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2014年4月27日 (日)

[書評] ビッグデータ分析に巻き込まれた時に読むとよい本

今の仕事はいわゆる「戦略コンサルタント」ともう少し業務よりの「ITコンサルタント」の間のような仕事をしているのだが、やっぱり世の中で言われるようなbig dataに関する問い合わせというのは特に昨年度下半期ぐらいからかなりある。
このbig dataという言葉、世の中に積極的に広めている会社の一つに間違いなく今自分が働いている会社があるので、功罪ともにあるというのは感じるのだが、実に曖昧かつ適当な使われ方をしているんだな~と感じる。

例えばお客さんのところにいくと「上司から○○分野でbig dataを使って、何か施策を考えろと言われまして・・・・」みたいな話をされるわけだが、だいたい7割ぐらいは「それってExcelでも十分Okですね」みたいな回答をしている※1。重要なのはデータの量ではなくて、何のためにどういったデータを利用するべきか・・・ということを考える必要があるんですよ~という話をするわけだが、だいたいの場合はお客さんは満足してくれない。なぜなら上司から求められているのは、「big dataで何かをすること」であって、今の技術で出来ることをするというわけではないのだから。


ちなみにこの傾向と言うのは何もお客さん側だけではなく、社内でも見ることが出来るのが結構厄介だ。さすがに、自分がいるような部署は実際にサービスを提供するほうなのでそういったことはあんまりおこらないが、営業のようにとにかくたくさんの商品を扱う側になるとイチイチ一つ一つの商品を詳しく勉強してくる時間もないので、とりあえずbig dataといって話を持ってきたりする(そこで修正するのが、自分がいる部署の役割だったりするわけだ)。

そんな感じで猫も杓子もビッグデータ状態なIT業界なのだが、実際に何が出来て、何が出来ないか・・ということを真正面からちゃんと解説した本と言うのは意外にない。だいたいの本は、「ビッグデータで○○が出来る」系のあおり本か、テクニカルな解説を行っていて数学に慣れていない人には開いた瞬間から眠くなってしまうような本だ※2。そういった「何が出来て、何が出来ない」という話に真正面から答えようとするのが本書だ。ただし、実際の内容の半分ぐらいは「ビッグデータでなくてもできることはたくさんありますよ」という内容なので、ビッグデータ真正面からの本というわけでもない(公平のために記しておくと、著者は僕の恩人というべき方)


会社を強くする  ビッグデータ活用入門  基本知識から分析の実践まで

Part1. 活用のための基本知識と計画41uasfh16ml
第1章 ビッグデータ活用の基本知識
第2章 ビッグデータを競争力強化に使う
第3章 事例から見る競争力強化のポイント
第4章 ビッグデータで事業構造を正しく知る
第5章 分析のための準備

Part2. 分析の実践
第6章 データ分析のステップ
第7章 事業構造の概要を把握する
第8章 顧客を軸に分析する
第9章 打ち手につなげる分析


Amazonを見ても章立てがなかったので書きだしたのだが、これを見るとわかるとおり本書は「どうやって」を追求するよりも、「何のために」を伝えるために書かれている。そして、そのメッセージはすごくシンプルで、要約してしまえば「ビッグデータを使って、顧客と自社の関係を正しく把握しましょう」ということに他ならない。

Par1では、ビッグデータを利用する前にまず最低限、自社の理解を行おうということを言う。ここで重要なのは「本当に把握をするためには、何もビッグデータである必要はありません」ということだ。著者は経営コンサルタントの経験が長く、すらっと書き下してしまっているが、まずはデータを使うためにはそれを理解するための構造を正しくイメージする必要があるということ、を伝えている。

ちなみに、この部分は「ビジネスに限っていえばそうだよな・・」とは思うのだが、研究生活の端っこをかじったことがあるぐらいの自分からすると、未知の分野では必ずしもそういうアプローチをする必要はない、とも思っている。例えば物性科学の世界では「論理関係はまだよくわからないけど、並べてみたらパターンが浮かび上がってきたので、空いているところをめがけて研究を行う」というアプローチがあり得る。論理的な関係性を作るというのは、多くの場合においては調査のための時間を削減してくれるし、アプローチの方向性を定めてくれるのでよいのだが、一方で認知バイアスになってしまう可能性があるということには注意が必要。


Part2では、一歩進んで実際にビッグデータを利用することが出来る事例について紹介している。ここで紹介されるのは基本的な方法論で、データに二次属性を追加して分析を行うという手法なのだけれど、これは実務の世界においてはかなり役に立つ。特にデータ量が少ない場合には全データ解析を行ってもあまり意味がないので、人の手を使ってしまったほうがずっと楽。少なくとも、この本を手に取る層にとってはまずこういった手法を身につけることは重要だろう。

ちなみに、この部分もビッグデータ分析をアカデミックに行おうとすると「邪道」な方法である(著者はそのことを自覚していると思うけど)。人の手を入れて二次属性を付与してしまうと、どうしても判断にばらつきが出てしまうため、本来であれば多次元空間上で距離を参考にしたり、参照データをもってきて分類学習用のデータセットを準備してあげるほうが、よりアカデミックなアプローチではある※3


繰り返しになるが本書は「まずビッグデータを使って何かやらなければ」となった企画部門の人が対象であって、本格的に統計解析を学びたいという人は別の本を読む必要があるし、自分のテーマにビッグデータがふさわしいかどうかを真剣に考えたいという人には、また別の参考書が必要となる。そういった「まずは何が出来るの」を考えたい人にとっては巻末に実際の事例があるというのはうれしい処で、とりあえず何か上司にレポートを出さなければいけない、という時にはここをまとめるだけでも、時間を稼ぐことができるのではないだろうか。

個人的には、このビッグデータ関連の話はデバイス側と組み合わせたり、いわゆる「モノのインターネット」と絡まないと活用できる領域は限定的なんだろうな・・と理解をしているのだが、否も応もなくこの世界に巻き込まれてしまった人には、本書のようなガイドブックがスタートを切るのに参考になるだろうと思う。





※1・・・最新のExcelは100万行を越えるデータを扱えるので、たいしてデータ量がないものに関しては十分に解析可能。
※2・・・理数系である自分にはこういう本も嬉しいのだが、なかなか実務イメージがつくような本がないというのも難点。
※3・・・とはいえ、こういう話をしだすといきなり「見た目上は」難しくなってしまうので、そんなのは蘊蓄を語りたい人だけが考えればよいのだ・・・というのが本書の眼セージだと思っている。

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2013年1月23日 (水)

[ご報告]卒業後の進路について 

卒業後の進路についてこれまでチラチラと書いてきたのですが、ようやく物理的なオファーレターのやり取りも完結して、手続き上も次の会社への内定が確定しましたので、ご報告をいたします。MBA生活が始まった当初は考えもしなかったのですが、3月1日より日本に戻って働くこととなりました。場所は基本的には東京になる予定です。

前々職ではWEB周りのプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーをしていたのですが、次は本格的にIT業界での勤務となります。過去記事にあるように今後ますますITというのは社会のあらゆる局面で関連してくるようになると思うし、中国だけでなく東アジアではまだまだ欧米系企業が出来ることがたくさんある、というのを感じるようになったというのが大きな入社の動機です。会社名や役職などは会社の人事規定がまだ不明なため、とりあえずはオープンにはしませんが欧米系企業の日本支社への就職という形になります。


■ 在学中の環境の変化 ■

今回の就職活動を始めるにあたっては、昨年起こった二つの出来事が進路決定に大きな影響を与えた。一つ目は、もちろん結婚である。MBA生活が始まる時には、まさか自分が在学中に日本人と結婚するなど想像もしていなかったのだが、実際に結婚をしてみると(あるいは実感を持ち始めると)、家族のことというのはどうしても考えなければならないな~と感じるようになった。

一人であれば中国での収入でも十分暮らして行くことは出来るし、上海以外の多少外国人が住みづらいような場所での勤務も何も問題がない※1。一方、中国語がそれほど堪能ではない日本人女性と結婚して、今後も家族を増やして行きたいと漠然とでも考えるのであれば、正直なところ中国での収入ではなかなかに厳しいものがある。そう考えると、目の前の条件がより良いところを探すというのはきわめて合理的だと思うし、またそれが自分にとっても幸せなことであると思うようになった。



もう一つは、これも以前に触れたことがあるが、昨年9月の反日活動である。僕はあれが起こる直前まで某米国系企業でインターンをしていたのだが、自分があのような会社で働いている時に反日活動が起こったら、たとえ米国系企業であったとしても100%安全であるとは感じられないだろうと思った。優れた企業ほどローカライズが進んでいるわけで、コンプライアンスの厳しい米国系企業といえども、日々の対応は現地社員が行うことを考えると、どうしても不安にならざるを得ない。

また現実的な仮定としても、仮に反日活動が長引いた時に「法人としての営業活動」は続けることが出来ても、個人としてのキャリアを継続できるかどうかというのは甚だ疑問である。「あなたの身の安全を保障することは出来ません」と言われるかもしれないし、ビザの継続が行われないかもしれない。そういった諸処の条件を考えると、日本人で一人で中国でキャリアを続けて行くというのは、なかなかリスクが高い・・と感じるようになった。



たぶんこのどちらかだけだったら、おそらく日本に戻るという選択はしなかったと思う。現地に根付いて長く中国で働いている人のほとんどは現実的に、中国人が配偶者のかたか、大企業から長期で駐在となっているかのどちらかなのだ※2



■ 中国で考えたこと ■

上の二つはいわば「外的な環境の変化」なのだが、それ以外にも日本への帰国を決めた理由がある。これは何年も中国ですんでいる方には何となく理解をいただけるだろうし、また「中国で働いた後に、CEIBSに来た同級生のほぼ全員」が感じたであろうことなのだが、1年半という期間、経済的にそれなりに上位層にいると思われる中国人(あるいは中国社会)と話してみて、結局自分は外国人であるという現実にあらためて気づかされたということにある※3



