第38週目終了! -Term3にて最低な授業に出くわす-
(単に怠惰なために3日ほどバックデートしてUpdateしております・・)
Term3が始まってはや一週間。授業が週二日しかないので、ゆったりとした時間が流れているのだが、金曜日からは中国も労働節(昔は日本のGWと同じくらい休みだったが、今はせいぜい3日ほどしか休みはない)なので、さらにゆったりとした時間が流れることになる。というわけでかなり気の抜けた雰囲気のまま、MBA生活第38週目も終了。
■ 中国の改革開放経済を学ぶ ■
Term3は学期が前期・後期に別れて、前期はプロジェクト型授業+必修二科目を学ぶというスケジュールになってる。今までは一つのTermで5科目とか6科目学んでいたわけで、それに比べ本当に時間がある。プロジェクト型に大きく時間を咲くことをschool側は期待しているのだろうけど、まあいろいろあって自分が所属しているグループはまったく進んでいないので時間を使うことも出来ずにいる(主にプロジェクトパートナーとなる企業によるものなので、特に出来ることもないというのが痛い。しかし学業の一貫ではあるので授業提出物の締め切りはくるのはつらいところである)。
さてその少ない必修科目のうち一つは、おそらくschool的にはCEIBSのウリとしたいであろう授業であるChina Economic Reformという授業である。これは中華人民共和国が建国されてから今までにいたるまでの経済史を学びつつ、将来の中国経済の発展への洞察を得る・・というなかなか、内容だけ聞くとおもしろそうな授業である。この授業は中華系学生には中国語で授業が提供され、一方で非中国系学生には英語で別の教授が授業を行うという、ちょっと変わった形式で授業が行われる(普通は全て英語で行われる)。
中国の経済史というと、大躍進政策から文化大革命、そして改革開放の開始、南巡講話と様々なTOPICがちりばめられているので、個人的には非常に期待をしていた授業であった。友人達からは中国語の授業に出ても問題ないんじゃない?といわれていたのだが、何せ最後の課題が「中国語で3,000文字のレポート」だったので潔く英語の授業に逃避。中国語で3,000語はさすがにきつすぎる・・。
さて、その期待していた授業はどうか・・というと、正直に言って人生で最低の授業である。この授業が数年間変わらずに続いているということが、ある意味マジックで思わせてくれるほどの酷い授業である。
- 授業の全体像が全く見えない
- 質問に答えない
- 論理の因果が逆転して、定義が曖昧
第一回の授業ではいきなりコブ・ダグラス関数が取り上げられ、その両辺をLで割った変形した式を出してきてこれが自分が中国経済学に貢献した部分である・・という説明を延々とし始めて、ほとんどの学生(全員と言いたいがもしかしたらわついてくれた人もいるかもしれないので、ほとんどと言っておく)は置いてけぼり。第二回に入りようやく過去の歴史の話になったのだが、未だどこに到着するのは(教授以外は)誰もわからない※1。
MBAの授業なので学生も律儀に質問するのであるが、その質問にことごとく論点をずらして答えない。第一回の授業ではインド人が学生がまともに質問に答えない教授に対して「I am very very consfused」と言っていたのだが、そもそもまともに答える気がないのではなかろうか・・と踏んでいるのでそこまで怒って偉いな〜と思うだけであった(反省)。
これはある意味貴重な経験で、中国の知識層がしばしば展開する「AならばBなので、Bが観察されるならばAである」という論理展開を生で見ることが出来ている。この論理展開はしばしばAの定義が曖昧な時に使われて、「AならばB」と「Bだったら、前提条件はA」というのは異なるので論理としては破綻しているのだが、「Bが観察されればAです」というようにまるで何事も無かったように話が進んで行く※2。
もちろん今までの授業の満足度にも濃淡があり「この授業をするぐらいなら学費を返せ」と思った授業はあるが、「金を払ってでも授業をエスケープしたい」と思わせるレベルの授業はこれが初である。というか、大学ではそういう授業はさぼってテストだけ受けていたので、人生初。
MBAでは毎回授業の最後に学生からの評価というのが行われており、昨年度の選択科目に関しては全て公表されているのだが、残念ながら必修授業は公開されていない。なんと言うか今後CEIBSに入ってくるであろう学生のためにも、何とか改善を・・と妙な使命感をもちつつ残り5回の授業に参加しなければならない。週二回の苦行である。
■ 業務で役に立つスキル ■
授業はそんな感じであるが、一方今週から初めてpart time jobはすこぶる面白く活動できている※3。今まで働いた業界に近いということもありスムーズに業務に入っていけたというのもあるのだが、MBAで学んだことが早速役に立っているのが、やはり楽しいと思わせてくれる一因だ。
何が役に立つって・・やはり統計である。調査系にでもいない限り回帰分析をして、最適値を計算して、みたいなことは久しくビジネスではやらないので、MBAのTerm1で学んだ・・というかやり直した統計は非常に業務に役立っている※4。個人的には今後データをいじる仕事は増えることはあっても減ることはないのだから、もっと数字をいじるような実践的な授業があってもいいのではないかと思っている。
そして次に役に立つのが意外や意外、管理会計である。これは習ったコンテンツ自体が役に立つというわけではなくて、例えば計算をする際に、コストを常に頭の中において仕事ができるようになった・・という意味で、自分で自分に驚いた点でもあった。やっぱり10週間みっちりやれば、必修科目はそれなりに何かしら役に立つのかもしれない。
MBAというのは広く浅く学ぶものなので、どこで何が役に立つか、学んでいる際にはあまりわからないものなのだが(例えば自分がMarketing系と思ってる人には、管理会計は役に立たないと思われてるかもしれない)、実際にチョロチョロと業務に関わりだすと何かしら自分の中に化学反応を感じることが出来て非常に面白い。MBA=戦略 or フレームワークみたいな「わかりやすい断面」だけではなくて、MBA卒の人がもっと色々な業種で発信をしていけば、また世の中のイメージも少しずつ変わって行くのではないかと思ったりする。まあ、MBA卒となると個人のブランドを気にする人も多いので、なかなかぶっちゃけるのは難しいのかもしれないけど。
※1・・・コブ・ダグラス関数はこちらを参照のこと
※2・・・例を挙げるとすると、例えば「成功した社会主義下では、経済は発展する」という命題を立てて「現在の経済は発展している、なので現在は成功した社会主義である」といったような論理の展開をする。もちろん他の統治携帯でも経済は発展しうるのであるが、そこらへんは無視。
※3・・・Schoolの名誉のために言うと、もう一つの授業であるアントレプレナー論は本当に面白い。自分がベンチャーをやっていたというのもあるが、この授業は本当にためになると感じている。
※4・・・一応理系で院まで言ったので、学ぶというよりはやり直すという感じ。
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