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2012年5月11日 (金)

Will×Can×Mustと僕が思うトレンドから考える、僕のキャリア

相変わらず就職活動で悩んでいる(過去のお悩みはこちらとか、こちらとかを参照)。正確に言うと、これまでとは違い、悩んでいるというより「どうしたらよいねん?」みたいな、どういう方向性に進むべきかという悩みで一歩前進はしている。これは少なくとも頼み込んだとはいえ仕事をすることも出来ていたり、少なくとも何個かインタビューを受けることが出来ているからであって、他の非中華系学生に比べるとラッキーだな・・・・と思っている※1

ただMBAも実質的な後半戦に入り、また実際に働いている方の話を聞いているうちに、どんな場所・どんな職種についてもなんとなくこんな仕事の仕方(スタイルというかテーマというか・・)をすれば面白いんじゃないか、というのが見えてきたので今日はそれを書いておこうと思う。ずいぶんと荒い論考だけど、いろんな突っ込みをいただくための一つのたたき台ということで。


■ Big dataというバズワード、でも本質は違う ■

クラウドはすでに一般化したように思えるので、次のバズワードといえばBig data(ビッグデータ)だろう・・・・と思っているのだが、ここ1年ぐらい欧米系コンサルやスタートアップ、それからITベンダーにとってこのワードは次の飯の種である※2。ちなみに中国ではまだ全然このワードは出てこない。こういうアイデアは遅れて入ってくるので、これがホットトピックになるのは2013年夏ぐらいかもしれない。

さて、クラウドも気が付いたらあっという間に使い古された言葉になってしまったように、ビッグデータも近いうちに「ものすごくデータが多い状態」ぐらいの意味になってしまうのではないかと思うのだが、僕はちょっと違う方向性で考えている。Big dataというのはなんというか、ITとか情報設計のパラダイムを変えるきっかけになるかもしれない・・と思うのである。


コンピューターの歴史というのは高々60年なのだが、計算機が本格的にビジネスに利用され始めたのは70年代、ERPが広く受け入れられたのが80年代の終わりから90年代、そしてクラウドが2010年とだいたい20年ごとにそれなりのブレークスルーがあったと思う(あくまでざっくりだが)。だがその歴史の中で、取得すべきデータというのは「先に決められている」というのは一貫していた。
データというのは当然センサーとか何らかの入力機器があって初めてデジタル化されるのであるから、先に取得されるべきデータというのが決められるというのは極めて当たり前・・・のように思えるのであるが、これはコストとか技術的な制約がすごく大きい。そもそも人間がとりいれることが出来る、あるいは処理できる情報の「種類」(量ではない)に比べれば、計算機が処理できる情報の種類なんてまだまだ全然足りてないのだ。


話がわきにそれるが、たとえば「モバイルがインターネットの最終形」みたいな言葉を時々見るけど、個人的には馬鹿なこと言っちゃいけないと思っている。生物が処理している情報量から考えてみれば「指先で何かを入力する」というのは極めて不自然な行動で、これでは人間の行動を「トレース」するのには十分な情報ではない。

2012年5月現在で、メガネをディスプレイとするようなモバイル機器がすでに発表されているけど、もう少し経てばメガネや時計、あるいはペンダントのような「入力する行為をしなくても入力が可能な機器」というのが発表されると思う。すでに手が不自由な方のために目の動きで操作することが出来るマウスが開発されているのだから、目線や目の動きで情報の取得を行うかどうかを決定するといった技術もすぐそこに来ているのではないだろうか※3。ということで、今後も情報の入力方法と出力方法というのはソフトウェアではなく、ハードウェアが引っ張る形でまだまだ変わっていくだろうと考えている。


閑話休題。さて、そういう形でセンサーが発達して、取得できる情報の「質・粒度・種類・精度」が上がっていけば、情報探索についてこれでまでは異なるアプローチ:なんだかよくわからない情報の塊の中から、有益な「次元」「空間的密度」「時間的密度」をもった情報をする という方法が出来るようになるのではないかと思う。
例をあげれば、Twitterの呟きなんかも一つの例だ。Twitterの呟きそれ自体は、個々別々の意思を持った人が勝手気ままに呟いているわけだけど、それを言語を特定して限られた時間、限られた空間で解析すればかなりの精度で「その瞬間のトレンド」というものは見えてくる(たとえば日本語でみんなでバルスといったり)。

