の私費留学生にとってはすさまじく大きい投資だ。投資である以上当然リターンを求めるわけだが、今の自分に「CEIBSに1,000万円の価値がありますか?」と聞かれると非常に難しい。正直にいえば2-300万ぐらいしか違わないのであれば、(よっぽど強いモチベーションを大陸や中華圏に感じないのであれば)欧米系にいったほうがいいですよ・・と思ったりもする。

長い間アジアMBAの優位性は「MBAを比較的安価でとれて、かつ欧米では出来ない経験が出来る」というところにあったのだが、少なくとも金額面ではあまりメリットを感じない状況になってきたのだな、というのが今の率直な感想である。これまでは国の経済に成長にあわせて学費も右肩上がり、ランキングも上がりといういいサイクルを描いていたアジアMBAもこれからはいよいよ「提供できる価値」で勝負する時代が来るのかもしれない。




※1・・・その前から中国で長く働いていたので、働いている時期にはもっと円安になってくれれば、円ベースの給与は増えるのにな・・と思っていたのだが。
※2・・・といっても学内食堂は食事を楽しむというよりも、エネルギーを体に取り込むという感じで食事をしていたのは否めない。
※3・・・幸いなことに3月から給与が支払われたので事なきを得た。

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2013年5月12日 (日)

無事にCEIBSの卒業式に参加してきた

全然ブログが更新できないまま気づいたらまた一ケ月以上がたっている・・。仕事が死ぬほど忙しいというわけではないのだけど、なんとなく毎日まとまった時間をとることが出来なくて、blogを更新したり何かを読んだりと言う時間をとることが出来ずにいる。

・・・という愚痴をするのは別の機会とするということにして、今回は先日無事に迎えたCEIBSの卒業式について書いておこうとおもう。いろいろな人のお世話になり何とか入学したMBAも気付いたらあっという間の卒業式である。2013年4月28日、上海のCEIBSキャンパスで無事に卒業証書を受け取ることが出来たのだった。



■ 無事に卒業証書を受け取る

僕がすでに3月から日本で働いているように、MBAとしての学事日程はとっくの昔に終わっており、今回の卒業式は正真正銘の「セレモニー」である※1。とはいえ、卒業式というのは伊達ではなく、今回の卒業式で「卒業証書を受け取ることではれて卒業が認定される」ということになっているので、これまでは厳密にはMBA candidateのままだったのである。これは主にMBAランキングに関係するちょっとした工夫(というかトリック)なのだが、まあ僕のように「MBAだから採用します」というわけではない人間にとっては、どうでもいいことではある。

今回の卒業式、当然のように僕のように既に働き始めてしまった学生や、学務終了後に国に帰ってしまった学生もいるので、全員が参加するわけではない。スクール側もそういった事情は理解しているので、事前に申請しておけば自宅まで卒業証書を郵送してくれる。いったんアメリカから帰ってしまうと12時間近くかけてこの卒業式まで戻ってくるのはなかなか大変な話だ(とはいえ、今回はこのためにセルビアから戻ってきた同級生がいた)。

僕もすでに働き始めているので無理して戻る必要はないのだが、ちょうど4月29日が祝日でお休み、27日には同級生の結婚式があるということで、27日の早朝日本発‐29日の午後日本戻りという弾丸日程で上海に行くことにした。日本に戻ってたった二カ月とはいえ正直上海の空気を吸えるのはうれしいので、本音は会社を休んでもいくぐらいの気持ちである(新入社員なのでそんな我儘がいえたかどうかはわからないが・・)※2


ということで27日の朝は羽田から一路上海へ。鳥インフルエンザのこともあったので、万が一の可能性も考えて会社には「上海に行く旨」は伝えての万全の渡航である※2。特にトラブルもなく上海虹橋に到着すると、早速タクシーで市街へ。さすがに5年半もすんでいただけあって、「来た」というよりも「帰ってきた」と言う感じである。

その晩はスクール近くで行われた同級生同士の結婚パーティーに参加した。他のMBAは知らないのだが、うちの学年は実に多くの学生が在学中に結婚し(てしまい)、最終的に同級生間で4カップル8人が結婚し、学外の人との結婚も含めると13人が結婚しているという「勉強しに来て何をやっているんだ」と言われても仕方ない学年である(ちなみにその中には自分も含まれている・・・)


