第56週目終了! - 上海短期留学に必要なもの-
長い長いと思っていたIntern期間もあっという間に残り一週間となってしまい、ついに9月に突入してしまった。自分で想定していたものとは幾分ことなったInternとなってしまったが、来週はこの事業を統括しているCEO向けの発表を行うことになったので、今週は資料の作成を行っていた。といっても、これまでの報告書のストックもだいぶ残っているので、比較的時間に余裕があり淡々と作業をこなしている。夏の暑さもまだだいぶ残っているが、MBA生活第56週目も無事に終了。
■ 上海短期留学で最低限知っておきたいこと ■
この時期になると、うちのschoolに海外の他のschoolから短期交換留学で上海にくる日本人学生の方からお問い合わせをいただくことがある。うちのschoolでは留学生として学ぶために必要なビザの発給の手伝いはしてくれるものの、他は基本的には全て学生が自分でやらなければならないのだが、上海はこれだけ学生が多いわりには数カ月での短期留学に関する情報は以外に少ない※1。また他の大学とは違い、うちのMBA schoolには面倒を見てくれるような日本人はほとんどいないし(何せ日本人は毎年数人しか入ってこない)、大学内に住む・・というオプションもないので自分で調べなければならないことは多いのかもしれない。
ちなみに冷たいと言われようが何と言われようが、基本的に「自分で来たいといったのだから、出来る限り自分で頑張れ」というのが僕のスタンスなので、調べてわからないことがあったら教えてあげるけど、最初から質問をしてきた場合には「Googleで検索してください」という返信をするし、『一緒に○○をつきあってください』というのは、少なくとも一回会って手伝ってあげてもよいかな、と思うまではご協力しないという対応をしている。
正直にいえば、短期で来る方にとっては「初めての、もしかしたら一生で最初の最後の上海滞在」かもしれないが、僕は年間でそれなりの数の方から連絡をいただくし、毎回その度に全部お付き合いしていたらとても時間が足りない。ということで、せめて一回お会いしてからご協力については考えるようにしている※2。
さて話を戻すと、そういう短期留学の方が躓くポイントというのはだいたい一緒なので、今回はそのことについて簡単にまとめておこうと思う。これからは聞かれた時にはまずこのページを見てもらうようにしよう。。
1. 滞在中の家
これは特に米国のschoolから来る学生にお問い合わせをもらうことが多いのだが、上海では基本的に数カ月単位で借りられる家はマーケットには存在しない※3。中国では不動産の多くは1年契約だし(短くても半年契約)、それを前提にした契約をした場合、最初に支払う保証金は返ってくることはまずない。
ではどうするかというと、とりあえず二つの方法をお勧めすることにしている。
- 週決めアパートを数カ月契約で借りる
- サービスアパートメントを月極めで借りる
上海には日系のウイークリーマンションが出てきているので、そこに一週間単位で済むことが出来る。市街地中心部に多いので、生活の面では便利だが、基本的に短期駐在員用なので割高なのがネック。ただモノが壊れるとかそういうことはないし、あっても会社側がスムーズに対応してくれるので、無駄な交渉はしなくてもいい。ネットなども高速回線が不通。
こちらはどちらかというと欧米人向けにある、ホテルのように部屋の掃除をしてくれたり水を買ってきてくれたりするが、ホテルとは違いキッチンなども付いているような部屋を借りることを指す。英語で対応してくれるところも多いし、外国人がプロジェクトで数カ月来る際に利用することが多いため、月極めで借りることもできる。こちらも値段が高いのがネックだが、中国語を話せない人には便利。
これ以外で自力で借りるという手もなくはないのだろうけど、上海では家具などは全て据え付けというのが当たり前だけど、それがすぐに壊れるというのはもっと当たり前だし、水・電気・ガス・電話(ネット)の調子が悪くなるというのも普通のことなので、短期留学でそういうトラブルを楽しみたいという人以外は基本的に人に頼って生きられる家に住むのがよいと思う。中国語が話せないと交渉もできないし、かなりストレスがたまることになる(特に冬にシャワーが壊れたり、とか、トイレが逆流したりとか)。
2. インターネット(+携帯電話)
少なくとも上海に関してはインターネットはADSL回線やただ光回線が普通にあるし、そこかしこの喫茶店(Ex:スターバックス)ではFree Wi-fiが使いたい放題なので、インターネットに接続しなくてこまるということはまずない※4。ただ、中国のインターネットに関しては他の先進国では見られない問題がある。それが通称グレートファイアウォールで(Great Firewall)ある。
中国に来るのだからそれくらい調べてこいよ!・・というのは正直思ったりもするのだけど、中国はインターネットに巨大な壁があってFacebook(FB)やYouTubeといったWEBサービスにはつながらない、ということを知らずに来る方は結構多い。中国に来ていろいろ旅行したので写真をUPしようと思ったのにFBにつながらない、ということが起こるわけだ。
