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2018年2月 9日 (金)

MBA卒業後では初の転職

2018年1月を持って、MBA卒業後から勤めていた米系IT企業である日本IBMを退職して、2月より新しい職場にうつった。IBMにいた期間は4年11ヶ月で、実は人生で属した会社の中では最長となった。就職した時には、まさかこれほど長くいるとは思わなかったのだけど、辞める理由が特にないな・・・と考えていたり、中国にいる同期はほとんど複数回の転職をしているが、日本ではあんまり転職回数が多いのはマイナスになるので、時期としては標準的な期間ではないかと思う。

MBAではよく「まずは学費を返すためにコンサルをやって、返済が終わったら本当に好きなことをやる」ということが言われるのだが、狙ったわけではないが、自分もちょうど借金を返済し終わったタイミングでの転職をすることとなった。新しい会社は米系の研究開発に特化した非営利組織で、役目としては日本企業や大学、政府系組織との共同研究プロジェクトを立ち上げることを目的とした事業開発担当という感じである(詳しくはプロフィールページをご参照のこと)。


● 同業他社には行かない:転職の際に考えたこと ●

自分ぐらいの年齢になると、これまで経験がしたことがない業種や職種に移るというのはできなくはないけど、非常にチャレンジングであるのは間違いない。取る側もそれなりの期待をして採用をするので、全く経験がない人間を取るという意味はほとんどないし、移る側の人間としても家族がいるとそんなに冒険は出来ないものである。・・・ということで、転職する際に最もわかりやすい方法は「強豪である同業他社に行く」というものだ。特に自分がいたIT業界、かつクラウド事業というのは、使っている技術もほとんど変わらないし、古くからいる人間が幅をきかせているという業界ではないため、実力があれば同業他社転職は容易である。そもそも、最後の一年半取締役が同業他社からヘッドハンティングしてきた人だった。


ただ、個人的には今回の転職をするにあたって、よっぽどのことがない限り同業他社にいくことはしないでおこうと思っていた。
一つは、少なくとも前職ではそれなりに評価をされていたので、何も同業他社に移る必要はないと考えていたからだ。IT業界というと「若い人間がドーンと偉くなって、マネジメントをしている」みたいなイメージがあるが、クラウドはまだまだ成長領域とはいえ成熟してきているし、そもそもB2BのIT領域というのは重厚長大な雰囲気があるので、駐在員でもなければいきなり30代でExecutiveというのは、ほとんどない。そういうことであれば現職にいて順番を待っていればよいと考えるのが合理的な判断だと思う。

もう一つは、単純に同業他社に行くのはかっこ悪いと自分で思っていたことである。自分でも青臭い意見だと思うのだけど、IBMでは取締役の側で色々な仕事をやるというポジションにおり、なんというかそういうようなポジションにいる人間が、ちょっと給料上がる(かもしれない)という理由で同業他社にいくのは、なんとなく義理がないというか、自分の生き方に反しているように感じた。IBMはクラウドではマーケットTOPではないし、正直なところあまりブランドイメージがよくなかったので、同業他社に転職するというのは、ある意味で「マーケットポジションをあげる」ことになるのだけど、一回弱いところにいたのであれば、そこを強くする方が面白いのではない?というのが僕の持っている感覚だった。


● 転職を考えた理由 ●

これまで4年11ヶ月在籍したIBMは、日々仕事をしていれば色々不満はあったものの、基本的にはとてもとても良い会社である。昔からいる人に言わせると福利厚生がかなり減ってしまったと嘆いていたが、社食はあるし、社内にジムも出来た。フレックス制どころか、E-Workと呼んで会社にいかなくてもよいという制度のおかげで、必要がなければ家でダラダラ過ごすことも出来る。お客様も優しい方が多くて、子供が産まれる時や産後数ヶ月は実質産休状態になることを許可いただいたということもあった。

社内で部署移動してからは季節労働者のように異常に忙しい時期と、全然暇な時期が交互に来ていたのだが「忙しい時期があれば、暇な時期もあるのがちょうど良い」という感じで巷間言われるようなブラック企業だという感じはしなかった。有給使うのも全く問題がなく、息子の幼稚園選びの月など多分出勤率は4割以下である。


じゃあ、そういった会社をなんでやめようかと思っていたかというと、ものすごく単純な話で「自分がやっていることが本当に意味のあることだと感じられなくなってしまったから」だ。誤解がないように書いておきたいのだけど、IBMという会社が世界にとって有益であるという信念は、入社してから退社するまでの期間で全く変わらなかった。ただ、自分が日々やっていること、例えば本社に向けてレポートを書くとか、執行役員クラスの会話のメモをとるとか、そういったことがどれくらいの意味があるのかをうまく消化しきれなくなったのだ。

うちの息子は保育園に行っておらず毎日基本的に家にいるのだが、2歳を過ぎたぐらいから、会社に行こうとすると「会社行かないで〜」と泣くようになった。そういう時に、パパは会社にいかなければならないんだよ、と諭すわけだが、泣いている息子に対して「パパはお金を稼ぐ必要があるから会社に行くんだよ」とだけ思っているのは、なんとなく勿体無い気がしていた。せっかく子供と離れている時間を持たなければならないのであれば、ちゃんと自分が自信を持って"お金を稼ぐ以外の"理由を話せるようになりたいと、そういうように感じるようになった。ざっくりと言えば、これが転職をしようと思った一番大きな理由だ。


● 新しい会社で・・・●

新しい会社は自分が好きなアカデミックな雰囲気と、ビジネスを追求する感覚が程よく混ざっていて、まだ転職して2週間目だが居心地は大変よい。本質的には米系なので、いつLayoffされるかというのは誰にもわからないのだが、少なくとも今回の職場に関しては「あと何年いたら次にいこう」という気持ちを持たずに働けるのではないかと考えている。実をいうと、そう思うのは都合4社目にして初めての経験だ。

なにせ極めて在籍人数が少ない組織に入ってしまったので、これからは本名が少しずつ世の中に出ることもあると思うし、そういった時にはこのブログでも取り上げていこうと思っている。これまでは「調べようと思えば調べられる」ぐらいのところで素性を明かしていなかったのだが、今後は「ブログ読んでれば誰だかわかる」ぐらいの人にはなっていくんじゃないかな・・・と想像している。


長い間休んだり、いきなり書き出したりと安定しないブログではあるけれども、時々見に来てくれると大変嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします。

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