今回参加したのは、同級生同士の結婚の中でも最もユニークなカップルである、新郎は韓国人、新婦は中国人(かついわゆる国内の”優等生”)という組み合わせである。なんかこれだけ聞くといろいろ大変なことがあったのだろう・・・と想像していたのだが、まったくそんなことはなく極めてスムーズに結婚は進んだらしい。

僕は新郎とは同じサークル(自転車サークル・・)に属していたのと、酒好きでよく酒を飲みに行ったという関係でパーティーに参加してきたのだが、実にアジアらしいパーティーで、新郎新婦はひたすら飲まされていた。こちらは数カ月ぶりに会う友人たちと一日前にあうことができたことがうれしくていろいろ進路の話をしていたのだが、新郎新婦はひたすら飲まされている。これは卒業式の出席は出来ないのでは・・と思ったら、案の定翌日の卒業式は二人とも仲良く欠席していた。。。


さて、その卒業式。当日は朝から昼まではフォトセッションということで「良く欧米の卒業式で見るガウン」を着込んで写真撮影を行った。これを前に来たのは工学系修389137_10201331295911239_123323030_士を出た時なので、9年ぶりのコスプレである。もう一回ぐらい人生できるチャンスはあるだろうか。。
もう大人になっているからか一応欧米系のschoolだからなのか、パートナーを連れての撮影をする学生も多い。自分も一緒に暮らし始めてから痛感したのだが、忙しい学生生活に家族を連れてくる場合は、パートナーや子供の協力はかかせない。せめてこういう場に一緒に参加して感謝を表すのはある意味当然という気もする(ということで、我が家も一応二人で撮影をしてきた)。

この卒業式の写真はMBA生活の一大イベントなので、いろいろなところに使われるのだが、僕もなぜか小冊子に利用する写真撮影メンバーに選ばれてしまい(日本人を出したい意向でもあったのだろうか・・)、個人の撮影が終わった後は2時間ほどあれやこれやで撮影に参加した。もしかしたら、来年以降でCEIBSを受ける方は、変な格好をした僕の写真を見ることになるのかもしれない。。


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卒業式自体はよくある卒業式で、偉い方が来て(偶然にも自分が日本で働いている会社の中国法人のTOPだった)、学生代表が挨拶をして卒業証書を受け取るというもの。ただ、日本の卒業式のように厳粛なものではなくて(そういえば大学院の卒業式も相当適当だったが)、各人が卒業証書を受け取るためにステージに上がった時にはいろいろ掛け声をかけたりするのもOK。ひどいのになると、昼から飲ん
でいる瓶ビールをそのまま式 場に持ち込んでいたりもした。

まあ、最後なので何をやってもOKである。


■ 終わりではなく通過点20130429_190542

卒業式の後は家族にお礼をするという名目でディナーをスクール内で食べて全てのイベントは終了。MBA生活の終わりというにはあっという間の二日間だった。

正直言えば既に働き始めた段階で自分のMBA生活は終わったという気がしていたのだが、今回自分が式に参加してみて感じたのは、意外にも「終わりではなく通過点」という感覚だった。

一昔前であれば、卒業式を終わればもう二度と会うこともないかもしれない・・・と感傷的になることもあったし、実際に小中高校ぐらいまではそういう感じだった。だが、今は一度知り合った人に関してはFacebookで近況はほぼリアルタイムでチェックできるし、親しい友人とはChat用のアプリでほぼ毎日連絡をとりあっている。
むしろこれからは「ずっと一緒にいなかった」分だけ、世界のどこかで会うのが純粋に楽しみであるという気分である。


そして何より、我々が通っていたのはどんなにどんちゃん騒ぎをしていたと225642_10201212864827877_1703466953してもビジネススクールである。これから各人が進む道が時には絡み合って、時には支えあってということを考えるだけで、純粋に心が躍る気持ちになる。
MBAは「終わり」でも「始まり」でもなく、自分の人生の一つのマイルストーン。これぐらいの 気持ちで日本での日々を過ごしていきたい、そんなことを思った卒業式だった。

また(遠くない未来に)アジア圏に戻るまでは、日本で力を蓄えるのです。



※1・・・最後の学期に授業をとらなければ1月の第二週で、最後の学期に授業をとっても2月中旬には学務日程はすべて終了となる。
※2・・・いちおう入社時に人事には伝えてあったのだが、当然自分の上司はそういった話は聞いておらず。それでも快く送り出してくれた。まあ、休み中の動きなので何か言うこともできないのだが。。。

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