中国は長く続いた経済成長の結果、国も人も大きな自信を持つようなった・・というのは、日々いても感じることだし報道などでも基本的なスタンスの一つとして言及されたりする。しかし、一方で実際に中に入って働いてみようとすると、その反対の採用として急速に上位層は内向きになっているようにも感じる。「これまでは先進国に学ぶ必要があったが、今はその必要はない」というのは多かれ少なかれ感じる人も多いだろうし、もっと長い文脈で(時に政府が言うように)「中国の歴史的な立場を回復する時期が来た」と思う人もいるだろう。

ではその自信が国内の問題解決に向かって発揮されるかと言えば、それはそう簡単ではないわけで、依然として格差は大きなままだし、経済発展の方法も箱ものや不動産投資がまだまだ牽引している。何よりも急速な発展と同じスピードで教育の改善や、既存人員の再教育は進まないわけで、今後の成長については必ずしも明るい未来がまっているわけではない※4



自分も含む外国人の多くはChinese Dreamというのがあると思っていたし、また経済発展が進むにつれて「外への開かれ度合い」というのは深まってくるだろうと期待しているところがあった。だが現状ではむしろ中国は、「中国の、中国による、中国のための発展」というのを指向しているように感じるし、CEIBSという場でより深いところに触れた結果、逆にそういったことが見えるようになったともいえる。

こういうことを考えた結果少なくとも近しい未来においては、「中国という場」にビジネスという場から関わるには、外からの交流というのがベストであるというように考えるようになった。もちろん理解を進めるために勉強や交流はかかさないわけではあるが、いったんは自分の国籍のある場所に戻り体制を立て直す方がいいのでは・・と結論をつけたという感じである。



上海に2007年10月に来てからもうすぐ5年半がたち、自分が日本でとけ込むことが出来るだろうか・・といった不安も大いにあるし、もともと日本で働くことよりも海外で・・と思って外に来たんだったよね、と思ったりもするのだが、まずは自分の国に戻り、あらためてそこから次への展開を考えたいと思っている次第です。日本でお時間ある方、今までさんざん不義理をしておりましたので、ぜひお暇があればお会いするお時間をくださいませ~。



※1・・・CEIBSを卒業すると「中国基準」では高収入を得ることが出来るが、それでも日本で就職する金額よりも少ない金額になる。生活費のレベルが違う訳で単純に比較はできないし、中国で昇進した場合に給与所得者受け取られる金額というのは日本よりも遥かに高いところにあるのだが、少なくともMBA卒業直後でそうなることはほとんどない。
※2・・・日系企業の現地という選択肢もあるにはあるが、給与などを考えるととても現実的な可能性とはいえない。
※3・・・中国で働いたことがありかつ中国語もわかり、もっと中国を学びたいという同期でCEIBSに入ってきたメンバーとは少なくとも一度はこういった話題で盛り上がったことがある。
※4・・・こういうことを考えると、中国と日本というのは経済の発展についてはある程度同じような道を辿っているな・・ということを感じる。「旅行者にはフレンドリーだが実際に働くのは大変」というのは

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2013年1月 1日 (火)

Happy New Year & プライベートのご報告

早いものでMBA生活にどっぷり浸かった2012年も終り、2013年を迎えることとなった。昨年は自分史の中でも結果的に1・2をあらそう激動の年になり本当に未来に向けてかなり方向性が見えた年になったな~ということを感じている。このblogも色々と宿題は積み残しているものの毎週の更新は何とか続けることが出来た。

MBA生活も残り実質的に二週間という状況になってしまったので、今年はMBAというよりは卒業後のことを考えているのだが、毎年続けている1年の抱負を今年も書いていこうと思う。


■ 昨年の振り返り

毎年懲りずにかいていることのメリットの一つに、自分でも年明け二月ぐらいにはすっかり忘れている「一年の抱負」を振り返ることが出来るのがある。昨年も例年通り、書いた内容をすっぱり綺麗に忘れていたので、先ほど見返してみて「2012年の自分の抱負」に自分で驚いた。。ということで、恥ずかしながらの振り返りをしてみよう。

(1) 中国でHSKをとる! →  ×(結局何もできずじまい)
(2) 仕事の獲得!      → ○(2012年中に次の仕事の確定完了)
(3) 原点に戻る!   →  △(全体的にMBAっぽくはなったはず・・)


まず(1)の中国語のことだが、実際に生活をしてみるとTerm2は変わらず授業で忙しく、term3以降はず~っといろんな内容でインターンをやっていたので全然時間が作れず、実質的に時間が出来るはずの9月以降は後述する私的な理由で時間をとることが出来なかった。・・・非常にいいわけ臭いが、中国語に関してはこの1年間で想定の10%ぐらいしか進まなかったというのが正直なところだった。。

次に(2)。9月の反日活動以降で大きく方向転換をした就職活動だが、多くの方の支援をいただき、無事に12月までにいくつかの会社から内定をいただくことが出来た。現在は最終的なオファーレターにサインをするのみ・・という状況になっており、この目標に関しては自分で満点をあげてもよいのではないかと思っている。実際にどのようなところに就職するのかということに関しては、正式な入社内定通知書をもらった上で会社のソーシャルポリシーを確認しないといけないので、現時点では秘密ということでご了解をいただければと思います。

最後に(3)だが、これは非常に自分では判断が難しい。もともとYes/Noで答えることや、数値化できない目標を設定していたからというのが判断が難しくなってしまう一番の理由なんだけど、個人的にはTerm3のプロジェクトで同じグループのメンバーから学んだり、Internでいろいろなお仕事をして、だいぶ数字で考えるということについて慣れてきたんじゃないかというのは実感している。
Term1を終わっただけの段階に比べれば成績も少しずつ上昇していったし、レポートでもジャーナルを引用したりインタビュー結果をまとめたりということで自分らしさを発揮できたのか、高得点をもらうこともできるようになった※1。自分が描いていたMBA生活ほどには成果を出すことが出来なかったという点を割引くと、△というのが妥当なところだろうと感じている。


■ 今年の抱負

さて、続いて今年の抱負・・というところなのだが、正直言うと今年はあんまり具体的な抱負はないのである。。というのも、MBAというある意味短期的なプロジェクトは無事に終了を迎えつつあり、今年は遠からず次の仕事を初めていることを考えると、当然最初の抱負は「仕事を頑張る」以外ありえないからだ。

MBAはビジネスを勉強するといってもやはり広く浅くになってしまうし、現実のビジネスと比べた場合に「自分で自分の目標を設定できる」という大きな違いがある。また、現在方向性と考えている進路は、過去経験とは遠くもないが近くもないという領域なので、当然勉強しなければなららないことも非常に多い。新卒というにはかなり年をとってしまったし、いただく予定の給料も新卒の時よりはかなり多くなっているので、一刻も早く自分の場所を作るためにまずは全力で次の仕事に打ち込むつもりである(というかそうしないとクビになってしまう・・)。


また、もうひとつの理由としてはすぐ後述するように私生活が大転換を迎えてしまったので、とにかくまずは健やかに暮らすという、当たり前ではあるが自分には難しい目標が出来たからだ(ここまで書けばもうバレバレですね。。)。どのような生活になっても過去一年間の平均よりは睡眠時間は減るだろうし、プレッシャーも増えると思う。そうなった時に、どれだけ自分の心と体の健康を保てるかというのは一つの大きなチャレンジだと思うし、これからはそのことを常に念頭に置いて生きていきたいと思っている。


ただ、抱負というか方向性としては、今後の職場を念頭においた時により中国についての多面的な内容をもう一度勉強しなおしたいという気持ちはすごく強い。もともと「中国におけるビジネス」を学ぼうと思って今のschoolに入学したのだけど、昨年の反日活動にも見られるように『中国』という存在はビジネスを考えるのにあたりビジネス以外のことも考えなければならない国である、ということをますます感じるようになった。

そのためには歴史や思想、政治や外交関係、そして戦略(ビジネスにおける戦略ではなく、War study)も広く学ぶ必要があるのではないかと思っている。もちろん僕の生きていく場所と言うのはビジネスというのは変わらずに思っていることなんだけど、年齢的にもキャリアのステージ的にも業務では深堀を、それ以外の時間では意識的に広がりを・・というのを志向したほうがよいのではと考えるようになった。
具体的にどのような内容を学んでいくのか・・という点についてはある程度心の中にはあるのだけど、これも自分のキャリアを明確にして段階であらためて書くようにしたい※2



■ 私的なご報告

今回のエントリーでも書いてきたように、2012年というのは自分にとってとても大きな出来事があった年でもあった。あらためて書くと、上海で出会った日本人女性と結婚をすることになったのである。


実は8月には結婚を決めていて9月からは上海市内で一緒に生活を始めていたのだが、自分が学生の身であり少なくとも次の方向性が決まるまでは公にしたくなかったこと、上海で暮らしているために家族やお世話になった方々に報告をする時間をもてなかったこと等から今まで発表を控えてきた※3
今回自分の方向性がおおよそ固まったことと、授業の合間に自分の近しい人に直接報告をする機会をもてたことで、このように発表をすることが出来るという次第。

MBA生活を過ごす中で、次にどこで働くかわからないという感覚をずっと持っていたし、これからの長い人生をず~っと一人で頑張るほどキャリアへの執着心も強いわけではないということをなんとなく感じてくるようになった中で、ぼんやりと一生のパートナーを見つけられたら・・とは思うようになっていたのだけど、まさか自分が2012年中に結婚を決めるようになるとは思いもよらなかった。


妻となる女性とはMBA生活の初期に上海で出会い最初は遠距離での関係だったのだが、気が付いたら結婚まであっという間に決まったということで、つくづく人生というのはわからないものだと感じている※4。僕はこのblogでもわかるとおり、ダラダラと考えることも多いし一緒に暮らしやすい人間では決してないと思う。また学生と言うことで無職の上に就職先も決まっていなければ、働く場所も決まっていないという不安定な生活だし、何よりたんまりと借金も残っていて少なくとも数年間は裕福な生活はとても送れそうにない。

