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2009年7月 3日 (金)

人は『納得』しないと動かない生き物であるといわれておりますが。

何かタイトルだけだとまるで釣りのようなタイトルですが、この小さい(全体で50人ぐらい)の企業にいても同じことを日々を感じています。この『人は理解では動かず、納得しないと動かない』というのはそれこそ古代ローマの時代から、平成時代の経営者まで古今東西あらゆるリーダーが言葉を残しているのですから、ごく一般的な組織課題なのでしょう。

では、なぜこの『理解しても納得できない』という状況が生まれるのか、ということを考えるといくつかの場合があるように思います。

<前提としての仮定>少なくとも意見について理解できるということは、現状の情報レベルは同等であると仮定してよい。

<理由の仮説>

  • 今後起こりうる未来への想定確率が異なる。平たい言葉で言えば「いってることはわかるけど、そんな悪くはならないですよ」ということ。

  • 発言している対象への感情。平たい言葉で言えば「いってることはわかるけど、お前の言ってることは納得できん」ということ。

  • 理解してしまうと自分に起こるであろう負荷への不安から。平たい言葉で言えば「人間は本質的に変化を恐れる生き物である」ということ。

  • この3つの理由に対する方法はその組織の置かれている環境、そして発言者の権威・権力によって変わってくるのが当たり前である(言い換えればそういった外的状況が固定された場合に、どのような方法をとるのが最適か?を考えるのが経営というものであるように思う)。
    例えば、強い権力を持つリーダーでかつ社会的に許されるなら「俺の言うことを聞け!聞かないやつはクビ!(ひどい場合には死刑)」と対応方法だってありだろう(ちなみに「あなたの言うことをは納得できないけど、あなたが納得できないということを表明する権利は尊重する」というのが民主主義の根本的な考え方なので、日本というのは本来の意味では民主主義の考え方は受容できていないのでは・・と思います。まあ、これは別の話)。

    他にも未来をわかりやすい形で示すというのもあります。確かに明確に未来を見えるようには出来ないけれど、どんなにツールがITに変わりライフスタイルが変わろうとも、人間の思考もそんなには変わらない。歴史を勉強するのは結局そういう事例やセンスを磨くためなんだと思います(下手をうつと、このまま行くとこんなに暗い未来が・・みたいな一個めと変わらない対応方法になってしまうのが、この方法の難しいところですが)。

    いずれにしても、リーダーというのはいかにこの「納得」とか「腹に落ちる」という状況に持っていくかが重要。ここはもう完全に人格やスキルを総動員しての戦いになります。


    ・・・・と頭ではわかっていたのですが、いざ自分がその立場になってみると実践はとても難しい。というか、正直言うと50人ぐらいの小規模の組織ではそんなことにはならないと思っていたんですね。

    例えば、自分がとあるグローバル企業で経理の仕事をやっていたとしましょう。自分の所属している部門は多少苦しい時もあるが、若干の黒字を出しています。どうやら世界中で競争力がなくなってきているので、会社自体は厳しいらしいがそれでもうちの部門は大丈夫と安心していました。
    ところが本社のリーダーが変わった瞬間にこの部門の閉鎖が決まり、社員は全員解雇と決まりました。どうやら本業とシナジーが出ない仕事は全て閉鎖すると決まったようです。


    ・・・こういう例なら「頭では理解」出来ても「納得」できないという状態になるのは十分にわかります。戦略として論理的に妥当性があるな==理解できたとしても、なぜその戦略を選択したのか==納得は難しいでしょう。なにせ、決めたのは遠い本社で、当然自分のことなど見たことも聞いたこともないどこかのお偉いさんなわけですから。「何もわかってないくせに!」と納得できない状況になると思うんです。


    でも、今のうちの会社の状況はそういうのとは違う。数字も全て見えていて、ほとんどの情報も共有されていて、会社の状況と自分の状況がダイレクトにつながっている。そのような規模です。それでも、やはり見ている世界が人によって異なるし、対応への危機感も異なる。

    そういったことは正直言って僕の想定にはなかったことです。
    確かに組織は規模によって問題解決方法は変わります。しかし、問題の質自体はそれほど変化がない。というのが、このごろの私の気づき。
    そしてそれに「気づいた」以上、どのように対応していくかは今度は「私の」問題になります。ということで、来週以降はこの「自分の問題」に取り組んでいかなければならない。それが09年3Qを迎えるに当たっての所信表明となります。

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