第44週目終了! - 一ヶ月だけお世話になってる企業がハンパない-
気がつけば2012年入学で英語で条件付きオファーを受けた学生が来る時期になってしまった(条件付きオファーは一ヶ月ほど英語の勉強をすることになっている)。今年はプログラムが始まる期間が1月ほど早くなる影響なのだが、それでももうすぐ1年経ってしまうのだな・・・と考えると、この1年の早さに本当に驚くばかりだ。気がつけばこの毎週一回は書くことを自分に課しているblogも44週目である。
「こうやってみんなで騒げるのもあと三週間ぐらいだな~」としんみりしつつも、MBA生活も無事に44週目も終了。
■ さらにインターン生活は続く ■
これまでお世話になっていた広告会社のお仕事はある程度形にすることが出来たので、6月に入ってからは系列の広告会社で同じようなインターンをさせてもらっている。何せものすごい大きなホールディングなので、系列会社といってもものすごい数があるので、とにかく色々な経験をさせてもらうにはピッタリの環境である。
今回お世話になっている会社は以前面接をした後にちっとも連絡がこないので半分諦めていたのが、これまで働いていた人が病気で長期休暇に入るということで急遽席が空いたのでこないか・・というお誘いをもらった会社で、これまで幡羅ていた場所よりもフルタイムのポジションの可能性が高いということで願ったりかなったりで働かせてもらえることになったのだ※1。
この会社、グローバルでものすごい大きなアカウントを取ることが出来たため新しく出来た会社で、必要人数の半分ぐらいしかまだ埋まっていないという出来たてホヤホヤの会社である。中国にアジア本社があり、中国も担当範囲なのに、ほとんどが中国語が話せない欧米人で占められており、何とも不思議な構成である。ちなみに前で働いている人はスペイン人で、横はフランス人。
欧米系広告会社の割には、会社内に全ての機能がそろっており、基本的には全てを自前でまかないたいというのが基本方針らしい。とにかく人が足りないので、香港で学んでいる大学生が二ヶ月ほどバイトしにきたり、とりあえずシンガポールからデザイナーが採用されてきたりととにかく一生懸命体制を作っているのが現状である※2。
今回の仕事はより戦略に近い・・という説明を受けたのだが、どちらかというとポジショニングと消費者行動のデータをひたすら精査するというものである。とにかくデータが豊富にあって、ある程度やるべきことは明確にされているので、ひたすらExcelと格闘するのがお仕事である。なにせ人が足りないので、作った資料は多少文言チェックをされた後は直接お客様に出てしまう(しかも出される相手は米国本社だったりする)ので緊張感を持って仕事をしている。
扱うデータはマクロデータではなくて、例えばAという商品への感想を1から10で選んでください、みたいな問題なのだが、これが単語一つ一つのレベルで定義されているので、一つの商品について最低でも40個ぐらいは因子があることになる。やってること事態はこれまでの仕事でもやったことがあるし、schoolでもまさしく勉強していることなのだが、さすがにTOP企業向けになるとここまでやるものなのだな~と、毎回非常に勉強になっている。
また、データを扱う国も非米国で世界中に広がっているので、データをいじっているだけである程度消費者の姿が見えてくるようで、非常に面白い。たまにデータ自体が明らかに狂ってるんじゃないの・・みたいな結果が出てくることもあるので、そういうところこそ自分の価値が出る所であると思って、目を皿のようにしてデータを見ているせいか、非常に肩が凝るのだが、よくも悪くもMBAのインターンという感じである。
上層部の方針なのか、それとも大きなアカウントがとれたからなのかわからないが、とにかくお金の使い方も豪華である。まずビルの35階にあるということで、眺めがハンパ無い。足下まで窓なので、高所恐怖症の人は間違いなく窓側にはすわれないであろう高さである。またフリードリンクなので、コインをもってチョコチョコ買いにいかなくてもいいのが非常に嬉しい。ダイエットコークなら大丈夫なんじゃないか?と自分に言い聞かせて毎回1L以上は飲んでいる気がする。
そして極めつけは毎週金曜日には17時から、会社主催のパーティーがあるのだ。アイデアの共有会みたいなものが行われた後は、ビールとワインが社員に振る舞われる(もちろんバイトも参加OK)。中国の広告業界は値引き競争が非常に厳しいので、利幅が薄い企業が多いのだが、こんなに贅沢をしていて大丈夫なんだろうか。。
