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2012年12月 9日 (日)

第70週目終了! - MBAでのテスト内容-

MBA生活最後(だと思う。単位を落としさえしなければ・・・)のテストも今週で終了。最後のTermはテストになる科目は一科目しかなかったのだが、教授が激しくやる気がある方だったため、大変重いテストだった。・・・というか、ふたを開けてみたら重いテストで、かなりの数の学生がページを開いた瞬間にあきらめの表情を浮かべていたのが、妙に面白かった。自分にとってはかなり好きな教科であったし、ある程度どこが出るかの予想がついたので、それほど動揺はしなかったのだが、いつものテストぐらいの気分で受けた学生には結構しんどかった内容だった。
ということで、勉強生活ほぼ全て完了したMBA生活第70週目も無事に終了。


■ MBAのテスト形態 ■

これまでもMBAとかうちのschoolに興味があるという方から、時々質問をいただいていたのが、MBAではどのようなテストを行うか・・ということ。MBAといっても一応はAcademicな部分もあるので(そうでなければ修士資格を出すべきではないと思っているのだが・・)テストの方法は基本的に大学/他の大学院とあまり変わらない。ただ、何回もご質問をいただいているので、ちょうどいい機会なので今日はどんなテストがあるのかということを紹介したいと思う。

  1. テストがない
  2. そもそもMBAの科目ではテストがないというものが結構多い。プロジェクト型の授業もあるし、テストではなくてレポートを提出してそれで終了という科目もかなりあった。例をあげれば、CEIBSで最も長く時間をかけ、また単位数も多いISP(Integrated Strategic project)はクライアントと外部からきた講師陣へのプレゼンが成績判定に使われていたし、Strategyなどはレポート提出が最終課題だった。

    レポート提出の場合は、テストに向けて集中的に勉強する必要がないため楽といえば楽だが、客観的な判断基準がないので、なんでこの成績になったのか自分でわからない・・・という難点がある。またうちのschoolのように、ほとんどの課題をチームで行わなければならない場合、チームメンバーとの掛算で成績が良くも悪くもなるという傾向がある※1
    自分が回りを巻きこめるぐらい優秀であれば関係ない・・というのはその通りなのだけど、日本人でそこまでの能力と語学能力を持っている人はなかなかいないのではないかと思ったりする。


  3. 計算問題
  4. OperationやFinanceなど数字を使うような科目の場合はこのようなテストもある。特にTerm1では統計学を履修するので、その科目だけは大学の時に戻ったような雰囲気でテストを受けることが出来る。

    一般的にうちのschoolの場合、学部時代の専攻がビジネスだったり金融だったりする場合が多いので、数学は全体的に苦手である。友人の中には統計学でΣのマークが出てきた時点ですでに理由をあきらめようかと思ったという人間すらいる(彼女にはテスト前に集中的に講義をして、無事に単位を取得できた)。


    僕が理系ということもあるが、計算問題は語学的なハンデがなく答えも「一つしかない」ということが明らかなため、日本人にとっては得意な分野だと思う※2。中国人やインド人もこういった分野に強い・・・と世の中では言われているが、実際にはそういった専攻を選択していない学生はすっかり内容を忘れているので、全員が得意と言うわけではない。

    一点だけ、日本と異なるな~と思ったのは(もしかしたらうちの大学だけなのかもしれないが)、論理構成があっていても点数がほとんどつかないところ。極端にいえば「論理さえあっていれば計算結果が間違っていてもかまわない」と言われるような大学でテストを受けていたので、計算結果が違っていたために点がつかないというのはある意味で新鮮だった(ビジネスは結果が全てという立場からすれば、当たり前といえばあたりまえだけど・・)。


  5. 選択肢問題/記述問題
  6. これも日本の大学とほぼ同じようなテスト形式。ただし、このような形式のテストはあまり多くない。CEIBSでいえば、MacroEconomicsなどがこのようなテスト形式を一部採用していた。

    このテスト形式は誰にとっても楽ちんなテストではあるのだが、誰にとって最もメリットがあるかと言えば、ずばり教授である。必修授業ではうちの学年の場合約190人がテストを受けるのであるが、さすがに200人をレポート形式で採点するのはかなりシンドイらしい※3


    うちのschoolの場合、人気教授はEMBAの授業をドンドン割り当てられてしまうため表で見えるよりもずっと自分の時間は少なく、テストの採点はかなりの重労働だとのこと(これはたぶん日本でも一緒なんだと思う。学生時代はそんなこと全然考えなかったが・・)。なので必修授業のように、ある程度は「基礎的な知識や考え方をどのくらい理解したか」を確認するような科目ではこの方法が使われている。
    日本人的には、記述問題は教科書の内容をしっかり覚えていけば致命的なミスをすることはないので、結構気楽に受けられるテストではある。


  7. ケース
  8. だいたい3時間のテスト時間で20ページ弱のケースを読んで、授業で学んだ考え方を利用して分析を行うという形式。うちのschoolの場合には後半戦からはこの形のテストが増えたが、全体としてはあまり多くはなかった(米国のschoolではこの形がメインというschoolもあるとのこと)。

    まずテスト時間という限られた時間でケースを読んで理解し、自分の回答までも記述しなければならないということで、英語がnativeではない学生にとっては結構厳しい形のテストである。僕はMBA生活後半にはかなり読むスピードがあがったため、だいたいnative×1.1ぐらいのスピードで読むことが(読むだけなら・・)出来るようになったが、前半を適当にすごした中国人学生の中には、そもそも読むので制限時間が終わってしまうという学生もいたようである。。


    この形式は大学時代にはなかった形式で、ある意味最もMBAらしいと思っていて僕は非常に好きな形式なのだが、やはり自分でしっかり記述をしないといけないということで、はっきりいってnon-nativeには辛い形のテスト形式である。どうしても時間が限られている中、しかも手書きだと英語能力の差によって、そもそも伝えたかったことが正しく伝わらないということは発生してしまう。

    また成績を判定するのが、完全に教授の主観なため、どうしてこのような点数になったのかが全くわからないということもデメリットとしてはある(これはレポート形式と同じ)。うちのschoolのように、後半は客員教授ばかり・・みたいになると、自分の回答の何が駄目だったのかを確認するのも一苦労という状況になってしまうので、この形式の場合教授がどのくらい説得力のある授業をしているかによって、テストそのものの満足度も大きく変わってくるように感じる。


■ 成績判定はかなり緩め ■

このようにテストと言っても結構幅があるのだが、総じてMBAの成績と言うのは緩く設定されているので、テストにそれほど真剣に向かい合うという感じではない。そもそもうちのschoolの場合には、企業側が求めれば成績を開示しているが、米国のschoolの場合には既に成績開示が行われていないところもあるため、良い成績をとることにあまりメリットがないということもある。

CEIBSの場合には良い成績をとることのメリットは、交換留学の際に希望順位の半分は成績で決まるということ(もう半分はエッセイやschoolへの貢献度)、上位10%は表彰を受けるということである。ただこの制度に関しても、前述したようにグループワークの比重が非常に大きいので、ちゃんと機能しているかどうかというと結構疑問な点はある※4


結局こういった運も含めてMBAという感じで終わってしまったのではあるが、やはりやる以上はよい成績をとりたいというのが人間として自然なことだろうと思うし、MBAにいる人間の多くはは学生時代は受験競争の勝者であったことは間違いないわけで、テスト前にはそれなりに勉強する人間も多い。

「成績に一喜一憂するなんて、馬鹿らしいぞ」と言っている教授もいたが、個人的にはやるならいい成果を残したいと思うので、これまでもテストに関しては真剣にやってきたし、school側もなるべく公正な採点をしてくれるように努力を続けてくれればいいな、と思っている。



※1・・・学年で誰もが認める優秀なチームメンバーと一緒になると、ほぼ確実にAが
つくという効果がTerm1/Term2ともにあった。過去にコンサル経験がある・レポートを書くのがうまい(nativeでかつ表現がうまい)というメンバーはやはりMBAでも強い。
※2・・・のはずだったのだが、統計のテストは問題を読み間違えるという痛恨のミスをしてしまい、平均並みの点数に落ちてしまったという苦い思い出がある。
※3・・・仮に一人20分としても、約70時間ということで、一週間の労働時間をまるまる使っても終わらない。
※4・・・そのようなことも含めてうちの学年では、最初のころに"Life is not fair"という標語が流行ったりした。

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2012年11月25日 (日)

第68週目終了! -世の中に流れているMBA情報 -

来週はTerm5-Bの最終週・・ということで、課題と授業がかなりつまっているのにもかかわらず、本日から香港に2泊3日の弾丸ツアーで来ている。今までネット上でしかつながっていなかった香港MBAの日本人学生と会うことと、うちのschoolから香港に交換留学に行っている友人に会うのが主な目的だったのだが、たまたま日本の友人がこのタイミングであれば上海に来るということで、授業の合間をぬっての弾丸香港旅行ということになった。
課題がかなりたまっている・・というか、必修授業期間とは違い全ての授業で最終週に発表が用意されているので、駆け足で準備をしつつ香港に来ても引き続き作業をしている、そんな感じでMBA生活68週目も無事に終了。


■ MBA情報にまつわる誤解等など

中国(またはアジア)という枠にとどまらず、MBAというのは「耳にしたことはあるけれど、実際にはよくわからない」ことの一つのようで、入学以来僕もそれなりの数の志望者/検討中の方から連絡をいただいてきた。僕の場合には幸運にも友人たちにかなりの数のMBAホルダーがいたので実際に話を聞くことが出来たのだが、MBA留学や中途入社がそれほど行われていないような会社では実際の話を聞くこともかなり難しいと思う(毎年せいぜい数百人しか留学しない市場だし・・)。

そうなると留学予備校での説明会や、まずは書籍でMBAについて基本的な調査を・・ということになるのだけど、残念ながらそのようなソースから得た情報をもとにでご質問をいただく場合は、結構根本的に認識がずれているということが結構ある。・・・といっても、僕自身も、入学前にはかなり話を聞いたり、また実際に複数のschool訪問を行ったりしたが、それでもイメージとかなり違うところがあったので、それはいたしかたないことだと思う。ということで、今日はそういうMBAを考えている方に「質問をする前に最低限知っておいてほしいこと」を書いておこうと思う※1


  1. 自分のschoolの悪い話はしない
  2. MBAというのは良くも悪くも経済合理性に支配されているので、ある意味rankingが全てのようなところがある(もちろんglobal ranking の1位と2位にそれほど差があるわけではないが、1桁と2桁では結構差があるみたいな感じの違いである)。このrankingは実にいろいろな要素から成り立ってるわけだが、基本的に「いい学生がたくさん入学してくれて、よい給与・よいポジションを得て、雇う側も満足する」というサイクルが回っていればある程度は上がっていく仕組みになっている。

    つまりMBAにとっていい学生をとるというのは、「事業継続」という観点から本質的に重要なことなのだ。また卒業生にとっても、自分が卒業したschoolのrankingがあがればそれだけよいチャンスに恵まれるし、いい人脈を作りやすくなるので、卒業後もschoolのrankingというのは結構気になる存在である。


