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2008年4月

2008年4月26日 (土)

上海のクラブ -というかキャバクラなの?-

金曜日は会社のパーティーということもあり、メンバーと一緒に上海のクラブに行ってきました。うちの会社は淮海路(上海の銀座みたいなところ)にあるので、すぐ近くのクラブのbabyface にいったのですが、まったく入ることが出来ず(金曜日は人が路上にまであふれていました)。不完全燃焼だよね・・とメンバーともども思っていたので、タクシーに乗って常熟路のTM というクラブまで行ってきました。

入り口からやたら女の子の写真が張ってあるので、不思議な雰囲気だな~と思っていたのですが、入ってみると普通のクラブです。お立ち台ところみたいなところでやたら服が少ない女性が踊っているところ以外はきわめて普通。Image181_2 Image182

と思ったのもつかの間。

若い女の子達が20人ぐらい隣の男性だらけの席の前に来ました。男性達はたぶん中国の裕福な若者たちなのでしょう、来ている服などもかなり良いものです。男性達は、一通り女性を見回したあと自分の気に入った女の子を指名していきます。・・・これってキャバクラと同じ?

店のオーナーに話を聞いてみると、男性だけで来た場合で席に座れる場合には女性を200元で指名することが出来るというシステムがあるそうです。・・・他のクラブにいった時にはそんなシステムはなかったのですが・・・。恐るべし中国。

女性達はみなダンスが出来るようで、次々とお立ち台にあがってはダンスをします。上海には日式KTVとよばれる、まあいわゆるキャバクラがあるのですが、そこの女の子たちと比べてもかなり可愛い娘が多かったですね。どこまでいっても上海って欲望の町なんだなあ。

会社のメンバーの中には当然女性も多くいるのでなんとなくきまずい感じがしていたのですが、彼女達に聞いてみると、まあそういう仕事もあるんだよと至極あっさり。どうやら日本人向けの店にいる女の子(いわゆる小姐)に対する態度とはまた違うようです。
もう少し中国語が話せるようになったら、もう一回言ってみて、どんな理由でこの仕事をしているのかぜひ聞いてみたい・・と思った週末でした。

2008年4月25日 (金)

先日の新聞報道で、野村證券の中国人社員がインサイダー取引を行ったという事件が載っていました。

野村元社員、れいゆ容疑者 「情報に舞い上がる」 インサイダー認める供述

今日の昼食のときに同僚とこの話になったのですが、全員一致で思ったことは、『当たり前だよね・・・』。なぜかといえば、(中国人を決して見下しているわけではなく)日本人の考えるコンプライアンスと中国文化にはあまりにも大きな壁があるからです。

1.コミュニケーションの仕方が違う

以前から何度も書いていますが、この国ではかなり重要な内容の交渉でもメッセンジャーで行うことは当たり前です。以前の契約について確認しようとしても、『メッセンジャーで決めたことなので残っていません』ということがごく当たり前に発生するのが中国です。

そんな彼らにとって、『秘密』を守るのはとても難しいこと。弊社でも『競合情報だったら僕の友達がそこで働いているので、聞けばわかります』という提案が当たり前のように言ってきます。情報は基本的にもれているということを前提に仕事をするのが中国流です。

2.法律の運用が適当

これも日本にいるみなさんの想像通りです。1と矛盾しているようですが、中国はやたらに権利と契約関係にうるさい国です。たとえば、肖像権。日本よりもはるかにガチガチに掲載媒体を規定する必要がありますし、違反した場合にはすぐに訴訟を持ちかけられます。すぐにお金を払って示談にしてしまうのですが、そいいったことは日常茶飯事です。

このお金を払えばOKというところが重要。ようは、だいたいの法律運用は『賄賂』や『示談』でなんとかなるものなのです。ですから、今回の事件だってもし中国で起きていればとりあえず裏で処理が可能だったでしょう。もちろん、たまにみせしめのためにものすごい罰が下されるときもありますが・・・。

3.会社の知識は自分の知識

これは日本でも結構起こりうることですね。ようは、仕事上で知りえた知識はあたかも自分の知識のように使ってしまうということです。日本でもライバル会社間の転職というのは時々ありますが、この国でそれが起こった場合には下手すれば情報はまるごと相手先に持っていかれてしまいます。たまに日本から『情報セキュリティは大丈夫か?』といった問い合わせがくるのですが、本気でセキュリティを考えるのであればPCをすべてシンクライアントにし、メールも全件チェック、記憶媒体は一切負荷・・・ぐらいしないと無理でしょう。

