第11週目終了! - 自分イメージがcomfortable placeになる時-
本日でMBA生活も第11週目が終了。Term1の残り授業日程も三週間となり、いよいよラストスパート開始という気がしてきた(しかし、その後にテスト期間が二週間ありプロジェクトもあるので、Term1が実際に終わるのは12月17日)。
今週は先週とは違い、宿題(アサインメント)の数も少なく、また授業も少しは余裕がある日程だったので、落ち着いて準備をすることが出来た。ただ朝晩が非常に寒くまた暖房がまだつかないため(セントラルヒーティング方式)、鼻風邪を引いてしまい金曜日・土曜日はずっとグズグズいう羽目になってしまった。
先週はフリーライダーが増えてきた・・という話を書いたのだが、今日はこの頃になって見えてきたクオリティの課題、それから授業への参加の話を簡単に紹介したい。
■ 授業への貢献?自分の意見? ■
MBAではCEIBSに限らず「授業中の発言」というのは成績評価の中で、非常に重要なポイントである。各授業の第一回では、授業中の発言がどのくらい評価基準になるかということが明示される。だいたいテストでは高得点を取るメンバーはほぼ似たような点を取るし、それぞれのグループ課題でも差が付きづらいとなると、最後は個人の発言ポイントが成績に効いてくる※1。
この授業中の発言だが、とりあえず何でも発言をすればいいというものではない。「議論を前に進める」発言、あるいは「学生の理解が進むような」発言が好ましいとされており、簡単にいえば貢献度(contribution)が求められるのである。
・・・と言うのは簡単だが「じゃあ、貢献度って何なの?」というとこれはもう、聞いてみるまでわからない。我々のクラスの場合大体半分ぐらいの学生はテキストを読んでいなかったり、話を聞いていなかったりで「言いたいことを言う」という感じで、個人的にはそういう発言はそれほど貢献度は高くないだろうと思っている。
Term1が始まったばかりのころは、みなそれなりに参加をしようとしていたのだが、現在はもうすっかり落ち着いていて「毎回意見を言う人間」「特定の授業で発言する人間」「全く発言しない人間」の三種類に分かれてしまっている。これは自然の流れ・・というか、授業を重ねる中で自然と固まってくるもので、さすがに全く発言しないような学生を教授も指名するようなことはなくなってくる。
全く発言しない学生・・というのは貢献度と言う意味で確かに物足りないのだが、反対に「毎回意見を言う人間」というのも、別の意味で授業への貢献度が足りなかったりするので、厄介である。発言が必ずしも+な意味とはかぎらないからだ。
さらにこの頃では、すでにTerm1が始まって7週間がたっているので、学生側も教授側も「○○はまた××のような発言をするだろう」のような期待値というかフレームが設定されてしまっており、その雰囲気に自らが乗ってしまっているような雰囲気もある。はたから見ていると、自分で自分の首をしめているような気がするのだが、自分でも抑えることができないんだろうな・・というのも同時に感じていて、結局特に何も言わずに見ている。
こういう状態は実際のビジネスでもしばしば起こるのではないかと思っていて、自分の行動のFBにより自分が想像している以上に行動がエスカレートしてしまっているのではないだろうか。何事も最初が肝心であり、会社なら定期的にリセットできるかもしれないが、短い残りTermではもはやこのまま進んでいくしかないのかもしれない。
■ 上がる?上がらない?クオリティ ■
課題のクオリティについても同様のことが起こっている。
どの学生も最初は自分のかけた時間に対してどのくらいのグレード(評価)がつくかどうかわからないので、それなりに時間をかけるのだが、ある程度評価をもらいだし友人たちの評価を見ると、だいたいどれくらいの時間をかけてどれくらいの理解であれば、どれくらいの評価がつくのか・・・というのが見えてくる。
こうなってくると、それなりの数の学生が「自分への期待値」を自分で設定してしまい、「最低限の労でそれなりの点数」を求めている学生が出てくる。
もちろん、これは個人としては全然構わないのだが、グループ課題の場合には「より向上したい学生」と「それなりでOKの学生」の間で摩擦が生まれることになる。
もう終盤になったTerm1であるが、だいたいどのグループも「しっかり気合いを入れて作業をする人間」というのは固定化されてきていて、少しずつ、本当に少しずつであるが学生間の差が固定化し拡大してきているように見える。
MBAというのは単純に成績を取るために来ているわけではない学生も多いので、成績以外の部分に時間を割くのも尊重されるべきだし、実際問題はないと思っているのだけど、はたしてビジネスの世界に戻った時にそれでいいのかしら・・と心配になる時もある※2。
■ 自分というcomfortable place ■
MBA生活が始まった時、自分も含めて学生の関係性と言うのは真っ白で、どんな方向性にも可能性はあったのだが、すでに11週間たつ今となるとそれなりに固定化されたイメージと言うのが出来つつある。また、自分の行動もそのイメージに沿っていればお互いに心地がよいものであるので、結果的にそのイメージは強化されていくことになる。
こういった状態は一つの安定状態(comfortable place)なので、自分の強い意志がないとそこから出ていくことはなかなか出来そうにない。
別に出る必要がなければそれでもよいのだけれど、個人としてもだいぶMBA生活も安定してきた今、もう少し違うことをやってみる時期に来たんではないだろうか・・と感じている。確かに学校のスケジュールとはあっていないし、早すぎるだろうという気もするが、自分が感じた時に動くのがベストだというのが僕の信念。
ということで、本当にちょっとした動き -学外まで人に会いに行く、就職活動を本格化させる、中国語へ割く時間を増やす、etcー を来週ぐらいから増やしていきたいと思っている、そんな第11週目の日曜日であった。
(といったそばから課題が増えて爆死する可能性も多いにあるが。)
※1・・・Term2までの個人成績が交換留学の行き先を左右するので、TOP校への交換留学を狙っている学生はグレードへの執念がかなり高い。自分の場合は就職を第一に考えて交換留学の予定がないので、成績は目標であるというスタンスでいる(もちろん努力はするが)。
※2・・・余計なお世話と言えばそれまでだが、学卒社会人3年ぐらいだとまだ25歳とかなので、ついついおっさん根性を発揮してしまう時がある。
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