    こういう背景があるので、基本的に世の中に出回っている情報というのは「いいことのみを伝える」というバイアスがかかる。自分のschoolのことを悪く言ってもはっきり言えば得るものはなにもない上にむしろ自分の価値を下げることになるので、そういう情報というのはほとんど出てこない。僕自身もCEIBSにマッチしない人が入るのはお互いに不幸なことなので、それなりに悪い情報も提供してきたが、それでもうちのschoolを感情的にけなすことはしていないつもりである※2

    また特に私費留学生はそもそもMBA学生は入学時に馬鹿にならない金額を払っているわけで(多かれ少なかれだいたい年収1年分ぐらいが目安)、そういった自分の大きい決断を悪く言うというのはなんとなく居心地が悪いのも事実である。もしそのschoolがよくないのであれば、自分の決断が間違ったものであるということになってしまうから、やはり自分の中でもバイアスをかけて、駄目な点よりいい点を評価しようとするのは極めて自然なことだと思う。

    ということで、世の中には自分が卒業したMBAに関わらず美辞麗句が並ぶわけだが、はっきり言って人の為すことに完璧なものなどあるわけがない。よっぽど親しい人間以外にはメールでの問い合わせぐらいではよくない点は教えてくれないMBAホルダーが多いとは思うので中々難しいとは思うのだが、いい面と同じくらい悪い面(というか、正確にいえば腹が立つことだと思う)があるのは知っておくといいと思う。Twitterでは結構本音を言っている人が多いのでそういう人をフォローして根気よく情報を追っていくのはが個人的には良い方法だと思っている。


  3. "Case"にまつわる誤解
  4. MBAと言えばケーススタディー。これは数限りないメディアや書籍によって繰り返されてきたので、もはや常識のようになってしまったのだが、残念ながら理解が結構間違っていると思う点がある・・・(が、僕も入学前は間違って理解していた)。それは「ケースは覚えるもの/読むものではなくて、理論に基づいて判断をするための、練習問題である」ということだ。

    MBAで学ぶ経営学が科学かどうか・・という議論はいったん置いておき、MBAというのは理論と実践の両立からなるものである。ただ、実際のビジネスというのは最終的には判断の積み重ねで成り立っているので、理論だけ学んでも実際にどう生かすべきかというのは、その学び自体は教えてくれない。そういうわけで、自分の判断力を磨くという観点、あるいは過去の内容から教訓を得るという観点からケースを学ぶというわけである。

    ケースというのはこのような存在なので、「ほぼ全てのschoolで使われているようなケース」というのが、ほぼ全ての教科で必ずある※3。なぜなら学ぶべき理論というのは、基本的な部分は世界中で一緒だし、そしてMBAが米国(特にケースの面でいえばハーバード)で発展してきた以上、それは米国のケースにならざるを得ない。


    CEIBSに興味がある人というのは当然多かれ少なかれ中国ビジネスに興味がある人が多いので「中国に関するケースはどのくらい学びますか?」という質問をもらうのだが、はっきり言えば2・3割がいいところである。これを少ないか多いかととるかは難しいところだが、少なくとも香港大学やCEIBSのようにケースセンターを持っているアジアのMBAが出しているケースと、歴史ある米国MBAのケースを読み比べれば、その差はまだまだ大きなものがあると感じる。もし仮に「全てのケースが中国絡みの内容で構成されています」というschoolがあったとしたら、そのschoolの学びというのはあまり役に立つようなものではないと思う。

    もちろんケースをたくさん読むことで自分の中の知識や引き出しは増えていくし、多くのMBA就職では「ケース面接」が行われるので、ケースを読むことそれ自体にも価値はある。それでもケースというのは本質的には練習問題であるので、いわゆるビジネス書をたくさん読んで知識をつけるというのはちょっと違う存在なのだ・・・ということは知っておいた方がよいと思う。あと個人的な感覚でいえば、日本の事例に関して言えば結構勘違いがあったりして、論文としての完成度が低いものも少なくない(これも発行しているschoolの基準に依存するが)。

  5. 出来ないことなどほとんどない
  6. 最後に質問をいただいて一番回答に悩むのが「CEIBSでは××は出来ますか?」という質問である。こういう質問をもらうと、こちらとしては「やりたければ出来るんじゃないでしょうか」という回答以外しようがないのだが、MBAというのは日本の大学生活とはかなり違うので、「規則により禁止されていること」というのはほとんどない。

    もちろん出席に関するルールや単位に関するルール、それから自分では変更しようがないスケジュールの問題というものは存在するが、逆にいえばそれ以外は自分の意思で少なくともアクションを起こすことが出来るのがMBAだと言えると思う。


    じゃあ、なんでも許されるのかというと、例えば僕は入学時に日本企業とのつながりを作ろうと思ってJapan Clubを立ち上げようとしたのだが(香港科学技術大学には存在するが)、うちのMBA Officeから許可を得られずにとん挫したというように、なんでも実現するわけではない※4。ただこれは「出来ない」ではなく、「許可されなかった」だけなので、もしかしたら人が変われば許可されたかもしれないし、違う方法でアプローチすれば実現したかもしれない。この微妙な違いがうまく伝わるでしょうか・・・。

    また物理的な問題として時間的な余裕がないというのは事実だが、例えば睡眠時間をけずったり、チームメイトからの冷たい視線をものともしなければ活動時間をそれなりにとることは出来るので、学外活動も行うことが出来るだろう。このあたりは、もう個人のモチベーションの問題になるので「出来ますか?」と聞かれても「あなた次第ですね」としかいいようがない。

    本質的に『何かをする』ということは「個々人によって違う限りあるリソースを、ある事柄実現するために配分すること」なので、質問をいただく際に「○○をしたいのですが、学業による時間的な制約はどの程度ありますか?」とか「××を取り組もうと思うのですが、現状のschool policyとどこか衝突する点はありますか?」のような質問をしてくれれば、しっかり答えられるのに・・・と感じる。繰り返しになるが、基本的に法律とschoolの規則に反しない限りにおいては、出来ないことはあまりないです。



■ "悩むなら来ない"という選択肢もあり

最初にも言ったように世の中にはMBAに関する「いい情報」がたくさん出ているので、逆にそれが疑わしいと感じる人も当然いるだろうし、実際にMBA schoolにいる自分も「いくらなんでも言いすぎだろう」とか「あおってるだけで無責任だな~」と思うような記事はたくさんある。

ただ一方で、MBAホルダーやMBA在籍中の人に「MBAに行くことにどのようなメリットがありますか?」という質問をする・・というのはあまり意味がないし、もっと言えばそういう質問を他人にしないとメリットがわからないなら、行かないという選択肢を選んだほうがいいと思う。


メリット/デメリットというのは羅列することが出来ても、それはどこまで行っても個人的な評価軸でしかないので他人がどうこういうのは難しいし、「体験」みたいなことはあくまで個人的にしか決められないことだからだ。僕はまだしたことがないが、結婚みたいなもの・・・と思ってくれればいいんじゃないだろうか。

何より僕がこれまで会ってきたMBAホルダーはみな、根本的なところで「とりあえず行ってみたかった」という気持ちが何よりも勝ったように感じるし、僕についても「どこに行くか?」というのは悩んだけれど、「行くべきか/行かないべきか」は悩まなかった。就職活動を始めてみて改めて思うのだが、少なくとも日本社会というのはMBAでの経験をそれほどポジティブに評価するわけではないし、お金の面で苦しい思いをすることもある。なので、いろいろMBAについて悩むよりも、まずは「いろいろ失っても行ってみたいところか」というのを冷静に計算しつつ、心に聞いてみるのが何よりも大切だと思う。その思いが強ければ強いほど、よりよい準備が出来るし、自然と情報も集まってくるようになるのではないだろうか。




※1・・・質問の内容があまりにずれているとどうしても辛めの返答をしなければならないので、まずはこのページを見てもらうほうがお互いに負担がないだろう・・という僕の考えもある。
※2・・・うちのschoolのようにまだ歴史が浅い学校は卒業生もほとんどいないので、ある程度駄目な点も含めて積極的に広めていくことが重要だと思っている。いいことばかりの情報ソースなど誰も信用しないだろうし。
※3・・・もちろんケースを最終的に選択するのは教授なので、その教授の好みや授業の展開方法に依存するところがあるが、それでも「定番集」みたいなのは、やはりある。
※4・・・例えばこういう点がうちのschoolに対して「腹の立つコト」の一つである。事務的な管理を行う組織であるMBA Officeがある事象に対して「許認可権限」を持つというのは理解が難しい・・・が、こういうところはいかにも中国だなと思ったりもする。

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2012年11月18日 (日)

第67週目終了! - Exchangeに行くべきか? 行かないべきか?(メリット編)-

今週はTerm5-Bの真ん中ということで、授業もあまりなく結構ゆったりとした一週間。ただ、そういう時はむしろ就職活動を進めてしまおう・・ということで、今週は日本のエージェントと連絡をとったり志望動機書を書いて時間を過ごした。来週は日曜日から香港に行くこともあり、Reading系の課題は前倒しで進めておくことにした。そんな感じで嵐の前の静けさを感じるMBA生活67週目も無事に終了。


■ 「行かないことで学べる機会」はあるのか・・・?

今週は「先週のExchangeに行かないことについてのデメリット」に対して、「行かないことのメリット」を書いてみたいと思う。・・・のだが、書き出してみると少なくとも勉学面に関しては思ったよりもメリットが少ないことがわかって少々残念な気持ちである・・・。

  • メリット1:選択授業はゲストスピーカーが盛りだくさん
  • うちのschoolは18カ月間の中で2年間のプログラムとほぼ同じだけの単位するをとらせるという方針から、1年目はやたらと授業が多い。そういう意味ではカリキュラムが充実しているのだが、しかし授業の内容はという基本的には必修授業なので、ケースを読んだり講義を聞いたりということがメインである※1。他校・・特に米国にあるschoolでよく言われるMBAの良さの一つであるゲストスピーカーを呼んでの講義というのはほとんどないというのが現状だ※2

    これがEchange期間のTerm5になるとガラリと変わる。Term5は全て選択授業なので、自分が気になる科目をとることが出来るのだが、その選択を行う際に出されているシラバスを見るとどのような授業内容が行われるのかがだいたいわかるようになっている。・・・自分もそれを見ている時に気がついたのだが、選択授業ではかなりの講義が「ゲストスピーカー」を呼ぶことを授業の主要な内容に設定していた。


    例えば僕がとっているLuxuryの授業では、教授自身が自分でコンサルティング会社をやっていたり、また以前は高級化粧品会社に勤めていたということで、ほぼ毎回その関連のゲストスピーカーを呼んできてくれている。これは学生の身からすると非常にありがたい話である。

    うちのschoolは「Global width, China depth」というスローガンのもとに授業カリキュラムを組んでいるのだが、当然だが中国の案件ばかりを扱っているわけではない。そもそもMBAというのはある程度は学問体系を学ぶわけで、まだ実質的に改革開放が始まって30年そこらの中国だけで全てが学ぶことは不可能であるし、先進的な事例を学ぶのであればやはり米国発のcaseに頼らざるを得ない。ということで、だいたい必修期間は2-3割ぐらいが中国関連の内容である。

    これでも上記理由から結構多い方だと個人的には思うのだが、やはりゲストスピーカーが来ると生の中国ビジネスの話を聞くことが出来るので、座学よりもやはり話は面白い。特に中国に長い人ほど中国ビジネスの表裏を知っているので、適度にぼかしつつもギリギリな話をしてくれるのを聞いていると、中国ビジネスは理論だけではとても割り切れないな~と思うのである※3

