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2013年1月 6日 (日)

第74週目終了! -Term 6 にて最後のまとめ期間 -

三週間の冬休みも終わり、中国では1月4日から最後の授業が始まった。今年の日本はカレンダーの都合で結構長い休みをとることが出来ている人もいるようだけど、新年といえば「旧正月」を意味する中国では3ヶ日だけが休みである。そのうえ、その休みの幾分かは埋め合わせが行われるので、カレンダーによれば1月4日から8日間連続勤務となるような会社もあるようだ。
うちのschoolも最後の授業は集中授業形式ということで、5日間連続で授業が行われることになっており、本日は折り返し地点の3日目が終わったところである。単位も全てとり終わったことが確定したので、本当にMBAとしては最後の授業を堪能している第74週目も無事に終了。



■ MBA最後の授業 -Simulationで経営ゲーム- ■

長いようで短かった18カ月もあっという間に終わり、Exchangeに行っていて同級生も全て上海に戻り、今週は最後のIntegrated Simulationの授業が行われている。この授業、1チームを5人から6人に分けて、1つの会社を担当し、期間内で自社の価値を最大化させることを目指すというゲームである。

ゲームと言ってもかなり本格的に作りこまれていて、全てのデータを見て意思決定をするというのはとても不可能なほどデータは多いし、とりうる手もかなり豊富に設定されているので、各チームは限られた時間の中で、自分たちが最善となる手を打たなければならない。またデータの範囲は製造やFinancial Statementといったものだけではなく、Marketing dataやTechonologyなどかなり広い分野をカバーしている。このゲームで勝利しようとしたら、自然とMBAで学んだ範囲を応用しなければならない・・というように設計されているといえるだろう。


意思決定の方法は各チームに任せられているが、多くのチームは各メンバーの嗜好と得意分野にあわせて、製造担当/Finance担当・・・のように割り振りを行って手分けをして作業を行うようにしているところが多いようだ(最初のガイダンスでそのようにするように求められているということもある)。なぜか自分は理系院卒ということで、テクノロジー調査やR&Dに関する意思決定を行うという役目になった。

最初はいったいどういうゲームなんだと皆目見当がつかないまま各チームがスタートするのだが、少し経つとこのゲームの面白さがわかってくる。自分の打った手によって、結果が大きく動くというのはもちろんやりがいがあるのだが、それよりも各メンバーが自分に割り振られた「役割」に忠実に動いて、実際に議論の時にそれが反映されるのが面白い。


例えばテクノロジー担当(僕の担当だ)はかなり長期的な視点にたってR&Dセンターの建設を早期に行いたいと思っているし、Marketing担当はそれよりも短期的な商品改善をしたいと思っている。オペレーション担当は在庫を残すよりは、多少需給ひっ迫しているほうがいいのではと考えているし、CFOはおかねを使いたくない・・。という感じで、みなちゃんとそれぞれの役割に沿った行動をするようになるのだ。

もうひとつは、最初は皆色々な分野に首を突っ込みたがるのだが、ある程度時間がたつようになると明確に「自分の範囲」だけを気にするようになる、ということ。よくある「組織が硬直化する」という問題が、わずか5-6人の作業でも見られるようになるのだ。こうなると各担当者の処理能力と分析能力が露骨に結果に反映されてきて、なるほどMBAで学んだことは情報量が非常に多くなると役に立つのだな~とわかる仕組みにもなっている※1。自分の役割としては、いかにテクノロジーへの投資を正当化するというのが難しいというのもわかった※2



■ やりたいことはわかる、が中国はそれを許さない...■

正直、実際にソフトを触るまでは「最後にみんなで集まって、適当に時間をつぶして終わりなんだろう・・」と思っていたのだが、始まってみると学べることが非常に多い科目で最初にもこれをやっておけば、MBAの知識がどれほど役に立つかわかるのに・・と思うほど有意義なこの最終授業。しかし一方で、中国という場所がそういったありがたみを遠慮なくブチ壊してくれるのであった。


まずこれはschool側の手配の問題なのだが、200人近くが5人ずつチームを組んで40チームともなると作業用の部屋数が足りず、かなりのチームが「会議室の外」で作業をする羽目になっている。一応建物の中で暖房もお情け程度にはついているのだが、はっきり言って1日を過ごすことなど想像できないくらい寒い。

不運にも僕が所属しているチームもこの「会議室の外組」になってしまったのだが、外につながるドアにもっとも近い場所が割り当てられたため、とてもではないが座って作業をするような気になれない※3。集中力は始終吹き込んでくる風に削られ、各メンバーがひざ詰めで話し合うということもなく、パフォーマンスも落ちていく。4日間も続くのだから、毎日部屋をシャッフルすれば条件もフェアになると思うのだが、こういったことをしないのは何か理由があるのだろうか・・・(たぶん、何も考えていないだけだと思う)。


この件についてはschoolのアレンジの問題で解決可能なのだが、もうひとつの問題はそういった個別の事情を無視して対応が不可能な問題である。
このblogでも時々触れているのだが、中国というのは国を挙げてインターネット規制をしている国の一つである。始まった当初は一部のページにアクセスできない程度だったのが、年々システムの能力は増強されており、今ではGmailすら開けない時があるほど日々の生活に影響を与えている(特に外国人に)。

色々な面で「とりあえずやってみよう」精神が発揮される中国のこと、このシステムだけ精緻にコントロールされるというわけもなく、時々中国人が「自分の大学のページにアクセスできない!」というようなトラブルも発生したりするのだが、今回のシミュレーションでもその能力をいかんなく発揮してくれたのだった。


教授の説明によればそういったことも事前に考慮して業者側と相談しておいた・・とのことだったのだがら、システム側が12月に増強されることまでは予想できなかったに違いない。本来なら各メンバーがそれぞれ自分のPCからシステムに接続できるはずが、レスポンスが返ってこないということが多発し、結果として各チーム2名までしか接続はまかりならん・・ということになった。

さらにいえばこの2名というのは「最大値」なので、システムのご機嫌が斜めの場合に1人も接続できないということも発生するチームもあり、フェアな競争などそもそも出来ないという状況になったのであった。何と言うかいつもの通り「やりたいことはいいのだけど、実現がイマイチだね・・」という状況になってしまったのである。


今回の最終授業、学生側も「まあ最終ということで・・」ということで特に騒ぐ学生もいなかったのだが、年々増強されている規制システムを考えると来年辺りには「そもそも接続が出来ない」ということになったとしてもおかしくはないと思う。
そもそも外国人にとってYouTubeやらFacebookに接続できないというのはかなりの苦痛だと思うし、Gmailに至っては家族と連絡できないというようなリスクすら発生してしまう可能性があるので、そろそろこの規制問題はschool上げて取り組むか、現実的に考えて難しいのなら、せめて入学の手引書に書いておくべきレベルだと思ったりもする。


※1・・・通常読んでいるCaseレベルだと、情報量がそれほど多くないので構造化する必要を感じないこともあるのだが、今回のソフトではかなりのデータを見ることが出来るし、一回の意思決定に2-3時間しか使えないのでデータのまとめ方は非常に重要。
※2・・・使っているソフトウェアだと他社の研究開発の動向が「後追い」でしかわからないので、予想をたててやるのだが、だいたいMarkteing担当に予算を分捕られてしまうという結果に。。。
※3・・・(追記)予想通り授業期間終了後に熱を出して寝込む羽目になった。ひどい話である。

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