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2008年1月 6日 (日)

上海女性を捉まえたい

私生活の話ではありません(私生活でも捕まえたいですが・・・)。

私の仕事は、これまで何度か触れてきたように「NET広告」を作ることです。これは、日本にいても上海にいても基本的には変わりません。
広告を作るといっても、実際にプログラムを組んだり、インフラの面倒をみるわけではなく、営業からの意見を形にしたりマーケティングに基づいて企画を作る企画屋さんです。個人的にはプロダクトマネージャーという呼び名が自分の仕事にはぴったり来ると感じています。より正確に言えば、広告そのものを作るわけではなく、広告という名のクリエイティブを作るためのプラットホームを作るのが私の仕事になります。

さて、その広告を作るうえでもっとも重要なことは、何でしょうか?
スポンサーへの営業活動?安定したシステム?それとも、クリック数を稼ぐためのクリエイティブ??

・・・どれも重要な要素ではありますが、「もっとも」重要なことではありません。
もっとも重要なことは、ターゲットとしている人たちが「見たくなるようなサイト」を作ることです。

広告サイトは大きく分けて二つの作り方があります。

1.トラフィックを集めて、そこに広告を載せる方法。代表的なものはyahooなどのポータルサイト。
2.サイト自体をある程度、最初から特定のターゲット向けに作成し、そこに広告を掲載していく。広告自体も一つのコンテンツになる。転職サイトやぐるなびなんかが代表的な例になります。

中国で僕が作っているサイトは、完全に2にカテゴライズされるものです。具体的に言えば「20代の女性に向けて」「結婚の情報を提供する」サイトを作っているのです。

このようにターゲットが比較的セグメントされている場合、そのターゲットがどのようなサイトを見ているのか?あるいは見ようとしているのか?を知ることは、サイト作りにおいてはもっとも重要なことになります。
リスティング広告やSEOなどで、検索エンジン上の上位に自分のサイトを位置させることはそれほど難しいことではありません。しかし、一度来てもらったユーザーが何度もサイトに来てくれるようにすることは非常に難しいことです。

今回はそのターゲットが日ごろ何に興味を持っているのか、あるいはどのようなことが生活の中で気になるのかを知るために、複数の組のグループインタビューを行いました。プロダクトを作る場合には、通常ある程度プロダクトの形が決まり特定の問題を解決するためにグループインタビューを行うのですが、今回はあえて特定の問題をとりあげず、「上海の女性は何を考えているのか?」のきっかけをつかむことのみを目的としたグループインタビューを実施しました。

これは、NETプロダクト開発の一つの手法で「ペルソナ」といわれるものを作成するための予備調査と位置づけました。ペルソナは詳しくはこの本を見ていただきたいのですが、簡単にいえばいろいろな機能をあれもこれもとつけるのではなく、具体的な「あの人」がもっとも使いやすい商品を作ることで、結果としてユーザーの期待に沿った商品を作る・・という商品開発手法です。

この「あの人」というのは当然頭の中の想像だけで作るのではなく、実際の調査を行うことが必要です。

私がもし日本にいて、日本人を対象にしたサイトを作るのであれば「高校生」とか「渋谷の女の子」といったキーワードを設定すれば、当然のようにある程度のプロトタイプが頭の中に浮かびます。そのプロトタイプをより深めていったり、時には予想を裏切られることでペルソナは作られていくのです。
ですが、今回はなにせ上海。○○区に住んでいる人はこんな感じで、××籍(中国では住んでいる場所と戸籍が異なっていることがかなり多いです。上海に住んでいても、戸籍が北京だったら北京人になります)だったらこんな人で・・・みたいなアタリをまったくつけることができません。そこで、そのようなアタリをつけるためにも、まずは手探りでグループインタビューを行ってみようとなったわけです。

今回のグループインタビューは一回2時間で3組。計3日間にわけて行いました。当然中国語で行われるので、同時通訳をつけて行います。
この同時通訳がすごくて、とにかくグループインタビューで流れてくる言葉をすべて余すところなく訳してくれるのです。あまりにも言葉が途切れないので、休憩中に聞いてみたところ、

「何も考えていないですよ。聞いた言葉をそのまま日本語にしているだけです」

とのこと。InputとOutputの間に思考がないといっても、適切な言葉を選んでいるわけですから脳の中では常に最適化が行われているわけです。才能のない人間には絶対にできないことですね・・・。

さて、同時通訳つきで行われたグループインタビューですが、想像以上に疲れました。日本にいる場合には話していることがダイレクトに耳の中に入ってくるのですが、同時通訳ですとタイムラグもありますし、右耳からは中国語・左耳からは日本語ということで頭はフル回転です。できればさぼってしまいたい・・・のですが、実はこのグループインタビューというやつは、後からスクリプトを読むだけでは決して「感覚」をつかむことができないのです。どんなにつらくても必ずその場にいなくては、マーケッターとしての感覚は磨かれません。

そのつらいつらい3日間の感想ですが・・・。思ったよりも面白い結果を得ることができました。以下、簡単に箇条書きで。

①改革開放政策の影響は予想以上に大きそう。20代前半だけ完全に思考パターンが異なる。
②インターネットの影響で知識レベルはかなり高い。ただ、その知識と現実のギャップは大きい。
③収入と支出のバランスが崩れている。支出>>収入となっている人もかなりいた。「旦那(彼氏)のお金も私のもの」の考え方が一般的だからか?
④給与の上昇は経済成長×インフレ率程度。大幅に上げるために転職を繰り返す傾向にある。
⑤将来への漠然とした不安、特に年金への不安は大きい。

ざっとこんなところでしょうか・・・。
これから2月後半に向けて本格的な定量調査に入りますが、かなりのアタリをつけることができました。やっぱり現場は大切です。

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