中国全土が喪に服す -地震情報 その後のその後のその後-
中国四川省の大地震から一週間が経過し、すでに中国は落ち着きを取り戻しています。被害者数は死者だけで5万人、被災者はまだ確定していませんが10万人以上になるものと思われます。日本でも報道されているように、各地から救援隊が震源となった汶川や成都に向かっており、復興活動が始まりました。
中国国内の様子はというと、各地で募金が始まりました。学校や職場はもちろんのこと、レストランやカラオケなどの娯楽の場でも募金箱がおいてあります。テレビはほとんど全てが救助活動を伝える番組一色。日本でも伝えられたように、延々と募金を行った人間と募金額を伝える番組が流れています。ここでは外国系企業も当然のように名前が載るので、資生堂やその他の一般消費者向けの製品を作っている企業は募金を積極的に(あるいは行わざるを)行っているようです。外資系企業の最低募金金額は1000万元(約1億5000万)という噂がまことしとやかに流れています。
中国人の日本人への感情というのは大変揺れ動きやすいものなのですが、今回のようなときにいち早く募金を行うというのは、彼らにとって一つの「団結」の目安になるようで、方々で募金したかどうかを聞かれる上に、募金したことを伝えると「ありがとう!」と感謝されます。やはりというかなんというか、こういった時には中国人であるという強烈な団結心がよびおこされると言っていました。
特に今回の地震の舞台になった四川省の人たちは強烈に自分達が「四川人」であることを感じたといいます。もともと地域意識のはっきりしている中国ですが、こういった災害があると郷土意識が強くなり、同胞として何かをしなければという気持ちになるようです。
また中国全土は国の発表により、昨日より3日間喪に服すことが決定しました。昨日は上海でも地震のあった14時28分にサイレンがならされ、三分間街の動きがぴったりととまりました。車も路肩に止めて、クラクションを鳴らし続け誰も動かない中でクラクションとサイレンだけが鳴り響くという、ある意味幻想的な風景でした。
原爆投下や終戦記念日の黙祷になれている日本人とは異なり、今回のように国全体として黙祷をささげるという経験が初めてである中国人はその時間にはみなが歩道橋にのり遠くを見つめていました。もちろん、不思議な光景を撮影するためにカメラを回している人間もたくさんいましたが・・・。
この三日間は娯楽のようなものは一切禁止であるという通達が政府より出ましたので、例えば日式カラオケ(いわゆるキャバクラ)もお休みです。まさかこういうある意味アンダーグラウンドなところまで政府の力が及ぶとは・・・と、かなり驚いています。日本でも報道されたように各種HPも全て白黒で表現されており、サイトを開くとかなり不思議な光景を見ることができます。焦って色を落としているせいか、操作によっては色が戻ってしまうのは御愛嬌。日本で報道されているよりもはるかに多くのHPが同様の対応をしています。
僕が開発しているWEBサイトは、こういった動きがあることを察知できなかったため、当然のようにカラー表示が続いています・・・。実は今日になって中国人メンバーから意見があがったのですが、政治的な意味まで考慮して今回は対応しないことに決定しました。他の日系企業も対応は行っていないようです。単純に企業のHPとメディア系サイトを比較することはできませんが・・。
今回の地震については中国国内のBBSでも議論が沸騰しているのですが、最も今熱心に議論されているのが「募金の使い道」。さすが中国人・・というべきかどうかはわかりませんが、今回の募金は本当にちゃんと使われているのか、そもそもどのような組織が使うのか信用できないので、使い道を明らかにすべきであるという議論が展開されています。サイト系企業としては募金の呼びかけを行いたいものの、一方でそのような議論があるところでどのようにCSRを進めていくかというのは非常に難しいところです(こちらでは叩かれるときには徹底的にたたかれますので・・・)。
もう一つ言われているのは、これで四川はしばらくは復活景気にわくであろうということ。不謹慎である・・と日本人には言われてしまいそうですが、こういった視点もあるのも事実。特に四川には直轄市があるわけですし、政府としても協力をしている姿勢を出すためにも出費は惜しまないでしょう。今後莫大な利権が発生することが今から目に見えるようです・・・。
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