これは一つの例だけど、言語だけに限らずもっともっと取得できる情報は多くなり、これまでのようにPDCAを悠長に回すといったことはできなくなり、常に組織全体が高速でデータ駆動で次々と自分自身を変化させていくのが来るべき組織になるのではないだろうか。これが僕の考えるBig Dataの本質だ。


■ will×can×Mustを考える ■

さてじゃあ、このBig Dataがどう自分の仕事と関係してくるのか、という話をする前に、自分の考えているキャリアについて書いておこうと思う。元職で人材関連の仕事をしていたくせに自分のこととなると全然ダメだと自分でも反省しているのだが、いろいろ暗中模索をしたあげくようやく落ち着いてキャリアを考える際の枠組みであるWill(何がしたいか)、Can(何が出来るか)、Must(何をすべきか)を考えている。ただし、自分が現在何かに属しているわけでもないし、何をすべきかを決める・・というのは、今の状況では容易ではないのここはMustを「機会(あるいは外部環境)」と読み変えてみる。

  1. Will(何がしたいか)
    • したいことの筆頭といえば、海外で働き続けること。理由はどこにあるのか・・ということはもはや自分でもよくわからないのだが、自分にとってはどれほどイライラすることが多くてもやはり海外で今のところは働き続けたいと思っている。

    • 次は出来る限りDirectに世の中に接していると、僕自身が感じられる仕事であること。なのでMBA学生のくせに、戦略とかリサーチよりは現場のほうが好きだし、金融・コンサルよりも製造とか消費財のほうが好きだ※4

    • そして、最後に出来る限り次世代、僕がそういう言葉を使うときはだいたい中学生までの子供たちを指すのだが、に何かしらの好影響を与えることが出来るような仕事をしたいと思う。ただこれは、今現在かなりの時間を使っているボランティア活動を継続し続けることで、側面から支援することは出来るのかもしれないと思うようになった。

    • このほかにも「技術的なことが好き」「アートを感じることが出来るものが好き」とか、言い出せば限りがないが、willではないと思うのでここではふれないでおく。


  2. Can(何が出来るか)
    • 出来ること・・の筆頭と言えば、語学だろうか。
      もちろん通訳や翻訳をされている方にはかなわないし、native程ではないとはいえ一応英語/中国語は大丈夫。少なくとも仕事をする分には問題ない。

    • 次に大学院まで理系だったということで、ソフトもハードも技術的なことは理解可能だし、話についていくことは容易。特にソフトウェアやWEBに関しては仕事にしていたこともあり、どのように使うとかどこが面白そうとかもある程度判断がつく。

    • あとは元職とMBA前のベンチャーで鍛えられた営業的な能力だろうか。元職には天才的な営業能力を持つ人がゴロゴロいて「街を歩いているとお金の匂いがする」という方までいたが、僕の場合はそこまでではなく、まあいろんなデータとかそれらしい理論をまぶしながら、とりあえずなんとなく友達を作っていくタイプである。


  3. Must(変えられないものと機会)
    • まず変えられないものとしては、日本人であるということがある。グローバルビジネスでは「国籍など関係ない」という話もよく聞くし将来においてはそうなると思うものの、現状の中国ではそれは当てはまらないと思っている。そもそも、すぐれた企業はLocalizationが進んでいるという事実もあるわけで、国籍とかそれに付随する文化理解とか言語はキャリア決定において結構の重みがある(超エリートは違うかもしれないが、そういうはずれ値の話をしてもしょうがないし、そこには当てはまっていないので)。

    • 次に変えられないものとして、これまでの自分の人生がある。別に後悔しているわけではないが、少なくとも僕が在籍しているCEIBSではキャリアチェンジは簡単ではないし、確かにそれは若干想定より厳しいものではあるけど、今からもう一度MBAに入りなおそうとか考えてみたこともないし、そんなことは希望しない。

