お客さんを求めて、上海を北へ南へ
Internも残り二週間を切り、基本的なリサーチはだいたい終わってしまった・・というか、これ以上はWEBの情報からではカバーすることが出来なくなってきたので、今週と来週はコンタクトを取ることが出来た会社に訪問して話を聞く(+サンプルをお見せする)ということをやっている。ということで今日は、どのくらい上海がデカイか、どのくらい移動しているのかということを書いておこうと思う。
■ 通勤で2時間+会社の車で1時間・・・■
ます一社目は日系企業の研究所兼サンプル製作所への訪問。今回は日系企業がメインのプロジェクトなので、営業の方からアポイントをとれたという話を聞いた時にはかなり嬉しかったのだが、営業さんによると無茶苦茶遠距離(南)にある場所らしい。HPの情報を見ると全然そんなことはないので「どこにアポをとったのですか・・・?」と聞くと、どうやらHPの情報は全然正しくないらしい。これはこの企業だけに限った話ではなく、今回調査した日系企業ではかなり多いらしく、日本語HPに乗っている住所や電話番号は結構違っているとのこと。
確かに営業所などは移転が普通なのでそういうことはあるかも・・という気はするが、工場や研究所が住所ごと変わってしまうというのは、やっぱり中国側がちゃんと本社の広報部に連絡をしていないのであろう。中国ではよくあることである※1。ということであらためて正しい場所を地図でチェックしてみたのだが、ものすごく遠い!
右の地図が大きめの上海の地図で目的地は下の緑のポイントになるのだが、上海市区内からは遠く離れてしまっているのがわかる。ちなみに「起」とあるのが僕が日ごろ住んでいる学内宿舎がある場所、終という文字が現在働いている会社がある場所である。地図を見てもわかるとおり、上海市内を大きく東から西に横断しているわけで、毎回ほぼ2時間を通勤で使っている(つまり毎日4時間)。
上海ではこういう出勤は結構当たりまえのようで多くの会社が、通勤用のチャーターバスを行き帰りともに運行している。というのも基本的に工場や研究所というのは市内中心部ではなく市外地にあり、必ずしも社員が勤務地にある側に住んでいるわけではないので、結果として長~い通勤が必要になったりするのである。ちなみに毎回2時間の通勤というのは振り返ってみると大学時代の最初の2年間以来である。バスが揺れていてイマイチよく寝られない+本を読むこともできない・・ということで、少なくともこのInternで長すぎる通勤はもはや精神的に耐えられない・・ということを痛感したのであった。
その遠い遠いと思う工場でもかろうじて上海の市区内に入っているのだが、今回訪問した日系企業の研究所はさらにそこから南に1時間の場所にある。もうこの場所になると上海市であっても「区」がつかなくなってしまう。一応名前としては「工業総合開発区」となっているのだが、日本にいる人が想像する上海とは完全に違った場所である。
MTG中には当然日本人が働いているのも見えたのが、いったいどうやって通勤しているのであろうか。。一応周りには住宅街があるのだが、大きなスーパーはあまりないし、日本食を食べるようなところもないので、同じ上海といってもかなり厳しい環境であることは間違いない。
■ 米国系企業に会いに北の保税区へ ■
果てしなく遠い日系企業への訪問の次の日には、今度は北の高橋保税区にある米国系企
業に向かった。ここも市街地から離れた場所なのだが、なにせいつも住んでいるschoolも東の僻地にあるので、実は自分の居住地からは全然遠くない。タクシー+地下鉄6号線で40分強という距離である。ちなみに会社からはだいたい2時間半。一緒にいった営業の方は、家から2時間かけてここにきて、会社に戻り(ここで2時間半)、さらに会社から1.5時間の場所にある家にかえるということで、移動だけで6時間を費やしたらしい。6時間・・・ってIT系になれてしまった自分には絶対無理な移動距離である。。
訪問した会社がある「保税区」というのは中国にある外資導入用のシステムの一つで、簡単にいえば「中国国内あるが、国外にあるかのように取り扱うことを許可された場所」のことである。ここに在籍している外国企業(だけではないが・・)が、たとえば開発用の機器を中国に持ち込もうとした場合に通常であればかかるであろう手続きや関税などを簡素化して処理することが出来るということで、研究開発拠点が多く存在している※2。
ちなみに上海は基本的に路が曲がりくねっていてとても中国の街とは思えないような複雑 さなのだが、保税区やら開発区と呼ばれる郊外のほうに行くと、果てしなく道はまっすぐになる※3。例えば「大地の子」 で有名なバオスティール(宝鋼)がある宝山も北から上海に入ってくる物資が通る道がはてしなくまっすぐ通っている。こういう道をみると上海でも田舎に来たな~と実感する。
こういった郊外にいくとタクシーの数も少なくなるので、写真にあるようなバイクタクシーがメインの乗り物になる。バイクタクシーは便利で安いのだが、仮にすっ転んでも全く保障がないので、自分としては本当に最後の手段と割り切っている。「現地を体験してみたい~」という無邪気な気持ちをもっている頃ならいざ知らず、今は基本的にリスク回避的な生活スタイルを貫いているので。。
今ではすっかり金融、ITそして消費地というイメージが強い上海も、経済成長の原動力は長い間工業だったので、今回訪問したような工場地域は上海市区内を囲むように多く存在している。以前書いたように、上海では人件費の高騰(+環境対策費)で稼働している工場が減っているのだが、それでもまだ研究開発センターにはまだまだ働いている外国人がいるということで、自分のようにず~~っと市区内で地下鉄通勤していたものからすると、ホントお疲れ様と言う感じである。こういった場所で働いている方は、たぶん上海のイメージも全然違うのであろう・・・。
※1・・・たとえ会社側が変更しても、こういった変更前の情報もWEB上には残ってしまうため検索エンジンで調査をすると、どこに会社があるかわかりません・・という状態によくなる。百度は公式ページがTOPに来ないこともザラなので、どのページが本当かを調べるためにまた検索する、みたいなことが必要。
※2・・・本当はもう少し細かい規定とルールがあるのだが、さすがに専門でない自分にはカバーしきれていない。。。
※3・・・同じ大都市でも北京は綺麗に縦横に道が引かれているので非常にわかりやすい。ただしやたら広いのとタクシーが道が分らないとすぐに挫折するので、外国人の移動のしやすさでは上海のほうが上だと思っている(上海に慣れているとのもあるが)。
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