・・・というのが学ぶ上でのメリットである。なんというか残っていることで得られるものはこれだけ・・というのが非常に寂しいが、実際のところMBAで学ぶ内容というのはどこもそんなに変わらないという前提を置くと「中国のことを学ぶ機会は増えるが、学ぶ環境は大幅に悪化する」というのが結論になってしまう。


■ 学び以外のメリット・・はもちろんある

先週の話と上の話だけを見ると「な~んだ、Exchangeには行った方がお得なのね」という話になりがちだが、あながちそうでもない。もちろん残っていることによるメリットもあるのだ。

  • メリット2:ようやく中国語を学ぶ時間がとれる
  • これまでも何回か触れてきたのだが、うちのschoolは1年目は非常に忙しいので中国語を学ぶ時間というのはほとんどとることが出来ない。もちろん予習復習を最低限にして、グループへの貢献やらクラブ活動やらをほとんど行わなければ(==友情をはぐくむ時間をほとんどとらなければ)中国語を学ぶ時間をとることはできるが、そういう選択をする学生というのはあんまりいない※4

    一方でExchange期間になると、授業は減るしグループワークも残念ながら機能しなくなるので、かなり空いた時間をとることが出来る。その空いた時間を何に使うかは個人の完全な自由なわけだが、一つの方法としてはやはり語学を学ぶというのはとても有効な方法だと思う。


    2012年現在はお金を出せば中国語を東京で学ぶ・・というのはそれほど難しくないし、事実日本にいるだけでHSKの最高クラスである6級をとったという人もいる。ただ一方で、中国語というのはその言葉の性質上コンテクスト依存が非常に強いし、教科書で習わないような口語というのも非常にたくさんあるので、やはり学ぶのであれば現地にいたほうが圧倒的に効率がいい。


  • メリット3:大陸に関する就職案件は圧倒的に多い
  • これはほとんどのグローバル企業で共通認識となっていると思うのだが、中国での事業展開で足りないものは「ミドルマネージャー層」である。転職期間がやたら短いという問題はあるものの、現場クラスを採用するにはそれほど難しくないし、高級幹部クラスになると華橋を採用するという方法もあるし、そもそも政府とのパイプが強くないといけないので、そういった人材を採用するという方法もある。

    翻ってちょうど僕ぐらいの年齢+5~10歳というのは、中国では人材面では最も層が薄い。なにせ本格的に外国企業と戦うというのはつい15年ほど前にはじまったばかりだし、そもそもやたら転職が多いせいで人的資本の厚みというものが足りない。また(日系企業だけではなく)欧米系企業の中にもミドルマネージャー以降はやはり本国人を充てたいというのは結構あるのだが、残念ながら中国語を読める欧米人というのはまだまだ数が少ない。


    ではそういったミドルマネージャーの層をどうやって埋めるかというと、うちのschoolのようにMBAで学んだ層を採用するのである。企業側からみれば、少なくとも英語は話せるし、基礎的な経営スキルは抑えているということで彼らの開いているポジションにはめ込みやすい存在なのが、我々のようなschoolの卒業生である。

    結果としてうちのschoolには毎年学生数の数倍のの就職案件が舞い込んでくる※5。これは中国で働きたい人間にはかなりのメリットであると思う。実際こちらに残った外国人の何割かは「中国大陸(あるいはグレーターチャイナ)で仕事を見つけたい」というモチベーションをもって残っている。ただし、就職活動の山は2つあって、前期(10,11月)は完全にExchange期間とかぶってしまうが、後者(1,2月)はExchangeは完全に終了しているので、チャンスが完全に失われるというわけではない。


ということで、Exchangeに関する僕の感想としては「勉強面で得るものはあまりないが、中国について知りたい/働きたいというのであれば行かないという選択しもあり」というのが正直なところ。Exchangeに行くと、物価の安い中国から離れなければならないし、家も新たに借りなければならないしで出費もかさむし、そのあたりを総合的に考えて決めたらよいと思う。少なくとも僕の場合は、特に後悔はしていないし、どちらかというとうちのschoolに1年ぐらいいただけで「中国ビジネスを学びました!」と胸を張るのは、ちょっとおこがましいのでは・・という気持ちを持っている。



※1・・・うちの学年はTerm1とTerm3にそれぞれにプロジェクト型授業があったので、そこで結構時間を使ってしまっているというのは大きい。
※2・・・その代わりといっては何だが、授業に関係ないゲストスピーカーの学内講演はやたらとあり、ほぼ毎週だれかしらが講演にきているイメージがある。これはこれで自分が興味あるものだけ聞けばよいので、フレキシブルさがよいと思う。
※3・・・うちのschoolのように外国人が多く英語で授業をするような環境でも、心理的な抑止というのは働くようで、表立って外では話せないような内容はやはりschool内でもひっそりと話されるのである。
※4・・・比較的これに近いのが、韓国人グループ。彼らは人数が多く毎日一緒にいるので、積極的に他国の人とかかわりあおうとしない傾向がある。タスクなども独自に分け合うことをしているようで、その空いた時間を語学習得に向けている学生が多い。
※5・・・もちろん黙っていても入ってくるわけではなくて、うちの就職課ががんばって獲得してきている面もある。

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2012年11月11日 (日)

第66週目終了! - Exchangeに行くべきか? 行かないべきか? (デメリット編)-

Term5-Bは5-Aよりは多少授業が多いとはいえ、1年目に比べてはるかに時間があるはずだったのに、思ったよりも時間がなくてあっという間に一週間がたってしまった。就職活動が少しずつ山場を迎えてきて、日本からいきなり電話がかかってきたりメールのやり取りをひがなしているというところからなんとなく時間の区切りがとれないというのもあるし、今週は交換留学でこちらにきている学生が日本企業に入りたいということで、その手伝いをしていたりと授業以外のことでかなり時間をとっているような気がする。今月は香港にもちょっと遊びに行く予定なので、出来る限り課題などは前倒ししたいな~と思っているのに、どうにかくっついているぐらいというのも若干悲しい気がする、そんなMBA生活66週目も無事に終了。



■ Exchangeの意味と、残された人達はどうするべきか? ■

Term5-Aのところでも少しふれたような気がするが、Term5に入って一番これまでと変わった部分といえば、Exchangeで色々な地域/schoolから学生が来ているということである。当然うちのschoolからも入れ替えで他のschoolに行っているので、だいたい半分ぐらいの学生は入れ替わった感じになっている。CEIBSはかなりの数のschoolと提携を結んでいるために、Exchangeは様々な地域に行くことが出来るし、本気で自分が行きたいschoolがあれば自分で交渉して提携関係を結ぶということもできる。

僕はこのExchangeに関しては応募が始まった段階で応募をしないと決めて上海に残ったわけだが、実際にExchangeの学生が来ると、いろいろと想像していたことと違う状況になったな~ということを感じたりする。ということで今日は、今後CEIBSを考える人もいるかもしれないということで、実際に迎えてわかったExchangeのメリット/デメリットを書いておこうと思う。まず一回目の本日は先にデメリットの方を・・・(なんとなく書いておいてすっきりしたいという気持ちもなくはない)。



  • デメリット1:Exchangeの学生とはそれほど仲良くはならない
  • 一応このExchangeは大義名分としては、異なる地域やschoolを体験したい学生にチャンスを与える(これは主に行く方)とともに、受け入れ側も他のschoolから来た学生と交流することで新たな視点を手に入れるということがあるのだが、実際にExchangeの学生が来てみると思った以上に交流の機会というのがない。

    そもそもうちのschoolはこの時期は入学したばかりの1年生の対応やら翌年度の受験に向けての準備が大詰めを迎えるということから、ほとんど2年生に対して気を使われるということがなくなる。学生委員会もこの時期にはすでに1年生が主体となっているので、ほとんど関わることがないし、有り体にいえば「放置されている」状態である。


    なのでExchangeで来た学生を迎えるWelcome partyのようなものも当然行われない。一応Exchangeの学生が一堂に集まる説明会のようなものはあるらしいのだが、受け入れ側の学生の席はないのでそこに出席することはない。また受け入れ側のCEIBSの学生が他国からきた学生をサポートするというbuddy programというのがあるのだが、これも主に1年生が対応するのでやることがない。結果としていきなり授業が始まって「知らない学生がたくさんいるな~」という感じにしかならないのだ。

    さらにExchangeで来た学生というのはschool内の宿舎を借りることが原則的にできないため、ほとんどの学生が街中に住んでいる。うちのschoolの学生の仲のよさの何割かは、ある意味上海市内から隔絶された場所でワイワイやるということに依存しているので、学外に住むとschoolに来るのもおっくうだし、外にいれば楽しいこともたくさんあるしで中々交流の機会を持つことが出来ない。結果として何人かの人間とは話すようになるが、基本的にはExchangeと受け入れ側は別々のグループを組むという感じになってしまう。


  • デメリット2: グループワークが機能しない
  • うちのschoolの学習方法の特徴の一つに、ほぼ全ての授業でグループワークが課せられるというものがある。この方法はExchange期間でも変わらずに維持されるのだが、はっきりいって必修期間よりもはるかに機能しなくなっている。しかもグループはschool側に勝手に決められる上に、相互評価も行われないので(今のところ僕がとった授業では行われていない)ストレスだけをためることになる。

    なぜグループワークが機能しないのか・・というといくつかの理由があるのだが、まず最も大きな理由は「ExchangeでCEIBSに来る学生は、CEIBSそのものよりも中国やアジアに興味がある」ということがあげられる。遠く米国やヨーロッパから、めったに足を海入れることがない中国に来ている彼らとしたら、schoolで毎日勉強するよりも適当に旅行に行きたいと考えるのが自然であると思う※1


    次の理由としてExchangeで来ている学生の多くには、成績がつかないという問題がある。成績がつくのであればまだしもやる気が出るところを「Pass/fail」の二つしか出ないのであれば、最小限の力でやりたいと思うのが人間だ(しかもここは実利にうるさいMBAである)。一方でうちのschoolの学生にはしっかりと成績がつくので、どうしてもやる気・・というか原動力には差がついてしまう。
    最後に、Exchangeで来ている学生とは基本的に一期一会であるというのがある。うちのschoolでも当然当初から作業に協力しない学生はいたわけだが、最低でも1年間は一緒にいるということと、何度もグループの組み換えがある・・という、いわば評判と友情に関わる点があったので、多少は抑えがきいていた部分がある。しかし、Exchangeは早ければ3カ月で自schoolに帰ってしまうわけで、そこでどう思われようと旅の恥はかき捨て的な発想になってしまうのは否めない。

    結果としてグループワークが機能するかどうかは、ほぼ100%「組む相手がいい奴かどうか」で決まってしまうという現実が発生する。おかげさまで全ての授業で1人はいい奴がいるので助かっているが、受け入れて腹立つというのはなんとなく納得がいかなったりもする※2


  • デメリット3: 教室内でのモラル低下
  • 上記二つに加えて(というか上記二つを理由として)、Term5に入ると選択授業になり科目一つあたりの受講生が減ったり、聴講生というシステムが加えられるということもあり教室内でのモラルも大幅に低下する。