そういった色々なマイナスがあるにもかかわらず、一生をともにしたいと言ってくれた妻にはとても感謝をしきれないし、またこの広い大陸で自分を見つけてくれて本当にありがとうの気持ちでいっぱいである。自分がこれからどれだけのものを生み出し共有できるかはわからないのだけれど、自分の命が終わるまで出来る限り長く側にいられたらいいな、と思っている。今後もこのblogに登場することは恐らくそう多くはないと思うのだけど、自分に起こった大きな出来事として、このようにご報告をさせていただきました。


ということで、2012年は学業・仕事・私生活の全ての面で大きく動いた年になりました。2013年はその動いたことを一つ一つ固めていき、これからの長い人生を過ごす上での新しい基盤を作る年にしたいと思っています。あまり更新頻度も高くなく、ダラダラとした話を続けているblogではありますが、本年もよろしくお願い申し上げます。


※1・・・一方でやはりレトリックや表現能力という点においてはnativeにはどうしても勝てないな~と痛感した一年でもあった。英語能力はすぐには伸びないので、今後も継続的に勉強し続けるしかない。。
※2・・・我ながら奥歯にものが挟まったような書き方で切ないし申し訳ないと思っているのだが、ご了解いただけるとありがたいです。
※3・・・実際に生活拠点が変わったりしたので、MBAの同級生たちには早めに伝えていたし、直接顔をあわせることが出来る友人たちには個別にお伝えをしていました。
※4・・・書類などを準備しないといけないので、実際の入籍は卒業後を予定している。

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2012年12月 2日 (日)

第69週目終了! - MBAからの就職活動-

先週の香港遠征(というか唯の酒飲み)で激しく体力を消耗したまま、怒涛のTerm5-B最終週に突入してしまった今週も、何とか何とか無事に終了。僕の場合疲れがたまってくると頭がボ~ッとしてきて話すのが億劫になってしまうので、MBAの授業のように何かしら発言をしなければならない場というのはなかなかしんどいものがある。むしろ課題に追われている方が気が紛れていいよな・・という気がしないでもない。ということで、MBA生活中で忙しいと感じる最後の一週である第69週目も無事に終了。


■ 就職活動の仕方

MBA生活もこの時期になるとすっかり就職モードになって、既に次の行き先を決めた人間も結構いるし、インタビューで飛び回っている同級生も多い。僕は結構前から活動を始めたので比較的に順調に進んでいる方だと思うが、友人からは「どうやってそんなに案件のネタをとってくるんだ」ということを聞かれたりする。だいたい5つの方法があってね・・・という説明をするのだが、友人たちは何と言うかあまり方法論を考えないで結構行きあったりばったりで驚いたりすることもある。ということで、今日はMBA学生がどうやって就職活動をしているか(あるいはするべきか)ということを簡単にまとめておきたいと思う。


  1. 普通にWEBや郵送で応募する
  2. これは本当に誰でも思いつく方法・・だが、MBAでは最も一般的ではない方法である。まずそもそもMBA学生というのは求める給与が平均値に比べれば圧倒的に高い。そしてそういう職業というのはだいたいWEBページとか一般のマーケットには出回らないものである。なのでどうしてもこういうマーケットは学生にはなじみのないものになってしまう。
    またこういう方法で応募をすると、だいたい最初のスクリーニングをするのは人事部門のラインにいる人ということになるのだが、はっきり言えば(少なくとも)中国においては、その部門にいる人間が正しくスクリーニングを出来る能力があるとは思えないというのもある。そもそもMBAというのは、なんというか「必要な会社には必要」なものであって、広く一般的に価値を認められているとは言い難いものがある※1。ということで、この選択肢はあまり有効とは言い難いものがある。ただ、他の方法でどうしてもコンタクトが出来ない時にはこの方法を使うしかないというのも事実である。

    ちなみに僕はどうしても一つアタックしたい会社があったので、この方法を使って米国本社に応募してみたが見事に空ぶったのであった。。

  3. 人材エージェントを使う
  4. たぶん日本人MBAホルダーが必ず使う方法はこの「人材エージェントを使う」という方法。僕は最初がまさしくこの業界関連だったのでメリット/デメリットはある程度知っているつもりだが、いいエージェントとめぐりあうことが出来れば得るものが多いという感じである。この業界というのは基本的に「それほど給料は高くないが、常に人材募集のニーズがある」層と「ピンで釣りあげたい高給取り」層の二つにわかれているのだが、残念なことにMBA卒業生というのはちょうどこの間ぐらいに位置している。給料は平均よりもだいぶほしいけど、かといって名前があってby nameでとりたいほどではないといったところである。

    個人的には(あるいはかつての業界人としては・・)MBA卒業生はたとえ多少条件から外れていたとしても、高級層向けにアタックしたほうがよいと思っている。彼らの多くはブティック型経営で特定の業界や会社に強い一方であまり広くコンタクトはできないのだが、
    ちゃんと話をすれば多少彼らのターゲット層からはずれていてもしっかり相手をしてくれる。時には自分で想像もしていなかったような会社を紹介もしてくれるし、ある程度仲がよくなれば自分が応募したい企業に売り込みに行ってもらったりもすることも出来る。

    色々なエージェントと付き合うと連絡だけでかなりのエネルギーを使うことになるのだが、どうしてもエージェントごとに持ってるクライアント層に違いがあるので、信頼できるエージェントとはある程度の数をつきあうことがよいと思う。ただし、大量採用企業の場合は複数エージェントから同じ案件を持ちこまれたりもする。


  5. MBA向けイベントに参加する
  6. 僕は準備段階からMBA入学に至るまで、まったく日本にいなかったのでトンと縁がなかったのだが、MBA予備校などに通って準備をすると合格後にMBA向けイベント等が開催されてそこでMBA採用企業(多くの場合投資銀行とか外資系コンサルタント)と触れる機会があるらしい。こういった企業は定期的にMBA卒を採用しているので、ある程度枠はあるしやり方がお互いにわかっているという意味でいいかもしれない。

    また毎年海外学生向けにボストンで開催されるボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)も存在としては似たようなものかもしれない。これはMBA向け学生だけに限ったイベントではないけど、やはり多くのMBA学生が参加しているようだ。またLinkedInなどでも日本人向けではなく、広くMBA卒業生向けのイベントの案内をもらったりすることがある。

    正直言うと、お金の面や時間的な制約でこういうイベントにはとんと参加しなかったのだが、参加したかたのお話を聞く限りある種の高揚感を楽しむことが出来る機会らしいので、一回ぐらい参加したかったな・・という思いも持っていたりする(しかしボストンまでこのためだけに往復する気にはとてもなれない・・・)


  7. schoolの就職課を使う
  8. この方法はschoolの就職課の取り組み具合によって大きく左右されてしまうし、はっきり言えば自分が所属している大学のrankingによって機会の幅が非常に大きい。うちのschoolの場合「給与のよい仕事に卒業生をつかせて、MBA rankingを上げる」というのが非常にはっきりとして目的として打ち出されているので、就職課は非常に充実している。統計上でも毎年50%以上の学生が就職課を通じて持ってきた案件に就職している。これははっきりとうちのschoolの利点として挙げていいと思う。ただし多くの案件が実質的に中国人限定なので、そこは割り引かなければならないが。。

    またrankingが高いschoolには欧米系の企業から、リーダーシッププログラムの案内が来るので、こういう機会を利用するのもよいと思う。かなり狭い門ではあるが、そこのプログラムに通ればある程度までは内部昇進の目が見えるし、世界中を回ることが出来るので経験として非常に楽しいと思う。僕もInetrnshipはこの方法で獲得することが出来た。


  9. 人脈(含む同窓会ネットワーク)を通じてコンタクトする
  10. MBAの場合は同窓会ネットワークが結構強固に組まれているところが多いので、この方法を使ってコンタクトするという方法もある。メリットとしては現場のスクリーニングをすっ飛ばしていきなり偉い人にコンタクトできるということがある。また既に信頼関係が出来ていれば通常の面接プロセスをすっ飛ばすことができるのもよい。

    一方中国人の場合、こうやって紹介されてしまうと「なかなか断りづらい」という問題があるらしく、それほど積極的に使いたい方法ではないらしい。確かに面子文化の中国で「あなたの会社に興味があるんです」と労を折ってもらうお願いをしながら、「やっぱり他の会社に行きます~」というのはなかなか言いづらいだろうと思う。また人脈を伝っていく場合、個人のパーソナリティに依存する部分が非常に大きいので、うまく定型化することが出来ないというのもある。もっと言い切ってしまえば、個人頼みということである。



■ 他にも一つ・・・起業??

