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2023年5月

2023年5月30日 (火)

スタートアップ雇われ役員が感じる信託SOの税制判断と影響(その1)

先週末に日経新聞に信託型SOに関する税制判断の記事が載っていた。世の中のほとんどの人にとってはどうでもいい話なんだけど、自分も片隅にいるスタートアップ界隈ではかなり話題になった記事だった。

株式報酬で税負担増も、税率最大55%に 国税庁が見解(日本経済新聞)

ここで話題にされているのはいわゆる信託型SOというスキームで、これまでも税制的にはグレーとされていたものだった。日本のストックオプション制度というのは付与する側の会社側の問題や制度の不備もあってあまり使いやすいとは思えないのだが、一応は「税制適格型」と呼ばれる形や「有償SO」と呼ばれるスキームが存在する。この信託SO型はこれらの形では答えられないニーズに応える・・という形で生み出されたものだ。


信託型SOの最大のポイントは「配布対象を事前に決定せずに、上場後にポイントの形で配布可能となる」という点にある。SOは大体の企業で発行上限の割合が決まっている。その割合の中で社員に不満のないように配布をするというのが重要なのだが、これはそんなに簡単なことではない。一般的には立ち上げ期からいる人がより多くもらえるようにするのだが、「立ち上げ期からいる人」と「上場に重要な人物」が必ずしも同じであるとは限らない。また、上場に向かってはバックオフィスのリーダーに経験のある人を迎えたいという企業は多く、その人向けのSOを残しておくということもしなければならない。

信託型SOはそういったSO配布の問題を「後から」解決できる方法として、多くの会社で採用されている。今回はその信託型SOを「給与扱い」にするということが示されて、スタートアップコミュニティでは話題になっていた。これまではSOはあくまで金融所得扱いだったので、一律で税金は20%だったのだが、これが給与扱いだとすると55%になる。この差は大きい。しかも、すでに配布及び売却をした企業・個人は「遡及して」納税が必要になるとのこと。これはかなりダメージがある。

個人的には、信託型についてはSOという思想からはかなり外れているために、あまり好きではなかったし、給与(というよりも賞与)扱いと言われれば、その運用上は否定は難しいと思っている。また雇用される側から見ても、信託型SOのポイント設定もかなり経営陣が恣意的に決められる上に、上場に向けての貢献度を一元的な指標に落とし込むのは難しいため、どうしてもそこには不透明さが残る。契約書内に最低条件として記載されている方が、優秀な人材がスタートアップコミュニティに流れ込むには良いと思うのだ。

 

・・・とここまでを書き終わったところで、税制適格SOの評価額についての見解発表があり、話題はそっちに移ってしまった。こちらについても備忘録がわりに記録しておこうと思う(続く)

2023年5月17日 (水)

感覚過敏の息子が新しいことにチャレンジするために必要だった3つのこと(その1)

うちの子供はいわゆる発達障害の中でも、「感覚過敏」という特性を持っている。これは人よりも音が大きく聞こえたり、肌触りや口触りなどの感覚が異常に強いという特性だ。この特性により、学校の音楽の授業は参加出来ていないし、走る音や掛け声などが一斉に聞こえてくる体育の授業もかなり苦手にしている。
加えて不安感もかなり強く、とにかく新しいことを始めさせるのにはこれまでずっと苦労してきた。動画を見せたり本を読んだりするのはもちろん、事前にそのイベントが実施される場所に行くことも必須。できる限り親も一緒に参加するし、何か活動をできなくても「場にいるだけ」でも彼にとっては大きな成果だった。※1

それが4月に新しい学年になってから、これまでとは見違えるぐらいに新しいことにチャレンジが出来るようになってきた。親としても驚いたのと、もし同じような悩みを抱えている方がいれば参考になるかもしれないので、簡単にまとめておこうと思う。

 

本人の成長を待つ

「そんなこと言われても、不安だし、大変で・・」と感じるのはわかるし、我が家も専門家に言われるたびに"外の人間はそういうしかないよな・・"と思っていたのでとても大きな声では言えないが、やはり 本人の成長はとても大事なファクターだということを、最近は改めて実感している。 我が家の場合、「何かをやってみようね」と持ちかけても、小さい頃にはその時点で泣いてしまったり心を閉ざしてしまうと言うことが多かった。 こうなるといくら毎日一緒に顔を合わしている親でも、できる事はほとんどない。無理矢理何かをチャレンジさせて、そこでひどい経験をしてしまうと二度とチャレンジができなくなってしまう。なので、本人がどうしても前向きになれない事は無理強いはしない方針でいた。

