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2012年2月19日 (日)

楽しむ自分と一緒に踊る人を捜そう

ず〜っと前からかこうと思っていたのに、いっこうに時間がとれなくて書けないネタがいくつも眠っており、そろそろ消化をせねば!という危機感がかなりあるので、時間を見つけてblogを書くのです。時間がとれないのは、完全に自分のせいなんだけど。色々欲張りすぎて「捨てられないもの」がちょっと増えすぎてしまった感じなのだが、人生とはそういうもんです。

昨年末ぐらいからずっと思ってたことが、1月に台湾HTCのCOOがこちらに来た時のスピーチを聞いて形になったので、記録しておこうというのが居のエントリーのきっかけです。一言で言うと「大人になったら楽しいことだけ発信しよう」という至極楽天的な意見です。



■ HTC のスピーチ ■

HTC社はまだ創業して20年もたっていない台湾発の携帯メーカーだ。日本にはあまり入ってきていないが、全世界での売り上げは1兆円を超えている優良企業である。現在も順調に成長を続けているが、AppleとSamsungという巨人の間に挟まれて常に苦しい戦いを続けているとのこと。今回はStrategyの教授がたまたまCOOと知り合いということで、ビジネスモデルの進化という観点からCOOを呼び講演をしてくれたのであった。

講演の内容についてはかなり細かい数字まで出してくれたり、率直に問題を語ってくれて、公にすることはできないのだけれども、これまで企業からこられたスピーチの中では最も感銘を受けた。僕はけっこう嫌らしい質問をしたのだが、率直かつ丁寧な返答と説明を受けて、すっかりHTCのファンになってしまうぐらいだった。学生生活をしているうちはiphoneは高いので、スマホを買うならHTCかと思うぐらいである。


そんなCOOの講演の中でとても気になる・・・というか心に残る話があった。それは人材採用と組織についての話である。COO曰く、HTCは台湾企業ではあるが世界から広く人材を採用するグローバル企業でありたい・・ということで、これはどこの会社でもする話。ただそれに続けて、彼は「中国人は教育の影響だと思いますが、Creativityが低い。なので、中国人だけ採用しているとCretivityがあがらないのです。だから欧米からも積極的に採用をします」と言ったのだ※1

台湾企業というのは、少なくとも大陸側の視点からすると「中国の」企業ということになるのだが、我々学生の間でもなかなかsensitiveな話なので、台湾企業とか中国企業というのは分類が難しい話の一つである。なので、普通に考えればわざわざ大陸人を敵にまわすような発言をする必要は何もないのだ。彼が何を考えているのかということは、結局彼にしかわからない問題なので、そこを明らかにせずに「よりdiversityが重要なので・・」という答えでもいうことも出来たはず。でも、それを彼はしなかったし、そのことがとても僕の中では強く残ったのだった。


■ たくさんの「ベキ」論で、バラバラになる前に ■

僕が彼のスピーチを聴いて思ったのは、すごくシンプルなことで、どんな組織や人・あるいは国家でもいい所と悪い所があるという当たり前の現実だった。最近は日本の経営者がさかんに大陸に採用にきて「中国人はハングリー、しかし日本の若者は云々」という意見を出しているのだけど、中国企業側から見れば、中国人学生についても当然不満があるのだ※2

さて、ではそのように「いい所」と「悪い所」がある我々はその悪い所を直す「ベキ」なんだろうか?
普通に考えれば直したほうがいいに決まっている!となるんだろうけど、この1年ぐらい僕は少なくともそう思わなくなっている。もっと正確に言えば、ベキと主張するのはやめて自分の思う通りに行動をしよう、と思っているということだ。少なくとも僕自身については。


HTCの話しは立場が変われば評価軸が変わるということを端的に表しているのだと思う。そして僕たちは、ここではあえて安易に「僕たち」という単語を使うけど、本当に同じ立場を共有できているのだろうか。答えはNoだ。例えば、僕は日本国民で選挙権も持っている人間だが、海外で学んでいるので円高はWelcomeである。だって日本円で見ると僕の円負担は下がるのだもの。でも、この立場というのを多くの人と共有するのは不可能だ。
海外にすむ人間は考えなくてもいい、という意見もありだ。でもそうなると、少なくとも永住人口だけで1%については無視をしようということと同義語になる。