    うちのschoolは必修期間は「自分の座る場所は全て決められている」「75%以上の出席がないと成績が自動的にダウングレードする」というように結構細かいルールが決められているのだが、そのほとんどがなし崩し的に亡くなっているように見える。特にこのルールはExchangeには適応されるということが正しく伝えられていない可能性もあり、Term5-Aでは最後のプレゼンのみに出席するというツワモノもいた。建前として勉強は基本的に自分のためにやっているので、他の人の出席状況に左右されることはないとはいえ、一方でMBAの教室というのは「皆で雰囲気を作っていく」ということが求められており、こういう状況はかなり残念である。

    さらに近頃では席に空きがあるせいか、自分のパートナー(当然在校生ではない)を授業に伴って出席する人間も出てきたりする。こういうことにイラッと来るのは僕だけなのか、それとも回りも面倒くさいのか、何事もなかったように席に座っているのを見ると、うちのschoolの出席管理はいったいどうなっているのだろう・・と悲しくなってしまう※3


■ ストレスを貯めないために ■

こういったデメリットをあげる限り、少なくとも勉学における環境面としては、あきらかにExchangeは「行った者勝ち」である。落ち着いて考えてみればmotivation以外のほとんどの部分は、ルールを厳密に適応したり個々取り締まっていけば解決することが出来るような気がするのだが、やる気がないのか、それとも他schoolとの関係からなかなか手をつけることが出来ていないようだ※4

こういうことにストレスをためるのは非常に馬鹿馬鹿しいし、やはり授業にはなるべく楽しく出席したいわけで、個人としてどうやって対処しているかというと、「授業に集中する」「課題は早めに音頭をとって、とっとと終わらせる」という、結果としては自分にとってプラスになるような解決策をとることにした。
自分が興味あるテーマを取っているというのもあるが、結局同じ時間を過ごすならできるだけ自分にプラスにしたい・・ということを突き詰めた結果こうなったわけで、よく言われるMBAでのLeadershipというのは必ずしもプラスの感情から生まれるわけではないのかもしれない・・という自分の結論に若干驚いたりもしている・・。



※1・・・これはうちのschoolから出ている方の学生も同じような行動をしているっぽいので、お互い様という気もするが。。
※2・・・しかし、これも他のschoolにいる友人たちに話を聞く限りうちの生徒も同じような感じらしいので文句を言うことはできない。
※3・・・僕はこういうことに腹立ちを感じるタイプなので、授業管理をするTAに相談してパートナーには退席してもらったことがある。
※4・・・これも他のschoolに聞くと大なり小なり同じような感じなので、むしろMBA業界としてそういうものなのだと理解したほうがよいのかもしれない。

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2012年9月23日 (日)

第59週目終了! -Term5-aは販売の話をやってます-

9月第二週に入ってからはSchoolの授業も復活で、普通に教室で講義を受ける生活が続いている。この二週間はピリピリした雰囲気があってあまり勉強に集中できるような状態ではなかったのだが、それでもCaseを読んで提出物を書くというサイクルは変わらない。・・・とはいえ授業中にいきなり日本にいる友人や親せきから安否や情報の正否確認の連絡がきたりするので、そういった場合にはiPadでポチポチと連絡をしていたが※1

今学期は全て選択授業で自分のとりたい授業を取ることが出来るし、これまでに比べれば期間内にとらなければならない授業数もかなり少ないので、ゆったりとした中で生活を過ごすことが出来ている(気合で夏休み期間中に授業をとったのが、ここにきて効いている)。ということで、何があっても変わらぬ授業生活が続いたMBA生活59週目も無事に終了。


■ 選択授業は「何をやるか?」より「誰がやるか?」で

うちのschoolは選択授業の自由度があまり高くなく、Term5とTerm6のみ(18か月の後半66カ月のみ)に受講が認められている。二年間のプログラムの中にはすべての期間で選択授業と必修を組み合わせることが認められているschoolもあるので(例:シカゴ大学Booth school)、「必修でしっかり勉強しなさい」というのがうちのschoolのプログラムだと言えるだろう。

選択科目は大きく分けて「Marketing」「Finance」「General Management」の3つのカテゴリに分けられていて、ある特定のカテゴリで所定の単位数を取得し、さらに条件を満たすとその分野を専門的に取得したとCertificationに書いてもらえるというメリットがある。僕は一応Markteing分野志望ということで、そのCertificationを狙っていたのだが、すでに実務で嫌というほどやったTopicもあったし、あまり興味がわかない授業も取らなければないということで、専門分野取得は早々に捨てて、気の向くままに興味のある授業を取っている※2


選択授業はbid systemと言われていて、それぞれの学生に一定のポイントが最初に割り振られて、興味のある科目に自分がポイントを賭けていくというシステムになっている。もし自分が投じたポイントが開講人数内に含まれていれば、はれてシートを手にいれることが出来るというわけだ。
選択授業の内容は事前にシラバスで配られているし、昨年度の学生の評価を見ることもできる。個人的には選択の際にもっとも役に立つのはシラバスではなく、先輩からの口コミである。基本的にMBA schoolにいる学生と言うのは志向が似通っているので、先輩からの口コミというのはかなり信頼できるソースなのだ。

またこれまでの1年間の経験から、「面白そうなトピックだが、教授の講義がつまらない」よりは「あまり興味がわかなくても、教授の講義面白い」方がはるかに満足度が高いこともわかっているので、昨年度の学生からの点数もかなり参考になる。ちなみに、この点数があまりにも低いのが二年以上続くと教授がリリースされる(クビになる)こともあるので、教授にとっても高い点数を取ることはある程度必要である。ただ、2012年現在だと中国で欧米からきた学生もそれなりに満足するようなレベルの授業を提供できる教授は相対的に数が少なく、教授は売り手市場であるようで、少なくとも職をなくすということはないようである※3

あとさり気に重要なのは、グループワークの量。この時期は学生の約半分が海外からの交換留学生なのだが、彼らはschool以外に住んでいるし「短期間で中国を味わいたい」と考えてきているので、(相対的に)授業で時間を使うのを抑えたいと思っている学生が多い。
うちのschoolはほぼ全ての授業でグループワークが必須なのだが、あまりにグループワークが多いと結局自分の首を絞めることになるので、グループワークの量というのも結構判断基準としては重要である。


上記の方針に沿って、今回のTerm5-Aでは僕は二科目の授業を取っている。自分で言うのもなんだが、しっかり考えて選択をしたおかげでここまでは非常に満足度が高い。

  1. Managing Business Marketing & Branding
  2. タイトルだけ見るとなんのこっちゃというような授業だが、B2BビジネスのMarketingを学ぶ授業である。MBAではどうしてもB2C Marketingのほうがより経済学的なアプローチをとることが出来るせいかポピュラーだし本でも学ぶことが出来る一方、B2Bの場合は手ごろな教科書もないし、なかなか機会がないということで選択した。

    教授は大陸人で欧米系化学系企業でSales&Marketingの経験を積んだ後、フランスのINSEADで博士を取ったという経歴で、英語が多少聞き取りづらい以外は実務の話も交えて非常に授業は面白い。(おそらく彼の経験もあわせてだと思うのだが)彼が言うにはB2BのMarketingの90%は営業担当のヤル気の管理とか効率的な運営についてであり、salesさえうまく回っていれば、少なくともMarketingとしては成功だということになっている、らしい。。。※4

    毎回ケースをよんだ上で事前に出された質問に回答するというスタイルを取っていて作業量はかなり多いのだが、ケースも面白いものが多く、毎回非常に勉強になるので(知識を得るというよりは自分で頭を使っている感じがする)作業量が多くても満足度が高い授業である。B2Bビジネスは依然として中国ではメインのビジネスなので、これからも学生のニーズは高いのではないだろうか。


  3. Retailing Strategies and Selected Implications for Suppliers
  4. これもやけに長いタイトルだが「小売業」の戦略を学ぶ授業である。中国はこれだけ広いにも関わらず、小売・流通はあきれるほどレベルが低くまだまだこれからも外資系が活躍する余地があるのでは・・と考えていたので選択した。上海にあるカルフールとか店員の多さと、役に立たなさのバランスは驚異的に悪い(と思う)。

    教授はフランス人でなぜか経歴がオープンになってないのだが、中国には住んでいないためこのTerm5-A期間中に二週間だけschoolに来て、集中的に授業をしていくというスタイルになっている。その割には事前に読むモノが非常に多いので、リズムをとりづらい授業である。その上第一回は「体調不良」により延期になってしまうということで、さらにスケジュールをぐちゃぐちゃにしてくれた※5


    僕はMarkteingというのは「モノを作ってからお客様に届けて評価を受けるまでの繰り返されるプロセス」であると理解しているので、ネットや広告がこれまでの経験のメインとなっている僕としてはSupply ChainとかRetailingみたいなビジネスは意識的に勉強をしている。日本は競争が激しいために、全てのプレーヤーのレベルが半端なく高かったので気付かなかったのだが、中国に来てからは小売・流通というのは社会のインフラとして必要なパーツだと思うようになったからだ。

    教授はフランス人ということで、欧米系のブランド名がバンバン出てきてさっぱりわからない時もあるし、英語の発音も違うとなかなか集中力を試されるのであるが、すでに65歳と御大らしい鷹揚さと豊富な知識で、何を聞いてもこたえてくれるので講義と言うよりも会話形式で授業が進んでいくのが非常に楽しい。ただ、未だにOHPを使っているのには驚いたが。今の大学生の中にはOHPを知らない学生も多いのではないだろうか。
    唯一残念なのはただでさえケースが少ない大陸ビジネスの中でも小売系はさらに数がすくないということで、毎度のように「Best Buyの失敗の例」が出てくること。Best Buyはこちらに来て初めて買い物をしたのが、徐家汇のある店舗だということで非常に思い入れがあるのだが、こちらでは進出の失敗例として繰り返し用いられる残念な存在である。米国に住んだことがなくて、Best Buyのすごさを知らない自分には「なんかよくわからんが失敗した会社」ということになっていて、大変申し訳ない気分である(このごろは米国でも失速しているようであるが・・)


友人のMBA holderに言わせれば「選択授業こそがMBAの本質。必修なんて教授が義務でいやいや教えている科目もあるけど、選択授業は彼らの興味にマッチするものを教えているので面白い」ということで、確かにTerm1で学んだマクロ・ミクロといった授業よりはずっと楽しく聞くとも出来ている。やっぱりなんだかんだ言っても、固い理論よりは生々しい事例の方がMBA学生には合っているような気がする。
来週一週間授業を受けるとあっという間に国慶節休みに入り、個人としては台湾に訪問予定なので来週はサクサクと作業を片づけて、就職の準備にとりかかりたい・・と思っている。


※1・・・うちのschoolは一応建前上は「concert rule」といって授業中の電子デバイスの利用は禁じられている。とはいえあ「一応」なので授業中に多少ガジェットをいじるのは問題なし。ただこのルールが制定された時にはまだスマホやタブレットはメジャーではなくラップトップを想定したルールだと思われる。個人的にはわからない専門用語の意味を調べたり、気になったことをググれるので、ガジェット利用はOKでもいいと思う。どうせ駄目といってもやるやつはやるし。
※2・・・給与面の魅力があるのか、うちのschoolではFinance系が人気なのだが、僕は一つも取っていない。Financeを取るなら香港に行った方がいいと思うんだけどな。。
※3・・・大陸のいくつかのschool+香港のいくつかのschoolで教授がグルグル回っているような印象がある。
※4・・・新卒で入社した会社が営業が大変強い会社で、販促にはいろいろ苦労したな~と思い出して、思わず目頭が熱くなってしまった(嘘)。
※5・・・延期になった第一回の授業で自分でも言っていたが、ものすごい巨漢で減量しないとそう長くないのでは・・・と思われるほど汗をかいていて体調不良もありなん、と思ってしまった。