ところが、新しい学年に上がるころから身体的な体力がついてきたのと比例して、ゆっくりとではあるが彼の世界が広がっていることを実感している。これまでは新しいことにチャレンジするとすぐに疲れてしまっていて数日間はダラダラと過ごしていたのが、一晩寝れば元気になっているし、新しいことにも「とりあえず一歩をやってみよう」という気持ちになっている。
もちろん日々のあれこれによって疲弊してしまい実際にチャレンジに至らないこともたくさんある。それでも、そういう場合は「気持ちが前向きになったこと」を誉めてあげて、気持ちよく一日を終わるようにしている。

もちろん、その裏では妻が色々な情報を提供したり、おだてる・なだめすかすをやっているわけだが、これまではそれでも本人の気持ちが変わらないことが多かったわけで、やはりこれは成長によるものだと言わざるを得ない。ただし成長と共に、嫌なことは明確に嫌だと意思表示をするようにもなっているので、こちら側も話の持って行き方をうまくしないといけない場面も増えた。この辺りは、親の方がうまくアジャストすべきポイウントだと思う。

(この他にもポイントがあり、一気に書こうと思ったのだが、だいぶ長くなってきたので数回に分けることにしました)

 

 

※1・・・これらの判断は親が勝手に決めたわけではなく、専門医に検査をしてもらった上で診断をしてもらっている。また行政の専門家や学校のカウンセラーなどの意見も確認済み。

2023年5月15日 (月)

感覚過敏の息子が新しいことにチャレンジするために必要だった3つのこと(その2)

(その1から続きます)

その1にも書いたように、少なくとも我が家の場合には「彼個人の身体的な成長」は、新しいことに前向きになるためには必要不可欠だった。その準備がある程度できたところで、これから書く2つの方法がうまくハマったのだと思う。


先生とマンツーマンで取り組める環境作る

学校生活ではどうしても先生1人が10人以上の生徒を見ることになるし、習い事でもやはり複数人になることが多い。そういった環境では「自分のペース」で進みたい、なるべくノイズが少ない環境ですすめたいと考えている息子はどうしても臆病になってしまう。そこで、我が家では彼が新しくチャレンジすることには、可能な限り先生とマンツーマンで取り組める環境を準備することにした。

勉強関連に関しては、コロナをきっかけにして急速にリモート環境が進んだおかげで、マンツーマンの環境を準備するのはそれほど難しくはなかった。例えば「みんなの声がうるさくて授業に参加できない」英語の場合には、小学生向けにリモートでマンツーマンで対応をしてくれる会社が存在している。”勉強をします”というよりは、英語に慣れるための環境提供といった感じだが、小学生低学年の自分の息子にはそれで十分だ。


難しいのは場所を必要とする体育や音楽などの実技系の授業だ。結論から言ってしまうと、音楽に関してはマンツーマンで対応してくれる音楽教室などはすでに見つけているが、子供・親共に優先順位が高くないということで、今のところはまだあまり参加できずにいる。自分は小さい頃からエレクトーンを習っていて、子供にも音楽はできるようになってほしいという気持ちがあるのだが、親の願いよりも子供の意向優先だ。
体育に関しては、それなりのお値段がするものの、マンツーマン指導の先生を派遣してくれるサービスがあるので、そのようなサービスにお願いをしている。特に水泳に関しては命に関わることだが都内中心部ではなかなか水泳教室に入ることが出来ないので、少人数(or マンツーマン)対応をしてくれるサービスはかなりありがたい※1

 

楽しいと思えるところで終了する

3つの中ではおそらく最も重要なことだと親としては思っているのだが、子供が何かにチャレンジする時には、彼が「楽しい」と感じている間に切り上げることが大切なようだ※2。何か習い事をする時には時間単位でお願いをすることが普通なので、親としてはつい時間いっぱいお願いをしたいところなのだが、受ける方の子供が疲れてきたらそこで終わりにするようにしている。

この効果はかなり大きくて、習い事やチャレンジが終わった後も子供の方から「思ったよりも楽しかった」「次もやってみたい」と伝えてくれることが明らかに増えてきたという感じがする。体調によっては予定していたよりもずっと早く終わってしまったり、無駄足になってしまうこともなくはないのだが、そこでぐっと我慢して”今日はもう終わりにしようか”と親が言えることが重要なのだ(とはいえ、ぐぬぬ・・という気持ちになることも多い)

 

繰り返しになるが、今日あげた二つのコツがうまく機能するようになったのは、ある程度の体力がつく年齢になったということが一番大きい。言い換えると彼の身体的・精神的な成長により最適な方法は変わってくるということだ。小学校高学年になればより自我も強くなるので、単純に楽しい/楽しくない以外の理由で新しいことにチャレンジしなくなる時も来るだろう。それでも、少なくともこれまでのように何もできずにいる・・ということが減ってきたのは親としては嬉しいし、同時にホッとしている部分でもある。

