中国では長期休みに結婚式が行われます
昨日は建国記念・・・ということとは関係なく、長期休みということで行われた部下の結婚式に参加してきました。こちらでは、民族大移動のように長期出稼ぎに出ている人が多いため、こういった長期休みに結婚式を行うことが多いのです。
さて、中国といえばかなり欧米に近づいてきたというイメージがあると思いますが、結婚式に参加してみると、まだまだ中国は独自の文化をもっているのだな~と実感させてくれます。
まず、一番の違いは前撮写真の存在でしょうか?これは台湾発祥の文化らしいのですが、とにかくおしゃれ・・というか、日本人からするとちょっと奇抜な格好をして写真を撮影します。女性にとっては一生の思い出ということらしいのですが、日本人にはかなり恥ずかしい格好のものが多いです。とはいえ、結婚支出の1/10以上を占めることも決して珍しい話ではない、この前撮写真。こちらで結婚式をする際には必須なのです(リンク先は、上海で最大手の写真館、SOPHIAのHP)。とはいっても、結婚式会場ではあまり写真のことは考えなくて大丈夫。普通に参加すればOKです。
こちらの結婚式に参加する場合には、まず招待状がカップルから送られてきます。日本では招待状を発想する前には大体参加・不参加が決まっているものですが、こちらでは長期休みを利用して結婚式を行うために、参加・不参加は後から伝えても問題ありません。日本だと失礼にあたる・・・ってことになりますが、少なくとも上海では無問題。
会場にいったら、日本と同じく御祝儀をカップルに渡します。こちらではこの御祝儀のことを「红包」と呼びます。中国では赤い色は縁起のいい色なんですね。田舎の結婚式場にいったりすると式場が赤と金色ばっかりでかなり驚かされたりします。式場は、普通は10人がけのテーブル席なのですが、服装は日本に比べてかなり自由。正装でなくとも何も言われない・・というか、正装だと逆に浮いてしまうことが多いです。今回は浦东にある通茂大酒店という四つ星ホテルで結婚式が行われました。
こちらの結婚式は招待状に書かれている時間通り始まることはまずありません。今回も17時30分開始とあったのですが、実際に始まったのは18時15分ぐらい。みんなそういうものだと思っているので遅く来る → ますます始まるのが遅くなるという悪循環です。こちらでは何から何まで自分でやりたいカップルが多いので、最後まで新郎は走り回っていました。で、何とか18時15分には新郎・新婦入場により無事にスタート。
今回は参加してはじめて知ったのですが、いわゆる「結婚の誓い」を披露宴中に行っていました。「健やかなる時も、やめるときも・・・」というのを中国語で言っていたのですが、誓いをさせる人間はプロデュース会社の司会さん。ここら辺は、日本と同様に宗教に寛容なお国柄ということでご愛嬌。
中国語の結婚式では、お色直しは2回から3回というのが普通です。せっかくの機会なので、たくさんドレスを着たいという女性の気持ち+日本に比べてやたらドレスが安いという事情で(だいたいウェディングドレスが600元=1万円ぐらい)日本よりもお色直しが多いのです。
このお色直しなんですが、やたらと待ち時間が長いのが普通なんですね。で、そうするとどんどん参加者が酔っ払ってくる。もともと中国の結婚式はみんなで酒を飲むというのが大きなウエィトを占めるのですが、新郎・新婦もいないのに、みんな飲む飲む。料理もそれにつれて出てくるので、あっという間にテーブルの上がグチャグチャになります。日本の落ち着いたコース料理になれている身からするとまさに別世界。
驚いたのは3回目のお色直しの入場時に新郎・新婦が歌をデュエットして入ってきたこと。周りは酔っ払いだらけですから、大盛り上がりなわけですが、日本だったら絶対ないですよね。いやー、あれはかなり驚いた。
結局買いは9時ぐらいには終わったのですが、最後のほうはなぜかうちの会社のメンバーがステージで歌を歌っていたり、新郎は恒例の各テーブルお酒一気をやっていたりと無管理な状態で終了。こちらの結婚式は特に終わる時間も決まっていなくて、カップルとテーブルで乾杯が終わったら適当に帰っていいんです。なので、飲み足りない人はいつまでもテーブルで残っていて、気がつくと椅子を並べて寝てる人がいたり・・。
欧米化と伝統文化のハザマで繰り広げられる結婚式は中国文化を知るのにまさにぴったりの場所です。自分が結婚式をするときにはどうしようかな・・。
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