事実うちの会社でもある従業員を解雇しようとしたときに「彼が持っている情報が他社に流れるリスク」を考えて、解雇をとどまったことがあります。

というように、中国ではそもそも情報の概念が大きく違っています。もちろん今回の容疑者は日本で教育を受けたということですし、多くの中国人は欧米系・日系の情報セキュリティやコンプライアンスを守って仕事をしています(ですので、今回の容疑者がしょうがなかったという気はありません)

ただ日本企業が海外に進出し、一定数の外国人を採用しなければならないとなったとき、人事部に対して「○○人採用」という目標がおりてくるような日本企業の採用方式では、どうしても無理をして採用をおこなわなければならない場合もあるはずです。また多くの場合本流となっている人事部では、どうしても現地のことを肌で知らないのもまた事実の一つです。

今回の問題は単に野村證券だけの問題ではなく、中国進出を進める多くの日本企業に当てはまる事例だなーと改めて思ったのでした。

2008年4月23日 (水)

上海就職事情その③ -採用する側の事情2-

オリンピック報道があって、ちょっと間が開いてしまいましたが以前のエントリーに続いて、上海の人材採用について。

ちなみに、前回あげたのは「自分の中に基準がもてない」「何でもランキング、だけど・・」の二つです。

3.専門職マーケット VS 日本企業

これまた以前のエントリーでも書いたことがあるのですが、中国の労働市場は基本的には専門職により構成されています(そのほかに『何でも出来るが、何も出来ない』人がものすごくたくさんいることはいうまでもありません)

まだまだ大学に行くのが一部である(だいたい進学率は20%~25%ぐらい)ということも関係していると思うのですが、こちらの大学生は自分の専門についてよく勉強しています。日本で「文学部フランス語学科」という人がいても、だいたいはまあフランス語が話せるということはないわけですが、こちらで「日本語学科」を卒業した人であればほぼ100%日本語を話すことが出来ます。

なので(よいか悪いかは別にしても)ソフトウェア学科を卒業した人はソフトウェア専門、事務系を勉強した人は事務専門といった形で労働市場が細分化されています。この形最初から仕事があってそこに人を当てはめる場合には大変上手くいくのではないかと想像できます。しかし、日本企業は知ってのとおり基本的には「人に仕事がつく」体制。しかも、こちらに駐在でいるような状態では、それこそ欲しいのは「何でも出来る人」。このギャップから

専門職労働市場 VS ゼネラリスト志向の日本企業

という構造がここで出来上がるわけです。

とくに一番困るのがいわゆる「企画職」。日本人でもこの企画職という仕事、何をやっているかよくわからないことが多いのに、中国語でうまく説明することなんてさらに遠い話です。で、結局のところ「マーケティング職」とか「経営幹部候補」といった形で採用をかけるわけですが、当然応募に来るのは「(自称)スペシャリスト」。
まあ、いいか・・・と思って採用しても、約束と違うといってすぐにやめてしまったり、まったく仕事の役に立たなかったりと、『当たり』を引くのはかなりの低確率であるといえます。

日本企業がこちらに来るには徹底した職務因子の分解やマニュアル化は進める必要があると、このごろ特に痛感しています。日本では『優秀な人』==いわゆる今はやりの言葉でいう『地頭の良い人』を採用して、育てる傾向にありますが、こちらではそんなのはよほどの幸運がない限りまずは不可能。
欧米系のコンサルタント会社は圧倒的な企業ブランドがあるので、いわゆる日本方式も可能なようですが、こちらでの知名度が低い日本企業ではそれも難しい。

ということで、採用する側としては自分の目と耳と心の声(と多少の嘘)を信じて突き進むだけどという日々が続いているわけです。

次回はこの話の最後として「で、結局転職が多いの?」を取り上げたいと思います。がんばって採用しても、すぐにやめていってしまうんだよ、という(我々にとっては)悲しいです・・・。

2008年4月21日 (月)

北京オリンピック VS フランス

先週の金曜日に会社にきて、いつものようにMSNを立ち上げると部下のメンバー達の名前のところに、マークがちりばめられています。何事が起こったのかと思って、手近にいるメンバーを捕まえて聞いてみると、