こうやって5つを並べた中で、僕がどの方法をメインに使っているか・・というと、「②の人材エージェント」と「⑤の個人ネットワーク」である。広い意味ではどちらも個人のネットーワークということになってしまうのだが、特に僕は結構長く中国にいるということで面白がって会ってくれる人が結構多かったため、どうしても個人のネットワーク中心になっている。
逆に少なくとも中国大陸での仕事がメインのターゲットでなくなってしまった頃から、あまりschoolの就職課は利用しなくなってしまった。これまでもこの方法を利用する場合にも、事前に出来る限り人と会うようにしていたので、どうも自分のスタイルとしては個人ネットワークでの就職活動というのが向いていたようである※2

あと馬鹿に出来ないのがTwitterやFacebookといったSNS。友人からは驚かれることが多いが、僕はTwitterからのつながりをもとに面接にこぎつけるということを実際にしているので、あまり馬鹿にしたものではないと思う。特にTwitterは僕は本名をわかるようにしているし(さらしてはいないがblogに来ればわかるようになっている)、継続的に発言をしているのでコンタクトをとるためにとても重宝している。


最後に、今回の話では触れなかったが「起業」という選択肢も当然ある。今年は就職マーケットが結構冷え込んでいることもあり、うちのschoolからも数人が卒業後に起業をするらしい。MBAにいる1年半の間に個々人の性格もわかるし得意不得意もわかるということで、一つの選択肢としてはありだと思う。若い人だったらリスクもとりやすいだろうし、特にTOP schoolを出た人は身分保証みたいなものを得ることが出来ているわけで、検討に値するんだろうな~という気もする。

何にしても、MBA卒というのは就職しても結構な数が数年以内に転職してしまう人間なので、第一歩はすごい大事・・といえども、やはり第一歩に過ぎなかったりするわけで、そういう意味では30歳を超えた日本人とはかなり受け止め方が違うよな~と思ったりするのであった。


※1・・・じゃあなんで中国にはそんなにボコボコとMBAがあるか・・というと、もうこれは人脈のため。先日会ったEMBA学生も「見事にきれいさっぱり学んだ内容は忘れた」と笑っていた。。
※2・・・そもそも、あんまり一般受けするタイプではないのも事実なので、痛しかゆしではある。理想を言えば「マスにもうけるが、ニッチにも刺さる」人材になりたいのだが、そういうのって多分Marketing的に無理があると思われる。。。

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2012年10月28日 (日)

第64週目終了! - MBAは起業に役に立つのか? -

10月も終わりのこの時期になるともうすっかり上海は朝晩が冷えてきて、冬が近いのだな~ということを実感する。考えてみればもう上海に来て丸5年が経過したのだが、6回目の冬を迎えようとするこの時期になっても、未だに上海の冬は寒すぎて慣れないし、シャワーのお湯がなかなか温かくならないこの時期は正直言えばあまり好きではない。とはいえ、今の情勢からはおそらく少なくとも数年は上海にいないだろうことを考えると、いよいよ最後の冬なんだな~とちょっと感慨を感じたりしている。

Term5の前半が既に終わったしまいテスト一つしかなかったMBA第64週目もまったりと無事に終了。風邪ひきにだけは注意しないと。。



■ MBAと起業 ■

先週・今週とかなり僕よりも若い複数の人から「MBAにいるということは将来起業を考えたりしているのですか?」という質問を受けた。Twitterとか見ていると確かにTOP MBAを出て起業した人が積極的に発言したりしているし、MBAの教授はかなりの確率で「Make world better」というのでMBA==起業と思っているという人は結構多いと思う。また、実際にMBA卒の後に起業をするということで、既に友人たちと会社を設立したという人間も僕の周りにいることも確かだ。


ただ、それでも僕はMBA==起業というのは間違った認識であると声を大にして言いたい。


まず第一に思うのは、基本的にMBAとはどういう存在か・・というところがちょっと違っているよな~と思っている。メディアに取り上げられたり、積極的に発言している方というのはいわゆる本当のTOP校出身の人が多くて勘違いをしがちなのだが、少なくとも米国においてはMBAというのはとにかく裾野が広く、必ずしもスーパーエリートだけが行くような場所ではない。言い換えれば、普通に働いている方が、キャリアチェンジをしたいからあるいはスキルアップをしたいからという理由で行っても何ら問題がない場所なのである。MBAを出た起業家は確かに多い。ただ彼らも最初からそれが目的だったわけではなくて、会社をレイオフされたからという人もいれば、友人に誘われたという人もいるし、上司にむかついたからという人もいる※1

次にMBAの勉強内容と起業というのは、それほど関係が強くないということだ。確かにMBAの中ではアントレプレナーシップという授業を学ぶことが出来るし、その分野ですごく強いMBAというのも存在する。ただ、MBAというのはこれまでも書いてきたように広く浅く経営スキルを学ぶものなので、MBAで学んだからといって即座に起業するほど世の中を広く知れるわけではない。ただ、僕のように就職後一貫して営業とかMarketingのように市場側にいた人にとっては、Financeや会見を学ぶのは有意義ではあると思う。

最後に言いたいのは、少なくともMBAにいる人間の中で自分でモノが作り出せたり営業が出来るような人間はあんまりいない・・・という事実である。うちのschoolだけでなくTOP schoolというのは結構似ていると思うのだけど、やはり過去経験はFinance畑にいました、とかコンサルにいました・・という人間は多い。他はMarketingとか法務とかHRというのもいないわけではないが、これが現場でバリバリプログラムを書いてました、とか営業でガンガン開拓していました・・みたいな人間はほとんどいない※2


実際に起業をした方ならわかってもらえると思うのだが、普通の人間が自分が用意できるお金で起業をしようと思ったら、「何を売るか」と「誰に売るか」を準備できる人間が一番強い。素晴らしいビジネスプランを書いてお金を集めるんです・・・というのは、確かにあるにはあるが、そういうことが出来る人はもともとそういう場所に近いところにいたわけでMBA卒業をしたから誰でもそういう場に立てるわけではない。立ちやすくなる・・というのは事実だけど。

ということで、総じて言えばMBAを取るということは「起業をする際に有利になる点もあるだろうけど、だからと言ってMBA==起業というのは、そういう目的を持ってきた人のみに当てはまる話」というのが僕のスタンスである。


■ 天才でない僕たちが出来ること ■

こういうことをいいつつも、じゃあ起業をしたい人がMBAに来る意味がないかというそういうわけでもない。ということで「起業のためにMBAに行けばいいのかな・・」と悩んでいる人にはいくつかのことをまず考えてほしいな~と思う。

  1. どういう規模の会社を作りたいの?
  2. そういう質問をすると「チャンスがあれば大きくしたい」と答えるのが自然だろうとは思うのだけど、自分がどういうビジネスをしたいのか・・ということを考えればある程度最初に必要最低限な大きさというものは見えてくる。

    率直に言ってしまえば「とりあえず自分の会社を作りたい」というのであれば、保険業界に入ってたくさんお客さんを捉まえて独立する、とかプログラムを一から勉強してIT土方と言われようがなんだろうが自分で開発をし続けるとか、そういう方法はたくさんあるわけで、そういう人がMBAに来るのはある意味時間の無駄である。

    また逆に「俺は世界で最高の建設会社を作るんだ!」という野望があったとしても、あんなに資本を使うような業界でいきなり一から起業するというのはまず無理な話なので、そういう業界で経験を積んで資本家から声をかけられるのをまったら・・という話になる。


  3. 売るものを作れる?
  4. もし仮に自分がお客様に売れるものを作る能力がない(例えコンサルをするということであっても、Solutionを売るという話である)としたら、確実に誰かと組まなければならない。優秀なバックオフィスというのは、バックオフィスが出来たら初めて役に立つわけで、会社が立ち上がるタイミングで必要なのは「売るもの」と「客」の二つである※3

    もし自分が作れないとしたら「どこかから買ってくるか」「誰かにやってもらうか」しかないわけで、そういう人やモノを自分が過去に惹きつけることが出来てきたか、あるいは今後は惹きつけることは出来そうか、を考えてみるといいと思う。もしそういう経験が全くなければいくらMBAを出てもかなり起業は大変だと思う。アントレプレナーの授業でも、起業というのは現在満たされていないOpportunityを探し当てるということであり、そのためには業界内部の知見が必要であるという話がされていた。


  5. 世界を変えるって?

    「世界を変える」って確かに格好いい。ただ、世界を変えるというのはいったいどういうことで、いったいどういう風にやればいいのか・・というのは一度立ち止まって見るとよいと思う。そうすると、極めて、本当に極めて独創的な技術とかセンスを持っているまさに「特別な人間」以外は、まずは努力すれば手に入る技術や小さなアイデアからスタートするということが分かると思う。やはり、大きくなったことで出来るようになる、ということは確実にある。

    Microsoftは確かにPCの普及に圧倒的に貢献したと思う。でもMicrosoftは最初はApple向けのソフトベンダーだった。Facebookによって人のつながり方は変わったかもしれないけど、My spaceという競合は一時はFBよりもずっと先に行っていた。Amazonは今ではテクノロジーで世界に大きな影響を与えているけど、最初は本をネットで売るというシンプルなモデルからスタートしたし、同じようなことを考えた人はたくさんいた。

    僕は「世界を変えると思えること」というのは、本当に何かを成し遂げたいと思う経営者が持つべき才能の一つだと思う。なぜなら多くの人が、ある程度の成功で満足をするし、そこから先の辛いことを耐え続けるほど野心を持てるということそれ自体が才能だと思うからだ。だけど、一方でスタートは目の前のマーケットから、でもちっとも構わないと思う。そこに誰も解決していない課題があり、自分のアイデアでそれをOpportunityに変えることが出来るのであれば、それは少しだけ何かを良くしたことにはならないだろうか。


僕が起業をしますか?と聞かれたら、そういう気はないですね・・というのは、上の3つの基準と僕の指向性を考えた時に、その方向では必ずしも起業という必要はないからだ、というのがある。僕のやりたいこと・・というのはどちらかというと社会インフラに関わることだったり、あるいは市場を広めていくということだったりするのだが、今からそれを一から作りあげるというのは、やはり本当に天才と運に恵まれた人間以外にはとてもとても難しいことだと思うというのも否定しない。そして、僕は自分がそういう才能に恵まれているとは思わない。

MBAをもうすぐ終えようとする今の自分は、努力を否定するということでは全然ないしこれからも努力をし続けることに疑いはないのだけど、一方で僕の社会の中での立ち位置というか当てはまる場所があるだろうというのもやはり常に思っていることである。そして、もしそういうところを見つけることが出来て、自分のパートナーとか大切な人と満足する生活を送ることができれば、それが僕の生きる意味だと思っている。
もし起業をするということがその人にとって、特別な意味があるのであればそうするのがきっと正しいことだろう。どちらかと言えば、そういうことを真剣に考える時間がほしい・・そういう人にこそ、MBAという場所は向いているのかもしれない。少なくともこの期間には時間だけはたっぷりあるから。


※1・・・実際にこのschoolでの友人の中には、中国に来た理由が「元の会社でレイオフされたから」という人間もいる。そういうのは別に珍しいことではないのだ。
※2・・・スタンフォードとかMITとか行けばプログラマーからなった人も普通にいると思うが、そういうTOP校はそもそも今回の話とはちょっと違うので割愛。
※3・・・じゃあ、ライフネット生命はどうなんですか・・と聞かれるとちょっと困るのだけど、あれは極めて特別な例なので、今回の話には当てはまらない。ああいうことが出来るような人は僕のこの記事を読んだりはしないだろうし。。

