勉強している内容の備忘録: マンキュー経済学 マクロ経済 第1章
最近になっていくつか「勉強したい内容をお手軽に紹介する」本を買ってみたのだが、大体は知っている内容が書いてあるか、新しいことがあってもちっともアカデミックな内容になっておらずフラストレーションを感じていた。仕事をする上での実務的な情報は必要なのだが、それよりももっと知的なトレーニングをしたいのだ!という気分なのだ、最近は。
そこで思い切って、今年はちゃんとアカデミックな教科書を買って勉強することにした。勉強したかったことはたくさんあるし、流石に大学院レベルの数学をもう一度やろうとするとしんどすぎるが、学部レベルからならばキャッチアップは出来そうだし、何より頭は使ってないとすぐに錆び付いてしまうのだ。
本当は本郷の生協書籍部に行ってゆっくり本を選べたらいいのだが、流石にそんな時間は取れないので、WEBで母校のサイトから教科書を探してきた買うことにした。今は基本的な教科書は開示されているので、買おうと思えば大体はAmazonで買うことができる。
とりあえず最初のターゲットとしては、ずっと読みたいと思っていたのに、その分厚さのせいでビビって買うことができなかったマンキュー経済学を読むことにした。世界中の大学で使われているとはいえ、入門として使われることが多いのだから、きっとそれほど難しくなく読み進めることが出来るだろう。大学時代に1〜2年でステイグリッツ経済学を勉強した後に、いきなりアマルティア・センの厚生経済学を学ぶ羽目になって悶絶したことを思い出すと辛い気持ちになるが、それほどは難しくないだろう。。
マンキュー経済学 マクロ経済 第1章
この第1章では、経済学の基本的な考え方となる十大原理を紹介する。初学者向けの本なので、そもそも”経済学とは何か?”を定義するところから始めるのだろう。
[人々の意思決定]
- 第1原理:人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している
- 第2原理:あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である
- 第3原理:合理的な人々は限界原理に基づいて考える
- 第4原理:人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する
[人々の相互作用]
- 第5原理:交易(取引)はすべての人々をより豊かにする
- 第6原理:通常、市場は経済活動を組織する良策である
- 第7原理:政府が市場にもたらす成果を改善できることもある
[経済は全体としてどのように動いているか]
- 第8原理:一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している
- 第9原理:政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する
- 第10原理:社会は、インフレと失業の短期的トレードオフに直面している
ビジネスを含む日常生活を営む上では、やはり意思決定に関わる第1原理〜第4原理が重要に思える。そして特に重要なのは、第2原理と第3原理だ。
よくビジネスの企画を考えているときには、「購入者/消費者にXXのメリットを提供しよう」というアイデアが出てくる。第4原理によれば、メリットを提供すれば、それは購入のためのインセンティブになるはずだ。ところが、そういったアイデアは必ずしもうまくいかない(というか、取ってつけたようなメリット提供のアイデアは大体失敗する)。それは、その選択をすることにより購入者/消費者が負担しなければならない限界費用を考慮していないからだ。
この限界費用は経済学においては最終的には価格によって表現されるだろう。しかし現実世界においては、それは例えば「面倒臭い」といった感情であったり、あるいはわずか数クリック分の精神的なコストだったりするのだ。世の中には1ポイントを多くもらうために遠くまで出かける人もいないではないが、多くの人がそうだというわけではない・・・ということを、机の前で企画していると忘れがちになる人が多いのだ。
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