 

※1・・・子供向けのスイミングスクールもあるのだが、あっという間に枠が埋まってしまって数年待ちということもよくある。関東のドーナッツ都市で育った自分からはちょっと想像ができなかったが、都内では水泳を習うのはかなり大変なのだ。。。

※2・・・相談に乗っていただいている専門医の方からも、嫌な思い出は長く残る可能性があるのでやめましょう、と言われている。

減量を終えてblogを復活させよう

最近はすっかりご無沙汰になってしまったこのブログ、気がつくと2023年は1月1日に一本書いただけで止まってしまっていた。もう一つの「自分が見ているエンタメ」に関する記録blogはずっと続けていたので、仕事が忙しすぎて書けなかったというわけではない。ただ日常生活の空いている時間のうち多くを減量のための運動に使っていて、あまりアウトプットをしようという気にはなれなかった・・というのが正直なところなのだ。*1

その減量もようやく終わりが見えてきて、ようやく自分の生活をリブートしようという気になった。減量の話もいずれはblogに書こうと思うのだが、心臓の手術をした前後から減量を始めていたので、実質的に2年半ぐらいはダイエットをしていたことになる。流石にこれだけの期間をかけてじっくり体重を落とすと、一過性のダイエットというよりも体質改善という感じで生活そのものが大きく変わった。

またその間には会社が変わったり(2021年2月)、自分の個人会社を立ち上げたり(2022年6月)もした。そういった節目節目もあまり記録ができなかった。これからはその時々に何を感じていたか・・ということが後で振り返られるように、もうちょっと気楽に色々書いていこうと思う。blogタイトルに入っているCEIBSの単語から、MBAっぽい内容を期待されると全然違うので申し訳ない気もするのだけど、今更タイトルから抜くのも変なので、このままでできるだけ続けていきたい。

 

*1・・・エンタメblogはどちらかというと記録の意味合いが近い

2023年5月 8日 (月)

読んでみた: 新解釈 コーポレートファイナンス理論――「企業価値を拡大すべき」って本当ですか? 

昨年10月に出版されて「わかりやすい」「面白い」と評判になっていたファイナンスに関する本書を、ようやくGWで読み終えることが出来た。このエントリーを書くために出版日と購入日をみたら、いずれも10月で”流石に本を読まなすぎなんじゃ・・・”と反省してしまった・・。

本書はタイトル通りコーポレートファイナンス理論を、わかりやすく知識のあまりないビジネスパーソンにもわかりやすく伝えるということを目的に書かれたように見える。「企業価値を拡大すべき」って本当ですか?とやや挑戦的なタイトルが付けられているが、その答えは最初の方に、コーポーレートファイナンス理論にはそのような規範的な意味合いはないとあっさり回答が提示されている。 その後の本書内の話の展開を見ると、おそらく著者はこのタイトルに含まれていること、つまり世の中のビジネスパーソンが常識だと思っていることはファイナンスの理論から見た場合には正しくないことがある、と言うことを伝えたかったのだろう。

ネット上では本書はとても分かりやすいと評判だったのだが、その点については少し注意が必要だと思う。 タイトルにもある通り本書は「新解釈」を提供することが1つの目的なので、世間に流布している、あるいはオーソドックスな解釈と言うものは事前に理解しておく必要がある。 数式は全く出てこないし、基礎知識ゼロでも読み通すことができると思うが、初級のファイナンス理論をしている方がより面白く読めるだろう。

 

個人的には理論的な考察が提供される前半よりも、世の中のホットトピックに対してファイナンス理論から切り込んでいく後半の方が面白く読むことができた。特にESG投資に関しては自分もやや懐疑的だったので、少なくとも理論上は、あるいはこれまでのところ実証されたデータでは特に有利な点がないと言うのは頷けるところだった。

また、時々行間から発露するような形に関する熱い思いが伝わってくるのも本社の魅力だと思う。経営には理念が必要であり、理念を実現するためにビジョンがあり、ビジョンを実現するために経営計画や戦略があるとシンプルに語ることができると言うのは、著者が実務とアカデミアの世界を両方経験してるからだろう。 実務にどっぷりつかっていると理念やビジョンは単に「ビジネスの成果を実現させるための1つのツールでしかない」という感覚をどうしても持ってしまうのだが、本書のように真正面から取り組むことが、 実は長期的な成長と成功には欠かせないのではないだろうかと考えるきっかけとなった。

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