第72週目終了! - 改善をもとめたい授業Best 3 -
先週末に日本から返ってきてからはほとんどイベントらしいイベントもない一週間で、夜はいくつかのイベントがあったものの、基本的にはschoolで運動をしては寝るということを繰り返した一週間だった。すでに就職活動はある程度形になっているし、来週は台湾で同級生の結婚式に参加することになっているので、今週はちょうどぽっかり空いてしまった感じである。10月に台湾に行った際にはとにかく食べ過ぎてしまってその後遺症が未だに残っているので、今回は出来る限り体を絞って行きたかったのだ。こんな感じで冬休みをゆるゆるとエンジョイした第72週目も無事に終了。
■ 改善をお願いしたい授業 ■
さて、今週は先週のエントリーとは反対に「MBA Officeにはぜひ改善をお願いしたい授業」3つを取り上げてみた。ぶっちゃけて言えばWorst3の授業ということになるのだが、前回も書いたようにこれはあくまで個人の嗜好が反映されたものだし、僕が選択していない授業の中でさらにひどいものもあった可能性があるので、あくまで「自分としては改善をしてほしい授業」という位置づけになる。
判断基準に関しては前回と一緒の基準としているが、改めて振り返ってみると圧倒的に「教授」の思いを高くして判断している気がする。エントリーの趣旨(改善をお願いしたい)から、どうしても教授とコンテンツに重点をおいてしまうのはご了解をいただきたいと思う。ちなみに順位はWorst3から発表。一番最後が一番(以下略)。
- 第3位:Strategic Management(Term 2)
- 第2位:Responsible Leadership Project(Term 1)
- 第1位:Chinese Economic Reform (English) (Term 3)
名前の通り、純粋にStrategyを学ぶ科目。ある意味MBAの花形科目と言う気がするので、のっけからこの科目ってどうなのよ・・と自分でも思うのだが、あらためて全科目を見直してみても、この科目は自分の中でかなり不満足度が高いものだった。
CEIBSの場合はある程度専門分野にあわせて3人の教授がStrategyの授業を受け持っているのだが、何と言うかそれぞれ一長一短があって誰一人として、個人的に満足な授業を展開してくれる教授はいなかった。また、質疑応答などもflexibiltyが足りず全体として「Strategyという科目で必要とされているToolを学ぶ授業」であって、「Strategyとは何なのかを学ぶ授業」ではなかったというのが自分の感想である。結果としてわかったのはStartegyというのは大変に難しい領域なんだな・・というだけである(爆)。
またこれは教授も人間であり、また上海市がスポンサードしているうちのschoolで教えている以上仕方がないのだが、分析があまりにもデータとして取得可能なビジネス面に偏っているのも気になった。もっと言えばこれまでも時々言及しているように、中国において重要な側面である「政治的な影響力/有形無形の優遇政策」はほとんど考慮していないのである。
中国で学んでいる自分としては出来る限り中国ビジネスに関連しているほうが嬉しいというのは本音だが、分析可能なことに制約が多いのであれば思い切って理論としてはもっと成熟している市場からのものを多用してもいいのではないかと思う。
この授業は日本でも今では一般的になったCSR(企業の社会的責任)について、実際にプロジェクト形式で学ぶというもので、うちのschoolのウリの一つとなっている科目である。なので、これをここにあげるのはある意味「うちのschoolのウリはイマイチですよ」と言うようで申し訳ないのだが、ある意味「改善を求められる」という意味においては最も当てはまっているともいえる授業である。
まずこのCSRという概念、中国ではある意味「格好いいもの」として色々な有名企業が取り組みをアピールしているし実際に調査を行うと消費者の関心も非常に高い領域なのだが、実際はどうかというと、まだまだ目の届かない領域が多すぎるほどあるこの国では取り組みが一般化しているとは言い難い。つまり、こういったことに専門的に取り組んでいて指導できる人間があまりいない。そのため教授も自分でこの分野のコンサルティングを行っているビジネスマンで、この授業も彼のビジネスに関連していると言えなくもない。プログラム自体がいわば一つの「実験」なのだ。