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2012年9月 2日 (日)

第56週目終了! - 上海短期留学に必要なもの-

長い長いと思っていたIntern期間もあっという間に残り一週間となってしまい、ついに9月に突入してしまった。自分で想定していたものとは幾分ことなったInternとなってしまったが、来週はこの事業を統括しているCEO向けの発表を行うことになったので、今週は資料の作成を行っていた。といっても、これまでの報告書のストックもだいぶ残っているので、比較的時間に余裕があり淡々と作業をこなしている。夏の暑さもまだだいぶ残っているが、MBA生活第56週目も無事に終了。



■ 上海短期留学で最低限知っておきたいこと ■

この時期になると、うちのschoolに海外の他のschoolから短期交換留学で上海にくる日本人学生の方からお問い合わせをいただくことがある。うちのschoolでは留学生として学ぶために必要なビザの発給の手伝いはしてくれるものの、他は基本的には全て学生が自分でやらなければならないのだが、上海はこれだけ学生が多いわりには数カ月での短期留学に関する情報は以外に少ない※1。また他の大学とは違い、うちのMBA schoolには面倒を見てくれるような日本人はほとんどいないし(何せ日本人は毎年数人しか入ってこない)、大学内に住む・・というオプションもないので自分で調べなければならないことは多いのかもしれない。

ちなみに冷たいと言われようが何と言われようが、基本的に「自分で来たいといったのだから、出来る限り自分で頑張れ」というのが僕のスタンスなので、調べてわからないことがあったら教えてあげるけど、最初から質問をしてきた場合には「Googleで検索してください」という返信をするし、『一緒に○○をつきあってください』というのは、少なくとも一回会って手伝ってあげてもよいかな、と思うまではご協力しないという対応をしている。
正直にいえば、短期で来る方にとっては「初めての、もしかしたら一生で最初の最後の上海滞在」かもしれないが、僕は年間でそれなりの数の方から連絡をいただくし、毎回その度に全部お付き合いしていたらとても時間が足りない。ということで、せめて一回お会いしてからご協力については考えるようにしている※2


さて話を戻すと、そういう短期留学の方が躓くポイントというのはだいたい一緒なので、今回はそのことについて簡単にまとめておこうと思う。これからは聞かれた時にはまずこのページを見てもらうようにしよう。。


1. 滞在中の家

これは特に米国のschoolから来る学生にお問い合わせをもらうことが多いのだが、上海では基本的に数カ月単位で借りられる家はマーケットには存在しない※3。中国では不動産の多くは1年契約だし(短くても半年契約)、それを前提にした契約をした場合、最初に支払う保証金は返ってくることはまずない。

ではどうするかというと、とりあえず二つの方法をお勧めすることにしている。


  • 週決めアパートを数カ月契約で借りる
  • 上海には日系のウイークリーマンションが出てきているので、そこに一週間単位で済むことが出来る。市街地中心部に多いので、生活の面では便利だが、基本的に短期駐在員用なので割高なのがネック。ただモノが壊れるとかそういうことはないし、あっても会社側がスムーズに対応してくれるので、無駄な交渉はしなくてもいい。ネットなども高速回線が不通。

  • サービスアパートメントを月極めで借りる
  • こちらはどちらかというと欧米人向けにある、ホテルのように部屋の掃除をしてくれたり水を買ってきてくれたりするが、ホテルとは違いキッチンなども付いているような部屋を借りることを指す。英語で対応してくれるところも多いし、外国人がプロジェクトで数カ月来る際に利用することが多いため、月極めで借りることもできる。こちらも値段が高いのがネックだが、中国語を話せない人には便利。

これ以外で自力で借りるという手もなくはないのだろうけど、上海では家具などは全て据え付けというのが当たり前だけど、それがすぐに壊れるというのはもっと当たり前だし、水・電気・ガス・電話(ネット)の調子が悪くなるというのも普通のことなので、短期留学でそういうトラブルを楽しみたいという人以外は基本的に人に頼って生きられる家に住むのがよいと思う。中国語が話せないと交渉もできないし、かなりストレスがたまることになる(特に冬にシャワーが壊れたり、とか、トイレが逆流したりとか)。



2. インターネット(+携帯電話)

少なくとも上海に関してはインターネットはADSL回線やただ光回線が普通にあるし、そこかしこの喫茶店(Ex:スターバックス)ではFree Wi-fiが使いたい放題なので、インターネットに接続しなくてこまるということはまずない※4。ただ、中国のインターネットに関しては他の先進国では見られない問題がある。それが通称グレートファイアウォールで(Great Firewall)ある。

中国に来るのだからそれくらい調べてこいよ!・・というのは正直思ったりもするのだけど、中国はインターネットに巨大な壁があってFacebook(FB)やYouTubeといったWEBサービスにはつながらない、ということを知らずに来る方は結構多い。中国に来ていろいろ旅行したので写真をUPしようと思ったのにFBにつながらない、ということが起こるわけだ。
これを回避するにはVPNと呼ばれるサービスを中国入国前に契約しておけばよい。このVPNは無料のものもあれば、しっかり有料で対応をしてくれるものもあるので、自分の好みで選べばよいと思う。Googleで「中国 VPN」といれればいくつも出てくる。個人的に利用しているのは12VPNというサービス。


次に携帯電話だが、こちらでは携帯本体とキャリアの契約は全然別に行うことが出来るので、こちらに来てパスポートを持ってキャリアに契約さえすれば自由に携帯を使うことが出来る。SIMカード自体はすぐに手に入るので、機体はキャリアのショップで購入してもいいし、普通に量販店で購入してもOK。ただし日本と違っていわゆる「パケホーダイ」的なサービスはないので、そこだけはきをつけておいた方がよいかもしれない。二段階定額制(一定量までは定額で、そこからは従量課金)のパックはあるので、それを契約してWi-FiがあるところではWi-Fiを用いて・・・というのが、schoolの同級生の使い方では一般的である。

SIMカード自体は街中にあるマガジンスタンドでも買うことが出来るし、量販店で機体を買う際にも購入することが出来る。ただ、2012年現在ではルール上はキャリアの店舗でパスポート情報を登録する必要があるし、仮に上記のようなパックサービスを利用したい場合は、キャリア店舗で購入したものでしか対応してくれない。マガジンスタンドなどで買うことが出来るのは、プリペイド方式のみに対応しているからだ。


3.お金の引き落とし

これはすでに海外で生活している留学生にはあまり関係ないかもしれないが、お金をどうやって持ち込むかというのは結構大切な話である。まず最初に思いつくのは海外からの送金だが、中国では外国為替について管理フロート制という制度をとっているので、日本から中国の口座に現金を振り込んでもらう・・というのはかなり時間がかかる。その上こちらの銀行は結構適当なので、既に着金しているはずなのに着金確認が出来なくて引き落とすことが出来ないというのもザラにある※5Imag0262

そこでお勧めしたいのはシティバンク。シティバンクの口座を日本で開いて、そこに日本円 を入れておけば、上海にあるシティバンクのATMから中国元で引き落とすことが出来る。正確にいえばシティバンク以外の提携ATMからは一律に下すことが出来るはずなのだが、なぜか認識してくれなかったり、ひどい場合にはカードがATMに吸い込まれてしまうということがあるので、慎重な人はやはりシティバンクのATMを使う方がよいと思う。シティバンクのATMは吸い込み式ではなくて読み取り式で、カードは取り出せるので。シティバンクは中国では花旗銀行という名前で営業をしていて、このごろではずいぶんとATMも増えているので、それほど不便ではないと思っている。ただ1日当たりの引き落とし限度額が結構少ない(日本円にして10万円ほど)ので、金額が大きい場合には何日間にわける必要がある。


本当はカードのキャッシング枠を利用して中国元を下し、後で日本円の口座から引きおとし・・というのがレート的には一番いいのだが、上記の理由でカードを失うことがあるので、あまりお勧めはできない。僕個人も一度引き落としをしようとしてATMに吸い込まれてしまい、長々とカスタマーサービスと交渉する羽目になったことがある(あの時は本当に泣きそうになった)。

最後に現金を直接持ち込むという方法もあるが、法律上はあまり大きな金額を持ち込むことは禁止されているので、もしその方法を考えている人は自己責任ということで、こちらもお勧めしない。


この他にも中国では滞在する場所で届け出が必要だったりするのだが、そういったことはWEBで簡単に調べることが出来るのでそんなに心配はいらない。個人的にはもっと短期で住む外国人のことを考えたシステムが出来れば・・と思ったりするのだが、なにせこのでかい国を急速に近代化させているので、多少の不便は我慢するのは、上海を体験するためのコストだと割り切って来ていただけるのがよいと思う。


※1・・・数週間とか一カ月単位での語学留学の場合は、だいたいコーディネーターが宿舎の案内や基本的な内容は教えてくれるらしく、あまり困らない・・という話は聞いたことがある。
※2・・・当然「同じ日本人同士なのに」という意見もあると思うのだけど、日本人かどうか(国籍)よりも、友人と思えるかどうか(個人)を大切にしたいと思っている。
※3・・・個人のつながりでうまくいく人もいるのだろうけど、そういう人は対象外。
※4・・・ただし回線を個々宅に引くのではなくて、一階に一本・・みたいなことは普通にやっているので、日本で想像するようなスピードが出ることはほとんどない。schoolはさすがに高速回線が引かれており、あまりの早さに入学当初感動した。
※5・・・銀行ごとにルールが違っていて、ある銀行では外国からの送金を受け付けない国内限定口座だったのに、それを知らない日本側本社から日本円を送金してしまって現金が銀行内で認識されないままになっていた・・という事例を知っている。

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2012年8月 5日 (日)

第52週目終了! -1年が終わったMBA生活からCEIBSを振り返る-

Intern生活も安定し、授業もないともう何もやることがなくなってしまう・・そんな感じで夏が過ぎていくのももったいないので、自分が興味あることでかつこれまでの時間の中で十分に勉強することが出来なかった科目の復習を始めている。友人たちには物好きだな~と言われているのだが、もともと勉強は嫌いではないし、せっかくもらったコースパックやかった教科書が手つかずの部分が残ってるのは何かもったいない気がするので(貧乏性)。

ということで、久しぶりに安定した一週間の52週目も無事に終了。そして、無事にMBA生活も1年が終了!せっかくなので、この1年で気付いたCEIBSのいいところ/悪いところを簡単にまとめておこうと思う。


■ CEIBSで出来る事 ■

CEIBSもMBA schoolではあるので、とりあえずMBA schoolで出来ることは除いた上で、どういったことが出来るかというのを簡単に上げてみたい。

  1. 中国人の思考方法を学ぶ
  2. 中国で働く上では、個人的には中国の法律とか商慣習よりも中国人の思考方法を学ぶことが一番必要だと思う。そして、その目的に照らしてみればうちのschoolは、たぶん世界で一番あっていると思う。入学したころは「中国ケースを学ぶことが出来る」と思っていたし、実際に中国企業のケースや、多国籍企業の中国における展開を学ぶことは出来るのだが、1年たってみると、必ずしもそれだけが重要であるとは思わなくなった。

