第65週目終了! - (自分的)Final Termの授業選択-
気がつけば2012年も11月に入ってしまった。今年も残り二カ月と思うとずいぶんとあっという間にMBA生活も過ぎてしまったものだな~とあらためて実感する。今年が始まった時にはまたTerm1が終わったばかりで、夏のインターンをどうするか・・ということを悩んでいたのに、今となれば卒業後の就職の心配をしているのである。この間にプロジェクト型授業あり、夏のインターンあり、選択授業あり・・とMBAらしい生活だったのだな~と思う一方で、昨年の始まったからのような緊迫さはずいぶんとなくなってきたなと振り返れば反省点も多い。残り4カ月弱の上海生活、ずいぶんと自由な時間がある・・、をどう過ごすのかも考えないといけないな~と思いつつ、最後の選択授業期間に入ったMBA生活第65週目も無事に終了。
■ 実質的に最後の選択授業 ■
CEIBSの公式卒業は毎年4月末(僕の場合は2013年4月末)に設定されているのだが、授業自体は僕たちの年は2月中旬には終了することになっている※1。ただそれまでに単位取得が終了していれば、1月の第一週に全員参加の授業に出席しなければならないという縛りを除けば授業に参加する必要はない。
僕の場合はもともと年明けには就職活動に全力投球をしたいということと、ダラダラ生活をしているとお金がドンドン無くなってしまうという資金的な問題があるということで、Term6には授業を取る気はなかったので、今週から始まったTerm5-Bが最後の授業期間ということになる。
CEIBSは必修の縛りが非常に強くて、選択授業を取ることが出来るのは全68単位中18単位だけなのだが、自分の感覚としては選択授業のほうがはるかに面白い授業が多いので、この期間で授業が終わってしまうというのは非常に残念な気分である※2。ただ一方で単位認定をしなくてもよい「聴講」というシステムを使うかというと、たくさん授業を取ってしまうと全部の課題をカバーしきれなくなるし、かといって課題をしないとなれば結局学びの量も減ってしまうということで、結局この聴講システムもイマイチ使い勝手が悪い。ということで、結局悩みつつも今学期(Term5-B)は3つの授業を取ってMBA生活を終了することにしたのであった※3。
- Negotiation Skills
- Luxury Branding
- Mergers and Acquisitions Management
CEIBSの授業の中では異例にも同じTermで二コマ設置されている授業である。つまりそれだけ学生からの要望が強いということで、毎年人気授業とされている。
Negotiationというのは自分の中ではある意味That's MBA!という科目という認識があって、せっかくMBAに来たんであれば必ずとらなければならないだろうと思っていた授業である。交渉技術というのは教科書を見れば理論については学ぶことはそんなに難しくないものの、自分のキャラクターの活かし方も含めてやっぱり実地を踏むのが一番だと考えていて、そういう観点から授業で学ぶにはピッタリの科目だと思うのだ。
CEIBSの授業ではその希望に漏れず、毎回の授業でテーマを与えられて同級生と交渉をするという練習をする。第一回の授業ではまだ参加メンバーが確定していない中、とりあえずメンバーをふりあてられて買収の交渉を行うという内容だったのだが、やはり模擬とはいえ同級生と交渉をするのはなかなかに緊張感があってよい。
組み合わせによってはまったくうまくいかない場合もあるみたいだが、そのような経験も含めてかなり毎回楽しみな授業である※4。事前課題がほとんどない、というのも学生たちに人気の理由であるらしい、しかも3単位つくし。
タイトルの通りLuxury Brandについて専門的に学ぶという科目。何でもこのような科目はあんまり他のschoolではないようで、交換留学生が多くいるのが特徴らしい。
夏のInternをした時に、欧米系企業というのは日系メーカーに比べてbrand buildingに対する意識が非常に強いな~ということを実感し、そしてbrand buildingの最たるものといえばLuxuryであろうということで選択。また中国は近いうちにLuxury Marketとしては最大になるだろうというのも選択の理由としてはある。
MBAの授業は大きく分ければ学問畑から教える教授と、実務の経験から引っ張ってくる教授の二通りがいるわけだが、この授業の教授に関していえば完全に後者である。とあるLuxury cosmeticで人材教育を長くした後に独立して自分でLuxury専門のコンサルティング会社を立ち上げたというバリバリの経歴を持っており、授業も基本的にはそのコンサルティングプロジェクトで使った資料をもとに進んでいく。おまけに彼のカバーしている地域というのはヨーロッパと中国なので、中国マーケットの現状に触れることが出来るというのも非常にありがたい。おまけに毎回ゲストスピーカーが1時間ほど抗議をしてくれるということで、完全に実務向けの講義である。
