第52週目終了! -1年が終わったMBA生活からCEIBSを振り返る-
Intern生活も安定し、授業もないともう何もやることがなくなってしまう・・そんな感じで夏が過ぎていくのももったいないので、自分が興味あることでかつこれまでの時間の中で十分に勉強することが出来なかった科目の復習を始めている。友人たちには物好きだな~と言われているのだが、もともと勉強は嫌いではないし、せっかくもらったコースパックやかった教科書が手つかずの部分が残ってるのは何かもったいない気がするので(貧乏性)。
ということで、久しぶりに安定した一週間の52週目も無事に終了。そして、無事にMBA生活も1年が終了!せっかくなので、この1年で気付いたCEIBSのいいところ/悪いところを簡単にまとめておこうと思う。
■ CEIBSで出来る事 ■
CEIBSもMBA schoolではあるので、とりあえずMBA schoolで出来ることは除いた上で、どういったことが出来るかというのを簡単に上げてみたい。
- 中国人の思考方法を学ぶ
- 中国企業を学ぶことが出来る(国際企業の現地化含む)
- 大陸で働くチャンスがある(ただし語学次第)
中国で働く上では、個人的には中国の法律とか商慣習よりも中国人の思考方法を学ぶことが一番必要だと思う。そして、その目的に照らしてみればうちのschoolは、たぶん世界で一番あっていると思う。入学したころは「中国ケースを学ぶことが出来る」と思っていたし、実際に中国企業のケースや、多国籍企業の中国における展開を学ぶことは出来るのだが、1年たってみると、必ずしもそれだけが重要であるとは思わなくなった。
むしろ重要なのは、学生の半分・かなりの数の教師・職員のほぼ全てが大陸人であるというこの環境であると思う。英語で授業をすることが義務付けられているため、会話は英語で行われるが、話し方や内容はまるっきり欧米人とは違う大陸人学生(そしてそういう学生が『私はグローバルです』と言ったりする・・)や、日本人基準からみれば日々適当に行われている運営などを肌で感じることで、これが中国だ!というのを体感できるようになっているのだ。
これとはコインの裏側で、欧米型schoolだと思ってここにくるとかなりのショックを受けるかもしれない。少なくともゲートの保安担当が英語を話せなかったりするしね。。。
次に学べるのはやはり「中国での企業活動」だ。これも個人的にはケースを読むだけでは得られない体験が出来るのはうちのschoolだからこそだと思う。企業が実際にどういう姿勢で中国で経営をしているか・・というのを学べるのは、Info session だったり、リクルーティングフェアだったりする。
特にリクルーティングフェアは卒業した先輩がいる場合にはほぼ100%その人の話を聞くことが出来るので、そこの生の話はやはり表向きの顔とは違った話で非常に面白い。個人的な意見を言えば、日本人が中国企業で「ミドルマネジメント」として入るのは滅茶苦茶大変。それは国民性もあるし、政治的な問題もある。もし機会があれば日本で中国での勤務をあおってる人とは、ぜひどのような経験をもとにそのような主張をされているのか議論をしてみたいと思う。
②と矛盾しているようだけど、CEIBSのメリットはやはり最終的には大陸で働くチャンスを手に入れやすいということだろうか。厳密に言うと、日本人が大陸で働こうと本気で思うのであれば、実はそれほど難しくはない。米国や欧州に比べればビザは遥かに取りやすいので、過去に数年間の業務経験があれば仕事を手に入れることはそれほど難しくない。・・・給与さえ気にしなければである。
もしMBA卒としての給与レベル(それは人によって違うと思うのでいくらとはいえないが・・)を得て現地で就職しようとするのであれば、やはりCEIBSはかなりチャンスが大きい場所だと思う(後は香港のMBAでもチャンスはあると思う)。ただ、これも言語能力がある程度あった上で、求人側とのマッチングの問題なので確実とは言えない。特に中国ではHRは基本的にbackgroundではじくので、キャリアチェンジは非常に難しい。その難しいのを乗り越えてもチャレンジする気持ちがある・・のであればCEIBSはいい機会を与えてくれると思う。現に僕も今はほぼ中国人に囲まれた環境で働いているし。
■ CEIBSでは足りないこと・出来ないこと ■
