第66週目終了! - Exchangeに行くべきか? 行かないべきか? (デメリット編)-
Term5-Bは5-Aよりは多少授業が多いとはいえ、1年目に比べてはるかに時間があるはずだったのに、思ったよりも時間がなくてあっという間に一週間がたってしまった。就職活動が少しずつ山場を迎えてきて、日本からいきなり電話がかかってきたりメールのやり取りをひがなしているというところからなんとなく時間の区切りがとれないというのもあるし、今週は交換留学でこちらにきている学生が日本企業に入りたいということで、その手伝いをしていたりと授業以外のことでかなり時間をとっているような気がする。今月は香港にもちょっと遊びに行く予定なので、出来る限り課題などは前倒ししたいな~と思っているのに、どうにかくっついているぐらいというのも若干悲しい気がする、そんなMBA生活66週目も無事に終了。
■ Exchangeの意味と、残された人達はどうするべきか? ■
Term5-Aのところでも少しふれたような気がするが、Term5に入って一番これまでと変わった部分といえば、Exchangeで色々な地域/schoolから学生が来ているということである。当然うちのschoolからも入れ替えで他のschoolに行っているので、だいたい半分ぐらいの学生は入れ替わった感じになっている。CEIBSはかなりの数のschoolと提携を結んでいるために、Exchangeは様々な地域に行くことが出来るし、本気で自分が行きたいschoolがあれば自分で交渉して提携関係を結ぶということもできる。
僕はこのExchangeに関しては応募が始まった段階で応募をしないと決めて上海に残ったわけだが、実際にExchangeの学生が来ると、いろいろと想像していたことと違う状況になったな~ということを感じたりする。ということで今日は、今後CEIBSを考える人もいるかもしれないということで、実際に迎えてわかったExchangeのメリット/デメリットを書いておこうと思う。まず一回目の本日は先にデメリットの方を・・・(なんとなく書いておいてすっきりしたいという気持ちもなくはない)。
- デメリット1:Exchangeの学生とはそれほど仲良くはならない
- デメリット2: グループワークが機能しない
- デメリット3: 教室内でのモラル低下
一応このExchangeは大義名分としては、異なる地域やschoolを体験したい学生にチャンスを与える(これは主に行く方)とともに、受け入れ側も他のschoolから来た学生と交流することで新たな視点を手に入れるということがあるのだが、実際にExchangeの学生が来てみると思った以上に交流の機会というのがない。
そもそもうちのschoolはこの時期は入学したばかりの1年生の対応やら翌年度の受験に向けての準備が大詰めを迎えるということから、ほとんど2年生に対して気を使われるということがなくなる。学生委員会もこの時期にはすでに1年生が主体となっているので、ほとんど関わることがないし、有り体にいえば「放置されている」状態である。
なのでExchangeで来た学生を迎えるWelcome partyのようなものも当然行われない。一応Exchangeの学生が一堂に集まる説明会のようなものはあるらしいのだが、受け入れ側の学生の席はないのでそこに出席することはない。また受け入れ側のCEIBSの学生が他国からきた学生をサポートするというbuddy programというのがあるのだが、これも主に1年生が対応するのでやることがない。結果としていきなり授業が始まって「知らない学生がたくさんいるな~」という感じにしかならないのだ。
さらにExchangeで来た学生というのはschool内の宿舎を借りることが原則的にできないため、ほとんどの学生が街中に住んでいる。うちのschoolの学生の仲のよさの何割かは、ある意味上海市内から隔絶された場所でワイワイやるということに依存しているので、学外に住むとschoolに来るのもおっくうだし、外にいれば楽しいこともたくさんあるしで中々交流の機会を持つことが出来ない。結果として何人かの人間とは話すようになるが、基本的にはExchangeと受け入れ側は別々のグループを組むという感じになってしまう。
うちのschoolの学習方法の特徴の一つに、ほぼ全ての授業でグループワークが課せられるというものがある。この方法はExchange期間でも変わらずに維持されるのだが、はっきりいって必修期間よりもはるかに機能しなくなっている。しかもグループはschool側に勝手に決められる上に、相互評価も行われないので(今のところ僕がとった授業では行われていない)ストレスだけをためることになる。