    むしろ重要なのは、学生の半分・かなりの数の教師・職員のほぼ全てが大陸人であるというこの環境であると思う。英語で授業をすることが義務付けられているため、会話は英語で行われるが、話し方や内容はまるっきり欧米人とは違う大陸人学生(そしてそういう学生が『私はグローバルです』と言ったりする・・)や、日本人基準からみれば日々適当に行われている運営などを肌で感じることで、これが中国だ!というのを体感できるようになっているのだ。

    これとはコインの裏側で、欧米型schoolだと思ってここにくるとかなりのショックを受けるかもしれない。少なくともゲートの保安担当が英語を話せなかったりするしね。。。


  3. 中国企業を学ぶことが出来る(国際企業の現地化含む)
  4. 次に学べるのはやはり「中国での企業活動」だ。これも個人的にはケースを読むだけでは得られない体験が出来るのはうちのschoolだからこそだと思う。企業が実際にどういう姿勢で中国で経営をしているか・・というのを学べるのは、Info session だったり、リクルーティングフェアだったりする。

    特にリクルーティングフェアは卒業した先輩がいる場合にはほぼ100%その人の話を聞くことが出来るので、そこの生の話はやはり表向きの顔とは違った話で非常に面白い。個人的な意見を言えば、日本人が中国企業で「ミドルマネジメント」として入るのは滅茶苦茶大変。それは国民性もあるし、政治的な問題もある。もし機会があれば日本で中国での勤務をあおってる人とは、ぜひどのような経験をもとにそのような主張をされているのか議論をしてみたいと思う。


  5. 大陸で働くチャンスがある(ただし語学次第)
  6. ②と矛盾しているようだけど、CEIBSのメリットはやはり最終的には大陸で働くチャンスを手に入れやすいということだろうか。厳密に言うと、日本人が大陸で働こうと本気で思うのであれば、実はそれほど難しくはない。米国や欧州に比べればビザは遥かに取りやすいので、過去に数年間の業務経験があれば仕事を手に入れることはそれほど難しくない。・・・給与さえ気にしなければである。

    もしMBA卒としての給与レベル(それは人によって違うと思うのでいくらとはいえないが・・)を得て現地で就職しようとするのであれば、やはりCEIBSはかなりチャンスが大きい場所だと思う(後は香港のMBAでもチャンスはあると思う)。ただ、これも言語能力がある程度あった上で、求人側とのマッチングの問題なので確実とは言えない。特に中国ではHRは基本的にbackgroundではじくので、キャリアチェンジは非常に難しい。その難しいのを乗り越えてもチャレンジする気持ちがある・・のであればCEIBSはいい機会を与えてくれると思う。現に僕も今はほぼ中国人に囲まれた環境で働いているし。


■ CEIBSでは足りないこと・出来ないこと ■

もちろんいいこともあるが、悪いこと・・というか、希望しているだろうけど世の中甘くない・・ということもある。


  1. 中国語はうまくならない(ビジネスレベルには)
  2. もうこれは声を大にしたいのだが、はっきり言ってschoolにいるだけでは「絶対確実に」中国語はうまくならない。確かにschoolは卒業時に中国語能力の最低限のテストを行うが、あれに合格してもビジネスどころか日常会話も十分には行えるようにはならない。

    まじめに中国語を勉強しようと思っている学生はやはり外の学校に通うようにしているし、僕もそうすべきだと思う(未だに僕も通っている)。こちらで語学学校に通うには日本で中国語を学ぶよりも全然安いし、ちゃんとした発音の人を見つけることが出来る。また生活をしているのでリスニング能力は確実にあがる。
    それでもやはり「語学だけを」目標にした留学に比べれば、言語上達のスピードは遅いし、何より忙しい中で中国語を勉強する時間を見つけるのは容易ではない。ということで、矛盾しているようだけど、在籍しているだけでは絶対に中国語はうまくならないというのが現実である。


  3. MBAの内容は基礎レベル
  4. これは他のschoolに行っているわけではないので、一概に言うことも出来ないのだが、MBAとして学ぶ内容は結構基礎的な内容である。特にFinanceは基礎レベルだけ受けると、大学の授業でも下手すれば3~4回でカバーできてしまうのではないか、と思われるレベルである(その分Advanced financeという授業があり、それは難しいらしい。僕は受けていない)。

    他のMBA school、特に米国TOP schoolに通われている方のblogを見る限りにおいては、やはり二年生の米国schoolのほうが学問的な内容としては高度な内容をとりこんでいるように見える。これはうちのschoolが実質1年4カ月で全ての授業を終わらせなければならないということに加えてケースメソッド+グループワークメインでどうしても座学で学ぶ内容が薄くなりがちということも影響していると思う。
    なので、自分が進みたい方向性がかなり明確で、かつ専門的な内容を求められるのであれば自分での追加の勉強は欠かせないと思う。少なくとも僕たちのスケジュールでは、そんなのは二年目にしか取り組むことが出来ない(人によってはTerm3からでも出来ると思う)。


  5. 人脈も(思ってるほどには)出来ない
  6. 最後は人脈に関する勘違い。中国ビジネスは人脈が必要で、中国MBAで学べば人脈が出来る、というのは一面で真実なのだが、たぶん外から想像されるほどに大陸学生との人脈と言うのは出来ない。

    まず大陸学生(だけでなく、ほぼ全ての国の学生が該当するが)は基本的にプライベートでは中国語を話すので、中国語が出来ないと内輪に入ることが出来ない。さらに言えば、各地域の言語で話したがるので、各地域ごとの食事会も行われるのだが、そこには外国人はさらに入りこむことはできない(各地方語は普通語とは違うので)。

    加えて言えば、大陸学生にとって外国人学生と仲良くなることは「あまりメリットがない」。ほとんどの外国人学生のうち何割かは国に帰ってしまうし、短期的にメリットを生むようなポジションにつくこともほとんどない。もし、将来になって彼らがメリットを感じるポジションについたのであれば「同級生だった○○だけど?」と連絡をすればいいのである(そういうことを躊躇するような国民性ではない)。

    一緒に一年近く生活していても、結局大陸人とそれ以外である程度グループにわかれてしまうし、さらにその中で細かなグループに分かれてしまうので、外からイメージするほどには強いきずながあるというわけではない。。


どんな選択にもいいことも悪いこともあるので、僕が感じているこのメリット/デメリットを持ってCEIBSに来るべきかどうかというのは議論できないし、そんなのは個々人が個々人で納得する決断をするべきだけである。ただ、一つ言えるのは日本で思われてるほど中国経済はバラ色ではないし、少なくともCEIBSにこれから来るというのは、ここ数年の同じ選択よりはハイリスクになっているというのは知っておいた方がいいと思う。そこを理解したうえで、うちのschoolに期待と言う方がいればいつでもご連絡をお待ちしています。

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2012年7月14日 (土)

China Healthcare Systemの授業登録での一コマ

本当は色々書くべきことがたまっているのだが、今日から始まった二週間の超短期授業であるChina Healthcare Systemの授業で面白いことがあったので、今日はメモ代わりにそれを書いておこうと思う。



■ Term4の授業形態 ■

我々のschool(だけでなく多くのMBA school)では夏はInternの時期なので、通常の平日授業というのはなくなってしまう※1。夜に授業を設定するschoolもあるようだが、うちの場合は週末の土日を使って計24時間(3時間授業×6)の授業期間を合計3スロット設定している。この期間は学生が必ずし上海にいるわけではないので、授業を取るかどうかというのは完全に学生の選択にゆだねられていて、授業をとらないという学生もかなり多い。Internで疲れているのに土日も授業とか耐えられん・・というわけだ。

僕の場合はというと、9月以降はなるべく楽をしたい・・というわけではなくて、9月以降は就職活動に集中したい(もし就職が早く決まった場合には、バイトに来いと言われる可能性があるのが中国にある企業だし・・)という理由でこのTermでも最低一つは授業を取ると決めていた。といっても、無理して貴重な二単位を浪費するのも嫌なので(登録できる単位数は上限が卒業必要単位と決まっている)興味があるものがなければやめようと思っていたのだが、China Health-care Systemというなかなかに興味がもてそうな授業があったので、それを選択することにしたのだった。


同級生には「広告系なのにヘルスケアに興味あるの?」と驚かれていたのだが、もともと(自称)社会派の自分は中国のヘルスケアには関心がある。中国に住んでいる外国人は誰しも一度は、自国の医療レベルと比較してその差に驚くし、未だ多くの人が貧困層にあるこの国では公的医療の改善は、quality of lifeに直結するからだ。それに、普通にこの国の経済を眺めれば、医療が巨大な成長ビジネスであることは誰にとっても明らかなわけだから「今は関係がないから」といって知識を獲得しておかない・・という選択はあまりにも惜しいと思う。特に僕のように、ある程度functionは固定されているけど、お客さんやら自分が所属している会社がコロコロ変わるようなタイプの人間にはこういった業界知識というのは、後から思わぬところで役に立ったりするものである。


■ どでかいReadingとFlexible対応 ■

さてそういった動機から授業登録をしたものの、まず登録者に送られてくるReading listを見て心がブチ折れそうになった。とにかく量が多い・・・。MBAというのはとにかく量を読むもの・・というイメージがあるかもしれないが、うちのschoolの場合、実はそんんあい多くはない。せいぜいで一回の授業に向けては20~30ページが最大という感じだ。授業が二つあると多いと60ページぐらいになるわけだが、それでもせいぜい3時間あれば読み終わる。それにTerm3までは基本的にschoolにいるので読む時間を取ることはそれほど難しくない。

しかし、この授業向けに指定されたreadingは一回の週末で200ページを余裕で超える。これはさすがに厳しい・・(と感じた学生が多かったと思う)。普通にschoolにいればダラダラ読んでいてもなんとなく終わるのだが、今は平日は外に働きに出かけているというわけで、さすがにこの量は多いと感じた学生は多いと思う。


さらに課題に「メンバーをschool側が指定する」グループプロジェクトが含まれている。前回のエントリーで書いたようにだいたいの学生は今の時期になると、メンバー決定方式のグループプロジェクトにうんざりしている・・というのが偽らざるところである。この時期になると成績が多少下がることなど痛くもかゆくもないと思ってる学生がほとんどだし、フリーライディングをしたとしても失うものは何もないと思っている学生を止める術はないからである※2。さらに今回は〆切までは二週間しかなくschoolにいないということもあり、グループでの作業にはかなりの気合が求められる。

と、授業が始まる前からかなり参加人数が危ぶまれていた授業だったのだが、本日の授業ではさらに教授から「どちらかというとビジネスというよりは政策よりの話がメインです」という台詞があり、ここで離脱者が出る。確かに中国人としては自分の頭の上ので決まる政策の話よりは自分のビジネスの話を聞きたいと思うよねぇ・・。個人的にも機器ビジネスの話を聞きたいと思っていたのだが、実を言えば一度しか中国の病院にいったことがない身としては政策の話でも十分になるだろうということで踏みとどまった。


