Kindleが日本で発売、中国では依然未対応
昨日、Amazonから世界各国でいっせいに電子書籍リーダーのKindleが発売されました。
Amazonのページにたまたまいったら、TOPページから気合の入ったメッセージが。こういうプロモーションが出来るのがすでに「Amazon」が発売することの意味を感じさせますよね。
Amazon、電子書籍リーダー「Kindle」を日本など100カ国以上で販売(NB online)
日本では電子書籍・・というと失敗の歴史というイメージがありますが、今回のkindleは数年後には市民権を得るのではないかと期待しています。というのも、これまではメーカー主体とは違い、今回は既存の「本屋さん」が主導権を握っているという点があります。
こういった「生活スタイル」を変えるようプロダクトは、やはりプロダクトだけではなくコンテンツを作ることがナンボの世界。本屋という垣根を越えて、すでに社会インフラの一部となりつつあるAmazonなら、これまでとは違う普及の方法を薦めることが出来るのではないか・・という期待があります。
さて、そんな期待を個人的にもっているKindleですが、残念ながらというか当然ながらというか中国では発売がされません。ちょうどメディアパブでも、Kindleの発売地域に関する話題があったので、リンクを張っておきます。
アマゾンの野望,キンドルで電子書籍市場の世界制覇を(メディア・パブ)
このKindleの発売ですが、正直いって相当先になるものと思われます。記事中にもありましたが、その主な要因はやはり規制。
- 中国では、インターネットを通じて定期的に情報を配信(ニュースを配信)するためには、当局に許可を得る必要があります。一部規制緩和により外資系でもその許可を得ることができるようになったとはいえ、英語情報の配信がOKになるには相当時間がかかるでしょう
- 雑誌文化は花開く前に終わってしまったと思えるような上海と北京(大都市部)ですが、フリーペーパーは非常に活発(これはライセンスの問題もあります)。新聞なども実質的に無料で手に入る中国では「外国製の電子ブック」への業界の反発が大きいと想定されます。どうしても電子ブックが必要となれば、国営企業が開発するのでは?
- 情報更新の問題。現状でも米国へのサーバーへの接続は厳しく制限されているので、情報を更新しようにもサーバーに接続できない可能性が大。国内にサーバーをおく場合には、1の制約を受けなければならない
上記のような理由でまだまだ僕がKindleを手に入れるのは先になりそうなのですが、実は上海であれば今でもニュースをデジタル媒体で読むことが可能です。もちろん携帯も利用できるのですが、もっといいデバイスがあるのです。
それは、PSP。どういう技術を利用しているかはわからないのですが、こちらでPSPを改造すると記事を配信しているサイトからニュースをDLすることが出来るのです。もともとSonyがPSPを発売する時にはゲーム機だけではなく、ライフスタイルの横にあるもの・・というのをイメージしていたはずですが、まさか中国で(違法とはいえ)それが実現されるとは、発売当時は想像もしていなかったでしょう。
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