なぜグループワークが機能しないのか・・というといくつかの理由があるのだが、まず最も大きな理由は「ExchangeでCEIBSに来る学生は、CEIBSそのものよりも中国やアジアに興味がある」ということがあげられる。遠く米国やヨーロッパから、めったに足を海入れることがない中国に来ている彼らとしたら、schoolで毎日勉強するよりも適当に旅行に行きたいと考えるのが自然であると思う※1。
次の理由としてExchangeで来ている学生の多くには、成績がつかないという問題がある。成績がつくのであればまだしもやる気が出るところを「Pass/fail」の二つしか出ないのであれば、最小限の力でやりたいと思うのが人間だ(しかもここは実利にうるさいMBAである)。一方でうちのschoolの学生にはしっかりと成績がつくので、どうしてもやる気・・というか原動力には差がついてしまう。
最後に、Exchangeで来ている学生とは基本的に一期一会であるというのがある。うちのschoolでも当然当初から作業に協力しない学生はいたわけだが、最低でも1年間は一緒にいるということと、何度もグループの組み換えがある・・という、いわば評判と友情に関わる点があったので、多少は抑えがきいていた部分がある。しかし、Exchangeは早ければ3カ月で自schoolに帰ってしまうわけで、そこでどう思われようと旅の恥はかき捨て的な発想になってしまうのは否めない。
結果としてグループワークが機能するかどうかは、ほぼ100%「組む相手がいい奴かどうか」で決まってしまうという現実が発生する。おかげさまで全ての授業で1人はいい奴がいるので助かっているが、受け入れて腹立つというのはなんとなく納得がいかなったりもする※2。
上記二つに加えて(というか上記二つを理由として)、Term5に入ると選択授業になり科目一つあたりの受講生が減ったり、聴講生というシステムが加えられるということもあり教室内でのモラルも大幅に低下する。
うちのschoolは必修期間は「自分の座る場所は全て決められている」「75%以上の出席がないと成績が自動的にダウングレードする」というように結構細かいルールが決められているのだが、そのほとんどがなし崩し的に亡くなっているように見える。特にこのルールはExchangeには適応されるということが正しく伝えられていない可能性もあり、Term5-Aでは最後のプレゼンのみに出席するというツワモノもいた。建前として勉強は基本的に自分のためにやっているので、他の人の出席状況に左右されることはないとはいえ、一方でMBAの教室というのは「皆で雰囲気を作っていく」ということが求められており、こういう状況はかなり残念である。
さらに近頃では席に空きがあるせいか、自分のパートナー(当然在校生ではない)を授業に伴って出席する人間も出てきたりする。こういうことにイラッと来るのは僕だけなのか、それとも回りも面倒くさいのか、何事もなかったように席に座っているのを見ると、うちのschoolの出席管理はいったいどうなっているのだろう・・と悲しくなってしまう※3。
■ ストレスを貯めないために ■
こういったデメリットをあげる限り、少なくとも勉学における環境面としては、あきらかにExchangeは「行った者勝ち」である。落ち着いて考えてみればmotivation以外のほとんどの部分は、ルールを厳密に適応したり個々取り締まっていけば解決することが出来るような気がするのだが、やる気がないのか、それとも他schoolとの関係からなかなか手をつけることが出来ていないようだ※4。
こういうことにストレスをためるのは非常に馬鹿馬鹿しいし、やはり授業にはなるべく楽しく出席したいわけで、個人としてどうやって対処しているかというと、「授業に集中する」「課題は早めに音頭をとって、とっとと終わらせる」という、結果としては自分にとってプラスになるような解決策をとることにした。
自分が興味あるテーマを取っているというのもあるが、結局同じ時間を過ごすならできるだけ自分にプラスにしたい・・ということを突き詰めた結果こうなったわけで、よく言われるMBAでのLeadershipというのは必ずしもプラスの感情から生まれるわけではないのかもしれない・・という自分の結論に若干驚いたりもしている・・。
※1・・・これはうちのschoolから出ている方の学生も同じような行動をしているっぽいので、お互い様という気もするが。。
※2・・・しかし、これも他のschoolにいる友人たちに話を聞く限りうちの生徒も同じような感じらしいので文句を言うことはできない。
※3・・・僕はこういうことに腹立ちを感じるタイプなので、授業管理をするTAに相談してパートナーには退席してもらったことがある。
※4・・・これも他のschoolに聞くと大なり小なり同じような感じなので、むしろMBA業界としてそういうものなのだと理解したほうがよいのかもしれない。
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