もちろんいいこともあるが、悪いこと・・というか、希望しているだろうけど世の中甘くない・・ということもある。
- 中国語はうまくならない(ビジネスレベルには)
- MBAの内容は基礎レベル
- 人脈も(思ってるほどには)出来ない
もうこれは声を大にしたいのだが、はっきり言ってschoolにいるだけでは「絶対確実に」中国語はうまくならない。確かにschoolは卒業時に中国語能力の最低限のテストを行うが、あれに合格してもビジネスどころか日常会話も十分には行えるようにはならない。
まじめに中国語を勉強しようと思っている学生はやはり外の学校に通うようにしているし、僕もそうすべきだと思う(未だに僕も通っている)。こちらで語学学校に通うには日本で中国語を学ぶよりも全然安いし、ちゃんとした発音の人を見つけることが出来る。また生活をしているのでリスニング能力は確実にあがる。
それでもやはり「語学だけを」目標にした留学に比べれば、言語上達のスピードは遅いし、何より忙しい中で中国語を勉強する時間を見つけるのは容易ではない。ということで、矛盾しているようだけど、在籍しているだけでは絶対に中国語はうまくならないというのが現実である。
これは他のschoolに行っているわけではないので、一概に言うことも出来ないのだが、MBAとして学ぶ内容は結構基礎的な内容である。特にFinanceは基礎レベルだけ受けると、大学の授業でも下手すれば3~4回でカバーできてしまうのではないか、と思われるレベルである(その分Advanced financeという授業があり、それは難しいらしい。僕は受けていない)。
他のMBA school、特に米国TOP schoolに通われている方のblogを見る限りにおいては、やはり二年生の米国schoolのほうが学問的な内容としては高度な内容をとりこんでいるように見える。これはうちのschoolが実質1年4カ月で全ての授業を終わらせなければならないということに加えてケースメソッド+グループワークメインでどうしても座学で学ぶ内容が薄くなりがちということも影響していると思う。
なので、自分が進みたい方向性がかなり明確で、かつ専門的な内容を求められるのであれば自分での追加の勉強は欠かせないと思う。少なくとも僕たちのスケジュールでは、そんなのは二年目にしか取り組むことが出来ない(人によってはTerm3からでも出来ると思う)。
最後は人脈に関する勘違い。中国ビジネスは人脈が必要で、中国MBAで学べば人脈が出来る、というのは一面で真実なのだが、たぶん外から想像されるほどに大陸学生との人脈と言うのは出来ない。
まず大陸学生(だけでなく、ほぼ全ての国の学生が該当するが)は基本的にプライベートでは中国語を話すので、中国語が出来ないと内輪に入ることが出来ない。さらに言えば、各地域の言語で話したがるので、各地域ごとの食事会も行われるのだが、そこには外国人はさらに入りこむことはできない(各地方語は普通語とは違うので)。
加えて言えば、大陸学生にとって外国人学生と仲良くなることは「あまりメリットがない」。ほとんどの外国人学生のうち何割かは国に帰ってしまうし、短期的にメリットを生むようなポジションにつくこともほとんどない。もし、将来になって彼らがメリットを感じるポジションについたのであれば「同級生だった○○だけど?」と連絡をすればいいのである(そういうことを躊躇するような国民性ではない)。
一緒に一年近く生活していても、結局大陸人とそれ以外である程度グループにわかれてしまうし、さらにその中で細かなグループに分かれてしまうので、外からイメージするほどには強いきずながあるというわけではない。。
どんな選択にもいいことも悪いこともあるので、僕が感じているこのメリット/デメリットを持ってCEIBSに来るべきかどうかというのは議論できないし、そんなのは個々人が個々人で納得する決断をするべきだけである。ただ、一つ言えるのは日本で思われてるほど中国経済はバラ色ではないし、少なくともCEIBSにこれから来るというのは、ここ数年の同じ選択よりはハイリスクになっているというのは知っておいた方がいいと思う。そこを理解したうえで、うちのschoolに期待と言う方がいればいつでもご連絡をお待ちしています。
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