リモートでの営業活動時に気をつけたい4つのこと
自分の仕事は事業開発なので、この自粛期間でもリモートで営業活動は行なっている。アメリカ側との会議でリモートでの会話は慣れているので、自分が話す分には特に違和感なく話すことができている。
ところが、今日とある打ち合わせで「営業をされる側」になってみたころ、色々と新しい発見があった。折角なので、備忘録がわりに記録しておこうと思う。
1.集中しているせいか、すごく疲れる
これまで自分が参加していた電話会議は基本的に、知っている人と継続している内容を話すものだ。一方で、今日受けた営業は「知っている人が話しているが、内容はほぼ知らないこと」だった。
当然知らない内容なのでそれなりに一生懸命聞いていたのだが、わずか30分の営業を受けただけで、いつもは感じないような疲労感を感じてしまった。
画面にすごく集中していたせいだと思うのだが、画面に近づいて自分の視界がほぼ画面になったまま話を聴き続けるというのは、想像以上に疲れるものらしい。
画面にすごく集中していたせいだと思うのだが、画面に近づいて自分の視界がほぼ画面になったまま話を聴き続けるというのは、想像以上に疲れるものらしい。
自分が話す時にも緩急をつけて、相手側が気を抜けるタイミングを作った方がよいのかもしれない。
2.話したいタイミングで話せないとストレスが溜まる
リモートの会話はどうしても遅れがあるので、実際に会っている場合と比べて、相手の話に自分の相槌を差し込んだり、ちょっと質問をしたりするということがすごく難しい。
相手側が話を適度に切ってくれないと、延々と話を聞き続けることになる。
相手側が話を適度に切ってくれないと、延々と話を聞き続けることになる。
自分はわからないところがあったり、自分が聞きたいことが相手に伝わっていないと感じた場合には即座に聞いたり修正したりしたいタイプなので、この「自分が聞きたいことをタイムリーに聞けない」ということが、かなりストレスになる。
その上、リアルではそういった雰囲気を感じることができるような営業も残念ながら画面越しではそういったオーラを感じてくれないことが多い。この「自分の気配を感じ取ってくれない」こと自体もストレスになるため、相手が話し続けるというのは、正直かなり辛い。
1とあわせて、リモートでは通常よりもかなり多く、相手の意見を聞くという”隙間"を作った方がよいのだろう。
3. PC画面を使ったデモはすごくわかりやすい
ソフトウェアやSaaS製品のようなものは、PCを使ったデモが定番だ。リアルの営業活動ではプロジェクターを借りたり、そういった機材がない場合にはプリントアウトしたものを準備した上で、自分のノートPCを見せたりする。
これがリモートだと、画面共有でまるで自分のPC上で動いているかのようにデモを見ることが(見せることが)出来る。
これまでは話している側だったので気がつかなかったのだが、客側になってこのデモを受けてみると、これまでになくスイスイと頭に入ってくることを強く感じた。1とは反対の作用で自分のPC上での動きに集中できるせいなのかもしれない。
もし相手がノートPCを気楽に持ってこれるような職種の場合、今後はリアルの営業活動でもデモは相手側の画面にも共有できるようにしたほうがいいような気がする。
4. 画面共有での資料共有は圧迫感がすごい
これも1や3と同じ要因によるものだろうけど、文字が細かい資料を共有で説明されると圧迫感がすごい。自分の知らない情報が詰め込まれた画面が目の前に突きつけられるというのは、かなり辛いものがある。
せめて画面上で矢印を動かしてくれれば、どこを話しているかを理解できるので、話している側は「今は自分がどこを話しているか」が相手に伝わるような工夫をしてほうがよいだろう。
ちょうど、リアルのプレゼンでもポインターを使うような感じだ。
今回の感想はノートPC上でのやり取りをもとにしたものなので、タブレット端末を使った場合には、また違った感想になるかもしれない。
世の中はUX(ユーザーエクスペリエンス)という言葉が大流行りだが、思わぬところで体験価値の重要性を知った。
営業のコンテンツがよくても、こういった要因で相手が話を聞いてくれなければ商談もうまくいかなくなってしまう。リモートでは、リモートなりの話し方があるということだ。
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