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2012年9月30日 (日)

第60週目終了! -就職活動込みで台湾再訪 -

Term5が始まったと思ったら、あっという間に9月は終了・・ということで、この時期はいったい何をしていたんだと自分でも思うほど時間がたつのが早い。当初はメインの作業は就職活動の情報集めとお話聞きにする予定だったのだが、思ったより授業の負担が重かったり(これはむしろ喜ぶべきことか・・)、何より9月前半は反日騒動の情報収集に個人的に時間を使ってしまったために、ほとんど作業が出来ない時期があったのが痛かった。ようやくリズムを取り戻したと思ったら、あっという間に国慶節でお休み期間に突入ということで、MBA生活第60週目も無事に終了。


■ 就職活動の時期来る! ■

今までもこのblogでは散々就職活動がどうたらこうたらと言う話を書いてきたのだが、実は今週になって初めて本気でfull-timeの仕事のインタビューを受けるという機会に恵まれた。とある欧米系企業のインハウスコンサルティングの会社で、なんでも「日本での業務を増やしたい」という理由から日本人の僕に目をつけたらしい※1。突然人事から「もし、あなたが興味があれば私たちの会社に応募する権利がある」という謎のメールが来て、なんのこっちゃと思ってレジュメを送ってみたら、インタビューに呼ばれるということが起こったのであった。

正直にいえばあまり志望度は高くないのだが(当たり前だ)、せっかくコンサル関連のインタビューを受けることが出来るのであれば・・・ということで、スーツを着込んでインタビューを受けに行ったのだが、なにせ複数の面接を一日で終えなければならないということで、日程がかなりハードで集合は朝の8時。しかも受けに行ってみると外国人は自分だけで他は全て大陸人というアウェーな環境だった※2


インタビューはコンサルティングによくあるケースインタビュー形式で、午前に2つ+GMATのようなPCテストを受けることになっていた。これが終わった時点で第1ラウンドが終了で、不合格の人間はさようなら、というスケジュールらしいのだが、僕は幸運にも第1ラウンドは無事に切り抜けることが出来たので、午後も同じようなインタビューを2本受けることになった。もちろん第1ラウンドを突破できたのは嬉しかったのだが、1本あたりの時間は長くなるし、頭はボーっとしてくるしでかなりシンドイ1日となった。最終的には第2ラウンドが全て終了した後に簡単なFBと「お疲れ様、不合格です」の連絡をいただいて帰宅することとなったのであった。僕を含めてその日は6人の学生が受けていたのだが、結局合格者は0ということで、学生側も疲れるし面接側も1日使って合格者0というのはなかなか負荷の高い業務である※3

このインタビュー、午前に1回・午後に1回それぞれ先方からフィードバックを受けることが出来て、しかもその内容はかなり的確で得るものが多かった。また、母国語でない英語でコンサルのインタビューを受けるというのは中々ない機会なわけで、そのことは向こうからもおほめの御言葉をいただくことが出来た(中国人学生は、インド人との面接以外では中国語を使ったらしい)。MBAの卒業生の多くがコンサルに行くので、そういうことをschoolでやっていると思っている人も多いのだが、少なくともうちのschoolではそういう授業は数えるほどしかなかったし、consulting clubでお互いの練習でもしない限り、中々いわゆる「コンサル思考」をトレーニングする場がない。そういう意味で、就職活動の初めにトレーニングの機会を与えてもらったと考えれば決して無駄な時間ではなかったと言えると思う。


ただ一点、その翌日から同じく就職関連で台湾に行くことになっており、しかも朝9時の前の飛行機ということさえなければ、さらによかったのだが。。


■ 空気が柔らかな台湾 ■20120929_195932

ということで、1日インタビューの疲労も抜けやらぬまま、金曜日からは台湾を訪問したので あった。(blogには細かいことを書けていないが)昨年末にも台湾に観光に行ったので、このMBA生活で台湾は二回目である。

前回の訪問の時期も、台湾というのはちょっと前の日本のような街並みで心が落ち着くな・・と思ったのだが、今回は9月に反日騒動が大陸であった影響もあり、台湾はより一層空気が柔らかく感じたのだった。気候もこの時期は暑くもなく寒くもなくであり、また口調も大変柔らかいということで、大陸でちょっとピリピリしていた気持ちを癒すにはいいタイミングであったと思う。


日本では大陸の反日に対して台湾は親日的であるということで盲目的に台湾を好きと言う人もいることは知っているのだが、単純なそういう見方を省いたとしても、やはり大陸と比べれば台湾と言うのは日本人にとっては住みやすい場所だと思う。少なくとも街中でいきなり殴られるということを心配しなくていいというのは、当たり前のようでいて結構大切なことである※4。大陸から台湾に移ったという人が、台湾を好きになるのは僕もうなずける。

ただ、一方でビジネスという話になると、台湾というのは基本的に「大陸に進むための準備地域」以上の意味はないというのも事実である。確かに世界的に名を成しているフォックスコンやHTCという企業もあるが、基本的に売上のほとんどは台湾外からあげているし、なにせマーケットの大きさが大陸とは違いすぎる。台湾の人口は2,300万人であり、13億人を抱える巨大マーケットの前では、ないも同じである。台湾人の友人に聞いても「住むなら絶対台湾、でも仕事するなら大陸というのは仕方ない」という反応が返ってくる。

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僕が今回お話を聞きにいった日系の会社も、サービス分野で海外進出を考えるにあたりま ずは台湾で経験を積むということを主眼に置いており、いずれ大陸に進出するにあたり現地のことを知っている人間が必要と言うことで僕に声をかけてくれたらしい。確かに組織運営の面で台湾で苦戦するようでは、大陸ではとてもやっていくことはできないと思う。

今回はお声をかけていただ20120930_204243いた期間で複数の人と会う必要があったり、イベントがあったり と結構長く台湾にいることになっていたので、前回に続いて夜市を散歩したり101の辺りをブラブラとする機会があったのだが、食事はおいしいし街は安全だし、移動をするにしても適度にコンパクトであるということで、数年間住むのであればかなりいい街であるというのが正直な感想だった。次の会社選びでは、こういう住環境というのも考えな20120930_213053ければならないな~というのは、9月以降は考えるようになっていた ので、台湾で働くということも真剣に考えてみたいと思ったのだった。
逆にいえば、ついこの前までの9月の出来事は、僕のように比較的長く中国にコミットする人間にも影響を与えているわけで、長期的に見たら中国にとっても残念な出来事だったと言わざるを得ない。自分的には「国際政治に翻弄されてしまってるんですよ・・」とネタの一つにでもすればいいと思えるけれど、もっと長く住んで、たとえば自分で会社を興されている方からすれば笑いごとではない。


来週は国慶節なのでschoolも休みになってしまうため、週の半ばには日本に帰って、これまた就職関連で複数の人に会う予定である。気がつけばMBA生活も実質残り2カ月で、本格的に就職の声が聞こえる担ってきたのを実感するのであった。


※1・・・欧米系企業の中でもものすごく大きな企業の中には、自社グループ内に自社企業向けのコンサルティングをする部隊を持っている企業があり、そのようなコンサル企業を「インハウスコンサルティング」と呼んでいる。
※2・・・しかし、なぜかインド人の人事は僕のことを大陸人だと勘違いして話を進めていたのであった。日本人だから・・という理由で呼んだんじゃなかったのか。。
※3・・・圧迫面接だったのかもしれないが、やたら高圧的な中国人(またはシンガポール人)の女性が出てきて、話がうまくかみ合わない段階で落ちることを確信した。他の候補者とも「ずいぶんと偉い人らしいが、あんまりだよな・・」という話をしたので、候補者全員が彼女を突破できなかったものと思われる。違う人が来たらまた違った結果になったかもしれない。
※4・・・反日期間中は上海にいても僕はピリピリしていたのだが、台湾人からは「台湾では絶対そういうことはないぞ!」と何度も声をかけてもらったのであった。

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2012年9月19日 (水)

2012年9月18日に考えた自分のキャリア

毎年9月18日というのは満州事変がはじまった日ということで、中国全体で反日の機運が高まる。日ごろ使っているVPNの日本向け接続が遅くなるのは毎年のことなのだが、今年はここ一週間ほどの騒動のおかげでかなり緊張した生活になってしまった。
もちろん、こちらに来てから今までこういった感じの反日活動というのは経験しているし、不愉快な思いをしたことも一回ではない。ただ、それでも今回の騒動というのは今までとは違う意味合いがあったし、卒業後のキャリアについても多少考えを変えざるを得ないような影響を与えたのだった。


■ 18日に考えた僕のキャリア ■

僕はこれまでもこういった記事こういった内容で、卒業後のキャリアについて何度も書いてきた。職種や業種といったところで考えが揺れる部分はいろいろあるし、今でも揺れている部分は多くあるのだが、それでも『中国をメインの活動場所として、中国で同じように方を並べて働きたい』という希望がずれたことはなかった※1。ただ今回の出来事を受けて(正確にいえば今回だけでなく、夏のInternの影響も受けて)少し考えを修正しようと思っている。具体的にいえば、中国人学生が応募するような「中国大陸で幹部候補として働くことを期待される」リーダーシッププログラムへの応募はやめようと考えるようになった。

  • 街中で家族の安全が保障されない可能性がある
  • 現状では家族どころか嫁さんもいない自分ではあるが、一応頭の中(だけ)にある計画では、数年以内に結婚して、運が良ければ子供がほしいな~と漠然と考えている※2。ただそうなるとやはり一番に気にしたいと思うのは家族の健康と安全だ。
    リーダーシッププログラムというのは中国国内で幹部候補としての働きが期待されるわけで、必ずしも勤務地が上海や北京という大都市になるわけではない。中国は広く、今後のマーケットが中西部に広がっていくことを考えると、勤務地がそのような場所になるという可能性も考えられる。