「フランスのオリンピック反対活動への抗議活動である」
(実際は女の子なので『ですよ~』っという感じですが・・)

とのこと。なるほど、こうやって反対活動をするものなんですね・・・。

今回のオリンピックに関しては世界各国から人権問題での抗議が行われていることに関しては、これまでもこのblogで取り上げてきました。
フランスの反対に関しては、何も今のタイミングで・・・という思いはあるものの、ついにこうやって会社にいても中国国内の反発を感じるようになったのかと思うと、ちょっと緊張感がある毎日です。

MSNでは、名前の横にちょっとしたメッセージを載せることが出来るのはみなさんも知っていることだと思うのですが、学生のバイトや若いメンバーにはかなり過激な文が書かれています。

・我爱中国,弱肉强食
・中国是世界中心大国

などなど・・・。やはり若い人のほうが、過激な行動に走りがちというのは世界中どこでも変わらないようです。というか、仮にも英語や日本語が話せるような国際感覚があるような学生でも『中国は世界の中心!』となってしまうとは・・・。

一方で、20代後半のメンバーは落ち着いたもので、
「若者達が盛り上がっているだけ」「気にしないでいればすぐ過ぎる」などと大人の(?)対応です。まあ、彼ら・彼女達は数年前の反日デモなんかも経験しているのでこういったことには慣れっこなのでしょう。

僕はといえば、せっかくこんなイベントが起こっているのだし、取材にでもいかないと損!とばかりに、早速日曜日にはタクシーに乗って古北にある家乐福(カルフール)へ行ってきました。若いメンバーからは『こんな時期にカルフールで買い物するなんて良くないです!』と怒られましたが、せっかくのチャンスなのでと気合を入れてお出かけです。

タクシーに乗って「カルフールまで」というと、早速「お前はカルフールに行くのか!そんなのやめろ!」と運転手が怒ります。おお、いい感じ。カルフールにいくわけじゃない、近くの日本料理屋に行くだけなんだ、と嘘をつき、一路カルフールに向かいます。もし暴動とか起こってたらどうしよう・・・ワクワク。

と、期待(不謹慎ですね)に胸を膨らましてついたのですが、中ではなんと言うこともなく普通に買い物が行われておりました。うーん、やっぱりここで暴動が起こるなんていうのはまだ早いんですかね。
と、今回は外野ということで浮かれてみていますが、過去の反日デモを体験した日本人に聞くと、盛り上がり具合が以前と同じような状態になっているとのこと。いざというときのために準備が必要なのかもしれません・・・・。

2008年4月15日 (火)

上海就職事情その② -採用する側の事情-

二つ前のエントリーでは、上海就職事情その① -働く側の事情-というタイトルで、労働者側の事情を書きましたが、今回は『採用する側』の事情を取り上げたいと思います。


1.採用基準が自分の中で持てない

うちの会社だけに限らず、多くのサービス系日本企業が悩むのが採用でしょう。日本であれば土地勘(関西の人なら○○な感じ、名古屋の人なら××な感じ)があったり学歴(六大学レベル、国立・私立)の感覚があったり、これまで多くの日本人とあってきた経験から自然と面接する人間のレベルがわかります。

上海ではこういった蓄積が自分(あるいは会社)の中にないまま採用を行わなければなりません。もちろん、学歴について言えば毎年大学ランキングが公表されていますし、土地勘についても半年もすめば何となく感覚がわかってきます。

たとえば、よく言うのは「上海生まれはなるべき避けろ」。完全な偏見・・・とまで言い切れないのが中国の奥深いところ。上海人はプライドが高く他の地域の人を馬鹿にする、権力欲が強い、すぐに嘘をつく・・・などなど中国国内でも広く言われています。
わが社においても、みんながみんなそうだ・・というわけでもないが、『ああ、○○さんは上海人だからね・・』といった会話が時々」されています。

2.何でもランキング。でも、実力は??