加えて、この科目はプロジェクト型授業と銘打っている割には必ずしも全チームにクライアントがあてられるわけではない。必ずクライアントを見つけてこなければならないという制限はないので、そこまでプレッシャーは強くないのだが、基本的にクライアントが見つからないチームは自分で想定するクライアントを設定しなければならない※1。言い換えれば「お客さんを自分で(勝手に)想定して、勝手に(自分たちで)問題を設定し、それに解を出す」ということで、投げっぱなしもいいところの授業である。
「教授がアカデミックの専門でない」ということと「クライアントを自分で設定しなければならない」というこの二つがかけあわさった結果として、各グループがてんでバラバラのことをやってしまい、最後には「何だかよくわからないけど、とりあえず終わってよかったね」という感想をほぼ全員がもつという授業になってしまった。
個人的には授業でとりあげるフレームなどは非常に興味深いものだと思っており、ちょっと惜しいな・・というのが正直な感想。もう少しオーガナイズされればよい授業になるのではと期待もしている。
残念ながらというかぶっちぎりで最下位に輝くのがこの授業。あまりにもひどかったために既に一回エントリーでも取り上げているので、ここでは同じことは繰り返さないでおくが、とにかく逆の意味で僕の記憶に強烈に残っている授業である。
この授業はある意味非常に罪作りな授業で、友人も言っていたように「CEIBSに入る外国人は多かれ少なかれ、中国経済の発展については興味がある」のだが、そういった期待を木端微塵に砕いてくれるパワーがこの授業にはある。中国経済について深く理解していて、かつ英語でそれを説明できる人間が少ないというのもあるが、もう少し何とかならなかったのだろうか・・という思いは今でも消えない。
ちなみに、今年の我々の評価が考慮されたかどうかはわからないが、交換留学生向けに当初予定されていた同内容の彼の授業はキャンセルされて、他の教授が担当をしていた。しがらみや中国人の官僚的な対応でが多いため極めて動きが遅いうちのschoolでは画期的なことだと思わず感心してしまった・・・。
ということで全体をまとめてみると、やはりどうしても必修授業のほうが満足度が低いのだな~ということがあらためてわかるランキングとなってしまった。必修授業に関しては入学前に自分でそれなりに想像を膨らませているために、どうしても期待と実際のギャップに腹が立ってしまうというのもあるのかもしれない。
また、実際には一つの授業について1エントリーをたてることが出来るくらいかけることがあるのだが、そういうのもあんまり生産的ではないし、自分で自分のクビを締めることになってしまうのでさらっと理由を書くぐらいにとどめておいた。
今回選んだ三科目でもう一つ共通するのは、仮に「MBAの指導層」という人材プールを想定すると、おそらく人材の層があまり厚くない部分だろうと想像されるということだ。実際にMBA生活を終える今となっても、やはり「中国ビジネスを理解しているて英語で自由に指導を出来る指導陣人材」というのはまだまだ薄いな・・というのが生意気ながらも率直な感想である。
こればっかりは一朝一夕に解決されることではないし、うちのschoolもIESEと共同でDoctorプログラムを立ち上げるなど、アカデミックな部分を強化しようとしていることは明らかなので、おそらく中国人でDBA(MBAの博士課程)を卒業した層がもう少し大陸に戻ってくるであろう、あるいは大陸でMBAを取得してビジネスの現場でExectiveになる人が増えているであろう数年後には、また現在とは違った状況になっていると思う。
※1・・・うちのチームもクライアントを設定することが出来なかったので、ある一名が見つけてきた資料をもとに勝手に課題を設定してプロジェクトを行った。その一名は本来はMarketingで自分が発表をしなければならない回の前日に奥さんと大喧嘩をしてまったく作業が出来なかったという理由でドタキャンをしたという負い目があったため(変わりは僕が徹夜して作業してどうにか終わらせた)、この科目では最後のペーパーは全てを自分一人でやってくれるという勇者になってくれた。
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