この段階で授業参加者が15人になってしまい、たぶん最少開講人数を割ってしまったと思うのだけど、一度始まった授業がキャンセルされるということはないらしく、普通に授業は進んでいく(授業の内容は全部終わった後に別途書いていこうと思う、時間があれば・・・)。
このTerm4では土日で一気に授業を進めていくので、午前午後の間に昼休みがある。で、午後の授業の初めに唐突に教授(客員教授でこの授業のためだけにうちのschoolに来ている)が「schoolの常任教授と話した結果、平日の負担も大きいようなのでReadingはMustではなく、あくまで参考図書という扱いにします」と言いだすではないか。。ということで、この授業、Readingの負担が重すぎる授業から一気に負担0の授業になってしまったのである。。。

このあまりにもFlexibleな対応、個人的には半分は狙ってやっているのではないかと思っている。だってそもそも客員教授が授業計画を作った段階である程度は常任教授も見ているはずだし、Reading listが配られたのは一週間以上も前だったのだから。また作りなおしたわりにはPPTも結構綺麗に出来ていたし。。ということでなんとなく次のようなシナリオがあったんじゃないの、と思ったのである。


こういった専門業界の話というのは興味のある人間とない人間がはっきりわかれけれども、授業参加のハードルが低いと興味がない人間が大量に参加してしまし、結果としてグループプロジェクトの質は下がってしまう。そこで、最初に授業参加のハードルを滅茶苦茶上げておいて、本当に興味のある人間だけを残しておく・・

自分の考えすぎ・・というのもあるかもしれないが、実際に午後の授業は少人数でかなり真剣な議論が出来ていて、個人的な授業の満足度は非常に高かった。もともと自分が大学院で学び方を学んだというのもあるのだろうけど、授業中に人が好きかって出て行ってしまったり(これはルール上は禁止されている)、ほとんど発言しない学生が大半を占めるというよりはずっと好感が持てる。ということで、明日も含めて三週間は休みがない生活になってしまうわけだが、明日も気合を入れて授業に参加しようと思うのであった。




※1・・・うちのschoolは7月の第二週から8月最終週までがIntern期間でその後一週間が夏休み。自分の場合は夏休み期間もInternを入れてしまったので、9週間のInternである。
※2・・・もしフリーライディングで自分の評価が下がると考える学生であれば、そもそも最初からそういう行為はしない。

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2012年7月 8日 (日)

第48週目終了 -MBA生活最大のプロジェクトは無事に終了 -

一瞬だけ日本に帰ったり、Term3後半授業科目のテストがあったりと、これまたあわただしく過ごしていたらあっという間に一週間が終わってしまった。本来は一番大きいイベントになるはずであったプロジェクトのクライアント向け発表は、日本にいたためFacetimeを通じての参加となってしまったが、今回もチームメイトに助けてもらい問題なく終了。ということで、Term3最後の48週目も無事に乗り切ったのでした。


■ うちのチームのTOPIC ■529453_359988077408026_1064970665_n

僕が通っているCEIBSではTerm2の終わりからTerm3いっぱいを使ってIntegrated Strategy Project(ISP)というプロジェクト型授業がある。建前としてはこれまでに授業で習った知識を利用して、実際の企業をクライアントとして戦略的な提案をするプロジェクトということになっている。この授業はCEIBSのウリの一つ・・・ということで、Term3のメンバーはこのプロジェクトのメンバーと同一になるように決められているし、Term1・2とは違い「自分たちの意思」でチームメンバーを決定できることになっている。

チームメンバーはschool側からの説明では、まず自分がやりたいテーマを決めてからそのテーマに合うようなメンバーを探してチームを作る・・・ということになっているが、Term1・2の経験から「何をやるかよりも誰とやるかのほうがはるかに重要」とほぼ全ての学生が理解しているので、まずは気があうメンバーに声をかけることからスタートする※1
このチーム結成はある意味でいままのMBA生活が問われるもので、これまでの行いが悪かったりあまりにも能力がないと思われているとチームを組もうというお声掛けがかからない。あるインド人学生などはギリギリまでチームが決まらずに「俺はまだフリーだぞ!」というメールを全生徒に投げていた・・・。先週も書いたように僕は幸運にも、チーム結成が始まった日にコリアンチームから声をかけてもらったので、この「誰とチームを組むか?」という問題に悩むこともなく、さらにメンバーが非常に優秀だったのでその後の作業もスムーズに進めることが出来た。


チームが結成されると、次はプロジェクトトピックを決定しなければならない。決定方法はいたって簡単でMBA Officeが交渉して獲得してきた案件一覧についてそれぞれのチームに配分された持ち点をbidしていくというものである。基本的には一番多い点数をbidしたチームにプロジェクトが割り振られるのだが、それぞれのチームの過去のバックグラウンドも一部考慮されているようである。難点としたは、実際にプロジェクトが割り当てられるまでは会社名がわからないので、特定の会社を狙い撃ちしたい場合などは、発表後想像と違う会社名が出てきてがっかり・・ということがあったりもする。

我々のチームはメンバー全員がMarketing志向で「絶対に中国系企業にはbidしない」という固い決意を最初に決めていたので、特に議論になることもなく粛々とbidした結果「金融機関の中国における一般顧客へのブランディング」というトピックを割り当てられた※2


学生の立場からいえばはっきり言ってこのISPというプログラムは運の要素が非常に大きくて、クライアントの熱意・対応・期待値によって負荷が大きく変わる。あまり熱意がないのも困りものだし(全然プロジェクトが前に進まないから)、かといって熱意がありすぎるのも負担が大きすぎて困る、というのが本音。我々のクライアントは初めてうちのschoolと組むということで、熱意はかなりないほうでなかなか我々に会う時間をくれなかったのだけど、一回目のMTGに向けて全力で準備をした結果、プレゼンで好印象を与えることが出来たらしく、その後はスムーズに物事が進むようになった。ちなみに最も運がなかったチームは、なんとクライアント企業の担当部署全員が解雇されるという洒落にならない事態が発生したりもしていた。。

我々のプロジェクトは最初は「一般顧客へのブランディング」という壮大なテーマだった上になかなか実際に会うことが出来ずにいたためどれだけの作業量になるのか想像もつかなかったのだが、実際にあって見るとかなりfixされたゴールを持っていることがわかり、しかも期待値もそれほど高くなかったため、作業量が爆発するということもなかった。school側からは各人が4カ月で180時間ぐらいを使うことを期待する・・というイントロがされていたのだけど、たぶんその7割ぐらいでうちのチームの作業は終わったのではないだろうか・・・。


このプロジェクト型授業はクライアントがいるとはいえ授業の一環ではあるので、外部からメンターがついたり教授がプロジェクト担当としてつくのだが、その人選にも、まあ恵まれていたほうだった。外部メンターはすこぶる気のいいコンサルタントの方々で我々の説明に対して控え目なフィードバックをくれたし、担当教授のほうは正直イマイチだったのだが、彼の授業を僕が受講していたのでその内容をプロジェクトに反映させてみたら俄然評価があがるという戦略的ゴマスリが功を奏して、無事に口頭試問も乗り切ることが出来た※3



■ MBAでプロジェクトをやる意味 ■

このようにうちのチームは非常な幸運とチームメンバーに恵まれて、楽しくこのプロジェクトを終えることが出来たのだが、チームによってはクライアントがいなくなったり(前述の全員解雇・・)、Goサインを出したCEOが退任してしまったり(プロジェクトオーナーがいなくなるわけですね・・)、社内担当者が中国語しか話せなかったり(外国人学生はただの置き物に・・)やるべきはずのプロジェクトがすでに社内で解決済みだったりと波乱万丈だったりする。そして運不運はMBAにおいては「Life is not fair」ということで無視されるのである・・・。

こういったクライアント参画型のプロジェクト型授業というのはかなりのMBAで採用されていてどこのMBAでもウリとしているのだけど、一学生から見ると運営体制に問題があるよな~と感じるとも非常に多い。


  1. クライアントのヤル気は低い
  2. こちらが学生ということもあるのだけど、基本的にクライアント側のヤル気は低い。うちのschoolではお金をとっていないということも理由の一つだが、企業側も「いざとなれば適当にやればいいや・・」と思っているところもあるようである(ただしこれはお金を取るschoolでも同じような問題があるらしいので、お金の問題ではないのかもしれない)。
    企業側としては「プロジェクトを一緒にやる」と決めた段階で、海のものとも山のものともわからない学生に対して時間と人を割かねばならないというだけで負担感はあるし、熱意をもってもそれに答えるだけのクオリティが発揮できるかどうかは不明なので、これはある意味いたしかたないのかもしれない。

    この問題は教授たちも認識しているようで「クライアントのヤル気がないのは普通です」とか「コンサルティングプロジェクトでは相手の協力を勝ち取るのも仕事のうちです」という説明がなされる。確かにそれはその通りなのだが、普通のコンサルティングで行われるはずのピッチ(最初の提案)がなされないうちにとりあえずクライアントになることだけが決定されてしまう、というのはやっぱりちょっと状況が違うのではないの・・と思ったりするのである。


  3. 教授のヤル気も低い
  4. うちのschoolの場合でいえば全部で30チーム以上のプロジェクトが一気に走ることになり、教授たちも分担してそのチームの進捗を評価することになるのだが、基本的に教授たちからヤル気を感じることがなかった。なにせ、うちの担当教授に限っていえば、我々が適宜送っていた資料を一度も目を通していなかったのだから・・・。

    冷静に考えれば各教授は10チーム以上を担当している上に、それぞれのトピックは全然違うし、必ずしも本人の専門と一致しているわけではないので、手をぬいてしまうのは仕方がない・・・ともいえるのだが、それだったらもっと大勢の教授を割り振ればいいわけで、どうもカリキュラムディレクターが言ってることと現場の対応が違うように見えてしまう。この「上の言ってることと現場の対応は全然違う」というのは中国のあらゆるところで見られるし、うちのschoolも基本そういう感じなので皆慣れっこになってしまってるけど、そういう諦念が(特に)外国人に平まってしまう現状と言うのはいいことは何もないと思うのだが。


  5. MBA Officeは案件獲得で手いっぱい
  6. よくあるアフターセールスが悪い会社みたいだが、案件を取ってくるMBA Officeは当然のように、その後の対応まではしてくれない。我々のクライアントの場合は、NDAを期限までに返送してくれなかったので担当教授にその旨を伝えたら、はるか彼方までたらいまわしされている間に、クライアントの事務担当が送り返してくれたのだった。

    うちのschoolの場合ランキングはそれなりに高いとはいえ、企業側からお願いして仕事をしてもらおう・・と思うほどのレピュテーションはないので、どうしてもMBA Officeはお願い営業になってしまうのだろうと思う(事実、毎年案件獲得はかなり苦戦しているらしい)。さらに中国人のホワイトカラーというのは良くも悪くも自分の評価に直轄することしかしないので、その後に学生がどのように苦労するかにはたぶんあんまり興味がないと思われる※4


ということで色々と駄目な点を書いてきたのだが、それでも個人的にはこのプロジェクト型授業で学ぶものは多かったので、来年以降に少しずつでも改善をしていってほしいと思う。事実多くのプログラムで少しずつ改善が行われているので来年はもっと良くなると思う。本当はこういうことを言うためにstudent committeeの委員がいるのだが、ここら辺はそもそもの問題意識のすり合わせから始めないといけないし、そもそもそこにこだわる学生いもあまりいないだろうし・・他のschoolはどういうように運営をしているのかをぜひ知りたいところ。



