第60週目終了! -就職活動込みで台湾再訪 -
Term5が始まったと思ったら、あっという間に9月は終了・・ということで、この時期はいったい何をしていたんだと自分でも思うほど時間がたつのが早い。当初はメインの作業は就職活動の情報集めとお話聞きにする予定だったのだが、思ったより授業の負担が重かったり(これはむしろ喜ぶべきことか・・)、何より9月前半は反日騒動の情報収集に個人的に時間を使ってしまったために、ほとんど作業が出来ない時期があったのが痛かった。ようやくリズムを取り戻したと思ったら、あっという間に国慶節でお休み期間に突入ということで、MBA生活第60週目も無事に終了。
■ 就職活動の時期来る! ■
今までもこのblogでは散々就職活動がどうたらこうたらと言う話を書いてきたのだが、実は今週になって初めて本気でfull-timeの仕事のインタビューを受けるという機会に恵まれた。とある欧米系企業のインハウスコンサルティングの会社で、なんでも「日本での業務を増やしたい」という理由から日本人の僕に目をつけたらしい※1。突然人事から「もし、あなたが興味があれば私たちの会社に応募する権利がある」という謎のメールが来て、なんのこっちゃと思ってレジュメを送ってみたら、インタビューに呼ばれるということが起こったのであった。
正直にいえばあまり志望度は高くないのだが(当たり前だ)、せっかくコンサル関連のインタビューを受けることが出来るのであれば・・・ということで、スーツを着込んでインタビューを受けに行ったのだが、なにせ複数の面接を一日で終えなければならないということで、日程がかなりハードで集合は朝の8時。しかも受けに行ってみると外国人は自分だけで他は全て大陸人というアウェーな環境だった※2。
インタビューはコンサルティングによくあるケースインタビュー形式で、午前に2つ+GMATのようなPCテストを受けることになっていた。これが終わった時点で第1ラウンドが終了で、不合格の人間はさようなら、というスケジュールらしいのだが、僕は幸運にも第1ラウンドは無事に切り抜けることが出来たので、午後も同じようなインタビューを2本受けることになった。もちろん第1ラウンドを突破できたのは嬉しかったのだが、1本あたりの時間は長くなるし、頭はボーっとしてくるしでかなりシンドイ1日となった。最終的には第2ラウンドが全て終了した後に簡単なFBと「お疲れ様、不合格です」の連絡をいただいて帰宅することとなったのであった。僕を含めてその日は6人の学生が受けていたのだが、結局合格者は0ということで、学生側も疲れるし面接側も1日使って合格者0というのはなかなか負荷の高い業務である※3。
このインタビュー、午前に1回・午後に1回それぞれ先方からフィードバックを受けることが出来て、しかもその内容はかなり的確で得るものが多かった。また、母国語でない英語でコンサルのインタビューを受けるというのは中々ない機会なわけで、そのことは向こうからもおほめの御言葉をいただくことが出来た(中国人学生は、インド人との面接以外では中国語を使ったらしい)。MBAの卒業生の多くがコンサルに行くので、そういうことをschoolでやっていると思っている人も多いのだが、少なくともうちのschoolではそういう授業は数えるほどしかなかったし、consulting clubでお互いの練習でもしない限り、中々いわゆる「コンサル思考」をトレーニングする場がない。そういう意味で、就職活動の初めにトレーニングの機会を与えてもらったと考えれば決して無駄な時間ではなかったと言えると思う。
ただ一点、その翌日から同じく就職関連で台湾に行くことになっており、しかも朝9時の前の飛行機ということさえなければ、さらによかったのだが。。
ということで、1日インタビューの疲労も抜けやらぬまま、金曜日からは台湾を訪問したので あった。(blogには細かいことを書けていないが)昨年末にも台湾に観光に行ったので、このMBA生活で台湾は二回目である。