中国ではドンドン人の入れ替わりが行われていくため、伸び盛りの会社に限らずだいたい年がら年中日系企業は採用を行っています。当然毎日のように採用候補者のレジュメに目を通すわけですが、そこには日本では考えられないような資格・過去の経歴が書かれていることがザラです。

・○○大学      校内カラオケランキング2位
・××市□□区   武術大会入賞
・○○有限公司   ××部△△課優秀社員

などなど、「・・・で、何を判断すればよいのか?」というものが次々と並んでいます。

一方、公的な資格でも鵜呑みにすることができません。実際弊社でもあったことなのですが、通訳募集として基準資格を「日本語検定1級」とした際に、『面接で通訳を必要とする』通訳候補者が応募してきました。しかも、一次面接を通過して・・・。人事部に理由を問いただすと「日本語検定を持っているので大丈夫だと思いました」とのこと。この国では、ランキングによる競争が常に行われているせいか、ランキングがあると何でも信じてしまう傾向にあるのです。

そして、ある意味この国ならではの最強の資格が「共産党員」。
レジュメに政治「党員」と書いてあるのを最初に見たときには本当に驚きました。

僕のものすごく浅い知識では、中国国民は全員党員だと思っていたのですが、実は違うのです。共産党には「少年団」「青年団」「党員」という資格があって、少年団や青年団は誰でもなれるのですが、党員には『ある分野で優秀な成績を収めたものしか』なることができないのです。

すでにやめてしまった僕の昔のアシスタントが、採用担当者のレジュメを見て「この人は青年団だからあまり優秀ではないですね」といったことがあります。彼女は成績優秀だったため当然、党員なのです。そのことを確認したときの誇らしげな顔を忘れることができません。

長くなってきたの、続きは明日へ・・・。

2008年4月11日 (金)

オリンピック報道で見えること -経済格差がもたらす格差-

ここ数週間ほど北京オリンピックの聖火リレーに関して、いろいろな問題が起こっていることが日本で報道されているようです。上海に住んでいる僕は基本的には日本のBS放送しか見ることが出来ないので、妨害に関するニュースはもっぱら日本語ブログとYou Tubeで見ることにしています。

中国でも聖火リレーのニュースは繰り返し取り上げられていますが、沿道でのデモや妨害活動がニュースに入らないように、ものすごいランナーをアップにして撮影しています。だいたいの場合顔しか入っておらず聖火は映っていないので、下のテロップを見ない限り聖火リレーの中継だとわからないことも多いような状況です。

僕は、実はこの国に来るまでは、ほとんど僕はアジアについて興味を持っていませんでした。理由は・・・トイレが汚そうだから、絶対行くことはないと思っていた、から。。

それが何かの間違いかハズミで上海に来ることになって、この国に住むようになり、そして上海という街を好きになることで自分の中でアジアを見る新しい視点が育つようになると、日本での報道やブログでの主張と今この国で起こっていることの僕の解釈の違いに驚くことが増えてきています。
それは、僕が比較的この国に好意的であり、一般的なネット世論がその反対であることを割り引いても驚くべきほどの差があるものだと思っています。

ちょうど、本日の日経ビジネスオンラインでも取り上げられていましたが、中国はまさしく『資本主義的』な経済成長の真っ只中にいます。


吹雪の中で44人を救助した国民的英雄

第5回 <A女>の影に潜む「隠婚族」の女たち

昨日のエントリーでも書いたようにごく普通の労働者が高給をもとめて転職を繰り返したり、お金が集まる都市として上海には次々と人が流れ込んできています。上海市内の大学ではMBA講座がもうけられるようになり、知的労働者階級は少しずつサービス業へのシフトを進めつつあります。

しかし当然のことながら上海でのこの好景気は中国のほんの一部を写すものでしかありません。地方に行けば依然として日本円にして15000円程度(1000元)で暮らす人がたくさんいますし、上海市内においても仕事を手に入れることが出来ない多くの浮浪者や、その日暮らしの肉体労働者がそこかしこで見ることが出来ます。我々の会社があるのは上海の銀座と呼ばれる淮海路ですが、ちょっと南にいくか、あるいは西に行けば昔ながらのボロボロの家屋が軒を連ね、40代を超えた夫婦がすごしているのです。

このような急激な発展とゆがみが、経済的な格差を生み出していることは間違いありません。しかし、私がこの国にいて感じるのは経済的な格差そのものよりも、経済的な格差によって生まれる知識的・精神的な格差のほうがはるかに大きな問題であるということです。

およそ同じ中国人といっても上海で高額所得を得ている人と、地方で農民として生活している人間では同じ国の人間とはもはや言うことが出来ません。もちろん根底としての中華思想は日々感じますが、高額所得を得ている人や(おそらく)政府高官たちは現実をほぼ直視し、中国の矛盾を理解していると思います。マスコミ報道や政治的なメッセージを発する人たちが、現実を理解していないと想うことのほうが非現実的であるといえます。

