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2014年1月12日 (日)

近頃見た中華圏の警察映画 - 寒戦(コールド・ウォー)&毒戦(ドラッグ・ウォー)-

中国にいるころは、いつでも中国映画を見ることが出来る状況だったのに自分の志向がもっぱら武俠映画にむいていたため他ジャンルの映画を見ることはほとんどなかったのだが、日本に帰ってきてからは主に単館でやっているような中華圏の映画をよく見ている。「中華圏の映画」というのは、大陸・香港・台湾の映画全部を含んでいると言うことで、同じように中国語を話すといってもやはり手触りと言うのはかなり違っている※1

中華圏の映画で日本でもヒットしたな〜というのをすぐに思い出すのは難しいのだが(すごい前になってしまがインファナル・アフェアとかだろうか・・・しかも自分は見ていない・・)、面白い映画も多いしせっかくなので、自分が見た映画は寸評つきで紹介しておこうと思う。


■ 寒戦 (Cold War) 日本題:コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

ある晩、香港最大の繁華街・モンコックで爆破事件が起こり、園直に5人の警官が車両ごと消える事件が発生した。海外出張中の香港警察長官に変わって、操作の指揮を執るのは「行動班」を率いる副長官・リー。車両の中に一人息子・ジョーがいると知った彼は、香港警察のプライドを懸け、各組織の人員を総動員した前代未聞の人質救出作戦=「コードネーム:コールド・ウォー(寒戦)」を遂行する。たが、「保安管理班」を率いる副長官・ラウは、非常事態レベルをあげるリーの公私混同とも取れる操作方法に疑問を持ち、時期長観光である両者は激しく対立する・・(公式HPより)


これは僕がまだ上海にいたころから話題になっていた映画で、実際に上映がされると香港の映画賞を総なめしたサスペンス映画。主役の二人はわかりやすく「現場組」と「管理側」をそれぞれ警察内で率いる二人。ある事件が起こりその捜査方針を巡って対立が起こり・・・というありがちな話で映画は始まり、そのまま最後までひっぱるのかと思いきやそうはいかず、話は少しずつ警察内部の腐敗の話に移って行く。

とにかくテンポが良く見ていて全然飽きさせない。上記したように途中でありがちな警察ものから謎解き映画のようになっていくところで、俄然話が盛り上がり始め、最後は一気にアクションで畳み掛ける。ゲロのシーンもあって、まさしく香港映画の王道である。

主人公を演じるアーロン・クオック(郭富城)は「よく見るけど、すごいヒット作といわれると・・」という位置づけだったのだが、この映画のヒットでようやく代表作を手に入れたよ、と自分でも言うほどの熱演を見せる。何となく表情が踊る大捜査線のギバちゃんに似ているのは、やっぱり警察で管理側はああいう顔になるイメージなんだろうか。

こういう終わり方だと続編もにらんでるのかな・・と思う終わり方だったのが、予想通り今年に続編の撮影を行うとのことで、その後もしっかり描かれる予定。全編広東語の中で、台湾から参加のエディ・ポン(彭于晏)だけ吹き替えなのがちょっと残念(のわりには重要な役を与えられている)。友情出演でアンディ・ラウ(刘德华)大兄も顔見せしてくれる。


■ 毒戦 (Drug War) 日本題:ドラッグ・ウォー


爆発事故があったコカイン製造工場から車で逃亡した後、衝突事故を起こし、病院に担ぎ込まれた香港出身の男・テンミン。中国公安警察の麻薬捜査官・ジャン警部は、彼が麻薬取引に大きく関わっていると察し、死刑と引き換えに捜査協力を要請する。かくして、テンミンはジャン率いる捜査チームとともに、黒社会の大物相手に架空取引を仕掛けることになる。だが、その極秘潜入捜査によって、中国全土だけでなく、香港・韓国・日本をも巻き込んだアジア麻薬シンジケートの存在が明らかになる…。(公式HPより


こちらは香港ノワールを代表するジョニー・トー監督が大陸で撮影した警察映画(※2)。事前に見た映画評では「香港とは大陸では勝手が違うようで、持ち味が十分に生きていない」と書かれていたが、初めて見る自分には大陸人には撮ることが出来ない「大陸のノワール」ということで大変楽しむことが出来た。

何が大陸っぽい・・というと、とにかく空が汚い。おそらく色調もそのように調整しているのだろうけど、常に重苦しい雰囲気が漂っているし、結末に向けて陰鬱な感じが最初から漂っている(天津で撮影をしたはずなんだが、僕の知っている天津と全然イメージが違っていた)。

また監督が意図しているかどうかはわからないが、冒頭の麻薬運び屋を捕まえるシーンと、麻薬製造工場の話は大陸にいた人間としては、痛みを感じるシーンであることは間違いない。あそこにいた外人であれば裏側に見える生活の辛さが頭をよぎることだろう。


香港映画というのは日本から見ると「汚い」シーンがあるのだが、この映画はとにかく「痛くて汚い」シーンのオンパレードである。当然ゲロもあれば、排泄物のシーンもある。敵味方入り乱れて血飛沫が飛びまくるし、銃の音が乾いていて見ている間はずーっと緊張のしっぱなしだった。

ハリウッド映画だったらこういう終わり方はしないだろうな・・という感じで、半分以上はご都合主義の終わり方をするのだが、香港ノワールを楽しむという意味では大変満足できる一本。



※1・・・香港映画は広東語を話すので正確には違う言語を話している。
※2・・・といいつつ、この監督の映画を見るのは始めただったりする。。

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