    • そしてその変えられないもの二つから、機会に関しても自然と制限がかかる。具体的にいえば、実質的に中国人しかとらないと決めている会社からはインタビューのチャンスはないし、米国のヘッドクオーター採用をモリモリ受けるということも現実的ではない。

    • そして、忘れてはならないことの一つ「投資回収」。なるほど海外で働き続けるということはwillではあるが、借りたお金を返すのはmustである。どんな給料で働いてもいいというわけではない※5

こうやって見てみると、これまでやりたいやりたいといってこととあんまり変わらないし、適性検査で出てくる内容ともほとんど差がないのだが、実は「そこまで意固地にならなくても、いろいろ可能性があるんじゃないの?」ということこそが気付いたことなのだ。はっきり言えば制約条件になるのは「機会」と「海外で働き続けたい(will)」という部分であり、もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃないのと思えるようになった。


■ 伝統的な産業×データ ■

さてようやくここで話をBig Dateに戻すのだが、ここ数カ月いろいろな方と話していて、ふと僕が考えている自分の「キャリア像」と世の中のこのトレンドというのは非常にマッチしているのではないか、と気付いたのである(もしかしたら思い込みかもしれないが)。

僕が現在住んでいる中国というのは、輸出が鈍化してきたとはいえまだまだ工業がメインであるし、効率の悪さと資源の無駄遣いたるやすさまじいものがある。データを見ればこれから経済的に先進国入りするであろう中国やインドが今のままの経済効率性のままでは明らかにまずいというのは一目瞭然だろう。

どうやって負荷を減らし経済効率性を上げるかというのは、世界全体の問題であり、発展途上国の問題であり、なおかつ個々の企業にとっての問題である。そして、問題があるということはそこには大きなビジネスチャンスがあるということである。


僕の出来ることの中にある「技術(もっとせまく言えばIT)」というのは、実は僕があんまり好きな分野ではなかった。ITというと、どうしてもERPのような企業システムのようにB2Bがメインだったり、一方でアプリ開発でエンターテイメントがメインだったりと、僕のWillにいまひとつ合致しない感じがしていたのが、その理由だ。
だが、それはこれまでの世の中のITの定義がそうであったのと同じように、僕の中でもITの定義が狭すぎたのではないか、と反省している。今の大きなトレンドを考えてみれば、ITはむしろこれから本当の力を発揮するのではないかと思うようになったし、自分が出来ることをその場で生かさないのはもったいないと思うようになったのである。


ということで、これから本格化する就職活動ではWill×Can×Mustに加えて、このリアル×データということが出来るかどうか、ということにもこだわっていきたいと思う。もちろんいまだ「機会」が自分の制約条件となっているのは事実なのだが、なんというか職種や業種以外にも自分の軸が見えてきたというのは、自分にとっても新しい発見でとてもうれしい。じゃあ、どこでどうやって・・というのは未だ見えない課題ではあるけど、こうやって何か考えがまとまったくるだけでもMBAに来た価値があるのではないかと思ったりする。


※1・・・景気の減速感は強まってるし、中国人HR部門は基本的に中国人をとりたがる傾向は強まっているしということで、非中華系学生のあきらめ感というかイラツキは一緒に話していてもつらいものがある。ちなみにのんびりした大陸学生も決まっていなかったりするのだが、彼らには全然焦燥感がないのもすごい。

※2・・・もしかしたらまだそれほど広がってないワードかもしれないが、たぶん近いうちにクラウドと同じくらい一般的なワードになると思っていいと思う。

※3・・・もちろん社会的にそれがどういう反応を引き起こすかはまた別の問題。最初は拒否反応があっても、どこかでブレークスルーが起これば、あっという間に広まるのではないかと思うけど。

※4・・・これはあくまで僕の感覚なので、別に金融とかコンサルだとdirectではないと言っているわけではない。あくまで僕のイメージの中での話。そういう意味で、このエントリー自体が「僕がどう思うか」という話をしているにすぎないのだ。

※5・・・僕の場合借金をしているので、学費自体はサンクコストとして処理できるが、将来を考える際にはdebtの返済を考慮しなければならない。

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