MBAの授業でよく言われるのは「日本人はコンセンサスによる意思決定を好む」ということ。これは僕も同意できるのだけど、これだけ立場も年齢も違う中で、一つ一つの細かいことまでコンセンサスをとるのは無理だ。特に誰でも発信できて誰でもきくことができるようになった今では。
本来的にはそういう細かいことを「委任して」意思決定をするために、代議員制というのがあるのだけど、そこでもコンセンサスを得ようとしすぎるから、機能不全に陥ってしまっている。


だから、もう今は見方を変えて「何をすべきか」を発信するのではなく、「何をしたいか」あるいは「何が楽しいか」という行動を発信するほうがずっと有益なのではないかと思うようになった。僕の友人は同じような議論から政治的な意見を書いていて、そして僕はそれに基本的に同意なのだけど、僕が思うのはもう少し身近な所からの発信で良いと思う。
僕が海外にいるのは「僕が楽しいから」であって、多くの人が海外にくるべきであるとは思わない。だから僕は上海は楽しいぞ、と伝えたい。CEIBSという場所は(基本的に)楽しいぞ、役に立つぞと伝えたい。けれど、それは一方で僕の個人の感情の振れ幅以上のものではない。

同じように、みんなが自分のたつ場所の楽しさを伝えていく、そうやって何か弱い共感が少しずつ広がっていく、それでよいのではないかと思うようになった(楽しさを伝えていくべき!とは思わない)。


■ 自分がいる場所にたちたかったけど、たつチャンスがなかった人もいる ■

一方で、全ての人が単純に「俺のいる場所、すごい楽しい〜。今までと全然違う〜」と簡単に言うのが賛成か、というとそうも思っていない。世の中には厳然として生まれながらにして差が存在している、ということをまず認めると、残念ながら「どんなにがんばっても手が届かない壁」というのは、少なくとも小さい頃には存在する(そして小さい頃に存在するということは、だいたいにおいて大人になっても死ぬほどの努力がない限り超えられない壁である)。


そういう観点から、僕がこのごろすごく腹が立っているのは、NETでよく取り上げられるようになった「優秀な人は日本ではなく、海外の大学に行こう」論だ。「奨学金もあるから・・」という言葉で何となくごまかされているけど、米国の有名大学というのは無茶苦茶高い。はっきり言って普通の家庭では捻出不可能な金額である。そういう一般には手の届かないところを持ち上げて「自分がいる場所は最高!」というのは、自分がその場にたつことが出来た幸運を見せびらかしているように見えてしまう。

だから、楽しさを伝える時には、なるべくでいいから「何かと比べないで」伝えることが重要だとも思っている。自分が本当にenjoyすることが出来る環境にいれば、比較対象がなくても伝えることは出来ると僕は信じている。
僕であっても「ああいう人生がよかったな」と思う時もあるし「あんな風に簡単にいいやがって!」と思うこともたくさんあるので、同じように僕も思われているだろうし、それはとても自然な反応だ。ほんの紙一重であっても結果というのは大きく世界をわけてしまうのだから。


たとえ自分が楽しいと思うことを伝えてるだけでも、時には自分へ攻撃ととらえて非難をされることがあるかもしれない。それでも「ベキ」論で何かを攻撃するよりも、自分の人生を発信することの方が、より大きな共感と共振を得ることが出来るんじゃないかな。




※1・・・ちなみに欧米系企業がくると「中国はinnovationの優等生になりうる可能性が非常に高い!」と一生懸命ヨイショしていきます。もしかしたら、最初の期待値が著しく低いだけなのかもしれないけど。
※2・・・僕はこの意見の多くは「今の若いものは・・」の変形でしかないと思っている。

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