第15週目終了! -勉強しかできない一週間-
今週は授業は全くなく、翌週のテストに向けてひたすら勉強の毎日だった。大学時代、大学院時代は基本的にテスト勉強と言うのは一人でするものであって誰かに聞いたりするものではなかったのだが、ここではとにかくみんながグループを作って勉強している(確かに見ているとその方が効率がよい部分もあるとは思うが、個人的にはこういう答えが一つしかないような問題の場合には、あまりプラスにならないような気がする)。辛いことはみんなで乗り越えようという姿勢がビシバシ伝わってくる。
面白いもので、日ごろは無理やり英語を使ってコミュニケーションをしている我々でも、こういう「本気で理解しなければならない」時になると、それぞれ母語が共通の学生で固まっている。ある部屋では韓国人グループが韓国料理を食べながら勉強をし、ある部屋ではインド人グループがカレーを食べながら、ああでもない・こうでもないという話をしている感じだ。統計学をフランス語で教え合っているグループとか見ると、フランス語はこういうところでもおしゃれだな・・と妙に感心してしまう。
では、我々日本人は・・・というと、なにせ二人しかいないわけで、しかも二人とも個人で勉強をした方が効率が良いと思っているので、グループを作って勉強するということもなく、どこかのグループに吸収されて勉強している。ちなみに僕が吸収されているのは台湾人+香港人グループ。感覚が何となく似ているし、彼らは英語と中国語をおりまぜて会話するのでどちらの勉強にもなる。
■ そんなに難しくない・・・と思うよ? ■
このStudy weekというのは当たり前だが「やったことを聞かれる」テストである。そしてMB Aというのは毎週毎週宿題があるので、基本的には基本的には一通り全てのことを一度はやっているはずである。
思い返してみると大学の時、特にに1・2年の時の教養必修テストは死ぬほど難しくて、毎回泣きそうになりながら勉強をしていたわけだが、あれは授業にほとんど出ていなかった結果であり、今回とはそもそも条件が違う※1。その上、確かにスピードが速いとはいえ、内容はEconomics(経済学)・Accounting(会計)・Statistics(統計学)と大学教養レベルの内容であり、取り立てて理解が難しいという内容ではない。
しかも全てのテストが何らかの資料を持ち込み可能であり、school側も「落とすための」テストではないようにしている。極論すれば、今までちゃんとやってれば、それなりの努力でそれなりの点数を取ることが出来るように設計されているテストである。
ということで個人的には「そんなにテストとか難しくないよね・・?」と思っているのだが、そういうことをいうと、すぐに「年取ってるから違うんだ」(でも記憶力は悪くなってると思うぞ)、「大学院まで出てるから楽勝なんだ」(確かに統計学はそうだと思うが、他は同じレベルだよ)とか「日本の大学教育は優れているからだ」(日本の識者と呼ばれる人たちはそういうことを言った試しがないよ)と色々言われるので、黙って勉強をしている。
■ 助けあうのは当たり前 ■
このTerm1の成績は、大陸生まれの中国人学生にとっては最大の目標の一つであると思われる「交換留学」がかかっているため、ものすごい努力を傾けている学生もいるが、そういう学生はそもそもこれまでも努力をしていたので、自分が不合格になるかもしれないという不安はなく、ひたすら自分の成績に向けてまい進している※2。
ただそういう学生は一般的に「誰かに個別に教える」ことを時間の無駄だと考えているのか、一人で距離を取って勉強している人間が多い※3。そして基本的には個人主義のMBAであっても、そういう姿勢が無条件で歓迎されるわけではない(もしかしたらCEIBSがやたらと仲が良いというのもあるかもしれないが・・・)。
MBAというのは、はっきり言ってどんな学生でも「必ず誰かの力を借りないといけない」ように設計されている。どんなに優秀な学生であっても、チームの成績が悪ければそのまま自分の成績が悪くなるし、全てを自分一人でやりきれるほど優秀な人間と言うのは、本当にごくまれである※4。いわば自然に協調性・・・というかチームパフォーマンスをあげる力が付くように設計されているのである。
僕も入学前に目標にしたように良い成績を収めることを目標としているわけだが、だからといってメンバーの成績を犠牲にしたいとは思わない。なにせ、最初の一・二カ月(そして今も誉められたものではないが)はショボイ英語に付き合ってもらって、日々語学の研鑽を積む機会をもらっていたのだから。
ということで、今週は結構な時間をAccountingとStatisticsを伝えるのに使っていた。日本語でも伝えるのが難しい概念を英語で伝えるのはものすごく辛いのだが、自分の勉強にもなるし、なにより教授が行うマス授業と違ってアレンジが効くため、伝わる効果が高い。これで友人たちの成績があがれば言うことなし。
もちろんこの時間を言い訳にすることなく、自分も良い成績を出したいとは思っている。MBAを出た人達ってなんとなくキリッとしてビジネスライクなイメージがあるかもしれないけど、実際はそんなことは全然なくて毎日ワイワイ楽しくやっているのです。
※1・・・大学に入学して初めて線形代数の授業に出た時に、授業が入試以上に難しいと驚嘆した記憶がある。おそらく受験勉強よりも、大学の定期テスト向けの方が勉強した。※2・・・例えばTOP MBAであるウォートンに交換留学するためには、半分以上の課目でAを取らなければならず、残りの科目もA-でまとめなければならない。ちなみにAはテストだけ頑張っても取るのはほぼ不可能なので、もともとA狙いの学生はずっと頑張っている。
※3・・・勉強できない同士で頑張るとかってある意味「弱者連合」なわけで、MBA学生的には強いところと提携する方法を考えてもいいんじゃないの・・と思ったりもする。
※4・・・学期の最後にお互いに評価し合うという要素が成績に加味されるので、あまりに嫌われているとそこでしっぺ返しが返ってくる可能性も無きにしも非ず。
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