一方、農民や低所得者層にとっては、国際政治の理解などは問題の存在すらも理解するのが困難なことでしょう。彼らにとって重要なのは、明日の食事であり、よりよい生活なのです。

このような大きな格差と中華思想が合わさった結果の一つが、今起こっている(およそ効果的とは思うことが出来ない)オリンピックへの対応であると、僕は考えています。ほとんどの政治的なメッセージというのは、「対外・国際政治」ではなく「党内・国内政治」向けの発言ではないかと思うのです。

もちろん、この国の体制は中国人自体が選択した体制でもあるのですから、現在をもたらして責任は彼らに帰すべきであると思います。しかし、一方では中からみた場合、本当にこの国のことを考える(相対的にあまりにも数は少ない)一部の人間からすれば、もはや手のつけようがなくなっていることもまた事実であると思います。

そのように考えた場合、現在起こっている一部暴力的な抗議行動は、単に「罪を糾弾する」だけのものであり、創造的な解決にいたるとは言うことができません。現状のままとどまることは許されないにしても、拙速な対応はこの国をより硬化させるだけなのです。

いずれ詳しく書きたいと思いますが、現状で抗議をしている人たちが望む世界を作るためには、この国内政治の状況を理解するのが鍵であると確信しています。そして、そのためにはより中国全体が富む状態を作り出すこと、言い換えれば経済発展が地方に進んでいくというのが重要であると僕は思っています。

中国で外国人として働いている僕の視点からすると、より建設的な問題解決のほうが未来を作るにはふさわしいと思うのです。

2008年4月10日 (木)

上海就職事情 その① -働く側の事情-

上海では今、転職がかなりのブームになっています。日本のようにヘッドハンティングからニートまであらゆる階層が仕事を探している・・・とまではいかないのですが、転職業界はちょっとしたバブル状態です。
転職サイトだけでも、最大手の51jobをはじめとして、智联chinaHRといった大手がテレビやバス広告、新聞などで広告を展開しています。どのサイトも日本人のウェブ屋から見るとさっぱり謎のつくりなのですが、それぞれがそれなりに機能しているようです。

上海で転職が多い理由は簡単に言って二つあります。

①経済成長率と物価上昇率が10%を超えており、上昇志向が異常に強い
②中国では一般的に既存社員への昇給を抑える傾向にある

10%と経済成長といえば、ちょうど日本の高度成長期にあたります。あのころの日本人は自分が働いている企業が成長した結果、給料があがり、テレビが買えて車が買えて・・・・となった(という)のですが、現代の中国人にそういったこらえ性はありません。なにせ、日本円で60万円もするようなテレビが飛ぶように売れるような状態なわけですから、悠長に待っているなど出来ないわけです。
一方、こちらの会社は少数の有能な幹部とそれ以外・・という形で運営されているケースがほとんです。人的資源はいくらでも替えが可能な状態にあるため、幹部からすれば一般社員の状況を改善するインセンティブは低いわけです。

結果として一つの会社に長くいても給料はあがらないわけですから、転職を・・・ということになるのです。平均すれば一年から一年半が一つの会社に所属する期間ということになるのではないでしょうか・・・。


また、これまでは中国の労働政策もそのような転職を活発にする状況を作り出していました。中国ではいわゆる日本のような『正社員』という概念ではなく、基本的には一年契約を結びます。何も問題がなければ契約更新が行われるのですが、契約更新の責任は特になく、また契約期間中であってもどちらかの意志により破棄することが可能でした。全企業の10%は倒産するような市場状況ですから、企業としても長期契約を結ぶよりは機動的に人員削減を行えることが望ましい状況だったわけです。

しかし、さすがに一年で契約が切られてしまうようでは労働者も長期的な生活設計を行うことが出来ません。家や車など高額消費が増えてきた中国ではローンや保険といったいわゆる『借金』をするための法体系も作る必要が出てきたわけです。
そこで、今年度から中国では労働法が大きく変更されることになりました。これまでの労働法を大きく改善して、労働者の権利を守るとともに『正社員』の概念を確立しようとしています。

法改正の中でも特に、労働組合を結成することが出来るようになったのは大きな変化です。建前上は社会主義の国家で、労働組合の結成がOKになる・・・。国民性と照らしあわせても大きな変化には違いありません。
日系企業をはじめとする外国資本系はこの変化のスピードに対応するために、相当なリーガルコストを必要としているのが現状なのです。

