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2011年8月31日 (水)

Responsibility Leadership を定義する

Term1の最初の一週間はLeardership Responsibility Program(RLP)に関する授業が重点的に組まれている。なかなか日本語に訳しづらいのでこのまま英語で表記するが、CEIBSのTerm1(12月中旬まで)を使いきって取り組むプロジェクトになるので、授業で触れた内容を簡単にまとめておこうと思う。

■ Sustainable Developmentとは ■

Sustainable Development(持続可能な発展)は今では日本でもかなり普及している概念で、上場企業であればほぼ全ての企業が「環境レポート」とか「CSRレポート」を出していることだろう。そして、少なくとも国際的な会議などでは、このSustainable Debelopmentは言葉として厳密に定義されている。

“Humanity has the ability to make development sustainable sustainable——to ensure that it meets the needs of the  to ensure that it meets the needs of the present without compromising the ability of future  present without compromising the ability of futuregenerations to meet their own needs”
(意訳:将来世代の要望を満たす能力を犠牲にすることなく、現在世代の要望にこたえるような経済的発展)

授業では企業が具体的にSustainable Developmentを行っている例として、次のような例が取り上げられた。

  • AppleのSustaible Report:
     Appleが環境問題や人権問題を改善するためにサプライヤーと行っている取り組みを報告している(ここからDL可能)。ただし、ちょうどこの授業をやった頃に、中国側から活動への疑問、および批難の声が出てきたので現状ではもう少し詳しい情報が必要(いずれ調べて書く予定)。

  • Walmartの環境イニシアチブのケース:
     Walmartが2000年代半ばに策定した環境対応をメインとした事業戦略のケースを学ぶ。少なくとも文献上では非常に上手くいっている例として取り上げられていた。

このSustainable Developmentを企業側から考える時に最も重要なことは、「持続的発展を追求することは企業のリスクを抑える活動である」ということが根本にあるということである。言いかえれば、持続的発展というのは「企業が成長し続けるために対応しなければならない事項」であるということだ。

授業では、CSR活動の一環として事業に関係ない分野に寄付をしたり地域貢献をすることは「Philanthropy(慈善活動)」であるとして、明確に区別をする※1。この授業で学ぶべき内容は、この一見すると反対の方向を向いているような目標を企業戦略に組み込むために、どのように戦略を構築すればよいのか・・ということである。

■ Leadership Responsibilityとは  ■

Sustainable Development(持続的発展)が定義されると、次にそれぞ実際に実行に移すことが出来る人材が必要となる。その人材に必要とされるのが、Leadership Responsibilityである。

Sustainable Developmentのところで触れたように、現在のビジネスリーダーは各Stakeholder(たぶん日本語でもステークホルダー)を意識して行動すべきであるとされており、リーダーはこのステークホルダーに説明責任を負わなければならない(この部分をResponsiblityと定義する)。

Leadership Responsiblityではさらに一歩進んで、具体的に取るべき行動とは何か・・・ということを定義する。

  1. リーダーはヒトを含む組織のシステムを常に改善(Change)し続けなければならない。

  2. 常に組織が設定する目的に沿って行動をしなければならない(長期的目標と短期的目標の一致を図らなければならない)

  3. 常にビジネスの現場でリアリティーをもって行動しなければならない。

この中で日本人にとって最も大切なことは、三番目だと考えている。CSRや環境対応はあくまで「組織が長期的に利益を上げ続けるために」行うのであり、事業目的や利益を度外視して行うわけではないということだ。
「社会的貢献」と「組織の利益・成長」は両立可能であるという前提に沿って、リーダーはそれを実現する方法を考えるのだが「理想的すぎる」ことは危険であるということが繰り返し強調される。もちろん理想を持つことは当然のこととして、これからの企業活動ではその理想をどのように日々の業務までおとし込むことが出来るのか?がリーダーに求められることなのである。

■ CEIBSにおけるRLPの位置づけ ■

エンロン事件やリーマン・クライシスを代表例とすればわかるように、近年の大きな経済的事件にはTOP MBAスクールの卒業生が関わっており、MBAはその倫理的側面について批判を受けている。その批判にこたえるように、近年はほぼすべてのMBAで「企業倫理」や「持続的発展」のような授業を用意している。

CEIBSでも昔は授業形式でこの問題を教えていたようだが、2008年から授業よりも実践的プロジェクトへと徐々にシフトしてきており、年々企業スポンサーなども増加している。正直なところではTerm1はかなり忙しく腰を据えてプロジェクトに取り組むことが出来ないため、学生からの評判は毎年あまり良くないらしい。

一方「中国にあるビジネススクール」として学校側としては独自性を打ち出すことが出来る分野なので、企業スポンサーの獲得も含めて積極的に推進している。中国は先進国に比べて環境問題は深刻だし、社会的な活動という面でも、さまざまな制約からかなり遅れている。大陸TOPスクールとしては取り組むべき活動であると個人的には思う(ただしどれくらい自分のためになるかは、結構疑問もあるのだが・・・)

授業では上に紹介した以外にも持続的発展の例をいろいろ取り上げたり、工場見学やらゲストスピーカーやらがふんだんに用意されている。その全てをここに書いていくことはできないのだが、例えばYou Tubeのようにオープンになっている情報はこのblogで伝えていきたい。

You Tube: Clever Little Bag by PUMA and FuseProject - Extended


※1・・・とはいえ、どこまでが自社の活動に影響を与えて、どこまでが影響がないか・・ということを明確にするのは簡単ではない。

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