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2010年2月13日 (土)

今後10年間でマーケティングの世界で必要になりそうなこと(妄想)

まだ頭の中でよく考えをまとめきっていないし、Flashアイデアでしかないのだけど、なんとなく昨年一年間を通じて考えていたことを、メモ代わりに記録しておこうかな・・と。

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中国で日系企業と働いていて一番多い案件は、日本の製品やサービスを中国で広めたいのでWEBを作成してください、という依頼だ。対象は会社そのものである時もあるし、単体の商品であることもある。
海外事業を行おうというぐらいだから、それなりにマーケットリサーチも行っているし、やりたいこともなんとなくはわかるのだけれど、じゃあすんなりプロジェクトが進むかというとそんなこともない。

プロジェクトを進めていく時に最も困るのが、商品とかサービスとかあるいは会社自体が、これまでの環境やターゲット -端的にいって日本人-にフォーカスされていることが明確になった時だ。広告やビジュアルをいくらいじっても「モノ」そのものがもつ方向性やメッセージングを変えるのは容易ではない。無理やり作成をしたとしても、何かしら「嘘」が混じったものになってしまう。

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広告や狭い意味でのマーケティングの基本は「誰に」「何を」「どのように」伝えるかだ。そして伝えなければならない「モノ」が既に決定している場合には「誰に」「何を」「どのように」の半分は既に決定してしまっているといっていい。どんなに優れたマーケターでも、携帯電話が使えない星ではiPhoneを売ることができないだろう。

つまり、これまでの仕事で僕が直面していた問題は「日本側での設計・商品プランニング」と「中国側での広告販売プランニング」の差異をどのように埋めるのか?という問題であると言い換えることが出来る。我々から見たら顧客(クライアント)は一つの会社である。なのに、部署や国が異なると考えていることが異なってしまうのだ。


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広告やマーケティングは広い意味で communication と捉えることができる。企業は様々なtouch point(最も強いものは商品そのものである)を利用して消費者とcommunicationを行っているのだ。このとき、商品と広告の方向性が異なっていたら、いったいどうなるのだろうか?消費者から見たら支離滅裂になってしまいはしないだろうか?

この一年制作(Production)の現場で働いていて、このcommunicationにおける企業側の齟齬というものを強く感じるようになってきた。どのような戦略も最終的には「商品」「CM」「広告」「営業販促物」などの「モノ」や、「sales talking」といった「コト」におとしこまれる。だとしたら、本当に重要なのは戦略だけではなく、それがいかに末端の「コト」「モノ」で実現されるか、ではないだろうか?

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もちろんこんなことを考えているのは僕だけではないし、何も新しい考え方ではない。でも「誰に」「何を」「どのように」伝えるかをもう一度考えた時に、今後10年「何を」が最も重要になってくるのではないか・・とこのごろ強く思うようになった。多様化、国際化した世界では「誰に」を切り取るのは容易ではない。また、インターネットのおかげで今や「どのように」の変数は複雑さを増すばかりである。もはや企業も人も communication を完全にコントロールすることは出来ない。

だとしたら、せめて自分たちが伝えたい「何」を磨くことは出来ないだろうか?そしてそれはある単体のCMや表現ではなく、組織全体を貫く一つの(あるいは少数の複数の)messageでなければならないように思う。商品部門と営業部門の差、日本と海外の差をどう埋めるのではなく、一つのmessageをどのように表現するか、を考えなければならないのだ。

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企業においてはこのmessageをビジョンとよぶところもあると思う。だが、僕の考えているのはもう少し下流の話だ。例えば販促資料、あるいはsales talking、あるいは店頭装飾など最終的な「コト」「モノ」に落ちる瞬間、その瞬間の底に流れる一つの串こそ僕の考えるmessageである。

これまでマーケティングの世界は市場をどう捉えるかが最も重要だった。今後10年間、あるいはそれ以降の期間においてマーケティングにおいて最も重要なのは、自分とその有機体が発するmessageであると思う。そして広告会社とは違ったアプローチからそれを支援する方法は必ずある。

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