2008年4月 9日 (水)

日本文化の先に

昨日のエントリーで書いたように、中国ではごく普通に日本のアニメ・漫画・ゲームといった文化に触れることが出来ます。このような環境の中で『日本語を学ぶ』ことを選択した学生たちはどのようなことを考え、どのような未来を描いているのでしょうか。

現在の上海では、我々が想像するよりもずっと多くの中国人が日本語を学んでいます。大学はもちろんのこと、三年生の短期大学(専科)や街の日本語学校など望めばすぐにでも勉強をスタートすることが出来る環境がそろっているのです。

彼ら・彼女たちが日本語の勉強を始める理由は大きく分ければ二つあります。

①日本文化が好きで、自然と日本語に親しんでいた
②日本語を学ぶことでビジネスチャンスを獲得したい

昨日のエントリーに書いたように、現在の中国では日常的に日本の文化に触れることが出来ます。ドラマ、漫画、アニメ、音楽・・・。制限があるとはいえ世界一のインターネット大国になった今ではこれまでよりも手軽に深く日本文化に触れることができるでしょう。
例えば、僕の部下には中国語でスピッツのファンサイトを立ち上げて日々運営をしている女の子がいます。彼女は小さいころから海賊版のCDを手に入れて聞いているうちに自然と日本語に興味がわいてきたそうです。

彼女のスピッツというのは例外的ですが、浜崎あゆみ(浜崎歩)や中島美嘉、島谷ひとみなどは上海でもかなりの人気がありますし、ティーンや女子大生にはジャニーズが大人気です。実際に多くのアーティストが上海でライブを行っていますし、4/17は上海体育場(Shanghai Stadium)でラルク・アン・シェル(中国名:日本彩虹乐队<、なんとなく感じがわかりますね・・)がライブを開催する予定です。

そういって『好きから入った』中国人が多くいる一方、日本語を勉強することでビジネスチャンスをつかもうとする中国人も多くいます。先日も領事館から連絡が来たのですが、上海在住の日本人の数は都市別比較で第二位であり、常在4万人・長期出張4万人これに短期出張を加えて10万人が上海で生活をしているとのことです。
当然(私も含めた)日本人は日々の生活をしなければならないわけですし、会社にいれば現地メンバーを採用するわけですから、そこには膨大な量の日本語人材へのニーズがあるわけです。
また、貧しい農村から上海に出てきた非上海人にとっては日本人と結婚をするというのは一つのシンデレラストーリーであり、多くの女性が日式KTV(いわゆるキャバクラ)で働いています。

日本でも新卒学生の進路として外資系(欧米系)企業の人気があるように、こちらでは日系企業も『外資系企業』として学生や労働者の人気を集めています。政治の北京、経済の上海という色はだいぶ薄れてきたものの依然として中国で最も大きい経済圏の一つである上海には多くの日系企業が進出しており、そこで働くことは経済的成功への近道というわけです。

このように多くの中国人が何らかの理由で日本語をマスターし、日系企業への入社を希望するわけですが、私の経験も含めて、彼ら・彼女たちが望む成功にたどりつくためには実際には大きな壁があるのも、また事実です。
明日は、日系企業と中国人日本語人材とのミスマッチについて書きたいと思います。

2008年4月 8日 (火)

中国人のアニメ事情

本日のNBオンラインに上海の若者オタク文化が取り上げられていました。

"中国「消費革命」最前線! 上海のメイドカフェに行ってみた【後編】"

上海に住んでいると当たり前だな・・と思えるようなことが記事の中で取り上げられていたので思わず最後まで読んでしまいました。自分が常識だと思っているようなことを外の目から見てみるというのは大切なことなんですね・・・。

一般に思われているように中国では海賊版によるコピーが当然のように行われています。例えば月9ドラマなんかは、次の日の朝には中国語字幕付で10元ぐらいで買うことが出来ます。そもそも日本語がわかる人であればYou Tubeを見たり、中国語の動画掲載サイトである土豆网を見れば簡単に日本のドラマやアニメを見ることが可能です。

また、日本のアニメやドラマも積極的に買い付けられていて、この前などテレビをつけたら地上派で『さよなら、絶望先生!』(中国名:再见,絶望先生!)が放送されていて驚きました(中国では地上派は膨大な数があるので、思わぬ番組がやったりしています。)。