    今回の出来事で衝撃をうけたのは、広州や上海といった大都市であってもデモ以外の場所の、いわゆる街中で日本人が被害を受けたということである。もちろん詳細情報を手に入れることはできないし、彼らが本来であれば気をつけるべき場所で油断をしていたという可能性も否定はできないが、やはり街中で「どこで危ない目にあうかわからない」というのは非常に怖い。中国人と結婚しようとも、一回日本人と結婚すれば「日本人の嫁」になるわけで、こういうことが潜在的に起こる・・というのはビビりの僕には、なかなか精神的に辛い。


  • 職場で孤立する可能性がある
  • 今回はTwitterで在中の人と情報を交換することが出来たのだが、やはりこういう事態になると役に立つのは中国でのビジネス経験が長い日系大企業の情報網だ。こちらでは商社
    の駐在員が家族を返すようになったらかなり危ない・・と言ったりするのだが、やはり会社が騒動が起こった時に迅速にサポートをしてくれるというのは非常に大きい。

    一方で今回僕が夏にInternをした会社でも感じたのだが、Global企業の中でもLocalizeが進んでいる企業というのは、従業員のほとんどが中国人である。特にバックオフィスのようにコストセンターとなるような場所は現地化の進んでいる。もし仮に問題が起こった時に、大陸人以外がマジョリティとなっている職場、あるいはマネジメント層に複数の外国人がいる場合には、サポートは受けられないまでも何らかの理解を得ることが出来るのだが、そうでない場合、たとえば短期的に他の都市から上海に移動したいといったことの理解をえるのは難しいかもしれない※3


  • そもそも外国人が安定して働けなくなる可能性がある
  • 僕は日本の一部で言われるような「中国バブル崩壊論」にはくみしない。また、現在の中国の統治体制がすぐに変わるということも考えていない。ただ、一方でそれは現在のような「それなりに」安定して成長を享受出来る状態がず~~と続く考えている、ということを意味しない。

    中国経済がどうなるかということは、この今の瞬間でも世界中で多くの人が頭を悩ませている問題である。楽観論と悲観論でいえば、短期的には今のままでいくだろうけど、長期的には中国人が期待しているほど楽観的ではないというのが僕のスタンスなのだけど、いずれにしてもそう遠くない未来に大きな調整局面が来るのでは、と思っている。


    多くの報道や情報が指摘するように今回の出来事の遠因の一つは、経済発展の恩恵にあずかれない層の不満である。彼らの不満というのは常に潜在的に社会の中に溜まっていっているし、その爆発の仕方も必ずしも全てがコントロールされているものではない。極論を言ってしまえば今回は偶然にも(あえて偶然といいたい)日本に対する不満きっかけだった、他の要因や他国への反発で同じような出来事が発生しないとは言い切れない※4

    仮にその反発が今よりもう少し大きくなった場合、あるいは今回青島で工場が破壊されたように、数週間から1カ月の単位で中国で外国人が安定して働けなくなる可能性がないとは言い切れない。マクロでみれば外国企業が出ていくことはないと思うが、短期的にそういうことが起きないとは言い切れないし、個人への影響はもっと大きくなる。仮に一部機能をクローズすることが決まっていきなり解雇でもされた日には、いきなり路頭に迷うことになってしまう。


■ 命あっての仕事、安全あっての貢献 ■

こういうことを感じている一方で、じゃあ中国からすぐに脱出したいとか、日本に戻って働きたいと強く思うようになったかと言うとそういうわけでもない。自分でもすごく歯切れが悪いと思うのだが、これまで中国一本足だった自分の地盤をもう少し広げて、自分の自由度やmovilityを上げていきたいと思っているのが正直なところだ。

たとえば(これは収入面でも非常に魅力的だが)多国籍企業の駐在扱い(expat扱い)で中国にいるというのは一つの方法だと思う。またこれまで狙っていたGreater ChinaやMainland Chinaでの採用ではなく、Asia Pacificでの採用を狙うというのも手だと思う。さらに言えば、これは確率が非常に少ないがGlobal LeadershipにApplyするという方法もある。ようするに自分の中で中国「だけ」にこだわることのriskが少し上がったので、リスクヘッジの方法を準備しておきたいというようになったというのが、今回考えているキャリアを微妙に変えたいということの本音だということ。


上海にはそれこそ10年以上こちらにいてビジネスをしたり、各分野で活躍をされている日本人の方がたくさんいる。そういう方はこれまでも何度もこういった騒動を体験されてきたので、今回の出来事で帰国をした日本人に対して「安易に逃げる」という言葉を使う人もいたりする。確かに、いい時だけ来てお金を稼ぎ、ちょっと危なくなったらすぐに逃げるというのは現地経験の長い自分から見てもあまり気分のいいものではない。
一方で、そういう方と言うのはご家族が中国人だったり、こちらに生活拠点の大部分があるということで「安易に動くことが出来ない」というのも事実だ。

命あっての仕事・・・というと、今回のように日本人の命が取られたわけではない状態でずいぶん大げさな話だが、やっぱり今後30年ぐらいは自分の仕事人生が続く(であろう)ことを考えると、今回の出来事を見て自分の身の安全というのを一度真剣に考えてみたいと、そんな風に思った。


僕は最初の会社を辞めてまでこちらに残ったし、中国経済をより勉強したいと思ってMBA schoolを今の場所に決めたし、今でもこの巨大な国でまだまだ経済発展の恩恵を受けていない層に「外国人として」できることがあると信じている。ただ、臆病と言われても、自分の安全を犠牲にしてまでそういったことにこだわりたいか・・と言われると、そこまでの自信はない。
アントレプレナーの授業では、アントレプレナーは出来る限りとれる範囲でriskを取るように、riskをmanageすることが重要だと教わる。同じように自分の人生もriskをmanageするという観点をもう少ししっかりもってもいいのではないか、そんなことを感じたのが今回の出来事だった。


※1・・・もちろん相手があることでオファーをもらわなければスタート地点には立てないし、中国語がネイティブではないというビハインドもあるが、まずはチャレンジをしようと思っていた。
※2・・・近頃FBで見る写真の半分ぐらいが友人の子供関連の写真で、やっぱりこの年になると子供が欲しいよな~と考えたり(妄想したり)する。
※3・・・多国籍企業ならそんなことはないんでは・・と考える人も多いと思うが、今回実際に自分で働いてみて、多国籍企業と言えどもよっぽど厳しい会社以外は、現地で働いている人の文化的背景が判断に反映されるものだということを感じた。
※4・・・教育内容により反日感情は全体的なトーンとなっているが、中国では今現在でも反日とは関係ない理由で小規模な衝突はたくさん起こっている。

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2012年9月 9日 (日)

第57週目終了! - 長かったInternも無事に終了-

9月に入ると上海も随分と過ごしやすくなってくる。今年は例年に比べてそれほど暑いというわけではなかったが、やはり朝晩の風に秋を感じてくるとようになると、少しホッとしたものを感じる。上海は春と秋が短いので、ここからはじわじわと涼しくなっていき、11月に一気に寒さがますというのが例年のパターンで、毎年その時期には風邪気味になるのだが、今年は就職活動もしなければならないし、何とか無事に乗り切りたいな~と、そんなことを考えるようになったMBA生活57週目も無事に終了。9週間という長きにわたったInternと早起き生活もようやく終わりを迎えたのであった。


■ Internの締めはCEO向けプレゼン ■

これまでも二回ほどエントリーを書いてきたが(ここここ)、僕はこの夏、schoolから大層離れた製造業の工場でInternをしていた。テーマとしては日本マーケットの可能性をリサーチするというもので、なにせその会社で日本語を読めるのは僕だけなので、自然と放置と言うか自分でスピードをコントロールするような形になっていった。

B2Bのマーケットリサーチをするのは初めてだったのだが、授業で学んだことやとりあえず一通り準備をするために読んだ本から、ある程度のレベルまで調査を終えたら実際のお客さんにあって話を聞かなければならないことがわかっていたので、9週間のうちの前半を使ってマーケットの調査を行い、後半は有望そうな企業にInterviewを行うという計画をたてたのだった※1※2


実際の調査では有望企業の選定までは比較的スムーズに進んだものの、そこから先はどうしても一人では進めることが出来ないので、現場の営業担当者とチームを組んで作業をすることになった。
僕がInternをしている企業は(もしかしたら製造業というのはどこもそういうものなのかもしれないが)購買部のマネージャーは大変押しが強く、正直仕事がしづらい・・と感じたのだが、営業部の方はみな大変フレンドリーで、こちらが出した要望にあわせて積極的にお客様にコンタクトを取ってくれたのであった。

ただ、さすがにフレンドリーといっても日々のルーチンワークもある中での、まだ見込みのないような新規開拓作業であるし、特に会社に格別売るものがないという中で見ず知らずの企業にアポイントを取るのはなかなか難しく、結局数社しかアポイントをとることが出来なかった。まあ、これはある意味最初から予想通りだったので、仕方ない・・・。という感じで、やたら調査資料だけがたまったままInternも終わるのかなぁ・・と思っていたところ、人事から声がかかり、やはり最後ぐらいはしっかりしよう(いや、自分はいつもしっかりしてたんだけど・・)ということで、最終週には僕が属している子会社のCEOへのプレゼントなったのであった。


プレゼンといっても基本的に工場の一角にあるオフィスでの作業なので、それほど立派な会議室があるわけでもないし、参加者もCEO、営業マネージャー、それに今回のInternのパフォーマンスを確認するという観点から、人事マネージャーの三人が参加することになった。

プレゼンではこちらのCEOは本気で参加する時には、基本的にプレゼン形式で最後まで通す時間をくれることはない・・・というのはこれまでの経験からわかっていたので、なるべく数ページごとに隙間をあけるようにして、質問を受け入れられるようにしたのだが、実際にプレゼンが始まってみると、こちらが内容を伝えるというよりもなんというか口頭試問のようにちょっと説明しては突っ込みが入り、その場で決めたことを営業マネージャーに伝達するというような形になったのであった。