これを回避するにはVPNと呼ばれるサービスを中国入国前に契約しておけばよい。このVPNは無料のものもあれば、しっかり有料で対応をしてくれるものもあるので、自分の好みで選べばよいと思う。Googleで「中国 VPN」といれればいくつも出てくる。個人的に利用しているのは12VPNというサービス。
次に携帯電話だが、こちらでは携帯本体とキャリアの契約は全然別に行うことが出来るので、こちらに来てパスポートを持ってキャリアに契約さえすれば自由に携帯を使うことが出来る。SIMカード自体はすぐに手に入るので、機体はキャリアのショップで購入してもいいし、普通に量販店で購入してもOK。ただし日本と違っていわゆる「パケホーダイ」的なサービスはないので、そこだけはきをつけておいた方がよいかもしれない。二段階定額制(一定量までは定額で、そこからは従量課金)のパックはあるので、それを契約してWi-FiがあるところではWi-Fiを用いて・・・というのが、schoolの同級生の使い方では一般的である。
SIMカード自体は街中にあるマガジンスタンドでも買うことが出来るし、量販店で機体を買う際にも購入することが出来る。ただ、2012年現在ではルール上はキャリアの店舗でパスポート情報を登録する必要があるし、仮に上記のようなパックサービスを利用したい場合は、キャリア店舗で購入したものでしか対応してくれない。マガジンスタンドなどで買うことが出来るのは、プリペイド方式のみに対応しているからだ。
3.お金の引き落とし
これはすでに海外で生活している留学生にはあまり関係ないかもしれないが、お金をどうやって持ち込むかというのは結構大切な話である。まず最初に思いつくのは海外からの送金だが、中国では外国為替について管理フロート制という制度をとっているので、日本から中国の口座に現金を振り込んでもらう・・というのはかなり時間がかかる。その上こちらの銀行は結構適当なので、既に着金しているはずなのに着金確認が出来なくて引き落とすことが出来ないというのもザラにある※5。
そこでお勧めしたいのはシティバンク。シティバンクの口座を日本で開いて、そこに日本円 を入れておけば、上海にあるシティバンクのATMから中国元で引き落とすことが出来る。正確にいえばシティバンク以外の提携ATMからは一律に下すことが出来るはずなのだが、なぜか認識してくれなかったり、ひどい場合にはカードがATMに吸い込まれてしまうということがあるので、慎重な人はやはりシティバンクのATMを使う方がよいと思う。シティバンクのATMは吸い込み式ではなくて読み取り式で、カードは取り出せるので。シティバンクは中国では花旗銀行という名前で営業をしていて、このごろではずいぶんとATMも増えているので、それほど不便ではないと思っている。ただ1日当たりの引き落とし限度額が結構少ない(日本円にして10万円ほど)ので、金額が大きい場合には何日間にわける必要がある。
本当はカードのキャッシング枠を利用して中国元を下し、後で日本円の口座から引きおとし・・というのがレート的には一番いいのだが、上記の理由でカードを失うことがあるので、あまりお勧めはできない。僕個人も一度引き落としをしようとしてATMに吸い込まれてしまい、長々とカスタマーサービスと交渉する羽目になったことがある(あの時は本当に泣きそうになった)。
最後に現金を直接持ち込むという方法もあるが、法律上はあまり大きな金額を持ち込むことは禁止されているので、もしその方法を考えている人は自己責任ということで、こちらもお勧めしない。
この他にも中国では滞在する場所で届け出が必要だったりするのだが、そういったことはWEBで簡単に調べることが出来るのでそんなに心配はいらない。個人的にはもっと短期で住む外国人のことを考えたシステムが出来れば・・と思ったりするのだが、なにせこのでかい国を急速に近代化させているので、多少の不便は我慢するのは、上海を体験するためのコストだと割り切って来ていただけるのがよいと思う。
※1・・・数週間とか一カ月単位での語学留学の場合は、だいたいコーディネーターが宿舎の案内や基本的な内容は教えてくれるらしく、あまり困らない・・という話は聞いたことがある。
※2・・・当然「同じ日本人同士なのに」という意見もあると思うのだけど、日本人かどうか(国籍)よりも、友人と思えるかどうか(個人)を大切にしたいと思っている。
※3・・・個人のつながりでうまくいく人もいるのだろうけど、そういう人は対象外。
※4・・・ただし回線を個々宅に引くのではなくて、一階に一本・・みたいなことは普通にやっているので、日本で想像するようなスピードが出ることはほとんどない。schoolはさすがに高速回線が引かれており、あまりの早さに入学当初感動した。
※5・・・銀行ごとにルールが違っていて、ある銀行では外国からの送金を受け付けない国内限定口座だったのに、それを知らない日本側本社から日本円を送金してしまって現金が銀行内で認識されないままになっていた・・という事例を知っている。
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