最近読んだ本のこと(2019年8月後半)
8月後半は米国出張が入っていたり長編に取り組んでいたこともあり、本は一冊しか読むことができなかった。環境が変わるとそれだけで疲れてしまうので、出張が入るとダイレクトに影響が出てしまうのだった。
過去にIBMにいた身としては、IBMが先陣を切っている新しい技術には常に懐疑的になってしまう。それでも、量子コンピューターは間違いなく「いつか来る未来」だ。一方で研究を超えた商用化という観点からすると、量子コンピューターはまだまだ実現が遠い存在である。昔は50年後といわれていたのが、今は曲がりなりにも動いているのがすごいのだけど。
本書はその量子コンピューターの現状と、日本での研究・利用段階を、実際に利用しているデンソーの研究者がメインとなってまとめたものだ。最初の章で理論的な説明を行い、次の章では実際に研究が行われている色々なテーマが紹介されている。
ある程度量子コンピューターの知識を持っている人には、第1章の内容はやや物足りないだろう。一方で、量子的な振る舞いについての知識がない人には、理解が難しいに違いない。現在使われているコンピューターとの比較のためには原理的な説明が大切なのだが、理解へのハードルはかなり高い。
実務家にとっては応用可能な問題を理解することの方が大切なので、第1章よりも第2章のほうが面白いだろう。自分も、思ったよりもずっと日本での研究は厚みがあるのだな・・と感じた。うまく設定すれば、組み合わせ最適化問題と解釈可能な課題は多いので、クラウドで安く利用できるようになれば、まだまだ応用例は広がるだろう。
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