教授はいかにもMarkterという感じのクセがある人間で、しかも日本マーケットも見ていたということでよく日本人の文化的な話をしたりするのだが、どうしても僕の立ち位置的にはそこにchallengeをせざるを得ずなかなか会話もスリリングである。Luxuryをどう消費者が受け取るかというのは文化的な背景に依存するものもあるので、どうしても文化的な話をせざるを得ないのだけど、やはり欧米人が「欧米は○○だが、アジアは××だ」的な話をするのはMBAとはいえややセンシティブではある。
課題の量が半端ない・・というか実際に企業の担当者を割り当てられて分析を行うということで負荷は非常に大きいのだが、毎年この授業を足がかりにして職を得る学生もいるということで、本気の学生にはかなりおいしい授業であると思う。そういう感じになると途端に交換留学生の比率が増えるのがいかにもうちのschoolっぽい。
これまたタイトルの通り、M&Aをどう行うかという話である。M&Aの話題はどちらかと言えば、価格をどう決定するかとか、どのようなStructureで行うかという話が多いのだが、この授業はそういったことは一切無視して「M&A後のマネジメントをどう行うか」ということに特化しているのが特徴だと思う。
自分はMarketing畑の人間であろうと思っているので、Finance関連であればとることはなかったのだが、この授業のようにM&A後にどのようにOperationを行うか・・というのはマネージャーとしては非常に重要なテーマになるだろうということで選択をすることにした。発展途上国に参入するにしても、日本で働くにしてもM&Aというのは避けることが出来ないテーマであるわけで。
それからもうひとつ授業を取る決め手になったのが教授のバックグラウンド。さきほど教授は学問型と実務型の二種類があるということを言ったが、今回の教授はとあるグローバルメーカー(名前を言えばだれでも知っている)でM&AをCIOとして実際に体験し、さらにそれが失敗に終わった時に当事者として処理を行ったという実務の経験を持っている上に、退職後にPh.Dを取得してMBAの講義を行うようになったというハイブリッド型である。M&Aというのは少なくともValueを出すという観点からは半分ぐらいは失敗に終わるわけで、そういう経験をしかも最も面倒くさいシステム側からみているという話は非常に興味をそそるものがあり、経歴を見た段階で迷わず選択をした。自分も海外進出時の仕事で似たような経験をしているし。。
教授は学生を持つのは初めてということで、やや頑張りに対して空回りをしている感が否めないものの、とにかく熱意は半端なく感じるし、自分の希望するテーマにもあっているということで楽しく授業を受けることが出来そうである。毎回ゲストスピーカーが来るというのも非常に大きい。
ということで、今回は実務×多様な経験を聞くことが出来る、という観点から授業を選択することにしてみた。読み物と課題の量はかなりあるものの、週4~5コマの授業であれば十分に時間をもつことが出来るので、しっかりと身になるような経験をしていきたいと思う。唯一の難点と言えば土曜日に授業があることぐらいだろうか。土曜日に授業があると一気に疲れが違う感じがするのよね。
※1・・・授業カレンダーは結構頻繁に改定されるので、2012年入学学生の場合はTerm7で終了ということになっているが、僕たちの場合は最後のTermはTerm6。
※2・・・希望してテストに合格すればMacro EconomicsやAccountといった基礎授業をパスしてその分の単位を他に回すこともできるが、Term1や2はチームで授業を受けることになっているので、一人だけパスをしてしまうとそれはそれでさびしい感じもするので、パスをしないほうが少なくとも楽しく過ごすことはできると思う。
※3・・・就職が爽やかに決まっていて、そのほかの雑務も全て終了出来ていればTerm6(2013年1月-2月)は聴講をする可能性もある。
※4・・・とある交換留学生は売値に売上金額と同じ金額をつけて「Revenueと同じ金額が適正であるべきだ」と主張をしていて、そのschoolのFinanceの授業はいったい何を教えているのだろうか・・と若干不安になったのであった。
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