午後まるまるGE Session、人材採用本気モードらしい(前篇)
昨日は一体何があったのか午後はGEから大挙派遣されてきて、午後はGEによるセッションで埋め尽くされてしまった。自分が尊敬する経営者の一人にGE出身であるラリー・ボシディーがいることもあり、僕はGEと言う会社に(恥ずかしながら)憧れというか尊敬のようなものを持っている※1。
前半は来夏のInternship(1年生向け)および、リーダープログラム(2年生向け)への応募を希望する学生へのカウンセリング、後半は米国ヘッドクォーターのCMOが来てのスピーチセッションとなった(ちなみにその間にケースレクチャーセッションがあったのだが、席数の関係で参加できなかった)。時間もあることだし、志望可能性がある企業と言うことで、珍しく真面目に正装をして参加してきたのであった。
■ GEはローカリゼーションを進めます(なので中国語を頑張りましょう) ■
カウンセリングセッションとは一体何ぞや・・と余り内容もよくわからずに参加してみたのだが、簡単に言うとCEIBSの卒業生でプログラムに参加している方、人事部門の方、プログラム経験者がschoolに来訪して、自由に話しを聞く機会を持つことが出来るという会だった。
こういう会というのは学生側はそれなりに気合を入れて臨むものなのだが、会社から派遣される方は事前の説明を良く受けておらず、内容が食い違うことも多い・・・と心配になったのだが、案の定会話があまりかみ合わず残念至極(ただしHR部門の人はかなり突っ込んだ話をしていたようだったが、自分はその前に聞きたいことは聞けていたので、話す機会をもたなかった)
まず一番かみ合わなかったのが、すでにschool内ではかなり細かい応募要項が発表されているにも関わらず、カウンセリングをする方が全然それを把握していなかったことだ。例えば要綱には「過去○○年で××の経験があること」みたいな細かいことが書いてあるのだが、それについて質問すると「さあ、昨年はそんなのなかったからわかんない・・とりあえず応募してみなよ!」とか言われて終了。すまん、そういう回答だったらキャリアセンターの人でもできる。
次にガッカリしたのが、外国人学生へのフォローが全くないこと。要綱には「中国語が必須」と書いてあったのだが、詳細がわからないので聞こうとすると「ここは中国だし、中国語は必要ですよ」と。いや、それは知ってる、そうではなくてもっと詳細な要求レベルを知りたいのだけど・・・と粘ってもイマイチ会話が成り立たない。そもそもCEIBSは英語での授業を前提にしているので、diversityで広く門戸をと説明しつつ、中国語必須って若干フォーカスを間違っている気がするのである。
最後には「GEはインドにも、日本にもあるからそちらに応募したら?」とご意見をいただく。う~ん・・・なんというか、正論ではあるけど全然わかってない・・と早々に質問をするのを諦めて、中国人学生が質問するのを聞いていたのであった(聞く分には中国語で問題なし)。
いったん質問をやめて静かに話しを聞いていると、これはこれでなかなか面白いもので、GEが中国でどういうふうにビジネスを進めているか・・というのが何となく見えてくる。
① ローカリゼーションを進めます==政府系との仕事が多いということ
GE全体としてもローカリゼーションを進めるというのは一つの全体としての方向性なのだが、中国の場合にはそのビジネス領域との関係もあり、もろに政府関連(あるいは国営企業)との折衝が必要だとのこと。つまりローカリゼーションと言うよりも、率直に言えば「政府関連の人と話せる中国人スタッフが必要」ということである。
もちろん非中国人を排除するというわけではないし、一定数非中国人も採用したいらしいのだが、何せ莫大な数の中国人留学経験者がいるわけで非中国人の割合と言うのはまだまだ少ないらしい(ただしビジネスによって違うらしく、GE Capitalは欧米系もままいるらしい。ただしGE Capitalは中国ではあまり強くない)。
② GEの体質
これは過去にそういう話しを聞いたことがあるので驚かなかったのだが、民間企業 → 国営企業(SOE) → CEIBS → GEに移った方の話を聞くと、GE Chinaは「かなり堅い」雰囲気らしい。
確かに扱っている商品の特性上、そうなるのは仕方ないところもあるし、何せ膨大な数の人員を抱えているのでそこのところはある程度官僚的に縛る必要があるのだろう。それに中国の民営企業の中には必要以上に「自由/フレキシブル」な会社もあるので、これは少々割引いて話しを聞く必要があるかもしれない。
今回のズレだが、何もGEから来た方のみがずれていたわけではなくて、とりあえず頑張って企業の方に来てもらう所で仕事を終えてしまうキャリアセンターの方にも問題はあるのだと思う。CEIBSのキャリアセンターはかなり頑張ってる方だと思うのだけど、どうも仕事が荒いところがあって時間をロスしてしまうことが結構あるので、あと踏ん張り頑張ってほしいな・・と思うところだったりするのである。
■ いつもGEの車に乗っています ■
後半のセッションは、ヘッドクォーターのCMOが幅広いTOPICの中から特にInnovationに絞って話しをするというセッションだった。とはいっても、Chief Marketing OfficerということでまずはGE全体のマーケティングの話から始めてくれたのだった。
こういうセッションではだいたい冒頭にジョークを挟むものなのだが、「中国ではお客様からよく"GEの車にいつも乗っています。品質が素晴らしい"と言われるのですが、残念ながら車は作ってないんです、GE」と、中国にいる我々からすると頷けるような話しからスタートしたこのセッションは、非常に面白くてためになった※2。
端的に言えばこれがGEの中国における現状で、今後どうこれを変えていくかが、マーケティング部門の一つの仕事なのである(長くなってきたので、明日の後編に続く)。
※1・・・憧れで何かを判断するとロクなことにならない、と理性は言っているのだが、日本にいるとあまり情報が入ってこないこともあり、興味関心が高いままで止まっているのが現状である。
※2・・・中国における外国自動車TOPシェアは"GM"
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