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2009年5月 8日 (金)

GWを前にして破産したクライスラーをあらためておもふ

中国でもGWに入るちょっと前(くどいようですが、中国のGWは3日間しかありません)の4月30日、米国自動車ビッグ3のひとつクライスラーが破産しました。

米クライスラー、「カーガイ」の不在が凋落招く(NB Online 5月1日)

偶然以外の何者でもないのですが、前回日本に帰った際に立ち寄った東京の丸善書店で買った「アイアコッカ わが闘魂の経営 (ゴマ文庫)」のことがちらっと触れられていたので、今日はちょろっとその本のことを書いておこうと思います。

わが闘魂の経営

NBOnline中の本文中にも触れられているように、著者のアイアコッカはフォードの社長までに上り詰めながら、フォード二世との軋轢からあっけなく解雇。その後クライスラーに移り、クライスラーを債権した経営者です。

何年もの間、クライスラーは心の中では車をつくるのが嫌いな男によって経営されてきた


これは著者がクライスラーに移った際に惨状を見て、思わずこぼす一言です。


僕は工学部の出身ですから結構昔から彼のことを知っていたので今回のビッグ3の問題とは関係なく興味をそそそられてこの本を買ったのですが(アイアコッカなんて名前珍しいですし・・)、普通のビジネス本を期待してこの本を買った人はきっとがっかりするでしょうね。文庫版の裏側には「今の時代を生き抜く知恵と勇気を示唆するビジネスマン必読の一冊!」とありますが、よんでみると知恵と勇気・・・のかけらはありますが、それよりも『闘魂』とか『闘争』という言葉がぴったりの内容です。

とにかく、功なり名なりを遂げた人というのは、少なくとも書籍の仲くらいはお行儀よくしているものですが、この作者の場合そんなことはまったく有りません。まず、ページ構成からして

・成功にいたるまでから転落まで==フォード時代の話は2/5ぐらい。
・クライスラーの再建がいかに大変だったかは残りの部分

と、普通のビジネスパーソンが知りたい栄達の部分はほんのわずか。いかに自分が大変だったか、クライスラーがむちゃくちゃだったか、そしてどうやって再建したのかを思いのままに書き散らしています。たとえば、政府との折衝とのくだりでは、アイアコッカの説明をほめた議員に対して、

融資をもらった恩に着たいのは、こっちのほうだ


と毒づき、債券団との折衝をつづった章のタイトルは、

銀行との闘争


と、何かの間違いじゃないかというようなタイトルがついています(これは翻訳なので原文を見る必要がありますが・・・)

一方時代を感じさせるのが、日米貿易摩擦華やかりしころの対日脅威論が全面を覆っていることと、巻末にシートベルトの安全性を熱くかたっている部分。日本ではエアバッグが標準装備になっている今から見ると隔世の感があります。


本を書いた時点ではまだクライスラーの社長だったのですが、彼を見ているとよくもまあ、こんなに戦い続けられるものだと関心せずにはいられません。中国の片隅で仕事がうまくいかない・・などと嘆くのがばかばかしくなるくらいその生き方にはまさしく『闘争心』があふれています。もちろんビッグ3の二社を率いていたわけですから、知恵も勇気も当然あるのでしょうが、苦境に陥った時にはとにかくあきらめずに立ち向かう事が必要なんだなぁ・・と教えられるます。

小難しいビジネス本に疲れた時に、スカッとしたい方にぜひオススメ。

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