学ぶことも多いし本気の英語の環境ということで非常に充実している生活を送れているので、1ヶ月の短期とはいえ9月以降も使ってもらえるように、そして出来ればフルタイムのオファーがもらえるように気合いを入れて頑張りたい※3
■ MBAでは何をするかはあなた次第、ただし全ては出来ない ■
冒頭で「残り三週間で・・」と書いたように、我々同級生が同じ場所にいるのは、もう本当にわずかである。7月からはインターン期間に入るので(週末に授業があるが、完全選択授業なので取りたくなければ取らなくてOK)みな各地に散ってしまうし、9月からは交換留学の時期になるので、約半分の学生はよそのschoolに行ってしまう。
この時期になるとそもそも授業を取らなくてもよいし、外にすみだす人間も増えてくるので、もう同じ学生と言ってもテンで好きなことをやるようになっている。真面目に勉強をしている人間もいるがそういうのは少数派で、語学を勉強するもの、僕のようにインターンを初めているもの、資格を取るための勉強をするもの、趣味に励むもの、そしてこれまでの忙しい生活から日常モード(友人曰く一日8時間眠れないと辛いらしい)になるものと、本当に様々である。
僕は結構な時間をschoolのクラブ活動に使っており、International
clubの役員もやっている関係で一年を振り返る飲み会というのにこの前行ってきたのだが、僕以外のみなもやはり終わりが近いことを感じていた。久しぶりにゆっくり話していると、みな成績がそれほどよくないことがわかり、まあ飲んでばっかりいたからね・・という感じで盛り上がったのだが、皆が「自分がやりたいことをやってるから後悔ないよね」ということで、一致したのがちょっと嬉しかった。
MBAは忙しいとはいえ、たくさん時間があるのは間違いない。少なくとも激務が多い日本企業(と日本にある企業)に比べればプレッシャーも少ないし「自分で何をやりたいか」を自分で決めることは出来る。でも、だからといって何でも出来るかというとそんなことはないと思うんだよね。
1年とちょっとなんてすぐに経ってしまうし、やりたいことを色々かじってみても、ちょっと長いお休みぐらいで終わってしまう可能性もある(それでも良いという人ももちろんいるべき)。せっかく高いお金を払って、たぶん人生で最後の学生生活を送るのであれば、せめて始まる前ぐらいはじっくりと考えて、「何が自分で欲しいか」を考えるのも悪くないと思う。
もちろん色々な出会い、色々な経験の中で方向性が変わるのは全然問題ない。自分もいろいろとぶれまくっているのは事実だし。ただ、なんていうか、ベクトルの方向は変わっても、経験を積むことで長さはゆっくりとでも長くなって行く、そんなことを意識しながら経験を積めて行ければ幸せなことだと思う。
ソーシャルメディアを見ていると、日々「◯◯に感動した」とか「◯◯から学んだ」みたいなことがシェアされてくることが多いのだけど、そういう瞬発力というか脊髄反射みたいなのよりも、出来るだけ一つの価値観をずっと煮込んで行きたいとそんな風に思うタイプの人間だし、個人的にはMBAは長期的に価値を発揮する、キャリアはマラソンだとするとそのための基礎体力をつけるための時期だと、そんな風に思っている。
なので残りが半年になる今だからこそ、やっぱり日々のことがどんな風に自分の中で肥やしになるのかを考えながら毎日を過ごして行きたいと、このごろ思うのである。たぶん、実際に仕事をしてみて、MBAで学んだことの価値が少しずつわかるようになってきたからなのかもしれないけど。
※1・・・話を聞く限り、病気というよりも中国が会わなかったのではないかと思う。
※2・・・欧米系広告会社の場合、よっぽど大きい所以外はある程度機能をしばっている企業が多い。これまでインターンをしていた企業はもっぱらマーケティング戦略に特化しており、デザイン機能や購買機能などは一切無かった。
※3・・・既に他の企業とインターンについてはサインをしているので、1ヶ月しか続けることが出来ない。同級生の中にはペナルティなど気にせずにサイン破りを試みる人間もいるようだが、次の年の学生にも、今年の学生にも迷惑をかけるのでそういったことをする気はない。
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