漫画もかなり中国語訳されていて、僕たちの世代であれば必ず読んだであろう「スラムダンク」は全て中国語訳されて販売されています。ドラゴンボールや記事にもあったクレヨンしんちゃんも全て中国語での販売が行われています。他にもさりげなく曹操ガンダムがコンビニ(サミリーマート、こちらでは全家といいます)においてあったりと、上海では日本製のアニメや漫画は普通に生活の一部となっています。


一方で漫画は中国社会で思わぬ動揺を巻き起こしたりもします。一番有名なのは「デスノート」が政府当局によて規制された事件です。社会に悪影響を与えるから・・とか、青少年の育成に影響があるから・・といった理由が日本では言われていましたが、こちらの友人によると実際に小学生がマネをしたり、イジメが発生したから(こちらでイジメというのかはわかりませんが・・)ということです。
この辺りの日本製漫画とアニメ(中国語では動漫といいます)については、中国動漫新人類という本に詳しくまとめられています(まだ斜めヨミなのでいずれ詳しく取り上げたいと思います)

こんなに日本文化が浸透している上海で、日本語を勉強している学生たちは何を思うのか、あるいはなぜ彼らは日本語を勉強しようと思ったのか・・。明日は記事にふれられていないこんな部分について書きたいと思います(続く)

2008年4月 7日 (月)

健康は大切に・・・。

この一ヶ月、人事異動やら業績やらのストレスですっかり体と心をやられていたため、ブログの更新が滞ってしまいました。

きっかけは三月初旬。
ある日、突然尿道と膀胱が痛くなったのです。場所が場所だけに、人に言えない病気?と思ったのですが、あまりにも痛みがひどいので医者へGO。泌尿器かでパンツを脱いで検査をしてもらい、尿検査をしてもらったものの何も問題なし。

「ほっ」としたのもつかの間、一週間後にさらに痛みがひどくなりました。シャワーを浴びている時に突然右下腹部に鈍痛が。場所で言うと肝臓の下あたり。ローブローを食らったときの痛みに似ているような・・。
うーっむ、恥ずかしい病気でも何でもいいので原因を教えてくれ~と思って、今度はこの前とは異なる病院へタクシーを飛ばします。今回言ったのは上海市内、虹桥路・宋园路にあるファミリークリニックというお医者様。

かくかくしかじかで、という話をして前回と同じくとりあえず尿検査を。・・・・異常なし。

「では、前立腺のマッサージをして、再度検査をして見ましょう」

・・・前立腺マッサージってあの怪しげな・・・。

それから10分ほど、鈍い痛みと心の傷を文字通り「ほじくりかえされること」になりました。

・・・あれって知ってる人にしかわからない悲しみがありますね。なんというか・・・、なんで中国まで来てズボンを脱いで○○に指突っ込まれなきゃならないんだ・・・。ここまでして働くことに意味があるんだっけ。。などとものすごく悲観的な気持ちになったのでした。

さて、そんな痛みに耐えた結果も異常なし。小泉さんがの「痛みに耐えてよくがんばった!」の声が中国語で・・聞こえたりはしません。中国で小泉さんの話はタブーですから。

異常なしといわれても痛いものは痛いので、よくよく聞いてみると「ストレス性前立腺炎」という病気があるそうです。・・・同じストレス性でも胃炎とか腸炎のほうがよいです、よね。日本の友達に「俺、ストレス性前立腺炎やねん」って言ったら電話の向こうで爆笑してましたし。

「ストレスを感じない生活をしてくださいね」(医者)
「まあ、言葉も出来ないし無理ですね」(俺)
「ですよねー」(医者)
・・・ああ、なんて身がない。

そんなこんなで体に不安を抱えた毎日だったので、先日思い切って日本に帰って総合検査をしてきました。桜も見たかったし、卵かけご飯も食べたかったし。
結構しっかりした検査をしたのですが、結果はやっぱり異常なし。ただストレスで体が痛んでいるらしいので、これからはもっと慎重に生きる必要がありそうです。

ちゃんとブログを書いて、勉強もして、ジムにもいって。そんな生活をすればきっと健康も回復するはず・・・。
仕事さえ少なければなあ。。。

最後になりますが、今回の人事で、恥ずかしながら課長に昇進いたしました。今後はもう少し高い目線で中国を分析していきたいと思います!

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