※1・・・フリーライダーと組んだ時の面倒くささは体験したものでないとわからない・・が、ほぼ全てのMBA生が体験するものであろう。。文句(意見・自己主張)が多すぎる学生とも正直言ってチームを組みたいとは思わない。
※2・・・NDAを結んでいるので会社名を書くことはできません・・・。大陸学生が一人しかいないチームだったので中国系企業を決めないというのもすぐに合意できたのであった。
※3・・・どのくらいイマイチだったかというと、先週のエントリーで書いた親友の韓国人は第一回の彼のフィードバック面談での会話に失望して、彼の授業をキャンセルしたほどである。広告系の授業だったので、僕には大変楽しかったのだが・・。でも、内容が面白かっただけで、彼が良かったわけではないという話もあるが。。
※4・・・なので、中国人と交渉する時に、もしあなたが上役を知っているのであれば「そこまで仰るのであれば、あなたの公式回答をもってあなたの上役に相談しなければなりませんが、それでもよろしいですか?」と言うと、かなりの確率で物事が動く。だいたい、彼らは面倒くさくて仕事してないだけのことが多いので。

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2012年6月 4日 (月)

第43週目終了! ー工学系院卒の僕が考える私的entrepreneurship論−

Term3は前期と後期にわかれていて、その間は授業が休みになりテストがあるという日程になっている。ということで、今週はテストが一つあるだけで、他は一切授業がない・・という非常に自由な一週間となった。
本来はこの休み中の一週間で勉強をしなさい・・ということなのだろうが、あいにくな授業だったためイマイチ気合いが乗らず、とりあえず最低限度の勉強をしてテストに臨むという方針で臨むことを早々に決めて一ヶ月お願いしていたInternの総まとめに時間を使った。結果は・・うん、まあまだ配点としては50%が割り振られているレポートが残っているので、そちらでしっかり挽回するとしよう。

ちなみにテストが終わった翌日には、前職でお世話になった部下が日本に帰国するということで、北京までお別れに行ってきた。さらに北京では中国でMBAを取得している(した)日本人学生の方とも会うことが出来て、非常に楽しい時間を過ごすことが出来た。たった2泊3日で、しかもネットがやたら遅い、料金払い忘れで携帯は止まる・・といった問題はあったものの、今回の北京ではまたいろんな新しい顔を見ることが出来たので、その話はまた別の機会に・・・(こうやって書いてないネタが溜まる一方である、あぁ・・)
(本日のトピックは若干専門的な内容が含まれます)


■ ボルカーの講演と、医療システムと ■

うちのスクールでは、だいたい平均すると二週間に一回ぐらいExecutive sessionと題して、大物ゲストが来て講演をしてくれるのだが、今週は久しぶりに「誰がみても」大物とよべるようなゲストが訪問してくれた。サブプライム以降に米国で銀行規制を指示するボルカールールを提案した、元FRB議長であるボール・ボルカーである。金融系ではないと辞任している自分であっても、さすがにこれだけの大物が来るのであればぜひ参加せねば・・ということで、sessionに参加してきた※1

さすがに超大物ということで、会場は満席。それでも聞く価値
はあるだろうとImg_0008、立ち見で一 番後ろから見ることになったのだが・・・英語が果てしなく聞きづらい!かなりお年を召されているからなのか、それとも単に元々そういう発音なのか、とにかくモゴモゴ発音していてほとんど聞き取ることが出来ない。これはnativeじゃないから聞き取れないのか・・と軽く絶望していたのだが、session終了後にnativeの友人に聞いてみても「いや〜よくわからん講演だったな(内容も話し方も)」とのことだったので、これはしようが無かったと諦めたのであった。

とりあえず聞き取れた範囲では「金融危機が起こっても、金融システムに直接国が介入してシステム全体を維持しても、個々の銀行を守る必要はない」という話をしていたのであったが、じゃあ具体的にどうすればいいの・・というところがよくわからなかったので、この発言の評価は出来ない。個人的にはマイクロ秒で取引が行われる現在においては、そんなことは出来ないと思うのだが、例えば破綻がわかった瞬間に一時国有化をするということなのだろうか。。※2
この辺りは金融畑では「全然ない」自分にはさっぱりなので、もし誰かアイデアがある人があればぜひご教授いただきたいと思う。


今週はもう一つ、地味ながら非常に興味がある講演があり、そちらも遅刻に早退と非常にふざけたことをしてしまったが、話を聞いてきた。テーマは「中国におけるヘルスケアITビジネスについて」である※3。(どうやら業界には好かれていないようであるが・・)中国におけるヘルスケアビジネスというのには非常に興味を持っていて、MBA入学後にもせっせと企業セミナーやヘルスケアクラブのイベントに参加しているのだ。
中国のヘルスケアといえば、上海だけ見ても病院の状況というのはまだまだ日本には追いついていないし、それが地方に行けばさらに悪化する。これから急速に高齢化が進む中で社会保険も十分に整備されていないし、医薬品の認可はまだまだ不透明だしということで、中国ビジネスの中で最も「ポテンシャルが大きく」かつ「変えなければならない」業界の一つであると思っている。

ということで、ヘルスケアITの講演を聴いてきたのだが、毎回この手の講演を聴くたびにいったいどうすればよいのか、と途方にくれることが多い。以前に医薬関係のsessionの話を聞いた時にも、国の負担は増え市場は大きくなる一方で、医療レベルは下がっているという話を聞いたのだが、今回もハードの医療投資は増えているが、無駄があまりにも多くて全く有効活用されていないという話を聞いたのであった。
とにかくこの大きい中国では中央の意向通りには物事は進まないし、特に医療は各地方自治体(省レベル・市レベル)での独立性が強いので、個々の地域が個別最適(というか、担当者レベルでの個人最適)を追求してしまい、全体との効率性なかなか向上しないらしい。事実、中国ではものすごい数の医療機器メーカーが存在するらしいが、ほとんどは地場の病院のみに販売を行っているということで、各地域では事実上の一社独占という状態なわけだ。こういう状態では大メーカーがシステムを統合しようとしても個別対応が多すぎて現実的には無理だし、政策上でも予算措置を新たに行わないといけないので、なかなか思い切った改革をすることが出来ない。

中央集権で強力に物事を進めるには、あまりにも各自治体の予算規模・社会保険の状況・現在の医療レベルの状況・人材の質が違うために、うまくいかないことは目に見えている。個別の対応や改革ですむような話ではないのだ。


■ 工学的なアプローチとMBA ■

長々と書いてきたが、一見この関係ない「金融」と「医療」という業界の話が、実は僕の中ではシステム的アプローチと言う単語で一つにふとつながったのである。
僕は大学ではシステム工学を、大学院でも、まあ似たような学問を学んだのであるが、その学問の主要領域の一つにこういった有限の個別の主体が個々の利害にそって活動した結果システム全体がどのような挙動を示すかという学問領域がある。経済学における「ヒト」のように、あまりに多い対象を取り上げる場合には、ミクロとマクロの融合というのは大変なのであるが、対象が数千程度であれば、マルチエージェントシュミレーションという手法を用いれば、現在の計算機の能力であれば十分に計算可能である。

平たく言えば、政策が決定された時にどういったことが起こるかをコンピューターを使ってシミュレーションをしてみましょう、というのがこの学問なのであるが、特にマクロの(あるいは場の)動きを決定するルールと個別の振る舞いを分けて記述することが出来るのが、この研究方法のすぐれたところである。つまり、いろいろな政策の条件を変えることで個々の挙動がどのように変化し、その結果系全体(システム)がどのような動きをするかを観察するのだ※4

このような研究方法は、例えば僕が大学院生の時期でも「電力卸売市場のためのルール設定」や「二酸化炭素排出権取引市場」などの研究のために利用されていた。横着をしないでちゃんと調べてみればよいのだが、例えば論文を調べることの出来るGoogle scholarに「Financial system agent simulation」という単語を入力すると10万件以上の論文がヒットするので、かなりの数の研究が行われているはずである。特に近年は経済物理学などが一般化しているので、そういう視点からの研究はますます進むのではないかと思う。


ところがこういった研究内容というのはMBAで全く聞くことはない。もちろん、それなりに高度な数学を利用しなければならないし(とはいえ大学理系レベルでも理解可能なのがほとんだ)、実際に手を動かすことが出来ないという制約があるのでしかたがないのだが、せっかくMaster(修士)とつく以上、少しでもそういった研究についてふれるというのはアリなのではないかと思うのだ。
(日本でも報道されていないだけど、当然省庁の中でこういった研究はされているのだが)米国や中国のように、アカデミックのエリートがそのまま経済政策を担当するような国で、特に中国のように規制によってビジネス環境が激変するような市場では、彼らの意思決定がどのように行われるのか、というのを知ることは決して無駄ではないと思う。少なくとも手法の存在ぐらいはしっておいてもいいのではないかと考えるのだ。

僕のように一時でも理系でこういった考え方に触れた人間からすると、こういったミクロの挙動とその関係性ががシステム全体の挙動と相互に関連するような場について、極めてミクロ的なアプローチ(病院の例でいえば、個々の病院への対応)と、極めてマクロ的なアプローチ(全体の規制はこうあるべきだ!)のみを取り上げて議論をするのは非常におかしな気がする。せっかく既に存在している知識があるのであれば、意思決定にもそれを使おうとするのが、真摯な態度ではないだろうか。もちろん、研究者がいわゆる「内輪の議論」になってしまっているというのも、もちろん現状の問題点としては存在するのも確かだ。ただね、やっぱり我々は修士にいるんだしね・・いくらacademicでは無いと言っても・・。もしかしたらMITスローンのようなengineering かつacademicな雰囲気が強いschoolではそういうアプローチも取り上げられているのかもしれないけど・・。


何か話が随分ととっちらかってしまったのだが、要するに僕がいいたいのは、我々がMBAで学ぶようなアプローチ以外にも世の中にはたくさんの問題解決方法があって、それをどうビジネスにいかしていくのかというのも、我々のようなバックグラウンドを持つような人間に取っては大切なことなのではないか、ということだ。MBA的な考え方は確かに「目の前の現実」に対処するのは有用かもしれない。でも、残念ながら(そして、それゆえにやりがいがあるのだが)世界はそれほど単純ではなくて、だからこそ持てる知恵をフル活用するという姿勢こそが、つまり我々MBA学生がもれなく学ぶentrepreneurshipにつながるのではないだろうか。

(リサーチ無しで書いているので、こういう実例があるよ、といったご意見いただけると嬉しいです)




※1・・・こういうsessionは「誰にでもわかる大物」以外にも、業界では大物が来る場合もあり、実ははそういうゲストのほうが面白いということもある。ただ、聴講者がそれほど多くないので、何か申し訳ないという気分になってしまうのだが。
※2・・・国有化といっても資本を注入してしまっては意味が無いので、なんというか資産と債務をまるごと徴発するということになるのだろうか。
※3・・・言い訳をすれば遅刻はInternのプロジェクトのまとめをしており、早退は別の企業から面接のお誘いの電話がかかってきたからである。特に後者はおかげさまでトントン拍子に話が進み、6月からまたInternで働き始めることになった。これでMBA期間で3社目の広告会社。
※4・・・個々の反応は、プロセスをあらかじめ決定しておく方法と、目標となるような関数を設定して自己回帰的に最適化をはかるという方法(遺伝的アルゴリズムなどを使う)があるが、ここら辺は複雑になるので割愛。

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