勉強している内容の備忘録: マンキュー経済学 マクロ経済 第5章
マンキューによる「経済学のイントロダクション」は第4章で終わり、この章からはいよいよタイトルにもあるとおりマクロ経済学の内容に入ってくる。人間を含む経済主体の意思決定を扱うミクロ経済とは異なり、マクロ経済は一国の経済全体を扱うのがカバー範囲になるので、マクロ経済学を取り扱う最初の章は国民所得という概念からスタートする。
マンキュー経済学 マクロ経済 第5章: 国民所得の測定
● 国内総生産の測定
本章では国内総生産(GDP)の概念について詳しく説明が行われるが、その前提として一国の経済においては「所得」と「支出」が同値になるということが説明される。これはイントロダクションのモデル図でも説明されたように、最終的に家計と経済主体(企業)の間での財とサービス、および支払いは一致するからだ。
その前提を踏まえた上で、本書ではGDPの定義を以下のように説明する(本当は映画があった方がより厳密になったと思うのだが、教科書内には英語での説明はなかった)。
GDPは、一定期間において、一国内で生産される全ての最終的な財・サービスの市場価値である。
上記を提示した上で、本書では「市場価値である」「一定期間において」「一国内で」「生産される」「全ての」「最終的な」「財・サービスの」の意味をより正確に説明していく。この辺りの説明はこのエントリーには書いておかないが、特に重要なのは「最終的な」であると、個人的には感じられた。
この「最終的な」というのは中間財を含まないということであり、統計上は中間財は計算から除外をしなければならないということを意味している。なんとなく実務上のイメージが湧かないのだが、一体どうやって計算を行っているのだろうか・・。
● GDPの構成要素
GDPをYで表すとすると、GDPは以下の恒等式により記述される。
Y = C + I + G + NX
C:消費(ただし住宅購入は除く)
I:投資 (住宅購入はこちらに含まれる、また在庫もこちらに入る)
G: 政府支出(年金などの財・サービスの生産を含まないものは、移転支払とカテゴリーされる)
NX:純輸出
● 名目GDPと実質GDP
この辺りはMBAでも勉強しているところなので、さらりと流して進むことができた。簡単に言えば名目GDPはインフレ率を考慮しない場合のGDPであり、実質GDPはインフレ率を考慮した場合のGDPとなる。財・サービスの生産という観点からは、当然実質GDPの方が重要になる。名目GDPだけを考えれば、極端に言えば生産能力が全く変わらない場合でも、貨幣価値が下がるだけでGDPは増加してしまうからだ。
・・・とここまで書いていた思ったのだが、実質GDPの方が重要であるというのであれば、なぜ経済を成長させるためにはマイルドなインフレの方が良いのであろうか。おそらく本書ではその辺りのこともちゃんと後の方で説明してくれると思うのだが、一応自分の備忘録として書いておこう。
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