新生活始動とともに、blogのタイトルを変更しました
日本に帰国してから2週間。ようやく帰国と就職にまつわる膨大な事務作業の終りが見えるようになり、一息をつけるようになった。5年半の間になくなってしまった書類も随分あるし、そもそも今とはだいぶ自分の状況も違っていてかなり適当に処理をしたものもあったので、おかげでほとんど全ての公的書類を一から出し直しているような気すらした。
仕事に関して言えば3月1日から出社しているのでとりあえず一週間は過ぎたのだが、実際の仕事をはじめたわけでもなく、ただひたすらこちらも事務処理をして、入社研修を受けているのみなので自分がそれこそ何をやるのかすらもまだよくわかっていない・・・。何せ世界中に支社のある会社なので、覚えることも膨大にあるし、情報入力だけでもとても一日では終わらない規模である。こちらもゆっくりとスタートを切れればと思っている(あまりゆっくりだとクビになってしまう危険性があるけど)
さて、そういうわけで少しずつ日本での生活も慣れ始めたところで、気分を一新しようとblogのタイトルも変えてみることにした。新しいタイトルは、これまでのMBA生活と、そして日本に戻ってきている気持ちを率直に表すということで"Outsider's eye"としてみた。タイトルとしては本当はそれだけでもいいのだけど、日本ではまだあまりいないCEIBSの卒業生としては、これからも母校の情報を引き続き載せていきたいとは思うし、また実際にCEIBSの情報を目的に来ているかたも結構いるので、そのあたりも入れ込むようにしている。
正直にいえば、自分が入った会社のことを考えると今までのMBA生活のように自由な発言をすることはできなくなるし、本来は実名や所属を出して自分の立場を明確にしたほうがよいのだろうか・・ということも悩んだのだけど、家族が出来た今となっては実名をデカデカと載せるのはやめておいたほうがよいだろうということで、TOPページには引き続きニックネームだけとすることにした。会社名に関しても、わかる人にはわかるだろう・・というレベルのままで実名を載せることはとりあえず控えている。
このblog、数回のタイトル変更を経てもう5年近く書いているのだけど、今までは上海のことを書いたりMBA生活のことを書いていたのが、日本に帰ってくるとごく普通のサラリーマンの日記になりかねない(爆)。そうなるのを避けるためにも、これからもアジアの話をメインに、自分が日本で学んでいることを書いていきたいと思う。
MBAが終わったとはいえ勉強が終わったわけではないし、電子書籍が普及してきたとはいえ、中国関係はまだまだ本でしか手に入らないものがたくさんあるので、そういうものを一つ一つさらっていきたいと考えている。MBA生活のエピソードで書けていないものもまだまだあるし。
タイトルの理由についても説明しておきたいと思う。
一つには、5年半いた中国をいったん離れて「外から」中国を見ていこうという気持ち。中国の中にいると物理的にも電子的にも容易に隔離されてしまうことから書けないこともあったし、手に入れずらい情報と言うのもあった※1。もちろん現地でしかわからないということもものすごくあるのだけど、同じ都市に5年もいて慣れてきたことを考えれば、少し距離をとって広く見るという意味では、今回の帰国と言うのは「より中国を知る」ための一つのステップにしたいと考えている。
二つ目には、5年半もいたのに結局自分は最後まで中国では「よそ者」だったという、その気持ちを忘れたくないということがある。中国語も話せるし友人たちもいても、それでも何か核心に触れたということが出来ない、そういう気持ちを持ったまま中国を離れることになったというのが嘘偽りのない今の気持ち。
世の中にはたくさんの立場があり、いろいろな言葉があふれているけれど、やはり母国以外の国に行って、自分が「そこに同化」したと感じるのは決して容易なことではない。個人的には、そこの国の人と結婚するか、受け入れる側が「対応可能な何かしらの条件と態度」を常に出し続けてくれる・・そんな環境でない限りには、なかなか自分が同化していると感じることはできないのではないかと思うようになった。・・・そして、僕がいた国は中国である。
最後に、自分が日本に帰ってくると、今度は「自分が海外で長く暮らしていた」ということをそこかしこで痛感する羽目になるだろう・・ということを今から覚悟しているということ。
もともと日本で働くよりももっと広い世界で働きたい・・と思って海外に出たことを考えれば当たり前という気もするが、やはり帰ってきても自分のリズムと社会のリズムと言うのはずれているなというのは実感する場面がたくさんある。きっとこれからも、ちょっとした違和感、ちょっとした擦れ違いを感じたり、あるいは「ああ、やはり海外で暮らした人間は変だな」と思われる場面はたくさんあるだろうと思えば、今からそういう心構えでいたほうがずっと気が楽だという気もする。
日本を出る時には「もう二度と日本で働くことはない」という気持ちをもって出て行ったのだけど、いろいろあってもう一度戻ってくることになった。ただ、昔はOutsiderであると感じることにどこかしらの寂しさというか、不適応であることに対して構えた気持ちがあったのだけど、今は幸運にもそういったことは感じることはなくなった。これからの少なくとも数年間は、自分のいた場所・いる場所をあたかも遠くから見ているように判断出来る、そういうことに喜びを感じながら生きていきたいと思う。
ということで、ダラダラとなってしまいましたが、過去のコンテンツもそのままに引き続きblogを続けていくことといたしましたので、今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
※1・・・VPNを使えば越えることが出来るとはいえ、twitterもFacebookも規制されている中国はやはり「壁の中」である。
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