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2011年10月11日 (火)

ビジネスの目的 -エグゼクティブに至る5つの思いこみ-

MBAという場所では、定期的な授業を持っている教授以外にも頻繁に外部から講師が訪れてくる。特にCEIBSはEMBAが非常に強いので、アカデミクス方面だけではなく実際のExceutiveやLeadershipプログラムの人が講演(短期授業)に来る。他のMBAでもこういった外部講師による講義は行われているはずだが、CEIBSに来る方は「CEIBSにこれまで全く縁がなかった」人が多いというところに特徴がある。中国に接点をもちたいと思っている講師側の要望に、うまく中国大陸No.1のMBAというのがはまっているというところだろうか。

今日はアクセンチュアのboard memberを務めているMs.Blythe J. McGarvieと言う方が来て、1時間ほどの講義を行ってくれた。昨日がテスト、今日はかなり重いグループプレゼン、水曜日もテストと言うことで非常に眠かったのだが、せっかくのチャンスなので気合いを入れて出席したのだがすごくいい内容だった。

彼女はFortune 500企業のCFAを務めた後、Leadership教育に転じて、今では自分の団体を率いて世界各地で教育活動を行いながら、多国籍企業のboard memberも兼ねるという非常にパワフルな女性だ(彼女のHPはこちら)。
確かに全然予備知識を持たずに話を聞いていたのだが、そのエネルギー量というかオーラを感じることが出来て、正直言うとなるべく近くによりたくないぐらいだった(非常に恐かった)※1。


講演のタイトルは「Shattering Five Myths with Courageous Decisions」で、学生たちが勘違いをしているエグゼクティブに関する思いこみを一つ一つ訂正していくという内容だった。ちなみに3とか5という数字はこういった講演や小記事では良く出てくる数字である。


[思いこみ1] エグゼクティブは経験を積めば積むほど、自分に自信を持ってくるものである。
  → よいエグゼクティブほど毎日新たな認識を積み重ねている。

これは日本でもよく聞く話ではないだろうか。より経験を積んで高い地位になるほど、日常の些細なことからより多くのことを学んでいかなければならない・・ということを語っていた(『毎日腕をつねるように新しい発見をしなければならない』と表現をしていた)


[思いこみ2] 努力とハードワークがエグゼクティブへの道である。
  → 努力は当たり前で、自分をMarketing出来ない人間は絶対に成功しない。

これは逆に日本人には苦手なところだと思う。どのような職業でもそこにはMarketがあり競争があるので、自分という人間をいかに売り込むか(Marketingするか)を考えない限り成功はあり得ないということである。努力をすれば誰かが見ていてくれる・・・と考えることが多い我々(自分も含む日本人)とは発想が違うのだ。


[思いこみ 3] 仕事は繰り返しで毎日がだんだん退屈になってくる。
  → あらゆる場面でCreativityは発揮できる。
[思いこみ 4] 仕事で重要なのはテクノロジーの発展についていくことである。
  → テクノロジーではなく人間関係こそが何より重要である。
[思いこみ 5] リーダーの仕事はより大きな内容に取り組むことである。
  → リーダーは決して人とふれあえる部分では手を抜かない。

3~5は何を当たり前のことを・・と思う人も多いかもしれないが、この話をしている相手がMBA学生だということを忘れないでほしい。多くのMBA学生は「ルーチンの仕事から抜けだしリーダーとなるために」MBAに入学し、「リーダーの仕事はビジョンを作り人を動かすことである」と教わり(これ自体は間違っていない)、「テクノロジーの発展やinnovationこそが成長の源泉である」と日々聞いているのである(これ自体も間違っていない)。


今回彼女が伝えたかったことは、MBAを卒業した後に期待されているであろうリーダーといえども、決して特別な仕事をするわけではなく、basicな部分では「仕事をする」という意味ではなんら変わらないのだということだというように僕は理解している。


もちろん上の話は大幅に内容をまとめており、実際には各部分で具体的なエピソードが挟まれていたのだが、それよりも僕個人としては講義の枕部分とQ&Aのほうがずっと興味深かった。

まず冒頭で「人が成功するには具体的な目標を定めなければならず」「なぜそれを自分がやらなければならないのか?」を考えなければならないという話しをしていた。この話もよく聞く話だが、彼女はなんと11歳の時にCPA(米国公認会計士)になろうと決めたのだという。しかも理由は、女性と言えばMarketingとか事務とかばかり勧められるので、自分の能力を証明するためにも会計の世界で自分の実力を証明したかったから・・・。

この話を最初に聞いて、ああ、やはりこんなオーラを持っている人は小さい頃からパワフルだったんだな・・ともうその部分から気後れしてしまった。自分の場合は・・・14歳で海外で働こうと思ったけど、そこまで強い意志ではなかったしな・・・(とはいえ、一応実現はしたのでラッキーなことこの上ない)。


Q&Aの部分では色々な質問が出たのだが、一番おもしろかったのは直球の質問で「なぜあなたは成功したのですか?」というもの。この回答自体は平凡で「常にビジネスを成功させることだけを考えてきた」からというもの、でもそこにつけたした「CSRとか環境とかそういうことを言う人が今は多いけど、ビジネスの目的はまず『会社を繁栄させること』なの」、この一言こそ素晴らしいと僕は思う。

彼女は現在はリーダーシップ教育を行ってるように決してビジネス一辺倒の人間ではない。それでも、ビジネスはまず勝つことが重要である・・と言いきるというのは、当たり前であってなかなかできることではない。
確かに授業やケースで学ぶCSRや環境問題への取り組みというのは「強い会社だからこそできること」というのがたくさんある。そこにはより大きな存在や影響力がある存在になれば、より良いことが出来る、という強い意志がある。


もちろんそれぞれの場所で、それぞれが取り組むことに意味がないというのではない。そうではなく、MBAという場所にいる人間として(MBAも大分一般的なものになってきているが)安易に「できることをやる」という逃げ道を用意せずに、常に挑戦を続けることに意味あるのだと、そういうように僕は理解している。



※1・・・別に怒っているわけではなくて、立ち振る舞いから出てくるオーラに圧倒されたというのが正直なところ。ちなみに今までの人生一番ビビったのは、松本大さんの講演でちょっと微妙な質問を友人がした時である。

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コメント

今、不本意にも原発のやらせで一躍有名になってしまったわが社の社長の行動を思い返しながら読ませて頂きましたが、非常に納得でした。

特に5つめの人と触れ合う部分で手を抜かないはその通りで、お土産一つに非常に気を遣われます。

その細かな気遣いが人と人とを結び付け、更なる良好な関係・新たな事業の展開と、好循環を生み出していくんでしょうね。

勉強になりました!
テスト、頑張ってください!

コメントありがとう!
技術はドンドン進化してるし、知識はすぐに真似されちゃうから、結局「自分」という人間で何が出来るか・・というのが重要なんだという気がしてるよ。

きじまもなかなかタフな環境っぽいけど、頑張れ~。実は九州には行ったことがないので、そのうち行きたいと思っているのです。。。

是非遊びにいらして下さい!

>結局「自分」という人間で何が出来るか・・というのが重要なんだ

まさしくその通りだと思います。
人と人との関係って一筋縄じゃないですもんね。

人間力で勝負できるようになるべく、私も日々修行中です。

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