第54週目終了! -上海の空はこんなに綺麗になった-
今週は日本はお盆休みだったのだろうけど(もう5年間、お盆休みというものを体験していない)、自分の周りの生活も特に何のイベントもなく終了。中国でも夏休みを暑假というのだが、企業に入ると個々人が勝手にとるスタイルになるので、今働いているIntern企業もなんとなく人が少なく、ゆったりとした雰囲気が流れている※1。先週の体調不良の余韻もあり、本当に何~~のイベントもなかったMBA生活54週目も無事に終了。
今週は何も特筆することがホントなかったので、たまには趣向を変えて、上海の空の写 真を載せてみる(ホント何もなかったってバレバレである)。写真はいずれも今年に入ってから撮ったものなんだけど、たぶん、日本にいる人からするとちょっとイメージが違う写真かもしれない。
日本から見た時の中国のイメージは、日本でいう1970年代・80年代のように空が汚れてい るというものかもしれない。確かに北京は今でもベールをかけたような空の色をしているし、地方で開発を行っているような場所や工場立地地帯では空は汚い。
ただ日本人が最も多く住む街である上海はどうかというと、昨年ぐらいから空は綺麗になっ
てきていて、今年の春から夏にかけては、長く住んでる人間にとっては感動的なほどに空気が澄んでいる(それでも汚いという旅行者は多いけど)。なんといっても、夜には星が見えたりするのだ、自分が住んでいるところが上海でも田舎に位置しているというのもあるけど。
上海の空が綺麗になってきた理由は大きく分けて二つある。
一つは万博に向けてず~っと気合を入れてきた街の建設活動が2010年の万博前に終了したこと。万博期間は環境に配慮するという理由で公共工事やらビル建設やらがSTOPしてしまうことになっていたので、2008年・2009年はそれこそ街のそこらじゅうで工事が行われていた。一部は、間に合わなくて万博終了後に突貫工事をしていたが、それでも2011年の春節(旧正月)休みまでにはほぼ全てが終了していた。今でも工事は行われているけど、その数はずっと減っているし、街の中心部での工事の数もずっと減った。
二つ目は上海近郊の工場がだいぶ移転してしまったということ。
今では金融都市を目指している上海も、長い間工業+輸出の街だった。なんせ港がすぐそこにあるので。それが上海の経済的地位が少しずつ向上するにつれて、全体の賃金が上がるようになり、今では工場を上海にたてるのはほとんどメリットがない・・というか賃金コスト的にはその他の発展途上国に負けつつある。
現に僕が現在Internをしている会社でも上海以外の地域に、昨年工場を立てたばかりである。僕がいる会社はサプライチェーン上はかなり底の方にいるので、上流工程が移転をすればある程度そこにくっついていくしかない。上海から工場が移転するということは、結局一部の管理部門もそれにくっついて移転せざるをえないので、外国企業(と駐在員)にとってはちょっと辛い流れかもしれない。採算がつくような地域は、やはりまだ田舎というのがふさわしい場所で、一部だと上海人ですら行きたがらないような場所にあるからだ※2。
以前も上海がお手軽な街になっている・という話を書いたことがあるのだが、本当に上海
は住みやすくなっている。これまでは空気が汚い、とか食事の環境が日本と違う・・というマイナスポイントがあったのだが、これもこの1年で急速に改善しているので、お金さえあれば手に入らないものはもうほとんどなくなってしまった。
日本人ということを離れてみても、上海と言う街は非常に住みやすい街だと思う。残念ながら、いまだ交通渋滞は解消されていないし、時々びっくりするようなサービスレベルに出くわすこともある。いわゆる「現地人しか行ってはいけない場所」というのもあるし、発展した土地にはつきもののスラムのような場所もないわけではない。
それでも、多くの世界的な都市と比較しても(語学が中国語であるということを除けば)この街は実に住みやすい街だと思う。2007年に来たときにも長くいる先輩方からは「今の上海では困ることが何もない」と言われたものだったが、あれから5年たってその思いはさらに強まっている※3。
ただ人間あまのじゃくなもので、ここまで住みやすくなるとそろそろ違う場所に行きたいと思うようになるのもまた事実で、これからの就職活動ではそういうことも考慮しないといけないな・・と思っている。普通は住みやすい場所に行きたがるんだろうけど、やっぱりアドベンチャーの要素は欲しいなと思ったりする※4。
結婚して子供が生まれればたぶん考え方は変わる(単身赴任とかしようかな~とか)と思うのだが、なかなかこの辺りは自分の人生設計が適当すぎるのでうまく考えられないところである。。
※1・・・製品は世界中に輸出しているので、工場の稼働時間自体は24時間休みなしなのだが、管理部門は交代で休みを取るようにしているようだ。
※2・・・上海人は都会の便利な生活にすっかり慣れているし、かなり多くの人がに田舎の人を見下しているので、田舎に行くのを嫌がる人が多い。
※3・・・2007年はまだ万博に向けての公共工事をしている最中だったので、地下鉄の本数は今より少なかったし、ショッピングモールの数も今より少なかった。
※4・・・今のInternをしている場所は、住みやすい・住みづらいではなく、単純に交通が不便すぎるのでちょっと厳しい。はっきり言って陸の孤島なので出勤するとタクシーがなかなかつかまらなくて切ない思いを毎回する。
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