最終的に報告書用に用意していた相当量のPPTはほとんど見られることなく、要点の説明と営業マネージャーへの伝達・・ということを繰り返して、プレゼン(というか試問)は40分ほどで終了。おかげさまで『今まで知らなかったことをずいぶんと理解できた、大変
よかった』とおほめの言葉をもらうことが出来たのだが(日本語が出来るのは僕だけなのだから、それはそうだ)、面倒を見てくれていた営業マネージャーが今までちゃんと調査をしていなかったと叱責を受けていたのは、なんというか恩を仇で返すような形になってしまい大変申し訳なかった。報告書には各企業のコンタクト情報なども含まれているので、ぜひ利用してCEOを見返してほしいな・・と思っていたりもする。


■ 初の製造業で学んだこと ■

さて今回のInternではこれまで経験のなかった製造業の実地経験を踏むということを体験してみたのだが、授業ではならっていたり本を読んで知っていたことでも、実地で体験するのは大切なのだな・・というのを、いくつかの点で改めて感じることが出来た。


  1. 生産活動は本当に大切
  2. 僕が働いていた工場は基本的に24時間休みなしで稼働している場所なのだが、季節がら何度か台風が来てしまったため製造計画にずれが発生してしまったりすることがあった。そういう状態になるとSupply Chain全体に影響が出るので、各部門が一斉に調整を行い、納期遅れを無いように各部門(違う地域の工場)で協力をする。
    また毎日生産 → 毎日出荷というような企業なので、各担当社員も毎朝きちっと同じ時間に出勤してくる。

    僕がこれまでいた業界と言うのは、良くも悪くもノリと最後の追い込みが非常に重要な業界だったので、フレックスタイムであったし、毎日の成果物の量がかなり変動するような業界だった。今回働いた企業のように「毎日変わらぬ成果物を出し続けることが重要」という生産活動の現場は初めてだったし、こういう変動がない生産活動と言うのはとても重要なのだな・・ということを初めて実感することが出来た。


  3. 取引の仕方が全然違う
  4.  

    今回インターンをした企業はこれまで日系企業とは基本的に取引をもったことがない企業で、プロジェクトは全て受注型で取ってくる形であった。言い換えると、売り物となるような商品は自分ではほとんどもっておらず、ソリューションと言うか「こういうことが出来ます。過去にはこういった実績があります。」といって案件を取ってくるというスタイルである。こういうスタイルはIT系や広告系では普通に行われるものなので、僕にとっては「これが普通」と呼べるようなスタイルである※3

    一方で今回実際に営業に伺った日系企業からは「まずは複数のサンプルを作って持ってきてください。よければその中の一つを選んだ上で、さらに改良をお願いします」と言われたので、これは正直言ってかなり驚いた(その業界にいる方からすれば何言ってるんだ、と言う感じだと思うが・・)。事前に試作品を作らなければならないということは、それだけの投資を自社で行わなければならないということであり、その後に改良を求められるということは一方で完成品としては売り込みをすることが出来ないということである。

    極端にいうと会社のビジネスサイクルが全然違うということで、こういうように顧客の要求が完全に二種類にわかれるというのは、なかなかsupplierにとっては辛いのでは、と思ったのだった。


  5. B2Bのリサーチは結構面白い
  6.  

    今まで僕はB2Cのマーケットにいて商品企画をやっていたこともあるので、マーケットリサーチというものにはそれなりの経験があるつもりなのだが、B2Cというのは基本的にマーケットリサーチが駆動力となって商品開発が行われるということはあまりない。というのは、消費者というのは移り気なもので、マーケットリサーチ「だけ」の結果で商品開発を始めると、それが完成したころにはすでにマーケットの方向性がずれている可能性もあるし、何より消費者は自分が心のそこで欲しいと思っているものをリサーチで教えてくれはしないからである※4

    一方で、今回働いた企業では最終的な僕の報告を見てすぐにCEOが次の行動を決定して、組織が動き出し始めた。簡単にいえば、たかだかMBA学生が2カ月間つかって調査した程度のデータでも、組織を動かすような原動力となったということである。これは自分のように「実行できてナンボ」と思うような人間にとっては非常に面白い動きだった。僕は正直いってあんまりリサーチが好きではないのだが、こういうようにすぐに組織の動きに直結するのであれば、B2Bのリサーチと言うものも結構面白いものだ・・と考え直したのだった(もちろん会社や人の性格にもよるだろうが)。


振り返ってみれば、途中で幾分中だるみがあったり体を壊してスピードダウンしたところもあったけど、当初の目的であった「製造業を体験する」ということもできたし、想定外だったが限りなく「中国企業で働く」という経験をすることが出来たので、全体としては非常に満足できるインターンだったと言える。

この結果を受けて僕が製造業に進むかどうか・・というのは全然わからないのだが、人生で一回しかない『MBAの夏休み』をうまく使うことが出来たな~という満足感とともに、Intern生活を終えることが出来たのであった。



※1・・・僕が今回Internをした業界は日本企業が非常に強力なため、欧米のビジネススクールでもこの業界を専門に研究したいる人がたくさんおり、文献は非常に充実している。今回はこのインターンのために久しぶりにこのような専門書を読んでみたりもした。
※2・・・今回は僕へのサラリー以外は一切の予算がなかったため、必然的に調査用のリソースはWEBから集めるか、schoolの図書館で拾ってきた情報ということになった。本気で利用してみると図書館のデータベースがかなり充実していることに驚いたものだ。。。
※3・・・もちろん広告やITでも受注前にスクラッチを作ったり、デザインを作ったりすることはあるが、あくまでそれは顧客がイメージを持つことが出来るようにするためで、受注前に作りこんだりすることはない。
※4・・・マーケットリサーチを軽んじるというわけではなくて、B2Cの場合、その他の要素も考慮して商品開発がおこなわれるという言うことである。

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2012年8月30日 (木)

お客さんを求めて、上海を北へ南へ

Internも残り二週間を切り、基本的なリサーチはだいたい終わってしまった・・というか、これ以上はWEBの情報からではカバーすることが出来なくなってきたので、今週と来週はコンタクトを取ることが出来た会社に訪問して話を聞く(+サンプルをお見せする)ということをやっている。ということで今日は、どのくらい上海がデカイか、どのくらい移動しているのかということを書いておこうと思う。


■ 通勤で2時間+会社の車で1時間・・・■

ます一社目は日系企業の研究所兼サンプル製作所への訪問。今回は日系企業がメインのプロジェクトなので、営業の方からアポイントをとれたという話を聞いた時にはかなり嬉しかったのだが、営業さんによると無茶苦茶遠距離(南)にある場所らしい。HPの情報を見ると全然そんなことはないので「どこにアポをとったのですか・・・?」と聞くと、どうやらHPの情報は全然正しくないらしい。これはこの企業だけに限った話ではなく、今回調査した日系企業ではかなり多いらしく、日本語HPに乗っている住所や電話番号は結構違っているとのこと。

確かに営業所などは移転が普通なのでそういうことはあるかも・・という気はするが、工場や研究所が住所ごと変わってしまうというのは、やっぱり中国側がちゃんと本社の広報部に連絡をしていないのであろう。中国ではよくあることである※1。ということであらためて正しい場所を地図でチェックしてみたのだが、ものすごく遠い!Ws000000


右の地図が大きめの上海の地図で目的地は下の緑のポイントになるのだが、上海市区内からは遠く離れてしまっているのがわかる。ちなみに「起」とあるのが僕が日ごろ住んでいる学内宿舎がある場所、終という文字が現在働いている会社がある場所である。地図を見てもわかるとおり、上海市内を大きく東から西に横断しているわけで、毎回ほぼ2時間を通勤で使っている(つまり毎日4時間)

上海ではこういう出勤は結構当たりまえのようで多くの会社が、通勤用のチャーターバスを行き帰りともに運行している。というのも基本的に工場や研究所というのは市内中心部ではなく市外地にあり、必ずしも社員が勤務地にある側に住んでいるわけではないので、結果として長~い通勤が必要になったりするのである。ちなみに毎回2時間の通勤というのは振り返ってみると大学時代の最初の2年間以来である。バスが揺れていてイマイチよく寝られない+本を読むこともできない・・ということで、少なくともこのInternで長すぎる通勤はもはや精神的に耐えられない・・ということを痛感したのであった。


その遠い遠いと思う工場でもかろうじて上海の市区内に入っているのだが、今回訪問した日系企業の研究所はさらにそこから南に1時間の場所にある。もうこの場所になると上海市であっても「区」がつかなくなってしまう。一応名前としては「工業総合開発区」となっているのだが、日本にいる人が想像する上海とは完全に違った場所である。


MTG中には当然日本人が働いているのも見えたのが、いったいどうやって通勤しているのであろうか。。一応周りには住宅街があるのだが、大きなスーパーはあまりないし、日本食を食べるようなところもないので、同じ上海といってもかなり厳しい環境であることは間違いない。



■ 米国系企業に会いに北の保税区へ ■

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果てしなく遠い日系企業への訪問の次の日には、今度は北の高橋保税区にある米国系企 業に向かった。ここも市街地から離れた場所なのだが、なにせいつも住んでいるschoolも東の僻地にあるので、実は自分の居住地からは全然遠くない。タクシー+地下鉄6号線で40分強という距離である。ちなみに会社からはだいたい2時間半。一緒にいった20120829_090924営業の方は、家から2時間かけてここにきて、会社に戻り(ここで2時間半)、さらに会社から1.5時間の場所にある家にかえるということで、移動だけで6時間を費やしたらしい。6時間・・・ってIT系になれてしまった自分には絶対無理な移動距離である。。

訪問した会社がある「保税区」というのは中国にある外資導入用のシステムの一つで、簡単にいえば「中国国内あるが、国外にあるかのように取り扱うことを許可された場所」のことである。ここに在籍している外国企業(だけではないが・・)が、たとえば開発用の機器を中国に持ち込もうとした場合に通常であればかかるであろう手続きや関税などを簡素化して処理することが出来るということで、研究開発拠点が多く存在している※2