前回の訪問の時期も、台湾というのはちょっと前の日本のような街並みで心が落ち着くな・・と思ったのだが、今回は9月に反日騒動が大陸であった影響もあり、台湾はより一層空気が柔らかく感じたのだった。気候もこの時期は暑くもなく寒くもなくであり、また口調も大変柔らかいということで、大陸でちょっとピリピリしていた気持ちを癒すにはいいタイミングであったと思う。
日本では大陸の反日に対して台湾は親日的であるということで盲目的に台湾を好きと言う人もいることは知っているのだが、単純なそういう見方を省いたとしても、やはり大陸と比べれば台湾と言うのは日本人にとっては住みやすい場所だと思う。少なくとも街中でいきなり殴られるということを心配しなくていいというのは、当たり前のようでいて結構大切なことである※4。大陸から台湾に移ったという人が、台湾を好きになるのは僕もうなずける。
ただ、一方でビジネスという話になると、台湾というのは基本的に「大陸に進むための準備地域」以上の意味はないというのも事実である。確かに世界的に名を成しているフォックスコンやHTCという企業もあるが、基本的に売上のほとんどは台湾外からあげているし、なにせマーケットの大きさが大陸とは違いすぎる。台湾の人口は2,300万人であり、13億人を抱える巨大マーケットの前では、ないも同じである。台湾人の友人に聞いても「住むなら絶対台湾、でも仕事するなら大陸というのは仕方ない」という反応が返ってくる。
僕が今回お話を聞きにいった日系の会社も、サービス分野で海外進出を考えるにあたりま ずは台湾で経験を積むということを主眼に置いており、いずれ大陸に進出するにあたり現地のことを知っている人間が必要と言うことで僕に声をかけてくれたらしい。確かに組織運営の面で台湾で苦戦するようでは、大陸ではとてもやっていくことはできないと思う。
今回はお声をかけていただいた期間で複数の人と会う必要があったり、イベントがあったり
と結構長く台湾にいることになっていたので、前回に続いて夜市を散歩したり101の辺りをブラブラとする機会があったのだが、食事はおいしいし街は安全だし、移動をするにしても適度にコンパクトであるということで、数年間住むのであればかなりいい街であるというのが正直な感想だった。次の会社選びでは、こういう住環境というのも考えなければならないな~というのは、9月以降は考えるようになっていた
ので、台湾で働くということも真剣に考えてみたいと思ったのだった。
逆にいえば、ついこの前までの9月の出来事は、僕のように比較的長く中国にコミットする人間にも影響を与えているわけで、長期的に見たら中国にとっても残念な出来事だったと言わざるを得ない。自分的には「国際政治に翻弄されてしまってるんですよ・・」とネタの一つにでもすればいいと思えるけれど、もっと長く住んで、たとえば自分で会社を興されている方からすれば笑いごとではない。
来週は国慶節なのでschoolも休みになってしまうため、週の半ばには日本に帰って、これまた就職関連で複数の人に会う予定である。気がつけばMBA生活も実質残り2カ月で、本格的に就職の声が聞こえる担ってきたのを実感するのであった。
※1・・・欧米系企業の中でもものすごく大きな企業の中には、自社グループ内に自社企業向けのコンサルティングをする部隊を持っている企業があり、そのようなコンサル企業を「インハウスコンサルティング」と呼んでいる。
※2・・・しかし、なぜかインド人の人事は僕のことを大陸人だと勘違いして話を進めていたのであった。日本人だから・・という理由で呼んだんじゃなかったのか。。
※3・・・圧迫面接だったのかもしれないが、やたら高圧的な中国人(またはシンガポール人)の女性が出てきて、話がうまくかみ合わない段階で落ちることを確信した。他の候補者とも「ずいぶんと偉い人らしいが、あんまりだよな・・」という話をしたので、候補者全員が彼女を突破できなかったものと思われる。違う人が来たらまた違った結果になったかもしれない。
※4・・・反日期間中は上海にいても僕はピリピリしていたのだが、台湾人からは「台湾では絶対そういうことはないぞ!」と何度も声をかけてもらったのであった。
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