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2009年10月 6日 (火)

【書評】よくわからない国のドラマのような政治の話 -サルコジ"マーケティングで政治を変えた大統領"-

長い休みは今までたまっていた本を読むチャンス!とは思うのですが、積み重なっている本を見ると語学の勉強だったり、経済学の本だったり、はたまた仕事に直結するようなSEOの本だったりと、手を伸ばすのがついはばかられるよな本ばかり・・・。そこで、軽く読めるものとして選んだのが、本日紹介するサルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領 (新潮選書)
です。

サルコジ マーケティングで政治を変えた大統領

この本を手にしたのは、チェックしている元日本マイクロソフト社長の成毛真さんのブログ激烈にほめられていて興味がわいたからです。成毛さんのblogは熱いというか情熱がほとばしるというか、コメント欄がすさまじい長さになるので毎回楽しみに読んでいます。コメントのやり取りなんて、なんていうか寺子屋のようなイメージですね、説法というか問答というか・・・(それにしてもfounderというURLもすさまじい。よくこんなの残ってたな・・って誰もとろうとしないんでしょうか??)


本書の紹介は成毛さんのblogを読んでいただければそれでおしまい!というぐらい綺麗にまとまっているんですが、それではあまりにもあまりにもなので、簡単に紹介します。
タイトルには「マーケティングで政治を変えた大統領」とありますが、そういった理論的な話を期待すると肩透かしをくらいます。むしろ、名前は知っているけどよくわからん(と想像します)フランスの政治と大統領のソープオペラのお話・・・といったほうがいいでしょう。

第一章から第三章までは主に現在のフランス大統領であるサルコジのプライベート部分が描かれます。なんといっても大統領の奥さんがスーパーモデルであることが驚き。日本でイメージすると首相の奥さんが元宝塚のTOPスターというところでしょうか・・・、あ、でもこれならありそうですね。
さすがフランス人というかなんと言うか、結婚/離婚の繰り返しで、よくこれで家族という概念が保てるな~というのが一番の感想。日本でも離婚が増えてきているとはいえ、まだここまでではないですよね。

第四章~第八章までは主にサルコジの政治部分の話が描かれます。といっても政策の話はほとんどなし。「いかに自分を有権者に売り込むか?」と「いかに権力を握るか?」という部分に焦点を絞っての話が進んでいきます。例えば、フランス国内の新聞社にサルコジの上半身裸の写真が掲載された時には、おなかの脂肪が修正されていた・・とか、まあそういう話です。ここで笑える人はこの本がはまるのではないでしょうか。。


個人的には、成毛さんが(個人的にも友人の恩師ということで尊敬しています)激賞しているところ申し訳ないのですが、僕にはあまりに話が軽すぎていまひとつ楽しむことが出来ませんでした。こういう味を楽しめるにはもう少し年をとるか、もう少し余裕を持った人生でないとダメでしょうね。


ただ「楽しむ」という観点からはイマイチでも「勉強になる」という観点からは、かなりの高得点です。まず、フランスという国は、僕にとって未知の国。第二外国語はスペイン語でしたし、卒業旅行で4日間だけ滞在したことがある・・・というだけの接点なので、本書にかかれていることは非常に新鮮でした。

  • 地方首長と国の議員・政府を兼務することが可能なこと

  • 一部のエリートが動かす国だということは知っていましたが、それが想像以上に狭くかつ濃密であること

  • 極右・極左という対立軸が未だに残っていること

  • 報道機関が大手財閥に保有されていること

  • などなど・・・・。

    読んでいる最中何度も、僕の友人がフランスに住んでいるので昔話を聞いたときに「不便だし、アジア人は差別されるよ~」といっていたのを思い出しました。やっぱりヨーロッパは階級社会なのかな・・とかも思ったり(安易な一般化はよくないですが・・・)。


    僕が住んでいる中国は共産党が唯一の党であるということで、いろいろと世界から批判を浴びたりしますが、この本を読んでみると批判する側の国もすねに傷がないわけではないんだな・・というのがよくわかります。問題の程度の差こそあれ、どこの国でも似たような問題があるわけで、僕のように中国にどっぷりつかってしまっている人間からすると、「文化」により社会が固定化されてしまっている環境と、「制度・システム」によって社会が固定化されてしまっている環境では、システム・制度のほうが変更可能な分まだ救いがあるのではないかとも思ったりするのですけど・・・。
    (ただ中国の場合、基本的な価値観が欧米諸国とは大きく違うので、そこは変更できない気もしますが・・・)

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