ちなみに上海は基本的に路が曲がりくねっていてとても中国の街とは思えないような複雑 さなのだが、保税区やら開発区と呼ばれる郊外のほうに行くと、果てしなく道はまっすぐになる※3。例えば「大地の子」 で有名なバオスティール(宝鋼)がある宝山も北から上海に入ってくる物資が通る道がはてしなくまっすぐ通っている。こういう道をみると上海でも田舎に来たな~と実感する。

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こういった郊外にいくとタクシーの数も少なくなるので、写真にあるようなバイクタクシーがメインの乗り物になる。バイクタクシーは便利で安いのだが、仮にすっ転んでも全く保障がないので、自分としては本当に最後の手段と割り切っている。「現地を体験してみたい~」という無邪気な気持ちをもっている頃ならいざ知らず、今は基本的にリスク回避的な生活スタイルを貫いているので。。20120829_090905


今ではすっかり金融、ITそして消費地というイメージが強い上海も、経済成長の原動力は長い間工業だったので、今回訪問したような工場地域は上海市区内を囲むように多く存在している。以前書いたように、上海では人件費の高騰(+環境対策費)で稼働している工場が減っているのだが、それでもまだ研究開発センターにはまだまだ働いている外国人がいるということで、自分のようにず~~っと市区内で地下鉄通勤していたものからすると、ホントお疲れ様と言う感じである。こういった場所で働いている方は、たぶん上海のイメージも全然違うのであろう・・・。



※1・・・たとえ会社側が変更しても、こういった変更前の情報もWEB上には残ってしまうため検索エンジンで調査をすると、どこに会社があるかわかりません・・という状態によくなる。百度は公式ページがTOPに来ないこともザラなので、どのページが本当かを調べるためにまた検索する、みたいなことが必要。
※2・・・本当はもう少し細かい規定とルールがあるのだが、さすがに専門でない自分にはカバーしきれていない。。。
※3・・・同じ大都市でも北京は綺麗に縦横に道が引かれているので非常にわかりやすい。ただしやたら広いのとタクシーが道が分らないとすぐに挫折するので、外国人の移動のしやすさでは上海のほうが上だと思っている(上海に慣れているとのもあるが)。

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2012年8月13日 (月)

僕はこんなところ(工場)でInternをしてる

気がつけば9週間のIntern期間もすでに後半戦に突入している。先週はひどい夏風邪で3日間は会社に来ることすら出来なかったし、出社していた月曜日と金曜日も、僕を管理しているボスが中国国内を飛び回っていたため、ほとんど作業を進めることが出来なかった。とはいえ、ここまでは予定(というより求められている内容)よりも早いスピードで作業が進んでいるので、ちょっとはお休みも許されるという状況。ということで、今日は自分がどんな環境で働いているかをちょこっとご紹介したい。ただ写真などは基本NGなのと、仕事の内容もあまりかけないことになっているので、主にどんな環境で・・ということをお伝えしたいと思う。


■ 勤務地はschoolから2時間! ■

だいたいのMBA schoolは夏休みはIntern期間ということで、実際の企業で働く時間を準備していてくれている。もちろん企業側に学生を選ぶ権利があるので、必ずしも自分の思い通りの企業で働けるわけではないが、学生はだいたい自分の卒業後に進みたい道を考慮してInternを決定することが多い。

僕の場合は以前も書いたよう「やったことがないが志望分野に近い」ということと、「なるべく採用に直結する」ということを考えてInternを決定した結果、現在席を借りている欧米系コネクター企業で働くことになった。ここはMBA学生にはマイナーな会社なので大陸学生にはあまり人気はないのだが、広く門を開いてくれているというのが外国人学生にとってはうれしいところで、実際に20人以上とインタビューをしたらしい。

もちろん希望してInternに採用されたのだが、一方で職場については実際に働き始めてみるまではどういうものかわからないな・・・と思っていたのだが、実際に働き始めてみると予想通り、想像と違うところが多々あってびっくりしている。

  1. 会社が遠い、とにかく遠い
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    まず何が想像と違うか・・というか想像よりも辛いかというと、職場がとにかく遠いとい うことがあげられる。僕が働いている企業は上海では工場街が固まっている莘庄という場所にあるのだが、ここ上海の南西側にあって、schoolとは上海の中心部を挟んでちょうど反対のところにある。

    感覚的にで言うと東京に住んでいて、毎日柏から川崎に通勤するような感じで、バスが出ているとはいえ毎日7時すぎには家を出なければならない。ちなみにIntern先が決まる時にはどの子会社で働くかが決まっていなかったので、ここで働くとは想像もしていなかった。毎朝7時過ぎに家を出るなんて高校通学以来である(さすがに5週間目ともなるともう慣れた)。

    会社は工業区にあるので周りは工場ばかりで、コンビニなどという便利なものは一切ない。会社の庭にはトンボが飛びまわるような長閑な光景が広がっている。ただし、工業区だけに川の水は汚いし、多少やばい匂いもしている。


  3. 工員1000人、ほぼ手作業
  4. 次に驚いたのは、もう見事に中国的工場であるということだ。僕が働いている工場は少量多品種の生産を行っているので、機械化するとラインが間に合わないため、レーザー加工部分以外は全て手作業で作成を行っている。工場では、みな同じ色のTシャツを着た女の子がズラーッと並び、3ライン24時間で製品を製造している。まさに工場である。

    工場の中には工員たちが食事をするレストランもあり、僕もそこで食事をしているのだが、そこの料理はお世辞にも質がよいとはいえない。上海に5年住んでいる僕の目から見ると、道端で食べることが出来る屋台よりも1段階質が悪いと言ったところだろうか。慣れてない日本人は多分口にするのを躊躇するような油っぽさであることもある。僕も体調が悪い時には、昼ご飯は抜くようにしている。なにせ周りにはコンビニといった便利なものはないし、朝は早いので朝からコンビニによる余裕はない。


  5. 言語は中国語、容赦はない20120724_153253
  6. そして、オフィスも基本的には中国式だ。僕は臨時社員ということでPCを貸与されて いるのだが、何せPCの設定も臨時ということで慣れたソフトをインストールすることも出来ないし、何よりOSが中国語※1。ということで、自分のPCを二台+ipadをもち込んで作業をしており、そこはほぼ自分の環境を構築することが出来ているのだが、他は全て中国式である。

    まず会話は当然中国語。中国語である分にはほぼ聞き取ることは問題ないが、一部の会議では上海語になるのでこれはもうさっぱり。仕方がないのでわかる単語を拾ってきくことで何とか意味をつなげるようにしている。
    食後にはアイスが配られるし、3時を過ぎると急にみなゆっくり作業になるのもいかにも中国式である(たぶんエネルギーが切れるのだと思う)。それから何より中国式を感じるのは、らおばん(社長)がだいたいいつも怒鳴っているところである。何かあっても議論と言うよりも一方的な伝達である。外人的には「少しは部下の話を聞けば・・・」と思うのだが、別にそういう不満は出ていないようなのであれでコミュニケーションがとれているのだろう。。

    さらにいうと、服装はみなカジュアルすぎるので、誰がどんな役職なのかがさっぱりわからない。一応管理部門のマネージャー陣は個室を持っているので区別がつくのだが、やたら偉そうだけど何をやっているかわからない・・という人が入れ替わり立ち替わり社長の部屋に入っていったりすると、この会社は本当に機能しているのだろうか・・と思ってしまったりする。いや、たぶん普通にマネージャーが相談にきているだけなんだろうけど、はたから見てると全然わからん。


この企業、一応米国企業で、上場も果たしているような企業なのだが、常任で会社にいる非中国人は僕だけである。すぐれている企業はlocalizationが進んでいるというが、ここまで徹底しているのもすごいと思う(時々欧米人を見掛けるが、なんというかみなこれまたカジュアルすぎるし、訛りが南っぽい発音なのでとてもビジネスパーソンには見えない)


■ 業務内容は日本関連 ■

さてそんな中国企業ライフ(予定外ではあるが・・)を楽しんでいるInternだが、肝心の業務内容はというと日本市場の調査である。当初は調査だけだったのだが、ある程度仮説が見えてきたので、実際の潜在顧客にコンタクトをとってみてヒアリングを行おうか・・という流れになってきている。

調査をするといっても予算は一円もないのでWEBから拾ってくる情報をつなぎ合わせて全体像を描くのと、上場企業については有価証券報告書を読みこむということを行っている。さすがにこれは日本人じゃないと行えないだろう。


今働いている企業のCEOはThat's 中国人と言う感じで「日本人同士なんだろうから、日本企業に知り合いぐらいいるだろう?」と自分でコンタクトを探せ的な雰囲気を全身から出していたのだが、人事はそういうことを日本企業は嫌うということを知っているので横から助け船を出してもらった(Internの立場で最初のコンタクトをとって、その後にすぐいなくなるというのは会社にとってもマイナス・・という判断を人事が冷静にしてくれて助かった)

一応市場Markteingということで現在は働いているのだが、この会社にはMarketingと呼ばれるようなポジションの人間は僕しかおらず、どこまで調査の内容が業務に反映されるかは不透明な状況。サプライチェーンのかなり下のほうにいるので営業力、デリバリーのスピードと正確性とが競争力を決定するように見えるので、僕の仕事はどちらかというとプラスで何かを得られれば・・ぐらいの位置づけなのかもしれない。


ただうまくいけば上海以外の会社にも訪問して話を聞きに行こうという流れになっているので、残り四週間で少しでもレポートの精度を上げて、会社に貢献しつつオファーもゲット出来れば言うことなし・・ということを目標に頑張っていきたい。早起きにも慣れてきたし(夜更かし出来ないのがつらい、夜のほうが勉強は進むので・・)



※1・・・一番最初に支給されたLenovo製のPCは初期不良があったらしく、使用開始3日目に電源を入れるたびに画面が真っ白になり、奇怪な音をたてて電源が落ちるという始めてみる現象を多発して使用不可能になった。。

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